ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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南アルプス 標高3000mの縦走路: 白峰三山 その4(間ノ岳編)

2016年8月11日(木)~14日(日) 山梨県 北岳(標高3193m)・間ノ岳(標高3190m)・農鳥岳(3026m) テント泊単独行 


8月13日(土)
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8:30 撤収完了。間ノ岳に向けて出発します。


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天気は上々、気持ちのいい稜線歩きです。朝早いので日差しのわりに涼しく快適です。


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中白根山までは緩やかな上りの道が続きます。前方の大岩が集まったあたりが標高3000mのようなので、それから先は標高3000mの縦走路の始まりです。


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標高3000mを突破しました。酸素が薄くなっているためか、息が切れます。振り返れば雄大な北岳の姿が見えました。ちなみに標高3000mの酸素量は、地上に比べると約70%ぐらいの量だそうです。


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9:11 中白根山です。なだらかでとても広い山頂です。眺めもいいので、荷物を下ろして小休止をとりました。中白根山は国土地理院のデータでは、独立した3000m峰としては扱われておらず、不遇の3000m峰です。北岳と間ノ岳の中間あたりにある山なんだから、独立した峰として扱ってあげればいいのにと思わないでもありませんが、稜線上の岩峰っぽい雰囲気なので、しかたないのかもしれません。


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9:22 行動食と水分を補給して、先へ進みます。


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正面には間ノ岳が大きな山容を見せています。


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中白根山を過ぎると、道は大きな岩がゴロつくやや歩きにくい状態になりますが、比較的フラットで楽です。


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木製の道標が埋めこまれたケルンの前を通過していきます。


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眼前に間ノ岳が迫ってきました。もうすぐ山頂です。


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山頂下の斜面は傾斜もあり、岩ゴロの道なので、けっこうタフでした。


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山頂が見えてきました。もう少し!


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10:30 間ノ岳登頂です。


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標高3190mは、いまだ未踏の奥穂高岳と並ぶ日本第三位。こうなると、早く奥穂に登りたいと思ってしまいます。


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照りつける日差しにじりじりと焼かれるような暑さを感じつつも、さえぎるものの何もない山頂でひとまず休憩です。最初こそ青空も覗いていましたが、休憩しているうちにガスが沸いてきて、周囲の視界はなくなってしまいました。太陽が隠れるので暑さが和らぎそれはそれでよかったのですが、ときどきガスが切れるとあっという間に炎熱地獄と化してしまいます。折りたたみの雨傘を取り出して、日傘代わりにすると炎熱地獄から開放されました。雨が降らなくても傘が役に立ちました。


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山頂には全身黒尽くめの白人の青年がいたのですが、大きなバックパックを担いで西に伸びる縦走路を下っていきました。三峰岳を経て仙丈ヶ岳や塩見岳へと続く道です。彼はいずれの頂を目指すのか。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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11:04 長い休憩を終えて、農鳥小屋へと下ります。農鳥小屋への道は、白人青年が下った道の反対方向、間ノ岳山頂からは東に向かうルートです。向こうに見えるケルンのところから下って行きます。


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ケルンから少し下ったところで、ルートは右に90度折れ南に向かいます。


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道は広い尾根の斜面をゆったりと蛇行しながら続いて行きます。北岳から間ノ岳まではたくさんの登山者が行き来していた道ですが、間ノ岳を過ぎるととたんに静かで人の少ない道になりました。


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広い尾根を下って行くと急に傾斜が増し、眼下に特徴的な岩峰が見えました。どうやら岩峰の左側を下っていくようです。


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岩峰の左側まで来て見ると、今までよりもさらに急傾斜の斜面があり、そこをジグザグに下っていくようです。この斜面を下っている途中で、うしろからトレランのカッコをした男性2名が追いついてきて、この手の人がよくやるようにすぐ後に張り付いてどけといわんばかりのプレッシャーを掛けてきましたが、道を譲るにしてもかわすような場所もないし、黙ってすぐ後に張り付いてくる態度がむかつくので、どこかで勝手に追い抜ける場所があるだろうから、ほおっておくことにしました。


いつも思うのですが、登山者の多い時期に人気の山域の一般登山道でトレランをしようという発想がどうしてできるのか、理解に苦しみます。休日の歩行者天国でマラソンの練習をするようなものであり、非常識としか思えません。スピードを競うような競技は、多くの場合専用のコースで開催されるものなので、トレランもどこか専用のコースを作ってそこで思う存分走ればいいのです。公道を使用するマラソンだって、競技の日にはちゃんと道路使用許可をとって一般歩行者と分離して行います。ランナーが練習するにしても、歩行者の多い場所でわざわざ走っている人をみたことはありません。なぜトレランだけ一般の登山コースを我が物顔で走るのでしょうか。


おそらくモラルの高いまともな人はお盆休みの混み合う時期にわざわざ人気のある山域には来ないので、非常識な連中だけが走っているのでしょう(本当のところはわかりませんが)。なので、この手の人たちを典型例としてトレランをする人すべてが非常識と決め付けるのは失礼な話なんだろうなとわかってはいるものの、狭くてすれ違いも困難な急傾斜の道で、無言で背後に張り付く輩を見るにつけ、トレランとその愛好者に好意的な気持ちにはなれないなと思うわけです。ちなみに、足の速い登山者は近づいてくるのがわかりますから、適当なタイミングで休憩をとったりして、先に行ってもらうようにしてます。


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11:59 農鳥小屋近くから仙塩尾根の三国平へのトラバース道分岐まで下りてきました。農鳥小屋までは、もうすぐです。


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12:13 農鳥小屋に到着です。噂の管理人さんがドラム缶に座ってこちらを見ていたので、「こんにちは」と挨拶しておきました。テント場はまだスペースがあるか聞いてみたところ、大丈夫だとのこと。ただし、これから増えるかもしれないので、張る時はあまりスペースをとりすぎないようにとのことで、口やかましいと噂の管理人さんですが、いたってまともなことしかいわれませんでした。ネット上では、間ノ岳から下山してくる登山者を双眼鏡でチェックして、歩き方などに文句をつけるとか、15時までに到着しないと説教されるとか、なにかと話題にことかかない人物のようです。僕の場合は、歩き方が気に入らないということがなかったのか、それとも到着時間が早く挨拶もしたためかわかりませんが、とりあえず到着早々不愉快にさせられることはありませんでした。


受付でテント泊を申し込んだのですが、受付のある小屋の中を見ると、なにかホームレスのダンボール小屋を髣髴とさせるものがありました。いつだったか写真で見た昭和初期のころの山小屋の情景そのままという感じです。受付はアルバイトらしい若い男性がしてくれましたが、管理人と二人でここに寝泊りしているのだろうかと思うと、アルバイト君も最初は衝撃を受けただろうなと思います。それとも、始めからわかっていて特に何も感じていないのか。


ところで、幕営料はネットの情報では500円とか600円とか出てきますが、このとき支払ったのは1000円でした。けっこう強烈な値上げをしたみたいです。きれいなバイオトイレと無料で便利な水場が使える北岳山荘でも800円なのに、ずいぶん強引な商売です。


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宿泊棟の屋根は一部完全に壊れて下地がむき出しの状態です。これでは雨が降ると雨漏りするでしょうし、壁の中などに水がしみて劣化が激しくなるはずです。修繕しないのかできないのかわかりませんが、なんだかなあ・・・


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テント場は、小屋を通り過ぎた左手の斜面にありますが、真ん中にどこかの学生の大型テントがはってあるだけで、まだまだ十分スペースはありましたが、ひととおり見て回った感じではどこも傾斜がきつく、あまり快適そうな場所がありません。尾根上の登山道脇にせまいながらまだましな場所があったので、そこでテントを広げたのですが、2人用のテントではスペースがぎりぎりで、しかも四隅のうちの1箇所が浮き上がってしまうという地面がねじれた状態だったので、テントサイトの一番下の段に移動したのでした。ここも写真のとおり傾斜がきつかったのですが、下の砂利が少なく、地面のねじれもないのでまだましかなという状況でした。背後に見えるのは、西農鳥岳手前のピークです。


キャンプ場から10分ほど下ったところにホースで引いてきた水場があり、戻ってくる時は15分ほどかかります。水量はそこそこあるので、空いていれば頭を洗ったり体を拭いたりということもできます。小屋で水を買う場合は1リットル100円だと言っていましたが、17時を過ぎると販売しませんとのことでした。小屋の内部の状況を見た後では、正直水の入ったポリタンクの衛生状態に疑問が残るので、素直に水場まで汲みに行きました。その意味では、宿泊者の食事で使う食器や鍋なども、想像すると寒いものがあります。


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トイレは小屋のはずれ、キャンプ場への降口にありますが、半ば崩れかけたような状態で、ワイヤーで崖下に落ちないように補強されていました。驚くべきは、汚物の処理方法。


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なんと垂れ流しです。南アルプスってたしか国立公園だったよなあと思って環境省のデータを調べてみると、白峰三山の稜線は特別保護地区に指定されています。なぜ垂れ流しのトイレが使われ続けているのでしょう。かといって国が自らお金を出してバイオトイレを設置するというわけにもいかないでしょうから、所有者が建替えを決めて、国が補助金を出すというような手続きが必要なんでしょう。それにしてもこれはないなあというのが正直なところですが、ではトイレを使うなといわれると困ってしまうわけで、難しい問題です。公衆トイレとして国がバイオトイレを設置し、管理を小屋に委託するというのではまずいのでしょうか。とにもかくにも、早期に解決されることを望みます。


ちなみに、このトイレはドアに鍵などありません。ドアノブ代わりの白い紐を内側に引き込んで、ちょうどいいところに打ち付けてある釘に引掛けることで鍵代わりになるようになってます。紐が外に出なくなるので、入っていることもわかるし、外からドアを開きようがないので、よく考えてるなと思いますが、初めて行った人にはわけがわからないことでしょう。僕も個室に入ってから、どうしたものかと考えた末にようやく理解できました。なお、男性用小便器はなく、個室のみです。それと、トイレットペーパーも備え付けはありません。必ず持参しましょう。


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トイレ前から見たキャンプ場です。テントがはってある場所のさらに奥の登山道沿いにも幕営場所があり、そこには韓国人パーティーが真っ赤なタープとテントを張って貸切状態でした。


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キャンプ場のすぐうしろに聳える西農鳥岳は、ガスがかかって全容がよくわかりません。


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14時頃にはガスにまかれていた西農鳥岳が姿を現しました。中央の半円状のピークがおそらく西農鳥岳だと思います。農鳥岳本峰は西農鳥岳の左にある平坦な稜線の奥に隠れているようです。


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テントに戻って食べ残していたお菓子でコーヒータイムにすることにしました。食べ残していたのは、このチョコリング。白根御池で粉々になっていたチョコシューと違って、こちらは袋の上からでもしっかりと形状がわかるぐらいしっかり形をとどめています。


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しかし、袋を開けて中を覗いてみると・・・チョコがとろけてどろどろ。さっき農鳥小屋のトイレを見たばっかりなので、思わずいやなものを思い出してしまいました。


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見た目はともかく、れっきとしたお菓子なので、箸でつまんで食べました。おいしいけれど、ビミョーな気分でした。


その後、ごろ寝しながら地図を確認したり、少しうとうとしていると、いつの間にか夕方になっていました。


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星景写真撮影に備えて早めに夕食を準備します。今夜の食事はカレーライス。といってもいつものレトルトではなく、アマノフーズの畑のカレーというフリーズドライ食品です。今年のGW山行から使い始めたフリーズドライ食品ですが、レトルトと遜色ない味なのに、圧倒的に軽いので、今後は定番になる予定。畑のカレーはごらんのような発泡スチロールの容器がついていて、不要なら持ってこなければいいのですが、たいした重さでもないし重ねて収納できるので、それほどスペースも必要ありません。なによりクッカーを汚さずにすむのが一番のメリット。食事の後はつぶしてバラバラにすればゴミとしてもコンパクトなので、持ってくるだけの価値はあります。ボリュームもそこそこあり、尾西の白米を丸ごと入れて食べてみると、十分おなかも満足しました。







18時過ぎには寝袋に潜りましたが、急傾斜で寝心地が悪く、なかなか寝付けませんでしたが、いつの間にか眠っていました。真夜中に一度目を覚まして外を覗いてみると、ガスで星空はまったく見えません。撮影はあきらめて再び寝袋に丸まっているうちに、いつしか眠りに落ちました。急傾斜にも慣れたのか、その後は4時ごろまでそこそこ眠ることができました。

つづく。

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| 2016年8月 北岳・間ノ岳・農鳥岳 | 01:51 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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