ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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晴天に恵まれた4日間: 立山その6 立山縦走

2015年4月30日~5月3日 富山県立山町 立山 単独テント泊・小屋泊


思いのほか長くなってしまいましたが、今回で最後です。


5月3日(日)

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完全に夏道が露出した雄山への登山道を登っていく途中で後ろを振り返ると、室堂方面から登ってくる登山者がまるでアリの行列のようでした。GW中日の日曜日なので、今日は相当混雑しそうです。雄山だけのピストンだと、上り下りで渋滞になりそうですが、立山縦走の予定なのでその点は心配しなくてもよさそうです。


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標高2850m付近にあるテラス状の場所まで来ました。ここまでくればあと少しですが、雄山直下が大きな岩が多く、少し登りにくい状況になっているので、まだ気楽にというわけにはいきません。


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9:52 雄山山頂に着きました。さすがに山頂付近はそれなりに雪が残っていますが、稜線の半分から南側は地面が出ていて、例年に比べればやはり雪が少ない状況でした。


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ひとまず山頂の社まで登って、縦走路の状況を確認してみました。大汝山まではおおむね夏道が出ており、この縦走路の核心部分である雄山-大汝山間は問題なさそうです。


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過去二回とも山頂の社脇を通る冬ルートを通っているので、鳥居横の夏道から縦走路に入っていくのは初めてです。


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雪があると何百メートルも続く斜面をトラバースするスリル満点のコースになってしまう場所ですが、雪がなければなんてことない登山道です。


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ところが、雄山山頂部を過ぎたあたりのやや谷地形のようになっている場所には、凍結した雪渓がしっかりと残っていました。山頂からは死角になっていて気がつきませんでした。とはいえ、ルートがしっかりと切ってあるので、クランポン無しでもそのまま行けそうです。慎重に進んでいくと、ルートが見えなくなっている先は、4mぐらいの長さの氷の下り斜面になっていました。その斜面には足場になるようなステップは切られていなくて、前爪のあるクランポンとアックスでバックステップで下るしか方法はなさそうです。こんな場所でクランポンを装着することはできないので、少なくとも雪の無いスペースのある場所まで戻って装着しないといけません。どうしたものかと氷の斜面を見ながら考えていると、足元にある一抱えほどある岩の下に別の岩が出ており、そこに足をかけて一段下がれば氷の斜面の中間あたりにあるステップ状の場所に足が届きそうです。そこに足を乗せることができれば、アックスを打ち込んで山側の斜面に手がかり足がかりがあるので、そのまま通過することができるはずです。


まず、足元の岩がしっかりしているかどうかをゆすって確かめてから、その下の岩に左足を伸ばしてゆっくりと体重をかけて安定しているのを確かめます。万一岩が抜けても支えられるように腕は上の岩において体重を残しておき、左足から右足へと乗り換えながら左足を氷の斜面の中ほどにある窪みに伸ばして安定して立てることを確かめます。その後、右手を最初の岩に残したまま、左手でアックスを氷の斜面に打ち込んで固定させてから右手に持ち替え、左手を伸ばして氷の斜面の向こう側にある岩に手をかけて体重を移すという順序でなんとか氷の斜面を通過しました。


しかし、通過してから大いに反省した次第です。うまくいったから良かったものの、まったく確保されていない状態でそんな綱渡りみたいなことをするなんて無謀すぎました。こういう慢心が遭難事故を引き起こす原因になるはずなので、面倒でもクランポンを装着しておくべきでした。単独行では自分以外に自分を守る者はいないということを肝に銘じておく必要があります。


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その後も、同じような凍結した下り坂がもう一箇所ありましたが、そちらは最初の場所よりも斜度が緩く、ステップも切られていた上に山側に手がかり足がかりがあって、滑ってもすぐ下がテラス状になっていてそこに引っかかるような場所だったので、アックスを氷に叩き込みながらバックステップで問題なく通過できました。


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10:24 大汝山に到着です。山頂にはけっこう人がいてのんびりできそうにないので、そのまま通過しました。


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映画「春を背負って」のロケ地となった大汝休憩所は、ほぼ雪から出ていましたがまだ営業はしていません。


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大汝山から先は比較的フラットな稜線歩きなので、楽チンです。


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途中クラックが入り乱れているような場所を越えなければならず、そこだけちょっと緊張しました。


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クラックを越えると、数分で富士ノ折立に到着します。ここも南側は雪がなくなっていて、山頂へ登るのが楽そうです。



ここでひと息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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10:37 山頂に誰もいなかったので、今のうちにということで休憩無しですぐに山頂に向かいました。


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剱岳と同じ2999mの山頂まではほんの5分ほどしかかりません。こじゃれた山名表示板を持って自撮り。固定式液晶のデジカメだと、ちゃんと剱岳が入っているかどうか、いちいち撮影後に確認して撮りなおさないといけないのでけっこう面倒です。可動式液晶のコンデジがほしいところです。


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山頂から縦走路へ降りる途中で、大汝山方面から10数名の団体さんが来てそのまま真砂岳方面に下って行ったので少し休憩時間をとって渋滞を回避しました。5分ほど休憩して出発したら、雪渓が残っている場所を通過したところで団体さんが止まってクランポンをはずし始めたので、団体さんの前に出ることができました。これで渋滞の心配はありません。自分のペースでさくさく下ります。


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11:12 富士ノ折立の斜面を下りきって、大走り方面への分岐まで来ました。日差しが強くてのどが渇いたし、おなかも減ってきたので、ここで大休止をとりました。

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11:20 大走りの上部は地面が出ていましたが、そこから下はしっかりと雪が着いていました。気温が上昇して緩んできたのか、けっこう踏み抜きが多くなってきました。


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荷物が軽いのをいいことに、大またでホップステップジャンプのように飛び跳ねながら下っていき、最後はシリセードで一気に斜面を下りました。


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斜面下の沢筋に出てからキャンプ場までの平坦な雪原を歩くのに15分ほど要しましたが、暑い上に疲れが出てきて、まるで砂漠を歩いているかのような状態でした。


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12:07 腹時計がなる頃に、ちょうどテントに戻ってきました。ひとまず水分補給と食事をして、寝袋を干したりしていましたが、今日の午後から天気は下り始め、明日は雨予報です。思いのほか早く戻ってこれたことだし、このまま撤収すれば天気が悪くなる前に下山できます。もともと明日は朝一番で下山する予定でした。もしも今晩から雨になったら、明日は雨の中での撤収になります。それだけは可能な限り避けたいということで、急遽撤収することにしました。


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縦走後の疲れた体で撤収というのはなかなかつらいものがありますが、なんとか14時過ぎにパッキングを終えて歩き始めました。雷鳥荘前の上り坂を重荷で登り返す元気は無いので、いつものようにブル道を進みます。


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15:25 朝通った道を再び歩き、途中からみくりが池方面に曲がって、やっとエンマ台までたどり着きました。丸二日間軽荷で行動していた反動で、めちゃくちゃ荷物が重く感じます。当然ベンチでゆっくりと休憩をとります。


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気がつけばいつの間にか青空と日差しはなくなっており、奥大日岳の山頂も雲に隠れ始めています。


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剱岳はまったく見えなくなりました。やはり下山が正解だったようです。


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15:48 室堂ターミナルまで戻ってくると、入口付近には大勢の人だかりができていました。天候的には下山が正解でしたが、今日はGW中日の日曜日。しかも夕方近く。混雑はハンパ無い状態でした。その意味では下山は失敗でした。建物の中に入ってみると、階段の途中まで列が続いています。何の列だろうと思いながら下って行くと、なんと高原バス待ちの列が、3階まで延びていたのです。待ち時間は1時間半以上だとか。重い荷物を持ってそんな長時間並んでいられないということで、列が短くなるまで改札の近くで座って待つことにしました。


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待つこと約2時間。ようやく列の最後尾が待っている場所まで来たので並んで待っていると、長時間待たせてすいませんと、女性職員がわさびせんべいを配ってくれました。ピリッと辛くておいしかったです。しかも、最終のバスになるということで、乗車したのはわずか10名ほど。いつもは混み混みの窮屈なバスですが、この日はゆったりと座ってくつろぐことができました。


立山駅の駐車場に戻ってきたのは19時を回っていましたが、長時間列に並んでいなかったのでそれほど疲れた感じも無く山旅を終えることができました。

20150503立山


おわり。

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| 2015年4月 立山 | 16:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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