ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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はるばる来たぜ裏剱! 急登と雪渓を乗り越えて: 池平山その4

2015年8月9日(日)~13日(木) 富山県立山町 池平山(2555m)単独テント・小屋泊


8月12日(4日目)
仙人池ヒュッテの朝は、雲りがちな空が広がっていました。4時に起きて食堂で朝食を作って食べ、5時過ぎにカメラを持って仙人池畔で朝焼けが始まるのを待っていました。しかし、東の空にはどんよりとした雲が垂れ込め、裏剱が赤く染まるシーンをみることはかないそうにありません。


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しかし、神様は一瞬だけのサプライズを用意してくれていました。ほんの3分間ほどの短い時間でしたが、裏剱の真上にあった雲が赤く染まったのでした。その間に切ったシャッターはわずか5カットのみ。もっと広範囲の雲が染まってくれればよかったのですが、あまり贅沢を言っても仕方がありません。できれば紅葉の時期にもう一度訪れたいものですが、さすがに人気の場所で人気の時期ですから、なかなか難しそうです。


6時前まで粘ってみましたが、雲の量は増えるばかりで、雲間にわずかに見えていた青空もいつの間にか見えなくなってしまったので、撤収することにしました。


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6:25 パッキングを終えて小屋の玄関から外に出てみると、パラパラと雨が降り出しました。レインウェアを着ていく準備をしようかと思ったら雨は止んでしまったので、そのまま下山することにしました。小屋の若主人とお姉さんがわざわざ玄関でお見送りしてくれて、とってもアットホームないい小屋だったなあと後ろ髪を引かれる思いで小屋を後にしました。


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仙人峠近くで振り返ると、緑の森の中に赤い屋根の仙人池ヒュッテがかわいらしくたっているのが見えました。仙人池と仙人池ヒュッテは、もう一度といわず、ぜひ何度も訪れてみたいと思う場所になりました。


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仙人峠の道標は、ごらんのとおりここが十字路であるかのように書かれていますが、阿曽原への道は仙人池へと向かう道の途中から分岐するので、実際には丁字路です。なんでこんな道標になったんでしょうか。昔はここから直接下る道があったんでしょうか。ちょっと謎です。


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6:43 仙人新道を下ります。


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途中、気の早いナナカマドがすでに真っ赤に染まっていました。


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ベンチのある休憩場所に来たときには、雲が切れて日差しと青空が覗くようになって来ました。


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滑り易い風化した花崗岩の斜面をトラバースする場所です。ロープにつかまりながら慎重に渡ります。ここから尾根を外れて二股に向かって斜面を下るようになります。


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途中、剱沢が東へと向きを変え、急峻な黒部渓谷へと流れ落ち始めるところが見えます。あの先に幻の剱大滝があり、そのまた向こうにある黒部渓谷の十字峡で黒部川と出合います。


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7:58 二股まで下りてきました。登りに3時間かかった道ですが、下りは1時間強でした。ここで少しゆっくり目の休憩をとることにしました。


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見上げると、三の窓雪渓が遥か上まで続いているのが見えました。


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8:13 真砂沢に向けて出発です。


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しばらく河原歩きをしたあとで、梯子を使って巻き道に登ります。


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例の難所です。高さがないので難所っぽくありませんが、大荷物の時は腕力やバランス力が必要になる場所です。


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雪渓が川岸まで迫っている場所ですが、心なしか3日前に通ったときよりも雪の壁が後退したように感じます。


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昔、梯子谷乗越への仮設橋がかかっていた場所です。いまでも仮設のための資材が置きっぱなしになっていて、ペンキの矢印が対岸に書いてあるのが見えますが、今はもっと上流の雪渓を渡って取り付くようになっていますので、くれぐれもお間違えのないように。


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ようやく、剱沢雪渓の末端まできました。正面の山の右下にある丘のような場所が真砂沢ロッジのある場所です。10分もあればいけそうな距離に見えますが、意外にもここから20分かかりました。


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ロッジのすぐ下の雪渓は崩落していました。真っ暗な雪のトンネルとそこを轟音を建てて流れ下る青い水の迫力は、もしも落ちたら助からないだろうなと思わせるだけの怖さを感じます。雪渓歩きは慎重にならないといけないなと、改めて思ったのでした。


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9:38 真砂沢ロッジに到着です。テント場のすぐ上にある木のベンチのところで荷物を下ろして休憩しようとしていたところ、小屋の入口前にあるベンチから「こっちへ来て休憩すればいいよ」とご主人が声をかけてくれました。どうも3日前に通ったことを覚えていたようです。荷物を置いて小屋の中へ入って冷えたコーラを買い、ベンチに座ってご主人とお話させてもらいました。長次郎谷などの出合いの部分の雪渓は、どういうルートで渡るのが一番安全なのか尋ねてみたところ、上のほうはまだ十分安全なので、まっすぐ渡っても問題ないとのことで安心しました。小屋から見える範囲ぐらいが標高が低いので脆くなっている可能性があるようで、そのあたりは真ん中に近寄らないようにしないといけないということのようです。


10:08 たっぷり30分の休憩をとった後、今日のハイライトである剱沢雪渓の登り返しに向かいます。少し雨がぱらついていたので、念のためにとバックパックにレインカバーをつけて、レインウェアのパンツだけ履いていくことにしました。剱沢キャンプ場までの標高差は約750m。そのうちの約550mが雪渓の坂道です。コースタイムは約3時間なので、焦らずにゆっくりと登って行くことにしました。



ここでひと息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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はじめのうちは、左岸から1/4ぐらいのところを意識してまっすぐに登って行き、夏道が出ているところは夏道を使って雪渓を迂回します。歩けども歩けども白い雪の道が続きます。幸い、太陽は翳ってくれたので、それほど暑くないのが救いでした。


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真砂沢ロッジのご主人のいうとおり、長次郎谷の出合いは何も気にせずまっすぐに突っ切ります。


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その後は、念のため左岸から1/4のあたりを意識して登り続けます。


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振り返るとだいぶん登ってきたのがわかりますが、まだまだ先は長いのです。


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左岸にニッコウキスゲらしい黄色い花の群生がありました。そういえば、今年はじめてみるニッコウキスゲです。池平山あたりにお花畑があってもよさそうな気がしますが、ありませんでした。


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雪渓上には人の頭ほどの石も転がっています。左右の崖の上から落ちてきたものでしょうから、歩くときも気をつけないといけません。


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平蔵谷の出合いです。ここから剱沢の右岸側へと進路を変えていきます。左岸側のほうが雪渓が少し低いので、おそらく水の流れている場所が左岸側に近いところだと思われ、右岸側のほうが安全だろうという判断です。まあ、標高もだいぶん高くなっているので、あまり雪渓の崩落を心配しなくてもいいのかもしれませんが、危険回避の癖をつけておくためにも、いつも気にするようにしようということです。


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休憩しているときに振り返ると、遥か彼方に形のいい山が見えていました。地図で確認してみたところ、どうやら鹿島槍の南峰のようです。


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剱沢雪渓の左右の斜面が草つきの緩い傾斜になってくると、もうすぐ雪渓歩きも終わりです。あの先まで行けば夏道に上がれるはずです。


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12:21 やっと雪渓歩きが終わりました。レインウェアのパンツを履いていたおかげですっかり下半身が汗で濡れてしまったので、ここで休憩がてらレインパンツを脱ぎました。汗で濡れた登山パンツが風に吹かれてひんやりとしていい気持ちです。


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休憩を終えて、雪渓の登り返しで疲れた体に鞭打って、最後の登りを進みます。


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あの丸い丘の上に剱沢小屋があるはずです。あと少し。


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13:28 剱沢小屋に着きました。下って登って7時間の行動でした。空はかなりどんよりとした様子になっており、天気予報どおり明日は雨になりそうです。予定では、剱沢にテント泊して剱岳に登ってから下山するつもりでしたが、明日、明後日とも雨予報ということなので、剱岳はやめておいたほうがよさそうです。雨の中でテントを撤収するのもめんどくさいので、テント泊をやめて剱沢小屋に泊まることにしました。幸い、お盆休みとはいえ平日だったので小屋は空いており、余裕で泊まることができました。まだ新しい感じのする剱沢小屋ですが、中は意外とせせこましい感じもしてちょっと残念なところもありますが、シャワーが使えるというのがありがたかったです。前日の仙人池ヒュッテではお風呂に入れたし、この日もシャワーを浴びることができるので、体はさっぱり気持ちよかったです。前半2日の汗だく風呂なしと比べると雲泥の差でした。


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夕方外に出てみると、少し青空も覗いていたりして、天気予報が外れそうな雰囲気がありました。それならそれで荷物を預かってもらって剱岳に登るのもありだなと思いました。


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12日



8月13日(5日目)
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翌朝外を覗いてみると、見事に雨が降っていました。剱岳も深いガスの中です。当然下山決定です。


5:18 レインウェアを着て剱沢小屋をあとにしました。今回は、軽量化を優先してレインウェアにはモンベルのバーサライトジャケットとパンツを持ってきていました。昨年、剱岳登山の時にも持ってきていて、ジャケットのみ下山時に雨が降ったので着用したのですが、予想以上に悪くなかったので今年も持ってきたというわけです。


ただ、この時は昨年とうってかわって良くありませんでした。冷たい雨と強めの風が吹き付ける中、2.5レイヤーの生地が顔などに張り付いて不快感があったし、風の冷たさをもろに伝えてくるのでけっこう寒いと感じました。まあ、生地が極薄なのでしょうがないのでしょうが、標高2000mを越えるアルプスなどで本格的な雨天時に使うレインウェアとしては、やはり力不足かなと感じました。昨年はそういう感じはなかったのに、なぜ今年はダメだったのか。ちょっと検証してみる必要がありそうです。


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雨と風の中、心なしか活気のない剱沢キャンプ場を通り過ぎます。


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6:24 剱御前小屋まで登ってくると、雨は止んで風だけが吹き付けていました。じっとしていると寒いので、休憩はなしで雷鳥沢へと下ります。


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7:28 雷鳥沢キャンプ場では雨も風も収まりました。蒸れるのでレインウェアを脱ぎたかったのですが、まだいつ降り始めるかわからない状態なので、そのまま室堂へと向かいます。


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8:26 毎度のことですが、雷鳥沢キャンプ場から室堂への道はけっこうきつい上り坂になっているので、かなりバテバテになりながらようやく室堂ターミナルまでたどり着きました。


下山後、岡山へ向けて車を走らせていたら、夕方ぐらいからかなりの土砂降りになり、下山の判断は正しかったなと納得したのでした。

おわり。

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13日



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| 2015年8月 裏剱(池平山) | 18:29 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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