ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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けっこうスリル満点の尖峰: 烏ヶ山 その1

2015年3月8日 鳥取県江府町 烏ヶ山 単独日帰り


天気予報は曇のち晴。GPV気象予報では8時ごろから雲がなくなるようだということで、朝の撮影はあきらめて久しぶりにピークハントの山行に出かけてきました。


目指したのは伯耆大山の東隣に聳える烏ヶ山(からすがせん)。標高はわずか1448mしかありませんが、山頂部はかなり切り立った尖峰になっており、しかも烏ヶ山主峰へは南峰から鞍部へ急下降して再び急勾配を登り返さなければならないので、標高のわりにはけっこう厳しいルートです。2011年4月に登ったときにはまだ雪山を始めたばかりで経験も浅く、強風だったこともあって、山頂直下のナイフリッジのところで引き返しました。あれからそれなりに経験も積んだことだし、今回は山頂に立てそうな気がします。


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9時過ぎに鏡ヶ成に着きました。やや寝不足気味ですが、体調は悪くありません。鏡ヶ成上空には雲があるものの、途中で青空と大山が見えたので、テンションはけっこう高まりつつあります。


9:45 近道をするために駐車場から雪の壁を這い上がり、登山口に向けて歩き始めました。しかし、登山口の取り付きまできたときに、ワカンを忘れてきたことに気がつきました。烏ヶ山は登山口からしばらくは傾斜の緩い森の中を歩きますから、ワカンなしでは厳しいかもしれません。なので、車まで取りに戻りました。


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10:06 20分の時間ロスをして、再び出発です。


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道路脇の雪壁に登山口が切られていました。烏ヶ山の登山規制はまだ解除されていませんが、昨今は登山者も多く、積雪期はBCスキーやボーダーも多く入山しています。なので、トレースもたっぷりつけられていることでしょう。


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歩き始めるとすぐに赤テープがつけられた笹の枝が雪につきたてられていました。ちょうど到着したときにけっこうな集団が登山口にいたので、ツアー団体が入っているのかもしれません。しばらくは集団のトレース跡をたどって歩きました。


途中でワカンを装着して、再びトレースをたどります。小さな谷を越えたところで、何か方向が違うと感じました。秋にこのルートを歩いたときの記憶では、谷を越えた後は右に曲がるようにして緩やかな傾斜の森の中をほぼまっすぐ登っていったはずです。トレースは右に曲がらずに斜面を横切るような方向へ続いています。もしかしたら登山ツアーではなく、巨樹探しのスノートレッキングのツアーかもしれません。なので、ここでトレースと別れて、独自に山頂を目指すことにしました。


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15分ほど森の中を進んでいくと、単独のスノーシューの跡がありました。自分の行く方向にまっすぐ進んでいるので、どうやら道がわかっている人のトレースのようです。なので、このトレースをたどっていくことにしました。それにしても烏ヶ山の麓に広がるこの森は、視界が効かない上にどこも代わり映えのしない似たような森がずっと広がっていて、地図を見ていてもどこにいるのかさっぱりわかりません。とにかく、緩やかな斜面を上へと進んでいくしかありません。GPSがあるので迷うことはありませんが、地図もコンパスも持たずに入ってきたら、確実に迷うことでしょう。


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さらに数分進んだところで、複数人が通ったと見られるスノーシューの跡がありました。先行している単独行の主は、どうやらこのトレースをたどって行ったようです。方角的にはちょっと違うかなあという気がしますが、とりあえずこのトレースをたどってみることにしました。


トレースは自分が思っているよりもやや西よりに向かっていますが、おおむね正しい方向のようです。少し進むと見晴らしの良い場所に出てきました。烏ヶ山も目の前にくっきりと見えました。本来、自分がたどるつもりだった尾根は右手にあり、トレースはその尾根から外れて左手にある尾根のほうへと続いています。どちらの尾根をたどっても、結局は上で合流するのでかまわないのですが、トレースが目指している左手の尾根へ向かうとやや遠回りになります。


出発してから1時間強経っていることもあり、ひとまず休憩することにしました。軽く汗をかいたので、ソフトシェルジャケットは脱いで、ドライとベースの2レイヤーだけで登ることにしました。すかっり春の日差しです。


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休憩後、トレース跡とは分かれて進むことにしました。本来目指していた夏道のある尾根に戻るのは面倒なので、目の前に見えている尾根に取り付くことにしました。ここからは傾斜が急になってきますが、比較的広くて一本調子の尾根のため、ジグザグに登っていくとそれほどつらくありません。



ここでひと息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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標高1050mあたりから、木の枝に霧氷がつき始めました。


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霧氷といっても透明な氷状のものなので、もしかしたら雨氷なのかもしれません。太陽に照らされてまぶしいほどキラキラと輝いています。残念ながらこのキラキラ感を写真で表現するのが難しく、以前から何度か挑戦しているものの、いまだに納得の行く写真にすることができません。


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こちらは一眼レフで撮影したもの。


人間はわりと広い範囲で物事を見ていても、実際には一番きれいなところだけをイメージ的に抽出しているといわれています。なので、見た目と同じような画角で写真を撮ると、記憶の中のイメージと違ってしまらない写真になったり、見た目の感動が希薄な写真になりがちです。ここでは、どちらの写真も大胆にトリミングしているので、それなりにキラキラ感は出たかもしれません。トリミングでなんとかするよりも、撮影するときに大胆にズームして一番輝いているところだけを切り取るようにしておくべきです。知識としては知っていてもなかなか実践できていないので、反省しないといけません。


ところで、お昼近くなって気温が上がってきたためか、木の下にいると枝についた氷がカラカラと音をたてて降り注いできます。雨のように氷のかけらが落ちてくるというのも、なかなか見られない貴重なシーンかもしれません。


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鏡ヶ成を覆っていたガスはすっかり消えうせて、視界も良好です。今日は絶好の登山日和になりました。思えば、今冬では初めての晴天登山です。


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標高1150mあたりにあるブナの森です。ここは、広々とした1枚バーンにまばらにブナの巨木が生えている場所で、傾斜が急なため下から見上げるとブナ林の背後が空に抜けていて、画になるところです。個人的に気に入っている場所でもあります。2011年4月に登った時は、当然ながら霧氷はついていませんでしたが、今回は霧氷がついた白い森の様子を見ることができました。背後が青空で雲もあるのでとってもいい感じです。


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渦巻くような雲の形もいいアクセントになりました。しかし、ここは風が強く気温も下がってきたため、ジャケット無しでは凍えそうになりました。ブナの根元付近にやっとやや傾斜の緩い場所を見つけて荷物を下ろし、ジャケットを着てひと安心。この森を抜ければ、もうすぐ急斜面は終わりです。


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標高1280m付近で、ようやく尾根のてっぺんが見えてきました。少し雪庇ができているので、上にあがるのがめんどくさそうですが、とにかくあの上に出れば傾斜も緩やかになり一息つけます。


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アックスで雪庇を切り崩して、ようやく尾根の上に出ました。展望が開けます。


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一息ついていると、上から5人ぐらいの団体が下ってきました。見ると、先頭の年配男性は名前の書いたカードをぶら下げています。どうやらツアー団体のようです。少し世間話をしてすれ違いましたが、先頭のガイドらしき人はもちろん、その後に続く参加者も皆、クランポンもアックスも未装備です。冬山登山の装備を持たずにこんなところまで登ってくるなんて、無茶なツアーだなと感じました。参加者の一人はスキージャケットのようないでたちだったので、もともとはスノートレッキングのツアーだったのかもしれません。尾根上に出るまではスノーシューで来て、そこでスノーシューをはずしてつぼ足で登ってきたのでしょう。参加者もまさか烏ヶ山の山頂近くまで装備無しで登ることになるとは思っていなかったのかもしれません。

つづく。


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| 2015年3月 烏ヶ山 | 18:49 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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