ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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大雪で疲れも倍返しだ!: 石鎚山その2

2014年2月22日~23日 愛媛県西条市 石鎚山(標高1982m) 単独避難小屋泊山行


15:40 前社が森で20分ほど休憩した後、再び歩き始めました。前社が森からはやや傾斜のある斜面を少し登れば、あとは斜面のトラバースで夜明峠に続く尾根に出られるはずです。


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ところが、トラバース道になる手前から、トレースはさらに急斜面を直登しているではありませんか。地図の緑色の○印部分ですが、赤線が実際に歩いたルート、青線が夏道のルートです。斜面をトラバースして尾根に出る夏道のルートだと斜度は緩やかで楽チンなのですが、けっこうな傾斜の斜面ということで雪崩や滑落の危険はあります。このトレースをつけた人はそれを嫌って直登したのか、それとも夏道を知らずに直登したのかはわかりません。とにかくこのトレースをたどってみた上でひとつ言えるのは、かなり傾斜のきつい直登であり、そのうえ木の枝などに邪魔をされて歩きにくいし、パウダースノーで足元が滑りやすく、かなり体力を消耗したということです。


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16:00 ふらふらになってようやく尾根の上に這い出ると、白銀に輝く夜明峠と青黒く聳え立つ石鎚山の威容が目に飛び込んできました。昨年のように夜明峠の木々は真っ白な霧氷に飾られているというわけではありませんが、それでもこのスケール感のある風景は、これだけを見に来る価値があると思えるほどすばらしいものです。


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夜明峠にはテントが3張設営されていました。ここでテント泊すれば、夜明峠越しの石鎚山と星空の撮影ができるので、テント泊もいいかなと一瞬妥協しかけましたが、まだ時間はあるし、今回はとにかく山頂避難小屋に泊まって、天狗岳の星空撮影をしたかったので、気持ちを改めて先へと進みました。しかし、峠を過ぎて道が再び登り道になってきたところでばててきて、たまらず休憩をとることにしました。そこはすでに石鎚山の影の中へ入ってしまっていて、冷たい風も吹いてきてちょっと寒さを感じます。こんなことなら、日の当たる夜明峠で休憩してくればよかったと悔やんでみても後の祭りです。行動食をとり、暖かい飲み物を口にしてしばらく休むとなんとか歩く元気が出てきました。


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一の鎖を巻いて夜明峠から一段上の尾根まで上がってくると、そこにもテントが設営されていました。このあたりにこれだけテントがあるということは、山頂避難小屋はいっぱいかもしれないなあという気がしてきました。山頂まで行って避難小屋に入れないとなると、テントを張るしかありません。まあ、山頂は平坦なので整地しなくてすみそうだし、それならそれでいいかということで、とにもかくにも山頂を目指すことにして二の鎖へと向かいました。


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二の鎖下の鳥居は半ば埋もれかけています。昨年よりも明らかに多く埋まっています。1mぐらい雪が深い感じです。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



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二の鎖小屋跡から先は、いよいよ核心部です。まずは急斜面のトラバース。ここは前回もそうですが、さらさらと雪が上から流れ落ちてきていて、いつ雪崩れるかとひやひやしながら足早に通過します。しかし、うっかり谷側に体重をかけると足元から雪が崩れるので、急ぎつつも慎重な足裁きが要求されます。


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最初の階段はかろうじて一人が通れるぐらいの幅だけ見えていました。手摺も掘り出されていて助かります。昨年は半分は見えていたので、今年は先が思いやられます。


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案の定、すぐ先の階段は雪崩に飲み込まれていて、つかまるものもない急斜面を渡っていかなければなりませんでした。アックスを雪に突き刺して、それにつかまりながら進みます。


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階段がなくなると、今度は急傾斜の直登がまっていました。つくづくこのトレースをつけた人は直登が好きなようです。しかも、やはり木の枝が荷物を引っ張って先へ進むのを邪魔するようなルートです。

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17:47 うんざりしながらへとへとになって三の鎖下の便所小屋までたどり着きました。予定ではとっくに山頂に着いているはずの時間ですが、まだもうひと登りしなければなりません。ひとまず息を整えようと座り込んだら、目の前に赤く染まった瓶ヶ森が見えました。あわててカメラを構えて撮影しました。


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少し休憩してから、最後の登りに取り付きました。ここらあたりは斜面の傾斜がさらにきつくなるので、上から落ちてきた雪で階段はほぼ埋まっています。あまり人が歩いていなさそうな細いトレースを頼りに、急傾斜の雪の壁を渡っていきます。


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そして、いよいよ最後の階段に差し掛かりました。あるはずの階段は完全に雪に埋まっていて、まったく見えていません。本来は写真右手奥方向に階段があり、その先でUターンするようにして左上にわずかに見えているコルに出るわけですが、そのルートにはトレースは存在していませんでした。代わりに、左上のコルへと突き上げる雪の急斜面を直登するようにトレースが残っていました。60度ぐらいありそうな凍結した雪壁です。しかも、ほとんど手がかりになりそうなものは見当たりません。アックスが2本あればなんとかなりそうですが、まさかこんなルートを登ることになろうとは夢にも思わなかったので、当然ながらアックスは1本だけです。


とりあえず、斜面の雪質を確かめるために少し登ってみたところ、硬く締まっていてアックスを打ち込むと簡単には抜けないぐらいしっかりと刺さります。クランポンの前爪も少し蹴りこみながらつま先が入るだけの凹みを作ってやれば、安定感のある足場になりました。とはいえ、左手は何もつかむものがなくて常に遊んでいるのに等しい状態です。アックスを抜いて打ち込みなおすときに足が滑ったら・・・ と考えるとかなりやばいと思われますが、この壁を10mばかり登れば山頂なのです。ここで撤退はない。覚悟を決めて、雪壁に取り付きました。


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18:06 ずいぶん長い間、雪壁と格闘していたような気もしますが、実際にはわずか10分程度しかかかっていませんでした。やっと、雪壁を登りきって石鎚山頂へと続く尾根のコルに立つと、西ノ冠岳と二の森の間の空を夕日が赤く染めていました。


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18:15 5時間もかかって、ようやく夕闇に沈み始めた山頂にたどり着きました。避難小屋には年配の男性が一人いるだけでした。テントの設営をしなくてすむので助かります。寝床を確保して、夕食をとり、ぽつぽつと同宿の男性と話をしましたが、松山に住んでいる方だそうで、山頂避難小屋にはちょくちょく泊まっているとのこと。ラムダのカメラザック5型らしき大型のバックパックに、ニコンのごっついフラッグシップカメラを持っていましたが、バックパックだけで4kg近いのに、さらにくそ重いフラッグシップモデルのカメラまで担いでくるなんて、驚くべき体力です。


食後に星景写真の撮影を考えていましたが、ガスが出てきたため早々に寝てしまうことにしました。どうせ夜中に目が覚めるだろうから、その時晴れていれば撮影すればいいのです。山では臨機応変が一番。ただ、同宿者の盛大ないびきが、心地よい眠りの世界に簡単に落ちることを許してはくれませんでした。

つづく。


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| 2014年2月 石鎚山 | 16:08 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re: タイトルなし

次回、山頂で撮影した写真を何枚か掲載する予定です。
山行記録なのでサイズは小さいものですが、
またご覧になってください。

| ヤマふぉと | 2014/02/27 19:48 | URL |

何が幸いするかわかりませんが瓶ヶ森良いですね、次待っています。

| 百瀬典明 | 2014/02/26 21:38 | URL |















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