ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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2.0倍のエクステンダーは本当に画質劣化がひどいのか?

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エクステンダーとは、すなわちテレコンバーターのこと。 望遠レンズの後に装着して元のレンズの焦点距離を延長させるためのアクセサリーです。要するに、200mmのレンズに装着して、カメラに取り付けて撮影すれば、1.4倍のエクステンダーであれば280mm、2倍のエクステンダーであれば400mmのレンズになるわけです。


キャノンでは、テレコンをエクステンダーという名称で販売しています。エクステンドとは拡張するという意味なので、レンズの焦点距離を拡張するアクセサリーということなのでしょう。ここでは、キヤノン製品の話なので、以下エクステンダーという名称を用います。


エクステンダーには1.4倍の1.4xと2倍の2.0xがあります。現行品はそれぞれ3代目ということで、1.4xⅢ、2.0xⅢという名称ですが、僕が持っているのは1.4xⅡと2.0xⅢになります。光学製品なので、基本的に新しいほうが性能はいいのですが、1.4xⅡと1.4xⅢがどれほど違っているのかはなんともいえません。ネット上では、周辺部の描写がよくなっているなどの意見もありますが、明らかに違うというほどの差はないようです。違いはわからないという意見も多く見られますので、重箱の隅をつつくようなあら捜しをすればわかるというレベルではないかという気もします。


一般的に言われているのが、エクステンダーを装着すると画質が落ちるということ。この話はエクステンダー1.4xⅡの記事で詳しく書いているので、ここでは割愛します。もうひとつ言われているのが、AF速度が遅くなるということ。これは確かに自分でも感じます。もっとも、コンマ何秒というレベルの差だと思うので、特に遅さが気なるということはありません。飛んでいる鳥のように動きの早いものを撮影していると気になってくるのかもしれませんが、せいぜい雷鳥が歩くぐらいの速度であればなんら問題ないというのが実感です。なので、AF速度については、ここでは取り上げません。なお、AF速度に関しては、Ⅱ型よりもⅢ型のほうが改善されているらしく、Ⅲ型はそれほど速度が落ちないという情報もネットで見られます。


ef20xiii.jpg
今回記事にするのは、2倍のエクステンダーは1.4倍のエクステンダーよりも画質劣化が大きく使えないという噂の検証です。正直なところ、この噂はなんとなく本当らしいという気がしていて、これまで2倍のエクステンダーの購入は見送ってきました。もっとも、どちらかといえば手持ちのレンズではAFが使えなくなるというのが、購入を見送ってきた主な理由です。1.4倍のエクステンダーを装着すると1段、2倍なら2段暗いレンズになってしまうので、EF70-200mmF4のレンズに装着すると、それぞれF5.6、F8のレンズになってしまいます。一眼レフの位相差AFシステムは、通常ではF5.6よりも暗いレンズだとAFができないので、2倍のエクステンダーを装着するとAFが使えなくなってしまいます。最近ではF8でもAFができる機種もでてきたので、そういう機種を使っている場合は問題ありません。


ところで、最近の一眼レフはライブビュー撮影ができるようになり、位相差AFのほかにコントラストAFというAF方式を併せ持っています。このコントラストAF方式は画像そのものがもっともシャープになるフォーカス位置を検出してピントを合わせる方式なので、レンズのF値に縛られないのです。つまり、F5.6よりも暗いレンズでもAFが可能になるというわけです。少し前まではコントラストAFは位相差AFに比べて極端にAF速度が遅いという欠点がありましたが、最近ではかなり速くなっています。動きの速い被写体を追うのでなければ、ほぼ実用に足る速度です。そして、コントラストAFは低価格の機種でも搭載しているので、誰もがこの恩恵にあずかることができます。6Dで試してみたところ、一昔前のコンデジ並みの速度はあるようなので、これなら使えそうだと感じました。であれば、画質さえ許容できれば2倍のエクステンダーを使わない理由はなくなります。


雑誌やネットで2倍のエクステンダーを使った写真を見る限りにおいては、それほど画質が悪いとは思えなかったので、今年のGW前に思い切って2xⅢを購入してみたわけです。1.4xⅡと同じⅡ型にするという手もありましたが、今後長く使うことを考えると、最新の光学設計で作れらているⅢ型にしておいたほうがいいだろうという判断です。


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さて、前置きが長くなりましたが、実際に1.4xⅡと2.0xⅢで撮り比べる機会があったので、ここで比較検証してみようと思います。撮影時の状況は以下のとおりです。

カメラ: EOS40D
フォーカス: ライブビューによるマニュアル
レンズ: EF70-200/F4L IS USM
三脚: スリック プロ700DXⅢ
雲台: スリック SH-806高精度3ウェイ雲台

レリーズ使用、ミラーアップにより撮影。被写体までの距離は目測で約40m。RAWで撮影後、レタッチなし現像のみ。


<写真をクリックで拡大します>
IMG_6852B.jpg
1.4xⅡで撮影した画像を2xⅢと同等の画角になるようにトリミングした画像です。リサイズしていない画像を掲載できればいいのですが、ファイルアップロードの容量制限に引っかかってしまうので長辺1800ピクセルにリサイズしています。モニターで等倍にしたときの大きさがA3ノビぐらいになると思いますので、一般的に家庭でプリントできる最大サイズであり、写真展でも使えるレベルの大きさということでは、適当なサイズかもしれません。



<写真をクリックで拡大します>
IMG_6860.jpg
2.0xⅢで撮影し、長辺1800ピクセルにリサイズした画像です。トリミングはしていません。


2つの画像を見比べてみて、明らかに2xⅢで撮影したほうが画質が劣ると感じる人はめったにいないと思います。少なくとも、僕の感覚ではわずかに2xⅢが甘いように感じるものの、おおむね同等といえると思います。被写体であるニホンカモシカの毛並みなども、だいたい似たような再現性です。この程度の差なら、現像時のレタッチで十分カバーできるレベルだといえるでしょう。


ピントについては、40Dはライブビュー時のコントラストAFは搭載していないので、MFであわせてます。ピントの山がわかりにくい40Dのモニターを見ながらのMFだったので、もしかしたら若干はずしている可能性はありますが、それはどちらも同条件です。


よく見ると2xⅢのほうが背後の木立が少しアウトフォーカス気味ですが、ニホンカモシカと後ろの木立とは少し距離があったので、被写界深度を外れかけているためと思われます。2xⅢの画質劣化も少しは影響があるのかもしれません。


念のため、等倍に相当する大きさで画質の比較をしておきます。


上が1.4xⅡ、下が2.0xⅢです。
IMG_6852C.jpg

IMG_6860C.jpg




IMG_6852D.jpg

IMG_6860D.jpg




IMG_6852E.jpg

IMG_6860E.jpg


見比べると、リサイズした画像ではわからなかった画質の違いが見えてきます。わずかな違いですが、やはり2xⅢのほうがニホンカモシカの毛並みの描写が甘いです。


背後の木立は2xⅢのほうが明らかにぼけていますが、これは先にも書いたように被写界深度の影響が大きいと思われます。ニホンカモシカの足元の等倍画像を見比べると、枯れ草の枝などの描写はそれほど大きな差がないので、エクステンダーの画質の差以外の影響が大きいのではないかと考えられます。2倍のほうが当然ながら合成焦点距離が長くなり被写界深度も浅くなりますから、ピントがあっているように見える範囲は狭くなります。ネット上でよく見る2倍のエクステンダーは画質劣化がひどいという意見は、被写界深度と画質の問題がごちゃ混ぜになっている可能性があるのかもしれません。


というわけで、厳密に比較すれば2倍のほうが画質の劣化が大きいというのは真実ですが、使えないというほどのレベルではないというのが個人的な感想です。実際、プロの写真家でも2倍のエクステンダーを使用した作品を発表したりしているわけで、決して使えないというようなものではないといえます。


2倍のエクステンダーを使うよりも、1.4倍で撮影してトリミングしたほうがいいという意見もあります。確かに画質だけみればそのほうがいい場合もあるのですが、トリミングをすれば画像のサイズが小さくなり、大きく伸ばしてプリントするような場合は画像の拡大率が大きくなって画質劣化してしまうということもありえます。そうなると、2倍のエクステンダーで撮影した場合と差がなくなるか、かえってよくないということにもなりかねないので、それほどメリットがあるとはいえません。


等倍で比較してわかるレベルの違いを問題にするかどうかは人それぞれです。しかし、等倍の画像というのは、長辺が4000ピクセル近い大きさですから、パソコンのモニターで見た場合、モニターを横に3.5枚ぐらい並べた大きさになるわけで、そんな大きさの画像を間近で見てやっとわかるぐらいの差が大きな問題になるとは、個人的には思いません。


結局のところ、写真の良し悪しを決める主要なファクターは、被写体そのものであったり、構図であり光でありシャッターチャンスであったりするわけですから、エクステンダーの画質劣化など取るに足りない問題ではないかと思うわけです。もちろん、 超望遠レンズが使えればそれにこしたことはありませんが、大きくて重い機材をたくさん担いで歩いたり登ったりするのはかなりの重労働です。超望遠レンズの使用頻度が高くないのであれば、小型軽量化ができるエクステンダーの活用というのは、合理的な選択です。AF速度が遅くなるということが大きな問題でないのであれば、2倍のエクステンダーも十分実用に足りるというのが、僕の正直な感想です。


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