ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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方向性を誤ったフルサイズかも: ペンタックス K-1

k-1.jpg
ペンタックスからフルサイズセンサーを搭載した一眼レフK-1が発表されました。最近カメラを始めた人は知らないと思いますが、K-1が最初に披露されたのは、なんと15年も前のことです。知っている者からすれば、いまさら感はけっこうあります。


k1プロトタイプ
2000年のフォトキナというイベントで発表されたK-1は、当時のペンタックスの最上位モデルだった銀塩フィルム一眼レフMZ-Sのボディを流用したもの(最上位機種とはいえ、性能的にはキヤノン・ニコンの中級機と同等)で、そこそこ完成度の高そうな状態でした。しかし、製品化すれば高価格すぎて売れない可能性が高いということで製品化を断念したという経緯がありました。


その後細々とプロジェクトは継続していたのか、たまにフルサイズ機も検討は継続しているというニュースが漏れ聞こえてくることはありましたが、2015年2月の開発発表まで15年もお蔵入り状態だったわけです。


その間に、キヤノンは次々とフルサイズ一眼レフを市場に投入し、高くて売れないと製品化を断念したペンタックスの判断が間違いであったことを実証したわけです。当初APS-Cサイズのセンサーがデジタルには最適と言っていたニコンも、2007年にD700を発売し、キヤノンを追っています。この間のペンタックスという会社の状況を考えれば、リスクを取れなかったのも仕方のないところです。HOYAに買収された後、カメラ部門だけ切り離され、リコーに売却。ペンタックスはブランドとしては残ったものの、会社としては消滅してしまったわけです。ペンタックスは、キヤノンやニコンと違ってプロが使うようなハイエンドのモデルをもっていないこともあり、高価なフルサイズを出したところで、一定数のニーズが見込まれるというわけではありませんから、会社が存続の危機にあるときに、大きなリスクのある製品を開発・販売することはできなかったのだと思います。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




ここにきてやっと日の目を見たK-1ですが、出てきたそのスペックを見ると方向性を誤ったのではないかと思うのです。そもそも、銀塩フィルムの時代からペンタックスの良さは、スペックはそこそこだけど、小型・軽量で低価格。つまり、庶民に向けた製品であったことだと思うのです。実際問題、趣味の写真を撮るレベルであれば、いまのエントリークラスのカメラでなんら問題ないし、多少ステップアップしても中級クラスのカメラ性能があればまず不足はないわけです。センサーの大きさが画質の優劣に影響するというのは事実なので、フルサイズのセンサーに対する憧れはあるにせよ、EOS5DやD810などのクラスの性能が趣味の写真に必要かどうか、ネットにあふれるこれらの機種で撮影された写真と、エントリークラスの機種で撮影された写真を見比べれば、火を見るよりも明らかです。K-1を見た率直な感想は、初めてのフルサイズカメラに気合を入れすぎててんこ盛りにしたのかなというところです。もっとシンプルで軽快なカメラだったらよかったのに。


趣味のものですから、必要なくても使わなくても高機能高性能なカメラを持ちたいという欲求を否定するつもりはありません。そういうニーズにあった製品を市場に投入するのもメーカーとして当然です。ただし、すべてのメーカーが同じ土俵で戦ってもしかたがないと思うのです。


ペンタックスと同様に、身売りされブランドが消滅したミノルタの一眼レフは、いまではソニーブランドとなり、キヤノン・ニコンとの正面対決をやめてミラーレス一眼のカメラとしてユニークで魅力的なカメラを市場に投入しています。特に、フルサイズセンサーを搭載したα7シリーズは、小型軽量を文字通り体現したボディと高性能で独自のポジションを獲得しています。


今回発表されたK-1は、そのサイズや重さ、スペックなど見れば、キヤノン・ニコンと正面から競合するカメラです。しかし、大きく重い高級レンズ中心の貧相なフルサイズ用レンズのラインナップや、競合するであろうEOS5Dシリーズよりサイズはやや小ぶりながら100g近く重いボディをみるにつけ、すでに小型軽量でリーズナブルが売りだったペンタックスの面影はありません。カメラの性能にしても、既存機種から持ってきた技術ばかりで、フルサイズ機独自のスペックがほぼなく、数少ないK-1だけの機能であるAFも、それほど進化しているとも思えないばかりか競合他社に対して相変わらず遅れをとっているし、連写速度も5千万画素のEOS5Dsよりも遅いというわけですから、何が売りなのかよくわからないカメラと感じます。カメラ性能以外の部分であれば便利かなという機能がいくつかありますが、なくても困らないような機能はあくまでも付加価値に過ぎず、本質で勝負になるのか疑問が残ります。


APS-Cのカメラでは、早くから防塵防滴機能を導入したり、エントリークラスにまで視野率約100%のファインダーをおごったり、競合他社にはない性能を備えながら小型高性能でリーズナブルという魅力的で差別化されたカメラを出していたのに、なぜフルサイズで真っ向勝負を挑んだのかわかりません。


銀塩フィルム時代にペンタックスユーザーであった一個人の感想としては、ペンタックスブランドの本質に立ち戻ったような製品を出してほしかったと思うのです。Kマウントの一眼レフにこだわるのであれば、キヤノンもニコンもラインナップにない10万円前後のフルサイズ機とか、小型軽量のミラーレスボディにしてソニーよりも少し高性能で同等または低価格にするとか、方法はもっとあるはずです。もっとも、ペンタックスの機種は値下がりが速いので、1年もすれば10万円台半ばまで下がるかもしれません。実質、高性能な低価格機になる可能性はあります。



最近のペンタックスブランドの新レンズの価格を見ると、リコーの戦略として、ペンタックスブランドをリコーブランドよりも上位の高級一眼レフカメラのブランドに育てたいのかもしれませんが、はたして思惑通りにいくかどうか。同じような価格帯でペンタックス、キヤノン、ニコンから選ぶなら、将来性やレンズラインナップの豊富さ、中古市場の大きさなどを考慮すれば、あえてペンタックスを選ぶ理由があるとは思えません。ボディが少々安くても、レンズの選択肢が多く、程度のいい中古レンズが豊富なキヤノンやニコンのほうが、トータルでの費用は抑えられると思われます。シグマやタムロンのレンズを使うにしても、ペンタックスマウントが用意されていない場合も多くあります。結局、ボディに始まってレンズもフルサイズ用をひととおり買うことになるのなら、キヤノンやニコンに変更してもコストは変わらないか、かえって安く済ますことができるわけです。ペンタックスには、指名買いするようなペンタックスにしかないユニークで魅力的なカメラを製品化してもらいたいものです。


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