ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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撮影機材軽量化計画その1: EF16-35mmF2.8L Ⅱ USM 

僕の場合、山に登る主たる目的は山岳風景の撮影です。なので、近場の日帰り登山の場合はコンデジだけということもありますが、日本アルプスやそれなりに画になる山に登るときは一眼レフと交換レンズおよび三脚を担いでいきます。いままでは、手持ちの機材の中から必要なものをピックアップして持っていくというスタンスだったので、あまり撮影機材の軽量化を本気で検討したことはありませんでした。とはいっても、購入を考える時点で山に持って行くということを前提にしていたものが多く、今持っている機材はそれなりに小型軽量なものがそろっています。


2015年の裏剱への夏山山行から帰ってきて、そろそろ機材の軽量化をちゃんと考えたほうがいいなと思い、今使用している機材一式の重さを一覧にして総重量がいくらなのかを計算してみたところ、カメラと交換レンズの小計が約3.5kg、三脚+雲台が1.6kg、アクセサリ類が約0.5kgで、合計で約5.6kgでした。内訳は以下のとおりです。

EOS 6D 755g(電池等含む)
EF24-105F4L USM 670g
EF17-40F4L USM 475g
EF70-200F4L IS USM 760g
EF24F2.8 270g
SIGMA 15F2.8FishEye 370g
PowerShot S110 198g
SLIK カーボン724EXⅡ+KENKO FP-100PRO 1,600g
アクセサリ類(レリーズケーブル、フィルタ類、ケース等) 500g

F4クラスのレンズが多いのでそれなりに軽い機材だと思いますが、現実的にもう少し軽くしたいところです。また、三脚ももっと軽量なものに変更すれば数百グラムは削ることができます。軽量化を優先するがためにあまりにも小型で軽い三脚にしてしまうと用をなさない結果になるので、ある程度の強度や大きさは必要ですが、今使っているSLIK カーボン724EXⅡ+KENKO FP-100PROよりも一回り小型の三脚ぐらいであれば問題ないと考えます。



撮影機材を軽量化する方法は2つあります。

1 システムそのものを軽量なものに入れ替える
重くて大きいフルサイズセンサーの一眼レフと交換レンズを、小型軽量なミラーレス一眼のシステムに変えてしまうというのが手っ取り早いのですが、この場合けっこうな金額が必要になります。手持ちの機材を一式売ればそれなりの資金はできるので、実質それほどの出費にはならないかもしれません。ただ、いまのところ昼間の撮影では大差ないとはいえ、夜間の撮影、特に星景写真においてはいまだにセンサーの大きいカメラのほうが画質的に有利であることはゆるぎない事実です。また、星景写真でよく使われる超広角レンズで、F2.8以下の明るいレンズの選択肢が非常に限られてくる、もしくは適当なレンズがないというのも問題です。


2 持って行く機材を減らすか軽量なものに入れ替える
実際のところ、撮影の多くはEF24-105F4L USMで行っており、そのほかのレンズの使用頻度は高くありません。星空撮影ではEF24F2.8が主で、ときどきEF17-40F4L USMも使います。SIGMA 15F2.8 FishEyeはたまに使う程度です。EF70-200F4L IS USMにいたっては、一番重くてかさばるくせに使用頻度が最も低く、場合によっては一度も使わないこともあります。EF70-200F4L IS USMを持っていかなければそれだけで760gも軽量化できるわけですが、105mm以上の焦点距離のレンズがまったくないとなると、やはりシャッターチャンスがあってもあきらめざるを得ないということも起こりうる訳で、リストからはずしてしまうというのはためらわれます。28-300mmなどの高倍率ズームレンズで標準ズームと望遠ズームを代用するという手もありますが、いまのところ純正レンズでは1本で1.67kgというバカ重くてでかいレンズしかないので、代用にはなりません。社外品であればタムロンから小型軽量でよさそうなレンズが出ていますが、撮影画像をいくつか見た限りでは色収差がわりとあって、DLOなどのレンズ補正が使えないデメリットを考えるとやはりLレンズの代用にするには力不足と感じます。

というわけで、将来的には1の方法になるとしても、現状は2で考えざるを得ません。現状で軽量化ができそうなのは、広角レンズの3本です。星景写真で使っているEF24F2.8とSIGMA 15F2.8 FishEyeは、EF17-40F4LがF4と暗いがゆえにリストに入っているレンズなので、F2.8のズームレンズがあればなくてもいいのです。つまり、EF17-40F4L USMをF2.8のズームレンズに買い換えれば、必然的にEF24F2.8とSIGMA 15F2.8 FishEyeの2本をリストからはずすことができるというわけです。475gのEF17-40F4L USMを640gのEF16-35F2.8LⅡ USMに買い換えれば重量増になってしまいますが、合計640gのEF24F2.8とSIGMA 15F2.8 FishEyeをはずすことができるので、システムとしては475gの軽量化になるというわけです。


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ということで、昨年秋にEF17-40F4L USMと三脚のリプレイスを行いました。三脚のほうは次の機会で書くとして、今回はEF17-40mmF4L USMのリプレイスとして購入したEF16-35mmF2.8L Ⅱ USMのレビューです。


EF17-40F4L USMをリプレイスするにあたって、選択肢はEF16-35F2.8L Ⅱ USMの一択でした。EF16-35F4L IS USMのほうが発売時期が新しいし手振れ補正もついていて、周辺部まで画質がいいと評判ですが、同じF4のレンズを購入しても意味がないので、候補としては考えませんでした。


EF16-35F2.8L Ⅱ USMは星空写真の分野ではあまりいい評判がありませんが、ネットにある作例を調べてみた限りでは、自分にとってはそれほど気になるような欠点はないと感じています。このレンズについては四隅の流れをやたら問題視する声がよく見られますが、写真なんて四隅を拡大して見るものではないし、プロが撮影した作例を見る限りでは気になるほど流れているとは感じません。たまに一般ユーザーの作例でちょっとひどいなと思う写真もみますが、撮影者の技量や撮影状況などがわからないので写真の結果がすべてレンズに起因するものかわかりませんから、ネットの悪評は大げさすぎるというのが正直な感想です。EF17-40F4L USMだってあまり評判はよくないレンズでしたが、使ってみてそれほどダメだとは思いませんでした。道具なんて要は使い方次第ですから、撮影時に気をつければいいわけです。もちろん、その欠点によって撮影条件が制限されるということもないわけではありませんが、いつどんなときでも最高の条件で撮影することを前提に機材をそろえるとなると、軽量化なんて言っていられなくなります。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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さて、2015年9月に購入したEF16-35F2.8L Ⅱ USMですが、新品ではなく中古品です。EF17-40F4L USMとベルボンの三脚UT-53Qを下取りにしたので、10万円を切る価格で購入することができました。キタムラネット中古で見つけた中古レンズですが、取り寄せて確認したらなんと2015年製造の新品同様品でした。キヤノンのLレンズは、マウント部分にシリアルナンバーとは別にUから始まる番号が刻印されていて、このレンズはUDxxxx(xは数字)となっています。最初の「U」は製造場所である宇都宮工場を示します。次の文字が製造年を表します。2011年以前のレンズはAが1986年、Zが2011年製造となり、2012年以降のレンズはAが2012年製造です。EF16-35F2.8LⅡは2007年3月発売ですから、UVから始まっているわけで、UDなら2015年製造ということになるわけです。


このレンズを初めて使ったのは、2015年10月18日の白山登山のときでした。初めて使うということで、いろいろと試写してみました。なお。写真はすべてオートライティングオプティマイザとレンズ収差補正機能をONにして撮影・現像しています。なので、レンズが本来もっている周辺光量不足などの性能は反映されていません。キヤノンのレンズをキヤノンのカメラで使うのであればこれらの機能を利用できるわけで、もはや後処理であれ補正できる欠点など欠点とはいえないので、わざわざ確認する必要はないというのが理由です。


まず、逆光性能の確認です。画角内に強い光源(太陽)が入る場合の逆光性能を確認しました。写真はクリックすると拡大されます。市場の評価は、旧型よりも良くなっているけれどすこぶる優秀というわけではないという感じのようです。


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一般的に、縦横三分の一の交点に持ってくる場合がおおいので、右から三分の一、上から三分の一のところに太陽を置いてみました。太陽の右側に虹状のゴースト、写真中心点をはさんだ反対側の雲の上に緑色のゴーストがでました。せめて右側の虹状のゴーストは出ないでくれればいいのにという感じです。


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もう少し右よりに太陽を動かしてみると、虹状のゴーストはなくなりましたが、左下にくっきりとした緑のゴーストが出ました。なんだかなあ・・・


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さらに右上隅に太陽を持っていくと、目立つゴーストはなくなりましたが、左下隅に緑の円形ゴーストが残っています。まあ、こういう構図を使うことはまずないので、参考までにというところです。


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逆に、右から三分の一、上から三分の一の位置よりも少し中心に太陽をおいてみると、写真中心点をはさんだ反対側に薄いゴーストがでました。背景の色や状態にもよりますが、これぐらいならそれほど気になりません。


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ほぼ写真の中心に近いところに持ってきた場合は、ゴーストは出ませんでした。このような日の丸構図も実際には使うことはほぼないので、こういうときにゴーストが出ないからといってもあまり意味はありません。


ところで、ゴーストよりも太陽の光芒の出方が少し気になります。左上方向と下方向にだけ、やたら長い光芒が出ています。この個体固有の現象なのか、それともこのレンズ共通の現象なのか気になるところで、GUNREFでこのレンズで撮影された写真の中で太陽が写っている写真を探して見てみると、同様の現象が現れている写真があったので、どうやらこのレンズに共通する現象のようです。何か変な光芒に感じるし、ゴーストもそれなりに出るので、広角端で画角内に強い光源を入れるのはできれば避けたほうがいいかなと思う次第です。おそらく18mmや20mmあたりの焦点距離にすれば、ゴーストも出にくくなるのではないかと思うので、機会があれば試してみようと思います。


次に、画角外に強い光源があり、レンズに斜めから直射光があたる場合の逆光性能と、描写性能と絞りの関係を確認してみました。太陽は画角外の右上にあります。テストのためにフードは装着していません。


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絞り開放F2.8での撮影です。ピント位置は、画面中央やや下の横長の岩付近にあわせてます。画角外からの直射光には強いみたいで、ゴーストは見られませんでした。光源に近い右上のほうがややフレアっぽい雰囲気がありますが、まあ問題ないレベルでしょう。画面左右下の岩がピンボケのような感じに写っていますが、いわゆる「流れる」というような感じはありません。開放絞りでの画面四隅の描写が甘いのは事実かもしれません。ただ、画面中央下の岩もそうですが、このあたりの岩はほぼ足元といってもいい位置にあるような岩なので、被写界深度から外れているということもありそうです。ちなみに、ピント位置の岩までの距離を約40mとすると、16mm 、F2.8のときの被写界深度は、2.571m以遠ということになります。足元の岩は1.5mぐらいの距離だったことを考えれば、被写界深度から外れている計算になります。


このときの中心部付近の描写性能ですが、F8の写真と見比べると明らかに甘いです。ディテールの描写を重視したい場合は、三脚を使ってしっかりと絞り込んで撮影したほうがいいと思われます。


IMG_0368.jpg
F4まで一段絞ってみました。左右下隅部の描写はF2.8よりも少し改善されていますが、それほど差は大きくありません。F4のときの被写界深度は1.835m以遠なので、まだ被写界深度に入りきれない距離だから当然の結果といえます。中心部の描写は、F2.8よりだいぶん良くなりましたが、F8と比べるとわずかに甘いかなといったところです。


IMG_0369.jpg
2段絞ってF5.6です。左右下隅の岩の描写がだいぶんよくなりました。このあたりから実用的という感じです。このときの被写界深度は1.328m以遠です。ようやく足元の岩が被写界深度内に入ってくたわけで、隅部の描写がよくなったのも当然なのでしょう。中心部もF8とほぼ同等の描写になっています。


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F8.0まで絞ると、隅部の描写もほぼ問題ないレベルに達しているので、可能ならこのあたりまで絞り込んでから撮ると安心です。


風景写真といえばC-PLフィルターの使用率が高いわけですが、超広角レンズでC-PLフィルターを使うとこうなりますという作例です。


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こちらはC-PLフィルターなし。空の中心部と周辺部で若干色の濃さに差がありますが、まあ違和感のないレベルです。


IMG_0350.jpg
こちらはC-PLフィルターあり。空の中心部だけが円形に色が濃くなっているのがわかります。PLフィルターは、乱反射光を除去して被写体の本来持つ色を出してくれるわけですが、太陽の方向とレンズが向いている方向が90度になるような角度で撮影すると最大の効果が得られます。超広角レンズを使うと周辺部はレンズが向いている方向よりもかなり角度が変わってくるので、PLフィルターの効果があまり得られないのでこのようなことになるようです。なので、超広角で空を入れ込んで撮影する場合は、PLフィルターの使用には注意が必要です。


最後に星景写真の作例です。


IMG_0388.jpg

IMG_0397_2016011801382780f.jpg
確かに隅部では星が流れていたり収差で三角形のような形に写っていたりしますが、自分的にはこの程度であれば問題ないなと思います。


ということで、おおむね満足な結果になったEF16-35mmF2.8L Ⅱ USMでした。


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