ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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雪の立山大縦走その6

2014年4月30日~3日 富山県立山町 立山 単独テント泊・小屋泊


3日目(5月2日)別山~剱御前小屋

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雲のベールを纏った剱岳は、顔を出したり隠れたりで、その全容をすっきりとは見せてくれません。夕日に染まる剱岳は無理かもしれないという気もしてきました。


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眼下には真っ白で滑らかな剱沢がゆったりと広がっています。剱沢キャンプ場にはテントが数張あるだけ。GWといえどもさすがに谷間の平日はここまで上がってくる人は少ないようです。来年は、ここまで上がってみるというのもありかなあと思いつつ、スケールの大きな風景に見とれていました。


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目をゆっくりと左手方向に向けると、これから進むべき別山尾根が緩やかな起伏をともなって続いています。その先の鞍部にまぶしく光っているのが剱御前小屋の屋根です。あそこまでなら15分もあれば楽勝です。滑落しそうな場所もないし、のんびりと歩いて行けばいいだけです。


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さらに左に目向けると、雷鳥沢や室堂、浄土山などが一望できます。昨日降った雪のおかげで、この時期にしては純白のきれいな風景になっており、すごくきれいです。このまま日没までずっと見ていたい気持ちになりますが、そろそろ出発しないと夕食に間にあわなくなります。


16:00 別山山頂を出発します。順調に行けば予定の16時30分よりもすこし早く小屋に着くことができそうです。


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ところが、予定外の誘惑があるもので、雷鳥発見。立山を望む斜面でのんびりとしています。立山を背景にした雷鳥の写真が撮れないものかとつい道草を食ってしまいました。結果は失敗でしたが・・・ 雷鳥を大きく写そうとすると立山が入りません。


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立山を入れると雷鳥が小さくなってしまい、そのうえ羽が抜けかわりはじめた白黒模様の羽が、残雪と砂利の風景に見事に溶け込んで、よく探さないとわからにほど。うまくできているものだと、逆に感心するほどです。


早々にあきらめて再び小屋を目指します。2度ほど大きく踏み抜いて足が抜けなくなり、悪戦苦闘してようやく抜け出すなど、思わぬタイムロスも重なって、小屋に着いたのは16時30分を少し過ぎてしまいました。


受付をしているときに混雑具合を聞いてみると、定員に近いぐらいの状況だということですが、とりあえず布団1枚で一人という状況は確保されているので助かりました。


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8畳の部屋に4人だったので、布団もゆったりと敷くことができました。


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5時になって食堂に下りていくと、たしかにテーブルはほぼいっぱいの状態でした。食事つきの小屋泊まりは、いったいいつが最後だったか思い出せないぐらいです。たぶん、2年ぐらい前に荒天で逃げ込んだ三俣山荘以来ではないかと思います。暖かくおいしい食事にすっかりまんぞくです。以前ならご飯を大盛り2杯は食べていたところですが、この日は1杯だけで満腹になってしまいました。食が細ったのか、それとも途中で食べた行動食がいがいとお腹に残っていたのかわかりませんが、我ながら意外でした。


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食後すぐに装備を持って、夕焼けの撮影に出かけました。小屋を出て剱御前方向に尾根を少し登ったところにある2792mのピークから夕日に染まる剱岳を狙うつもりでしたが、西の空の低いところにけっこう雲が出ていて剱はきれいに染まってくれません。全体的に赤っぽくなったもの、期待していたような光景は見られず、今後のお楽しみとなってしまいました。


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しかし、大日三山の向こうに沈む夕日は、けっこうきれいに撮れたので、それがせめてもの救いです。


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日没後のブルーモーメントも期待していたのですが、これもいまひとつだったので、19時前には切り上げて小屋に戻りました。


同宿の人はみな男性で、一人は僕と同じく写真目的の登山ということでした。ラムダの大型バックパックにフィルムの645カメラ機材をつめてきたとのことで、いまでもフィルムユーザーはしっかりと残っているんだなあと実感しました。4人のうち1人はそうそうに寝てしまったので、残った3人で8時ごろまで話をして就寝しましたが、これが失敗でした。

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4日目(5月3日)下山

2時に起きて準備をして、3時ごろから星空の写真を撮るつもりだったのですが、まったく起きる事ができず、ようやく布団から出ることができたのはすでに3時を回っていました。この時期は4時ごろには空が明るくなってしまうので、星空の撮影はこの時点でほぼ不可能。夕日に続いて星空も撮り逃してしまうとは、大失態です。せめてモルゲンロートの剱岳だけでも撮って帰らなければ来た甲斐がないというものです。


なんとか準備を整えて、あわてて小屋を出たのは午前4時。別山尾根をたどって別山方面に行くということも考えましたが、見下ろすよりも少し見上げるぐらいのアングルのほうが山の迫力はでるように思うので、剱沢を下ることにしました。15分ほど下ったあたりで、すでに右手前方の空が赤く色づき始めました。このままテント場まで下って行くと、アングル的に赤く染まった空が入らなくなってしまうと思い、剱御前方向に少し上ったところで三脚をかまえました。


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夜明け前の寒々とした山の空気が辺りを包み、闇の中から次第に剱岳が浮かび上がってきました。撮影場所もわりと標高が高いので、剱岳の迫力がいまひとつのように感じますが、今動くと朝のいい瞬間を撮り逃しかねないので、今日はこの場所で撮りきることにします。やはり、何度も通って自分なりの撮影ポイントを探さないと納得の行く写真は撮れません。


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5時を回ってようやく剱岳に朝日が当たり始めました。山頂から次第に光が降りてくるのかと思いきや、ちょうど剱沢が窓のようになっているのか、下のほうが早くから色づいてきました。方角的に南から見ているので、山全体が色づく感じになりません。やはり、もっと東側から見ることができる場所を探さないといけないようです。ネット上で検索しても、積雪期の剱岳の印象的なモルゲンロートの写真がヒットしないのは、これが原因なのかもしれません。しかし、それならそれで撮影しがいがあるというものです。


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5時15分ごろになると、太陽の赤色はだいぶ弱まって、だんだん白っぽくなってきました。ただ、このころになると剱岳の上にちょっとした縞状の雲が流れてきたので、それはそれでいいアクセントになりました。日の出直後と光があたっている面積はそれほど変わっていないので、あまりドラマチックな変化はありません。

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5時20分を回ると、朝のドラマは終わりました。これにて撮影は終了です。結局、3つの目標のうち、1つだけがなんとか実現できましたが、1つでも実現できたのならよしとしなければなりません。


小屋に戻って、玄関ホールのストーブで暖まりながら、昨晩受け取った朝食の弁当をたべていると、「食事の用意ができました」とアナウンスが流れました。朝食が6時からなら弁当にしなくてもよかったなあと少し後悔しましたが、いまさらどうにもなりません。この時期は、夕食後に夕日の撮影ができるし、朝食前に朝日の撮影ができるので、タイミング的にいい時期のようです。


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7:30 食事も終わり、部屋に戻って布団をたたんで、パッキングを終えて出発です。小屋を出ると、あいかわらず強い風が吹き付けます。横倒しに並べてあるドラム缶をベンチ代わりにしてクランポンを装着し、雷鳥沢へと向かいます。


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雷鳥沢から登ってくる尾根筋の頂上部は、いままで見たことがないぐらいりっぱなナイフリッジになっていました。というよりも、いままでは稜線ではなくて、少し下の斜面にトラバースルートがつけられていたのが、今年はなぜか稜線がルートになっているということのようです。今朝もいい天気ですが、天気予報では前線が近づいていて、午後から崩れるとの予報です。天気がよければ途中から室堂乗越方面に寄り道して、大日岳へ登って帰るという手もありましたが、天気予報を見たあとではさすがにそれはできません。天気が崩れる前に、早くテントへ戻って日のあるうちに寝袋を干しておきたいと考えながら歩いていました。


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雷鳥沢へとまっすぐ下る斜面の途中から、白く輝く立山がくっきりと見えました。無雪期の山も悪くないのですが、やはり積雪期の美しさは格別です。


テントに戻ると、まずは寝袋を引っ張り出して、テントの上に広げました。テント内部の隅っこや銀マットのしたにたまっていたしずくをふき取ったりしているうちに、いつの間にか空には雲が広がり、ほどなくして日差しもなくなってしまいました。寝袋の日干し乾燥計画はあえなく頓挫してしまいました。昨日一日晴天下のテント内に置きっぱなしだったから、寝袋のダウンも乾燥しているのではないかと思うものの、もしかしてまだ湿ったままだったら今晩も寒い思いをするかもしれないなあと思うと、もう一晩テントに泊まるのがだんだん嫌になってきました。


時間はまだたっぷり残っていることだし、いっそこのまま撤収して下山してしまうというのもありだなと思いつきました。頭上を見ると、すっかり曇り空になっていて、前線が近づいてきているのがわかります。どうせ明日は下山するだけだから、このまま天気が崩れて、撤収時に雪か雨なんてことになったら面倒です。それならいっそ今日中に下ってしまうほうがまだ楽です。そうだそうだ、そうしよう。


下山することに決めた時点で、干していた寝袋は即撤去。コンプレッションバッグに押し込んで、パッキングを急ぎます。ちょっと急ぎすぎてずさんなパッキングになったらしくて、入山時よりも荷物がぎゅうぎゅうになって、なぜだかバックパックに入りきらない状況になってしまいました。しかし、無理やり隙間に押し込んだり、ポケットに詰め込んだりしてようやく撤収完了です。


例年通り、ブル道をたどって途中からミクリガ池方向に出るルートで歩き始めると、天気はどんどん悪化してきました。ミクリガ池に近くなった頃には、ガスに巻かれて視界もあまりききません。雪の上の足跡と竹ざおを頼りに歩いて行きますが、なんだかいつまでたってもミクリガ池温泉が見えてきません。ふと気がつくと、前方に手摺が連なっています。なんと、地獄谷を見下ろす展望台に来ていたのです。通常ならミクリガ池温泉の裏から、雷鳥荘方面にまっすぐにルートがあるのですが、ガスでその分岐がわからず、竹ざおにそって歩いたためにぐるりと大回りしてしまったのでした。なんだかどっと疲れが増した気分です。


ようやくミクリガ池温泉にたどり着き、ベンチで少し休憩してから、すぐに室堂ターミナルへと向かいます。ガスで全然ターミナルが見えないので、まだかまだかと思いながら歩いていくと、突然目の前にターミナルが現れました。中に入っていくと、連休の後半初日らしく大混雑。この入下山時の混雑さえなければいいのですが、こればっかりはどうにもなりません。一般の観光客と一緒になってしまう場所の宿命です。


バスを待つ長蛇の列にならび、待つこと30分ばかり。ようやくバスに乗れたのはいいのですが、バスの中でわがままで自己チューの爺さんにちょっと不愉快な気分にさせられたものの、とにもかくにも無事立山駅に降り立って、ホット一息つくことができました。観光客と同じ交通機関を利用する登山というのはできれば避けたいところですが、立山だけはどうしようもありません。来年からは、下山時は朝一番のバスで下るようにしようと思ったのでした。

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| 2014年4月 立山 | 16:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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