ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

荘厳な2016年の幕開け: 蝶ヶ岳(2677m) その1

2015年12月30日(水)~2016年1月2日(土) 長野県松本市 蝶ヶ岳 テント・避難小屋泊単独行 


先日の記事にも書いたとおり、この年末年始は中部山岳地域でも天候が安定していました。クリスマス時期に確認した登山天気では、南アルプスはもとより北アルプス方面もおおむね「晴」や「晴時々曇」といった予報が出ていました。いままで天候の関係で行きたくても行けなかった北アルプス、特に穂高岳方面に出かけるには数年に一度のチャンスかもしれません。単に登頂するだけなら猛吹雪でもない限りなんとかなるのかもしれませんが、写真を撮るのが目的なので晴れでなければ意味がないのです。


では、どこに行くか。一番撮りたいのは朝日を浴びて赤く染まった穂高連峰ですから、もっともいいのは穂高連峰の東側にある常念山脈のどこかです。槍をメインにするなら常念岳や大天井岳ですが、穂高岳メインなら蝶ヶ岳がよさそうです。燕岳まで行ってしまうとちょっと距離がありすぎのようなので、やはり先の3ヶ所がターゲットです。どの山にも冬季避難小屋がありますが、大天井岳に直接アプローチするルートはないので却下。


いろいろと検討した結果、上高地から蝶ヶ岳に登ることにしました。上高地経由で蝶ヶ岳だと、安曇野側の三股ルートより時間はかかるものの、わかり易いし無理がない感じです。中の湯から徳澤までのアプローチが約13kmありますが、フラットだし通ったことのあるルートなので安心です。初日は徳澤でテント泊して、翌日テントは残したまま登頂できます。山頂の避難小屋に宿泊して、翌朝に朝焼けの穂高連峰を撮影するという計画であれば、余裕のある日程でこなすことができそうです。日程に余裕がない場合は三股ルートのほうがいいと思いますが、今回は十分余裕があるので問題ありません。


当初29日に入山する予定で考えていましたが、年末のバタバタで28日の出発時間が遅くなり、夜通し運転してそのまま入山ということになってしまいそうだったので、1日日程をずらせて29日に出発しました。


車は平湯のバスターミナル前の駐車場に停められるというネットの情報があったので、29日の夜に車中泊したのですが、これが失敗でした。まず、平湯バスターミナルは夜になると閉まってしまうので、トイレが使えません。駐車場の隅にある公衆トイレは冬季は閉鎖されていて、こちらも使用不可。なんだか不便な場所でした。

12月30日(1日目)
朝になってバスの始発時間まであと20分ほどになったときに、どことなく高慢な口調の男性がやってきて、駐車する場合は本日中に帰ってくるようにというではありませんか。日帰り予定ではないというと、だったら沢渡へ停めてくれと言い出す始末。バスの始発が近い時間にやってきて何をいまさらという感じですが、だったら始めから「日帰り専用」と書いた看板を立てておけよと思うわけです。不親切な上に慇懃無礼なスタッフに朝からすっかり不愉快にさせられてしまいました。まあ、こんなところで言いあっても仕方がありません。バスターミナルは濃飛バスの運営らしいので、飛騨高山と平湯の観光で金を落としてくれる観光客は大事にするが、車を停めっぱなしで金を落とさない登山客など来なくてけっこうということなんでしょう。ちなみに、沢渡の駐車場はアルピコグループの運営みたいで、冬季は無料開放しているし24時間利用できる暖房付きの水洗トイレがあったりで、関東方面などから松本経由で来る多くの登山客を大事なお客さんと考えているのだろうと容易に想像できます。同じバス会社でも、登山客に対する考え方の違いが如実に現れているようです。


そういうわけで、沢渡の岩見平駐車場へ移動して、そこから路線バスで中の湯まで行きました。ちなみ、平湯からだと始発のバスは8時45分発で料金は560円ですが、岩見平からだと9時41分発で990円です。


IMG_3789.jpg
10:05 釜トンネルから入ります。年末ということで、入口には警察の救助隊が大勢詰めていました。入山届を提出すると、大勢入山しているので蝶ヶ岳の山頂避難小屋はいっぱいかもしれないですよと言われ、一抹の不安がよぎりましたが、こればっかりは行ってみないとわかりません。


IMG_3790.jpg
何年か前に上高地に入った時はトンネル内に照明がついていましたが、今回は真っ暗でした。ヘッドライトの灯りをたよりに30分ほど歩き続けて、やっと出口に着きました。入口側と違って道路はすっかり雪道ですが、凍結はしていないのでクランポンは装着しないでそのまま進みます。


IMG_3792.jpg
煙を上げる焼岳が青空にくっきりと聳えています。


IMG_3794.jpg
道が下り始め、カーブを曲がると、正面に真っ白に輝く穂高の峰が見えました。前回冬の上高地に入ったのは2012年3月なので、3年9ヶ月ぶりに見る雪の穂高岳です。


IMG_3798.jpg
大正池のほとりまで来ると、湖面に映る逆さ穂高を見ることができましたが、少し風があって鮮明さは今一歩でした。


IMG_3795.jpg
ここから見る吊り尾根はまるで巨大な壁のように立ちはだかっています。あんなところに重太郎新道という道があるのが信じられない思いです。


IMG_3799.jpg
大正池ホテル前で少し休憩をとってから、雪の積もった道路を黙々とバスターミナルへと歩きます。


IMG_3800.jpg
12:06 静まりかえった上高地バスターミナルに着きました。前回同様、釜トンネル入口からほぼ2時間の行程でした。


IMG_3801.jpg
日当たりのいいバスターミナルで休憩をとってから出発しました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




IMG_3803.jpg
冬の上高地は本当に静かです。河童橋にはちらほらと人影があるぐらいで、これぐらい静かな上高地のほうが個人的には好きです。


IMG_3804.jpg
小梨平を過ぎると急に人の気配がなくなります。静かな森の中を雪を踏みしめる足音だけを引き連れて歩き続けます。


IMG_3805.jpg
明神岳の全貌が見える場所まで来ると、明神ももうすぐです。


IMG_3806.jpg
13:30 明神に着きました。バスターミナルからほぼ1時間。予定通りです。


IMG_3807.jpg
穂高奥宮のある明神池にも行ってみたいところですが、下山時に余裕があれば寄ってみることにします。


IMG_3808.jpg
ここでもベンチで10分ほど休憩をとって、徳澤を目指します。あと1時間で到着するはずです。


IMG_3810.jpg
雪煙をあげている明神岳を眺められる場所があると、つい立ち止まって見入ってしまいます。


IMG_3814.jpg
聳え立つ頂の迫力に圧倒されます。


IMG_3816.jpg
道沿いにある池に映りこむ風景がきれいです。


IMG_3817.jpg
どこか日本庭園を髣髴とさせる風景です。


IMG_3818.jpg
山と川に挟まれた川沿いの道に出ると、徳澤まであと少しです。


IMG_3819.jpg
梓川の向こうには、いつの間にか横から見るようになった明神岳と、姿を見せた前穂高岳が聳えています。


IMG_3820.jpg
例年なら岩肌が見えないぐらい真っ白に雪化粧した状態なのでしょうが、今年はまだ初冬の雰囲気です。


IMG_3822.jpg
14:40 重い荷物に肩が悲鳴を上げ始めた頃、やっと徳澤にたどり着きました。テントはざっと20張ぐらいありました。これが多いのか少ないのかわかりませんが、小梨平よりも多くのテントがありました。


IMG_3823.jpg
設営時間を節約するために適当な幕営跡地を探しましたが、奥のほうだったりカチカチに凍結していたりするような場所が数箇所みつかっただけだったので、トイレに近く、トレースにも近い場所を整地してテントを張りました。積雪は少ないみたいで、風除けの雪ブロックの壁を造ろうと思いましたが、20cmも掘ると地面が見えてしまったのでやめました。実際、ここではほとんど風は吹かなかったので、必要ありませんでした。


IMG_3824.jpg
徳澤には水場がないとネットに書かれていたのですが、わりと近くに小川が流れていて水を確保することができました。ただ、見た目にあまりきれいな川ではなかったためか、雪を集めている人も見かけました。僕は、手間と燃料を節約したいので川の水を利用しましたが、さすがにそのまま飲む気になれないので、持っていたコーヒー用のペーパーフィルターで漉してから利用しました。見た目にはきれいな水でしたが、漉してみると小さなゴミや動物の毛のようなものがあって、やっぱりそのまま利用しなくて良かったと思ったのでした。味のほうは、雪を溶かして作った土埃臭い水に比べればほぼ無味無臭で、沸かしてから飲んだ限りではまったく嫌味のない素直な水でした。


IMG_3825.jpg
ところで、インナーグローブとして使っていたモンベルのメリノウール素材のグローブですが、右手の中指と薬指の付け根の縫製がばれてしまうという事態になってしまいました。このグローブは、モンベルのスーパーメリノウールM.W.インナーグローブというもので、普通のメリノウール素材のインナーグローブに比べて特殊な生地らしく暖かさが明らかに違うお気に入りのインナーグローブでしたが、手のひら側の中指と人差し指の付け根に縫い目があるという変な縫製になっていて、そこがほつれたようです。すでに廃盤になっているらしく、モンベルオンラインショップのラインナップに載っていません。予備のスマートウール製のインナーグローブに交換してみたら明らかに寒かったので、結局破れた状態のままこのグローブを使い続けました。手袋に限らず小物などでもモンベルは時々縫製のよくない製品がありますが、素材がいいだけにもう少しちゃんとしてもらいたいものです。


そんなことがありつつも、徳澤の夜は更けていきました。夜8時ごろトイレに行くと、降るような星空が頭上に広がっていたので、テントに戻るとカメラを持って撮影に出かけました。


<写真クリックで拡大>
IMG_0573.jpg

IMG_0584_2016010513422063d.jpg

IMG_0585_201601051342228c0.jpg
雪原に灯るテントの明かりと、頭上にまたたく星の煌めきが美しく、寒さも忘れて30分ほど撮影して歩きました。


テントに戻って、熱いお湯を飲んで体を温めてから寝袋に潜り込んだのですが、なかなか暖まらないばかりか寒さを感じて寝付くことができず、結局翌朝3時過ぎに起きるまで、浅く寝ては寒さで目を覚ますの繰り返しでした。装備としては、以前年末年始に仙丈ヶ岳に登った時と同等以上の内容だったし、気温も同程度だったのですが、やたら寒く感じました。おそらく秋ごろから胃の調子が悪くなったことで、11月下旬から食事の回数と量を減らしたことにより、体力が落ちていたのだろうと思われます。おかげで体重が4kgほど減って、12月に受けた健康診断は図らずも昨年より改善した結果になっていました。しかし、反動で筋肉量が標準以下になっており、体力の衰えばかりか発熱の源である筋肉量が減ってすっかり寒さに弱くなっていたようです。

つづく。

20151230上高地1

20151230上高地2

 
ランキングアップにポチッとご協力お願いします。
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

| 2015年12月 蝶ヶ岳 | 13:44 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

Re: タイトルなし

> 知人も蝶ヶ岳へ行きました

そうですか。では、どこかでお会いしているかもしれないですね。
僕が入山している期間では、ずっと晴れていたのは30日と1日だけでしたが、
4日間晴れたというのはラッキーですね。

| ヤマふぉと | 2016/01/07 22:23 | URL |

知人も蝶ヶ岳へ行きました、4日間晴れたと言っていましたが成果はまだ出てきません。
私は今冬は自宅待機です、こんな時に限って青空がうまくいきませんね。

| 百瀬典明 | 2016/01/07 17:43 | URL |















非公開コメント

NEXT | PAGE-SELECT | PREV