ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

名もなき尾根から槍ヶ峰へ: 伯耆大山その1

2014年3月9日 鳥取県大山町 伯耆大山文殊尾根(仮称) 単独日帰り



夏山登山道を使った積雪期の伯耆大山登山はすでに何度も実行済みですが、そろそろバリエーションルートに挑戦してみてもいいかなと思っていました。9日はあまり天気は良くないようなので、撮影山行には不向きでした。大山南壁の撮影ポイントとして、鍵掛峠よりももっと南壁に近いところから撮れそうな場所として、文殊越から槍ヶ峰へと続く尾根の途中あたりが気になっていたので、ロケハンをかねて行ってみることにしました。この尾根、ちょうど大山南壁と東壁を分ける尾根であり、当然名称ぐらいあるのかと思って大山遭難防止協会が出している大山南壁概念図や東壁概念図を見たのですが、当該尾根には何も記載されていません。なので、便宜上「文殊尾根」と仮称することにします。


夜明の撮影を考えなくていいので、朝は比較的ゆっくり起きて、午前5時30分に出発。蒜山の雪の様子を確認したかったので、落合まで高速を使って、そこからは湯原を経由して下道でのんびり。蒜山はまだそれほど地面が出ている様子もなく、まだ雪山として縦走が楽しめそうな雰囲気でした。来週あたり蒜山三座縦走を狙ってみようかなどと考えながら奥大山スキー場を目指します。道路に設置されていた電光温度計が-6度を表示していて、かなり寒い1日になりそうな予感です。


奥大山スキー場についたのは午前8時ごろ。それほど混雑してなかったので、一番奥の駐車場にスムースに停めることができました。スキー場を利用するわけではないのに、ちゃっかり駐車場を使わせてもらってどうもすいません。


IMG_0943.jpg
8:26 出発です。パークウェイの入口は除雪された雪がうずたかく積まれていて、まるで立ち入りを拒んでいるかのようです。脇をよじ登って雪壁の裏側に回りこむと、20名ぐらいのBCスキー&スノボのツアーらしき一群が道いっぱいにひろがって準備していました。その中を縫うようにして通り抜けて行きます。うかうかしているとこの群集に巻き込まれかねないので、追いつかれないように足早に先を急ぎます。


IMG_0944.jpg
道路上にはたっぷりと雪が積もっていて、トレースもばっちり。トレースは比較的よく締まっていて、多少沈むことはあれどスノーシューなどまったく必要ないぐらいで歩きやすい状態でした。


IMG_0945.jpg
トレースは途中から道路を外れて、まっすぐ小谷の森の中を上がっていきます。わざわざ健康の森を経由する必要はないので、合理的なトレースです。


途中、暑くなってきたので、ソフトシェルジャケットの下に着ていたフリースのベストを脱いだり、早めにスノーシューを装着したりしていると、集団が近づいてきたので、あわてて出発しました。


IMG_0947.jpg
9:43 鳥越峠方面と文殊越え方面との分岐地点に来ました。夏道はどちらにしても文殊越えを経由しますが、積雪期は鳥越峠方面に進む場合は小谷を直進して行きます。トレースも直進方向はしっかりと踏まれていますが、文殊越え方面へはスキーの跡が1本あるだけです。今日の目的は文殊越から槍ヶ峰へと突き上げる文殊尾根を直登ですから、ここを左へ進みます。


IMG_0948.jpg
登山者のトレースがなくなったおかげで、分岐から先は軽いラッセル状態になりました。あらかじめスノーシューを装着していたので、たいして深くはもぐりませんが、やはり歩きにくくそれなりに疲れます。


IMG_0949.jpg
10:03 そろそろ文殊越の分岐あたりだろうとGPSで確認してみたら、まさに分岐地点にさしかかるところでした。


IMG_0950.jpg
左手の尾根が低くなって、わずかな鞍部のあるところが文殊越えです。スキーの跡はまっすぐ上へと続いていますが、左手の文殊越方面はまったくの新雪です。ここから先は、どれほどのラッセルになるのか、行ってみないとわかりません。


IMG_0951.jpg
文殊越えへと足を踏み出してみると、脛ぐらいまでのラッセルとなりました。スノーシューをつけていて脛までもぐるのであれば、つぼ足だと膝上までもぐっていたことでしょう。


IMG_0952.jpg
文殊越え手前の斜面にさしかかると、傾斜が増したこともあって膝上まで隠れる状態になってきました。こうなると普通に歩くことができなくなるので、膝で雪を押しつぶしてから、そこへ足を蹴りこんでステップを作り、よっこらしょっと体を持ち上げるという歩き方になり、疲れも倍増です。


IMG_0953.jpg
ようやく文殊越にたどり着き振り返ると、烏ヶ山が見えましたが、山頂部分はガスの中でした。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



IMG_0954.jpg
文殊越から右手方向、北西に向けて続く尾根をたどります。出だしは比較的傾斜の緩やかな広い尾根で、木々もまばらなのでほぼまっすぐ登っていくことができました。


IMG_0955.jpg
背後には、自分のトレースだけが続いています。


IMG_0956.jpg
途中大きな動物の足跡を見つけました。子供の手ぐらいの大きさがあり、かなりしっかりとした指のあとが残っています。もしかしてツキノワグマ? ツキノワグマの足跡は5本指らしいので違うかなあという感じですが、さりとてこんなに指がはっきりと見える動物って他に何がいるだろうか・・・とどうもすっきりしないまま、その場を離れました。


IMG_0957.jpg
尾根の傾斜が増し、雪も少し深くなってきたところで空腹感に襲われてちょっとばててきたので、小休止をとりました。その頃になると、空にはときおり青空が見えるようになってきて、日差しも降り注ぐようになってきました。このまま天気予報が外れて晴れてくれればいいのにと思いながら、休憩を終えて出発します。


IMG_0958.jpg
途中、キリン峠の上に集団が立っているのが見えました。おそらく途中まで後から来ていた集団でしょう。キリン峠の標高は1405m。こちらはまだ1200mを越えたばかりです。やはり踏み跡のしっかりしたトレースをたどれば早いですねえ。


IMG_0959.jpg
キリン峠から右へと視線を移動させると、烏ヶ山がきれいに見えていました。さっきまで山頂部はガスの中だったのに、いまではすっかりガスが消えています。


IMG_0962.jpg
標高1250mぐらいから尾根が狭くなり、少し雪庇ができたりしていましたが、特に危険な場所もなく、快適に進んでいくことができました。


IMG_0963.jpg
ただし、1箇所だけ、傾斜が急で凍結していた場所があり、爪のついていないワカンやスノーシューでは登れないかもという場所がありました。今回は、つま先と踵に爪のついているエキスパートジャパンのワカン型スノーシューを使っていたので、前爪を使ってそのまま登ることができました。ここより下でも凍結箇所がときどきあったので、爪のないワカンはこういうルートには向いていないのかもしれません。


IMG_0967.jpg
11:27 前方に大山東壁が見えました。このアングルで見る大山は初めてです。ピラミダルな三角錐の姿は、シャープでいい感じです。このあたりから西風が強くなり始め、ソフトシェルだけでは寒さがつらくなってきました。ちょうど尾根の東側に若干低くて幅がある場所があり、座ると風があまり当たらなかったので、休憩してハードシェルを着ることにしました。


IMG_0969.jpg
チョコレートを熱い生姜湯で流し込み、ハードシェルを着こんでいざ出発です。いつも思うことですが、ゴアテックスプロシェルのハードシェルは、それ自体は断熱性がとくにあるわけでもないのに、着た瞬間に暖かいと感じます。完全な防風性能が極寒の山岳地でいかに重要であるかを実感する瞬間です。どんなに風が冷たくても、このジャケットを着ると大げさかもしれませんが生きて帰れるなと思います。最近は通気性のある新素材のハードシェルも出ていますが、厳冬期の雪山で極限状況に陥る可能性を考えると、やはり通気性のない完全な防風性能をもったハードシェルのほうがシェル内部の熱を逃がしにくく、保温性能にも優れるのではないだろうかと思うわけです。ま、僕は通常はソフトシェルを着用し、ハードシェルはかなり条件が厳しいときにしか着用しないのでそういう考え方ですが、ウェアリングによって求めるものは違うでしょうから、考え方は人それぞれです。

つづく。



ランキングアップにポチッとご協力お願いします。
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

| 2014年3月 大山文殊尾根 | 18:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamaphoto55.blog133.fc2.com/tb.php/536-907d4412

TRACKBACK

NEXT | PAGE-SELECT | PREV