ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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厳冬期なのに晴天72時間: 鳳凰山その1

2016年12月30日(金)~2017年1月1日(日) 山梨県南アルプス市 鳳凰山(最高峰:観音岳 標高2841m) テント泊単独行 


毎年のことながら、年末年始の山行は2日前ぐらいにならないと決まりません。というのも、天気予報をにらみながらもっとも条件のいい山域を探しているからですが、今年は北アルプス北部以外はおおむね晴れ予報がでていました。ただし、風速だけは秒速15m越え予報が続いていて、時には20m越えもあったので、切れ落ちた稜線を歩くような場所は候補からはずし、比較的リスクが低そうな鳳凰山に決定しました。白峰三山の好展望地というのも理由のひとつです。夏に縦走した白峰三山を、今度は冬に離れた場所から眺めようというわけです。


鳳凰山は薬師岳、観音岳、地蔵岳の総称で、鳳凰三山とも言われているようですが、地形図や現地の看板や道標の表記は鳳凰山となっていたので、このブログでは鳳凰山という表記で統一します。白峰三山や毛勝三山のように三山がそれぞれ独立した山の場合は、総称として○○三山という言い方になるのでしょうが、鳳凰山や立山のようにひとつのまとまった山体に複数のピークがあるような場合は全体でひとつの山という認識なのでしょう。


12月29日に岡山を出発し、駒ヶ岳SAで車中泊、朝5時30分から温泉に入れる諏訪湖畔の岡谷健康福祉施設ロマネットで朝風呂を楽しんでから夜叉神峠駐車場を目指しました。


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9時過ぎに夜叉神峠駐車場に着くと、駐車場はそこそこ車が停まっていました。すべてが鳳凰山方面への入山者ではないのでしょうが、やはり人気の山域ということで、それなりに入山者がいるようです。ちなみにここまでの道はまったく積雪はなく、ノーマルタイヤでも上ってこられたであろうという状況でした。


夜叉神峠駐車場にある公衆トイレは、基本的に閉鎖されていましたが、冬季用の個室が利用可能です。ただし、このときはあまりきれいな状態ではなかったので、できれば使用しないで済むように上がってくる前にトイレは済ませておいたほうがいいのかもしれません。また、登山口の階段脇に水道の蛇口が設置されていて、水が出る状態でした。飲用可能かどうか不明ですが、少なくとも手洗いとしては利用できるようです。


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9:28 登山口からまずは夜叉神峠を目指します。準備しているときに夜叉神トンネル方面に向かうパーティーがいたので、北岳を目指していたのでしょう。そういえば、以前は日中はトンネル入口に警備員がいて通行しようとすると止められるので、警備員のいない深夜早朝でないとトンネルを歩けないという情報をネットで見た記憶があるのですが、最近は自由に通れるようになったのでしょうか。そうであれば、いつか厳冬期の北岳も訪れてみたいものです。


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東屋の入山届ポストに用意して来た入山届を提出し、重い荷物を背中に感じながら歩き始めました。荷物の増える冬季のテント泊は軽く20kgオーバーの荷物になりますが、昨年寒さでよく寝られなかったことを反省して今年は防寒対策の荷物を増やしたので、例年より若干重くなっていると思われます。


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夜叉神峠までの道のりはとくに急傾斜の場所はなく、道幅もそれなりにあり、冬枯れの明るい森の中を淡々と歩き続けます。


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11:06 コースタイムでは1時間程度ですが、休憩時間を入れて1時間半もかかってやっと夜叉神峠に出ました。


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峠からは正面に雪をかぶった南アルプスの白い頂が見えていました。北岳かと思いましたが、どうやら間ノ岳と農鳥岳のようです。


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峠から右へ行くとすぐ先に夜叉神峠小屋があり、ベンチとテーブルが設置されているので休憩に最適のロケーションです。ただし、小屋は休業中で、チップ式のバイオトイレも使用不可でした。


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小屋の前はフラットな広場になっていて、眼前に白く染まった白峰三山がまぶしいほど輝いていました。


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やっと姿を見せてくれた北岳ですが、池山吊尾根が邪魔をして、山頂付近しか見えません。もっと登らないと北岳の全容は観られないようです。


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間ノ岳はそのどっしりとした大きな姿を堂々と見せていました。


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農鳥岳も手前の山にやや邪魔されているものの、その姿はしっかりと見えています。雲ひとつない真っ青な空の下、真っ白に雪化粧した白峰三山が眼前に連なっている姿は、なかなかの光景です。


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11:23 行動食で軽くエネルギーを補給してから、長い稜線の道を歩き始めました。


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夜叉神峠小屋からいったん鞍部に向けて下ります。


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下り終えた鞍部からの登り返しが、けっこうな急勾配でいきなり試練の山行が始まりました。


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急勾配を登りきるといったん緩やかな尾根道になり、少し楽になります。しかし、標高2000mをすぎたあたりから徐々に勾配がきつくなり始め、杖立峠まで同じ調子で坂道が続きます。


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夜叉神峠小屋から杖立峠までの区間に、たった1ヶ所ベンチが設置されています。確か標高2070m付近だったと思います。小さなベンチで、二人座ればいっぱいになるようなベンチですが、大荷物を背負った身にはとてもありがたいベンチでした。なにしろ、荷物を地面に下ろすのにも力が必要だし、それを持ち上げて背負うのも重労働ですから、ベンチに荷物を下ろして、座った状態で下ろしたり背負ったりすることができれば力を使わなくて済むので楽なのです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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13:20 やっとこさ杖立峠に着きました。2時間のコースタイムとほぼどんぴしゃでした。峠の少し手前で小休止をとったので、ここは休憩せずに通過です。


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苺平までまだ2時間半の行程です。しかし、苺平から先は南御室小屋まで緩い下りになるはずなので、この2時間半が本日最後の試練です。


荷物の重さに根をあげて、20分程度に一度小休止をとるような歩き方になってしまいましたが、案外それがよかったのか、疲労が蓄積して肩や腰が痛くなる前に一時的であれ開放されるので、体の負担は楽だったようです。


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2200mあたりから徐々に雪が出てきましたが、まだうっすらと残っている程度なので登山靴のままで問題ありません。ただ、踏み固められた雪が凍結してアイスバーンになっているところもあったりするので、あまりうかつに歩くことはできません。


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14:26 火事場跡という開けた場所に出ました。


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苺平まで140分と書かれているように見えますが、杖立峠で苺平まで2時間半、つまり150分となっていたので、ほぼ中間地点である火事場跡まで10分しかかかっていないわけがありません。なので、苺平まで140分というのは明らかにおかしいといえます。しかし、1時間40分でも長すぎるし、40分だと短すぎるし、どうもよくわからない表示です。


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火事場跡をすぎると次第に雪が多くなってきました。そして凍結した部分も増えてきました。


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道の勾配がきつくなり始めたところで小休止をとり、ついでに滑り止めのスノーグラバーを装着しました。まだ雪は深くなく、石がたくさんでているのでクランポンではかえって歩きにくく、登山靴のままでは凍結して滑るという状況でとても役に立つ滑り止めです。







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15:37 完全な雪山と化した苺平には、コースタイムより少し早く着くことができました。ここにきてやっと厳冬期の雪山にやってきたという実感が湧いてきました。まったく展望のない苺平なので、鉄パイプのケルンに荷物を引掛けるようにして少しばかり肩から荷重を軽減させて立ったまま水分補給の小休止をとっただけで、すぐにまた歩き始めました。


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苺平からゴールの南御室小屋までは、30分の下りです。


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苺平からは尾根の東側を通るので、午後になると完全に日陰の道です。苺平までの道のりは、樹林の中とはいえわずかでも日差しがあったのでそれほど寒さは感じませんでしたが、さすがにまったく日差しがなくなるとじわりと冷え込んできます。幸い道はフラットに近いくだりなので、歩くペースを速めて体を温めながら進みました。


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16:10 日暮れ近くなって南御室小屋にたどり着きました。ゆっくりしたいところですが、すぐに日暮れになってしまうので、さっさと受付を済ませてテント設営にとりかかりました。キャンプ指定地は小屋に向かって左手奥にあります。


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幸い積雪は浅く、ほぼフラットな場所がテントサイト奥の木の下にあったので、地均しもなしで直接テントを張りました。今年は、昨年の反省をもとに冬用の外張りを購入しました。荷物が重くなってしまいますが、寒さで眠れないよりはましです。おかげで、テント生活は昨年までと比べるとだいぶん快適になりました。なにより、結露が大幅に減ったのが助かりました。もちろん、テント内の気温も外気温より高く、昨年までのように冷凍庫の中にいるようは底冷え感がありませんでした。また、テント内でお湯を沸かしても、霧が発生することもありませんでした。それだけ室温が高いということなのでしょう。やはり、厳冬期のテント泊はシングルウォールテントよりもダブルウォールテントのメリットのほうが大きいといえます。


テントを設営し終えて、荷物の整理などしているとあっという間に日が暮れてしまいました。夕食はラーメンで簡単に済ませて、明日に備えて早めに寝袋に潜りました。明日の予定は鳳凰三山縦走です。日の出前に出発し、朝日に染まる北岳を撮影したらそのまま地蔵岳まで縦走し、ピストンで戻ってくるつもりですが、休憩込みで往復すれば7時間ぐらい必要なコースです。今日の行程がどの程度疲れを残しているかによっては、地蔵岳はあきらめることになるかもしれません。若干の寒さを感じつつも、十分寝られる暖かさの寝袋の中で、稜線の風の強さを考えているうちにいつしか眠りに落ちていました。

つづく。

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| 2016年12月 鳳凰山 | 14:18 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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