ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

14年ぶり、そして初めての雪の涸沢: 涸沢岳・北穂高岳その2  

2017年4月29日(土)~5月4日(木) 長野県松本市 涸沢岳(標高3110m)・北穂高岳(標高3106m) 


4月30日(日)
まだ暗いうちに起床。時間はよく覚えていないのですが、4時ごろだったと思います。


IMG_7465.jpg
朝食を食べた後、5時半にはテントを撤収。せっかくきれいに整地したのに一晩で使わなくなるなんて、なんとなくもったいないと思ってしまいます。


トイレの前のベンチに荷物を置き、出発の準備を整えます。


IMG_7466.jpg
朝日に輝く白い峰は前穂高岳かな。


IMG_7468.jpg
6:00 準備を終えて、涸沢に向けて出発します。横尾橋はクランポン禁止なので、出発時にクランポンをうっかり装着しないように注意が必要です。


IMG_7470.jpg
橋を渡ると、フラットな広い谷に沿ってトレースが続きます。左手前方に屏風岩の巨大なフェイスが見えてきました。


IMG_7472.jpg
やがて屏風岩のそそり立つ岩壁が次第に近づいてきました。屏風岩というよりもドームといったほうが似合っているように思います。


IMG_7473.jpg
さらに進んでいくと、屏風岩の奥に真っ白な頂が見えてきました。北穂高岳でしょうか。


IMG_7475.jpg
7:23 ずっと谷沿いの斜面をトラバースするように歩いてきましたが、ようやく谷に降りてきました。夏道だと本谷橋がかかっている場所です。夏道はここから右岸に登り、高巻くように道が付いていますが、積雪期は雪渓に埋まった横尾谷をそのまま進んでいくようです。


IMG_7476.jpg
横尾谷を詰めていくと、正面に北穂高岳が大きく立ちふさがってきます。


IMG_7478.jpg
途中で休憩をとっていると、屏風岩の方からドーンという大きな音が響き渡りました。何かと思って音のした方を見ると、屏風岩の上の方で雪崩が雪煙を上げながら滝のように流れ落ちているのが見えました。まだ8時だというのにもう雪崩が起きるのかと、ちょっと不安になりましたが、あの急傾斜の岩壁に積もった雪なら、ちょっとした気温の上昇でも雪崩れるだろうことは容易に想像ができます。横尾谷の両側にはそこまで急峻な場所はないし、木々もたっぷりあるので、あまり心配する必要はなさそうです。


IMG_7479.jpg
8:13 横尾本谷と涸沢の出合に着きました。右手方向にある横尾本谷から押し寄せた大量の雪崩の跡が出合を覆い尽くしています。、これから向かう左手方向の涸沢からは目立つようなデブリはなく、比較的歩きやすそうです。


IMG_7480.jpg
デブリに埋め尽くされた横尾本谷の奥に見えているのは、南岳でしょうか。


IMG_7481.jpg
ここでもまた、ドーンという巨大な音で前方を見上げると、北穂高岳の東壁から雪崩が滝のようになって落ちていくのが見えました。広い涸沢とはいえ、いつ巨大な雪崩に襲われるかわかりませんから、周囲に気を配りながら登って行かなければなりません。もちろん、ビーコンのスイッチはオンにしています。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




IMG_7482.jpg
横尾本谷との出合から涸沢に入り、一段登ったところから大きく視界が開けました。正面に見えるのは前穂高岳北尾根です。右奥の前穂高岳まで峻険な岩稜が連なります。


IMG_7483.jpg
右手の北穂高岳の山腹には、大規模な雪崩の跡もありますが、トレースのあるところまでは達していません。だからと言って絶対に巻き込まれないという保証はないので、あまり安心することはできません。


IMG_7484.jpg
このあたりは山腹に立木があまりないので、雪崩れは容易に発生するようです。


IMG_7485.jpg
大きくカーブする涸沢を詰めていくと、前方にそびえる岩の尾根が見えてきました。奥穂高岳です。ここからはスケール感が大きくなるためか、歩いても歩いても進んでいないような錯覚にとらわれます。その上、標高が高くなり空気も薄くなるためか息が切れ、少し歩いては立ち止まって息を整え、また歩き出すということの繰り返しです。


IMG_7486.jpg
9:31 ようやくゴールが見えてきました。中央に見える雪の丘の上に涸沢ヒュッテの屋根がわずかに見えています。


IMG_7487.jpg
涸沢ヒュッテの横には元気に泳ぐこいのぼりも。


IMG_7488.jpg
10:07 強烈な日差しと薄い空気に体力を削られながらも、ようやく涸沢のキャンプ場にたどり着きました。結局、クランポンを装着することなしにツボ足のまま涸沢まで登ってきました。思っていた以上に体力を使った感じで、足腰にもけっこうな疲労感が感じられます。わずかですが、筋肉痛もあるようです。


IMG_7489.jpg
とりあえず、テントサイトを探しにキャンプ場内に入ってみると、小屋から比較的近くて、中央の通路から少し奥穂高岳側に入った場所にいい具合の場所を見つけました。広さも余裕があるし、風よけの壁もまだきれいに残っています。テントサイトはここに決まりです。


IMG_7490.jpg
きれいに整地して、11時過ぎにはテントを張り終えました。


IMG_7492.jpg
一息入れながら奥穂高岳への登山ルートを確認してみると、どうやら涸沢小屋から登って行く夏道と同じルートでザイテングラートまで行き、そこから先はあずき沢を直登しているようです。登ってくる途中で大きな雪崩を2度も見ているので、あずき沢の直登には一抹の不安もありますが、危険な状態ではないのでしょう。


IMG_7493.jpg
雪崩れのことよりも、稜線に舞い上がる雪煙のほうが気にかかります。写真にも写っていますが、奥穂高岳の稜線から白い雪煙が高く舞い上がっています。キャンプ場にいるとそれほどでもありませんが、どうやらかなり強烈な西風が吹いているようです。


IMG_7496_20170511220742c39.jpg
こちらは北穂高岳。雪煙が舞い上がっているようには見えませんが、それでも同じぐらいの標高なので、風はやっぱりきついのでしょう。


IMG_7497.jpg
北穂高岳への登山コースは、なんと下の方が雪崩に覆われています。そのデブリの跡に沿って登山者が上り下りしているようで、本当に大丈夫なのかと驚いてしまいました。


予定では、涸沢にテントを張って、そのまま穂高岳山荘へ行って一泊、翌日奥穂高岳に登って涸沢に下山、そのまま北穂高岳に登って北穂高小屋に宿泊、翌日は涸沢で1泊して、次の日に上高地へ下山ということにしていましたが、体力的にやっぱ無理だなと感じます。時間的にこれから穂高岳山荘へ登ることは可能ですが、疲労感がけっこうあり気持ち的にあまり気が進みません。


とりあえず、テントの受付を済ませておこうとキャンプ場入り口にある受付テントに行ってみると、誰もいないしテントも閉められたままです。山小屋で受付しているのだろうと思って涸沢ヒュッテに行ってみると、なんと14時からキャンプ場の受付テントで受付を行うとの札が玄関にぶら下がっていました。


穂高岳山荘に上がるのに2時間半ぐらいかかることを考えると、遅くとも13時には出発したいところです。14時の受付を待っていたら遅すぎます。受付しないでそのまま行くという手もありますが、やはり手続きはきちんとしておきたいところです。


どうしたものかと考えながらヒュッテの中に入ってみると、玄関に設置されたテレビで天気予報が流されていました。明日5月1日はどうやら雨のようです。とすると、今日穂高岳山荘に泊まっても、あすは荒天で登頂は無理そうです。2日は晴天予報になっているので、登るのなら2日のほうが適しています。しかし、1日に荒天の中を穂高岳山荘へ登ることになり、それはそれでやばそうです。であれば、2日の早朝に涸沢を出発して、日帰りで奥穂高岳に登るというのが一番現実的かもしれません。1日の天気次第でどうするかを判断すればいいわけで、テントの受付のことなども考えると、今日はおとなしく涸沢で泊まるのが最善だという結論に達しました。


ということで、本日の行動はこれにて終了です。とりあえず、おなかも空いてきたので涸沢ヒュッテの展望テラスで穂高の山々を見ながらランチをとることにしました。


IMG_7498.jpg
ランチとして選んだのは、これ。カップヌードル シオ。 長らく食べていないので、テラス横の売店で見つけた時に思わず手が伸びてしまいました。カレーが1000円もするのに比べると、400円とそれなりにリーズナブルです。それでも、下界の3倍ぐらいしますから高いといえば高い。とはいえ、白い北穂高岳を正面に見ながらカップヌードルを食べることができるのですから、付加価値と考えれば400円も妥当と思えてしまします。


IMG_7499.jpg
3分経つのを待ちわびて、わくわくしながら蓋をとると、あれ? スープがない。この写真は、スープを飲んでしまったわけではなく、蓋をとった直後の状態です。売店のお姉さんがお湯の分量を間違えたのか、はたまた意図的に少なめに入れたのかわかりませんが、スープはカップの半分ぐらいしかありませんでした。当然、麺も十分柔らかくなっていなくて、いわゆる固麺状態です。まあ、食べられないわけではないので、このままおいしくいただきました。ちなみに、涸沢ヒュッテは水が豊富で、水場でも凍結防止で水を流しっぱなしにしてあるぐらいですから、節水のためにお湯を少なくしたというわけではないはずです。まあ、湯気でよく見えなかったか、勘違いしたということにしておきましょう。


IMG_7500.jpg
ラーメンを食べながら、四方の風景を楽しみました。こちらは正面となる北に見えていた北穂高岳。


IMG_7501.jpg
西には奥穂高岳。


IMG_7502.jpg
背後にあたる南側には前穂高岳。


IMG_7503.jpg
そして、東には涸沢と屏風岩、その奥には常念岳から東天井岳への稜線も見えています。


ランチを終えてテントに戻り、少し昼寝をとったあと、早めの夕食をとりました。


IMG_7506.jpg
夕食後、テントから外に出てみると、前穂高岳の山頂を夕陽がほんのりと赤く染めていました。


IMG_7507.jpg
太陽は稜線の向こうに沈んでしまい、3000m峰に囲まれた涸沢カールには、夕闇が足早に忍び寄ってきます。空には夕陽を浴びてわずかに赤みを帯びた雲が、家路を急ぐかのように足早に飛び去って行くばかりです。昼間あれほどぽかぽかだった空気も、いつの間にかひんやりとした冷気にかわっていて、涸沢が夜の闇に包まれようとしていました。

20170430涸沢


つづく。


ランキングアップにポチッとご協力お願いします。
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

登山用品・アウトドア用品専門店 好日山荘《公式通販》
関連記事
スポンサーサイト

| 2017年4月 涸沢岳・北穂高岳 | 22:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

NEXT | PAGE-SELECT | PREV