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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

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初めての白銀の峰:伯耆大山 vol1

2010年11月21日 宝珠越ルートで象ヶ鼻まで日帰り山行
Keyword: 雪山、登山、伯耆大山、単独


 冬山登山にも挑戦してみようと昨年から計画していましたが、昨シーズンはクランポン(アイゼン)を購入しただけで結局どこにも出かけることなく終わってしまいました。体調がよくなかったので、気力がわかなかったというのが真相です。体力もだめだったみたいですし。今シーズンは、体調がもどって気分的にも出かけるのがおっくうでないので、いよいよ白銀の峰への挑戦です。

 とりあえずシーズン突入前に中国地方の最高峰・伯耆大山に足慣らしのつもりで出かけてみました。11月6日に寝過ごして登れなかったことを反省して、きっちり早寝して午前4時起きです。ヤマケイオンラインの11月14日時点の情報では、登山道にはまったく雪はないとのこと。山頂の写真も草紅葉のような状態だったので、せいぜい日陰にうっすらと残っているぐらいだろうと考えていました。なので、クランポンは持たずに出かけました。

蒜山PAから見た大山
米子道PAから見た大山はうっすらと雪化粧。しかし、ここから見る限り黒い部分のほうが多かったので、あっても数cm程度の積雪ではないかと思えました。これなら雪の心配はしなくてもよさそうだと安心して先を急ぎます。


大山寺橋から見上げた大山北壁
 ところが、大山寺に到着して北壁を見上げると上半分は真っ白でした。軽くまだら状態ぐらいを想像していただけに、青白い大山北壁の迫力にちょっと不安がよぎります。日陰になる北側は雪の量が多かったようです。クランポンなしでの登山は無謀かとも思いましたが、7月初旬の北アルプスでも多くの残雪が残るルートをクランポンなしで登っていることを考慮し、とりあえずやばいと思ったら引き返すことを前提に行けるところまで行くことにしました。

 南光河原駐車場を出発したのは朝8時8分。飛び石連休の日曜日なので混雑を予想していましたが、8時の段階でもまだ半分程度しか車が止まっていませんでした。さすがに紅葉が終わると登山者は激減するようです。

大山寺前
 静かな大山寺への参道を登っていくと、前方に単独行の登山者発見! 同じルートかと思いきや、途中で夏道方面に行ってしまいました。大山寺の前からは左手の大神山神社参道へと進みます。

登山道マップ
 参道入口には大きなルートマップが設置されていました。今日のルートは大神山神社から左斜め上に延びるルートを通って、宝珠尾根からユートピア避難小屋を目指すルートです。宝珠尾根は地震の影響で登山道の一部が崩落した箇所があるとのことなので、どの程度危険な状態なのかやや気になります。とはいえ、通行止めになっているわけではないので、それほどひどい状態ではないのでしょう。

大神山神社参道
 大神山神社の参道は石畳のいい雰囲気の道ですが、切った石ではなく自然石をそのまま埋め込んでいるような道なので、これが案外歩きにくいです。

金門からみた北壁
 途中で「金門」という元谷と北壁を見晴らすかつての聖域に寄り道してみます。参道から右に折れて約290m進むと、左前方に北壁がどーんと見えます。写真では空が真っ白に飛んでしまい曇りの日のように見えますが、実際は快晴の空が広がっています。近くから見る北壁はほとんど冬山そのもので、いつこんなに降ったの?と思うぐらい雪が岩壁を覆っていました。ヤマケイオンラインの情報は大山レークホテルが更新していますが、位置的に北壁が見えそうな場所にあるはずなのだから、もう少しまめに更新してくれてもいいのにと思わないでもありません。まあ、どんな状況にも対応できるように準備していなかった自分のミスではありますが。

大神山神社の御神水
 金門から参道に戻るには、もと来た道ではなく上流に向かって左前方への道をたどると、あっという間に参道に出ます。そこからは約10分で大神山神社の神門前に到着です。門の前にある御神水を少し飲んでおきました。延命長寿の水だから万一怪我をしても死ににくくなるかもってことで、ゲンを担ぎます。

大神山神社奥宮
 神門からやや疲れる長さの石段を登りきると、大神山神社奥宮です。朝早いので誰も居ません。神社の方が水撒きしながら掃き掃除をしていました。せっかくなので安全祈願をしておきました。賽銭箱の前に「二礼二拍手一礼」と書かれた札があったので、それにならってまずはお辞儀を二回、続いて拍手(かしわで)を二回、最後にお辞儀を一回したのはいいのですが、はて? 安全祈願はどのタイミングにすればいいのでしょう? よくわからないまま一礼までやってしまったので、そのあとに改めて両手を合わせて安全祈願しました。家に帰って調べてみると、どうやら願い事は最後の一礼の時に心の中で願うということらしいです。日本人なのにそんなことも知らないとは、情けないことです。

登山道入口
 祈願のあと、大神山神社の右手に回りこみ、ここから登山道に入ります。

宝珠尾根ルート分岐
杉の大木が立ち並ぶ森の中を行くと、ほどなくして宝珠尾根ルートの分岐です。元谷へ続くルートは木材できちんと整備されているのに、宝珠尾根ルートはどこに道が?といった状態で一瞬案内板が間違っているのかと思ったほどです。

下宝珠越への登山道
 よくよく見ると谷筋にそってなんとなく踏み跡のようなものが確認できます。落ち葉でわかりにくくなっているのか、もともとこんな道なのか定かではありませんが、正しいルートであることは間違いないようなので、案内板にしたがって分岐を左に曲がって谷筋を登りました。

林道との合流地点
 10分も登るとコンクリート舗装された林道に出ました。時間は8時54分。駐車場から45分もかかっていました。感覚的には30分ぐらいのつもりでしたが、のんびりしすぎたようです。

林道の下宝珠越登山口
林道に上がると向かい側に登山口入口の表示がありました。大きな看板に「お知らせ」という告知が貼ってあり、何かと思ってみてみたら、象ヶ鼻から反対側の野田ヶ山へ降りるルート途中にある親指ピークの登山道についての警告でした。そこまで行く予定はないので問題なしです。

下宝珠越への登山道
 林道から見上げるルートは、これまでよりもさらに急傾斜の谷筋です。ただ、ここから先はブナの純林らしくて、葉を落とした白い幹のブナが林立する森は明るくからっとした雰囲気です。

登山道をふさぐ倒木
 登山道はブナの落ち葉が厚く積もっていて、足裏感覚が柔らかくて気持ちがいいのですが、下にある石が見えないのでうかつに歩くと滑ったりねじったりでわりと歩きにくい状態です。途中、大きな倒木が道をふさいでいたりして、快適な林床歩きとはいきません。

登山道からみた弓ヶ浜
 15分ほど登って行くと、道は次第に傾斜を増してきました。振り返ると、ブナ林の間に大きく弧を描いて伸びる弓ヶ浜が見えました。日本海からわずかな距離にある独立峰大山ならではの眺めです。

ブナの根がからむ登山道
 谷筋の道がいつの間にか尾根筋の道に変わり、急傾斜に露出したブナの根を足がかりに登ります。この斜面が雨などに削られて崩れないのは、この根っこのおかげです。それを踏みつけていくのもちょっと気が引けますが、この根のおかげで歩きやすいのもまた事実です。ブナの根に助けられながら、きつい登りをこなしていきます。

下宝珠越
 9時26分、突然急登が終わり下宝珠越に出ました。林道から30分の登りで、尾根のルートに合流したわけです。椅子になりそうな石が転がっていたので、ザックをおろして水分補給です。気温が低いのでできるだけ汗をかかないようにゆっくりと登ってきましたが、さすがに下宝珠越直下の急登では軽く汗をかいてしまいました。谷筋を登っているときは上から常に冷たい風が吹き下りてきてフリースを着ていないと肌寒い状態でしたが、尾根筋にかわってからは運動量が勝ってしまったようです。

下宝珠越のブナ林
 下宝珠越からは尾根上のルートになるので、朝日が森に差し込むようになりました。ブナの白い木肌が輝いてまぶしいほどです。岡山の蒜山や毛無山などにもブナ林が残っていますが、ここのブナ林はなんだか妙に元気がいいように感じます。というのも、林床に多くの幼樹が育っているからです。毛無山や県立森林公園などのブナ林では、林床は背の低い笹に覆われていたりしてもっとすっきりとしていて見通しがいいのですが、この尾根にあるブナ林はうっそうとした雰囲気です。温暖化の影響で西日本のブナ林はやがて消失してしまうだろうと言われていますが、この様子を見るとまだ希望がもてそうな気にもなります。この美しいブナの森が、これからも生き残ってほしいものです。

雪が残っている林床
 10分程度の休憩をとって、中宝珠越を目指して尾根道をたどります。冷たい風がなくなり日も差し込んできたので、フリースを脱いで歩きます。歩き始めて5分もしないうちに、林床に雪が見えはじめました。はじめのうちはわずかにとけ残っているという雰囲気でしたが、徐々に高度が上がり始めると落ち葉の林床から雪の林床へと姿が変わってきました。

ブナ林背後の大山北壁
 やがてブナ林の背後に冷徹な雰囲気の北壁が姿を見せ始めました。

雪に覆われ始めた登山道
 登山道も雪に覆われる部分が次第に多くなってきました。絶壁ではないにしても、片側が急傾斜の斜面になっている場所もあり、スリップや転倒は即大事故につながりかねないため、一歩一歩慎重にグリップを確かめながら歩きます。

三鈷峰の岩壁
 1240mの小ピークらしき高みに来ると、眼前に三鈷峰(さんこほう)がそびえていました。標高わずか1516mの峰ですが、その荒々しい岩壁からは時折乾いた音を響かせて石が転げ落ちていきます。数百mの高さに達する岩壁は、倍ほどの標高を誇る北アルプスや南アルプスの山々にも引けを取らないほどの迫力です。

中宝珠越
 小ピークを下りきったところが、中宝珠越でした。時間は10時12分。下宝珠越から約30分の行程でした。やたら背の高い表示板がたっていましたが、一坪にも満たないような狭い場所になぜ見上げるような高さの表示板をたてたのか不思議です。中宝珠越は、目指すユートピアまで1.1km、大神山神社まで1.2kmと、ちょうど中間点にあたります。ここにも以前は元谷から突き上げる登山道がありましたが、崩落が激しく通行止めになっています。

 地図で見るとここから先は急傾斜の尾根道になるので、雪の量が増えてくると予想されます。さっきまでなかった冷たい風が今度は元谷のほうから吹き上げて来たので、小休止をかねてザックをおろしフリースを着込みます。雪に手を突いたりすることを考えて、防水手袋も用意しました。ここから先がいよいよ本番です。はたして道の状況はどうなっているのか、どこまで行くことができるのか、緊張感が高まります。

vol2に続く


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| 2010年11月 伯耆大山 | 23:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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