ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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初めての厳冬期荒天登山~ガス・風・雪の三重苦: 八ヶ岳・赤岳その2

2017年1月2日(月)~3日(火) 長野県茅野市 赤岳(標高2899m) 小屋泊単独行 


1月3日の朝は、午前5時30分ごろに目覚めました。まだ暗かったので、外がどういう天気なのかわかりませんが、誰かが雪が降っているというのが聞こえたので、布団の中でがっかりしたのを覚えています。


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行者小屋の朝食は午前6時です。ずいぶんゆっくりだなと思いましたが、冬は7時近くにならないと明るくならないのでそんなものかもしれません。朝食のメニューは、ごはん、味噌汁、焼きシャケ、昆布巻、ニンジンとジャガイモの煮物、漬物、梅干し、納豆、海苔などでした。大きなお皿に小さなおかずがぽつぽつと置いてあると、なんだかものすごく制限された食事のような雰囲気なので、もう一回り小さなお皿にすればいいのにと思わないでもありません。


食事を終えて部屋に戻り、窓から外を確認すると、どんよりとしたお天気で、ガスも出ています。雪のほうはパラパラ降っているという程度だったので、天気が良くない割にそれほど視界が悪いということはありません。風も、小屋の周辺ではわずかに吹いているという具合だったので、登頂をあきらめて帰る理由は特に見当たりません。もちろん、上に登れば登るほど風も雪もきつくなる可能性が大きいのですが、現時点では問題ない状況です。いまいち気分がのらないのですが、今回は写真ではなく登頂が主目的の登山なので、とにかく登ってみることにしました。厳冬期の悪天候時に行動した経験はほとんどありませんから、今回はいい勉強になりそうです。うかつに行動して遭難してしまっては元も子もないので、慎重かつ冷静に行動することを肝に銘じていくことにします。


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7:58 準備を整えて外へ出ました。ガスと小雪で50mぐらいの視界です。寒さは鳳凰山のときと大差なく、風が弱いのでそれほど厳しいわけではありません。行者小屋から地蔵尾根を登って赤岳に登頂し、文三郎尾根で下山することにします。


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地蔵尾根への取り付きはやや傾斜のある森の中の道で、トレースはしっかり残っていました。行者小屋から急激に高度を上げる急登なので、汗をかかないようにハードシェルは着ないでゆっくりと登って行きました。


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気温は、マイナス11度。TNFのパラマウントタンクをドライレイヤーに、200番手のメリノウールシャツ、中厚手のフリース(マムート アコンカグアライトジャケット)、ソフトシェルジャケット(マーモット アイソザムフーディ)といういでたちで、特に寒さを感じることはありませんでした。


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次第にまっすぐ登るのがきつくなるほどの急傾斜に変わってきたので、サイドステップを織り交ぜながら登っていきます。


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8:29 階段が現れました。鉄パイプで組まれた手すりが設置されていますが、手すりの表面には雪や氷が張りついていて、手で握っても滑るばかりでかえって危険です。階段のステップにも半分埋もれるように雪がのって固まっているので、つま先しか載せることができず、けっこう厄介でした。アックスを使って安全を確保しつつ、一段ずつ丁寧に登りました。


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階段を上りきると、やや傾斜はゆるくなるものの、雪が少し深くなったように感じます。


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やがて、左手前方に崖が見えてきました。そろそろ樹林帯が終わり、地蔵尾根の核心部が近づいてきたようです。


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傾斜のきつい、谷状地にでました。新雪直後なら雪崩が起きても不思議ではないような場所です。年末年始は降雪はなかったはずだし、足元の雪の状況も安定しているようなので、問題はなさそうです。左手の崖の横に階段の手すりらしいものが見えていますが、ほぼ埋まっています。トレースは階段を目指すのではなく、やや右上に登りながら途中で向きを変えて左上へと続いています。左上には尾根が見えているので、あそこまで登ったら尾根道になりそうです。


小屋のあたりに比べると風もきつくなり、尾根道に出る前にハードシェルジャケットを着ておきたいところですが、なにしろ急傾斜の雪面なので、そんな場所はありません。とにかく、左上の尾根まで行くしかありません。滑落しないように、クランポンの爪がしっかりと食いついているのを確認しながら尾根を目指します。


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8:48 尾根に出ました。幸い、強風が吹き荒れているということもなく、また、ちょうど荷物を降ろして休憩することができるぐらいの平坦なスペースがあったので、助かりました。ちょうど上から降りてくる単独行の男性がいたので、風の様子を聞いてみたところ、朝は20mを超えるような強風が吹いていたけれど、いまはかなり収まっているので問題ないとのことでした。どうやら、強風の心配はしなくてもよさそうです。問題は、視界不良による道迷いと、ミスによる滑落です。慎重な行動を心がければ、かなりの確率で切り抜けられると思うので、登頂を続行することにしました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




ハードシェルを着ている間にも、下山してくる人がいたので、すれ違いを待つ時間を利用して、軽く行動食を食べたりお湯をのんだりして休憩することができました。


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休憩場所のすぐ上にある階段は、最初に出てきた階段よりも幅が狭く傾斜もきついもので、鉄パイプの手すりはツルツルでした。なので、やっぱりアックスを使って安全を確保しつつ、クランポンのつま先でよじ登りました。年末に地蔵尾根で滑落した人がいたという話を聞いていたので、手足の動作ひとつひとつを慎重に確認しながらの行動が続きます。


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階段を上りきった先に、半分雪に埋まったお地蔵さんがいました。思わずひざまずいて手を合わせて、無事下山できますようにと祈りました。無事登頂ではなく、無事下山と願掛けしたことに気が付いて、やっぱり生きて帰ってこそ登山だよなあと自分の気持ちに納得しました。


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お地蔵さんのところから上を見ると、前方に人影が見えました。どうやら先行者がいるようです。今日は、地蔵尾根の取り付きで男性2名のパーティーを追い越して以来、登山者にはまったく出会っていないので、登っている人もいるんだとちょっとだけ安心しました。誰も登山者がいないと、登山するような天候ではないのに無謀な登山をしているかのような気になってくるので、やはり不安感がわいてきます。


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お地蔵さんの場所から岩場に設けられた道を登っていくと、幅の狭い尾根にでました。そこそこの高さもあるし、左右は切れ落ちているのですが、視界が悪いためか怖さはまったくありませんでした。写真は渡りきってから振り返って写したものです。


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前方にはすでに幅広くなった尾根があり、その向こうに崖が見えています。どこまで行けば稜線にでるんだろうかと思いつつ、登って行きました。


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登っていくと、まだ鎖の手すりが見えているナイフリッジを通過します。ここも、左右の切れ落ちている場所ですが、傾斜があまりきつくないので、恐怖心はあまりわいてきません。


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9:10 手すりの見えていたナイフリッジを通過し、その先の岩場を超えると、突然地蔵さんと道標が現れました。地蔵尾根を登り切り、稜線に出たのです。山と高原地図のコースタイムだと行者小屋から赤岳山頂まで2時間10分となっていますが、地蔵尾根だけなら1時間20分ぐらいとみていたので、思っていたよりも早く登り切れたようです。それほど冷や冷やするような場所もなかったので、聞いていたほどきついコースではなかったなというのが正直な感想です。


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稜線上はそこそこ強い風が吹いていましたが、体が持って行かれるほどのことはなく、風の心配はそれほどしなくてもよさそうです。地蔵尾根の分岐から右手方向に行けば赤岳展望荘があるはずですが、ガスが濃くてさっぱり見えません。岩の先がどうなっているのかもよくわからないまま、とりあえず地蔵尾根の分岐から右へと歩き始めました。


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岩の先からいったん下って再び登り返すようです。右側は切れ落ちているようなので、トレースを外さないよう注意しながら進みました。


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9:15 進んでいくとぼんやりと建物らしき影が見えてきました。赤岳展望荘です。建物の陰に先行者がいて、吹きさらしの所に立っていた僕に、こっちは風がないよと教えてくれました。先行の登山者は年配の男性で、少し話をした後、先に出発していきました。


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気温はマイナス14度、風は5m前後といったところですが、ときおり強い風が吹き抜けていきます。


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森林限界を超えているので、この先はずっと吹きさらしの稜線歩きです。なので、装備やウェアのチェックをしておきました。


鳳凰山でコンデジの電池がすぐになくなって面倒だったので、今回はカメラをジャケットの内ポケットに入れて温めながら登っています。なので、カメラの電池はいまのところ問題なさそうです。


GPSのほうは、電池を交換してくるのを忘れて山小屋で通常のアルカリ電池を買って入れたので、気温がマイナス14度の世界ではあっというまになくなりかねません。なので、ハクキンカイロと一緒にバックパックのヒップポケットに入れておきました。


ゴーグルを本格的に使うのは今回が初めてですが、スワンズのダブルレンズゴーグルは登ってくる途中曇ることもなく、ちゃんと視界を確保してくれています。


ヘルメットも、ゴーグルが使えるものということで新しく購入したものですが、ゴーグルとの相性もばっちりで、ベルトがずれたり違和感を感じたりすることもなくいい感じです。


行動食とお湯で軽い休憩をとったあと、身支度を確認して赤岳山頂を目指して出発しました。


つづく。


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| 2017年1月 八ヶ岳(赤岳) | 15:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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