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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

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謁見! 南アルプスの女王様: 仙丈ヶ岳その3

2013年12月31日~2014年1月3日 長野県伊那市 仙丈ヶ岳(3,033m) 単独テント泊



2014年1月2日午前3時。寝袋から這い出して外を見ると、やっぱり雪が降っています。前線は通過しているはずなのになぜ? まだ低気圧の影響が強いということなのか、それとも前線の通過が遅れて天候の回復も遅れているのか。どちらにしても、これでは日の出や朝焼けは期待できません。なので、明るくなってから出発することにして、もう少し惰眠をむさぼります。


6時前に起きて食事をとり準備をしていると、少し外が明るくなってきたようです。雪もだいぶん小降りになってきた感じがします。テントの外に出てみると、わずかに青空も見え隠れしていました。ようやく天候が回復し始めたようです。これなら、お昼ごろには青空が出るに違いない。そう確信して出発することにしました。


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8:00 出発時間としてはちょっと遅いのですが、今日はピークハントが主目的の山行にするつもりなので、スケジュール的になんとかなるでしょう。昨年、途中撮影などしながら小仙丈ヶ岳まで4時間半ほどかかっています。撮影なしならもっと早いはずです。


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登山口には新雪が積もっていて、トレースはややあやふやな感じになっていました。今日はこのコースを登った人がいないようです。昨晩だけで10cmぐらいの積雪はあったようなので、ラッセルにならなければいいけれどと少し心配しつつ足を踏み入れました。


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幸い、トレースはしっかりしており、ラッセルが必要になるような場所もありません。気温が-5度程度と、それほど低くなかったので、少し登り始めるとすぐに体が温まり、汗をかき始めました。このまま行くと大汗をかいてまずいので、立ち止まってソフトシェルの下に着ていたフリースを脱ぎました。


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8:51 二合目で北沢峠からの登山道に合流しました。尾根に出たところですぐに後から3人のパーティーが登ってきました。男性1、女性2のパーティーですが、彼らもここで休憩に入ったので、簡単にドリンク休憩をとって彼らよりも先に出発しました。


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9:35 四合目です。昨年はここまでずいぶん時間がかかったように感じましたが、今年はなんだかあっという間です。昨年はここでも休憩をとりましたが、今年はそのまま通過します。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



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10:02 大滝の頭に着きました。ここは休憩にいい場所ですが、昨年同様風が強く立ち止まるにはつらい状況だったので、そのまま通過することにしました。大滝の頭の少し手前、登山道の傾斜がなくなってフラットになった直後の場所のほうが風が無くて休憩に適していました。昨年の記憶では、大滝の頭からもう少し登ったところのほうが風が当たらないので、手前の場所を通り過ぎてしまった場合は、大滝の頭よりももう少し上で休憩したほうがいいはずです。


大滝の頭からひと登りして、尾根がフラットに広くなっているところで少し風が弱くなっていたので、とりあえず防寒対策だけしておくことにしました。休憩しようと思っていた場所は、ここよりももう少し登って傾斜が急になり始めたあたりですが、そこが必ず風が当たらないという保証はないので、防寒対策はできるときにしておいたほうがいいという判断です。一度脱いだフリースを着て、さらにハードシェルも着用しました。ここから上、5合目あたりで森林限界を超えると、そこからは吹きさらしの稜線です。ここでハードシェルを着用しておかないと、強風で一気に体温を奪われる可能性があります。強風の中で凍えながらあわててハードシェルを着ようとして、風に飛ばされでもしたら万事休すです。


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防寒対策ができたところで、再び登ります。登山道の傾斜が増し、新雪でふかふかになった場所が出てきたので、少しラッセルも強いられました。しかし、雪が吹きだまるということは、風が弱いという証拠。思っていたとおり、このあたりは風が当たらず休憩するには最適です。登山道脇の木の下の雪を少し掘り下げるようにして休憩スペースを作り、腰を下ろして行動食をとりました。この先、もしも天気予報どおり風速が20m毎秒を越えるような状況だったら、行動食なんかのんびり食べることはできそうに無いので、ここでしっかりととっておくことにしました。出発前、ショルダーベルトにつけている350mlのポットが空になったので山専ボトルからお湯を補充し、シャリバテ対策として行動中でも簡単に食べられるコンデンスミルクのチューブをシェルのポケットに入れておきました。


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10:55 六合目に着きました。このあたりはすでに森林限界を超えています。風もかなり強くなってきました。天候はまだ回復の兆しを見せず、稜線の先はあいかわらずガスの中です。


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六合目から少し登ったあたりでガスが突然切れ、青空が出現すると同時に、白い稜線もはっきりとその姿を現しました。しかし、このあたりから風との戦いが始まります。吹き付ける風が次第に強さを増し、登るほどに歩くのが困難になってきます。風に混じって飛んでくる凍った雪粒がばちばちとシェルをたたく音がうるさいほどです。


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小仙丈ヶ岳直下の斜面はガチガチに凍りついていて、一面風に削られた風紋が広がっていました。そして、このあたりでもっとも風が強くなりました。ときおり襲ってくる台風のような風に立っていることも困難で、たまらず耐風姿勢で耐えるしかありません。


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写真では風の強さがわからないので、動画を撮影してみましたが、右手で持っていたため、下ばかり写ってしまい失敗でした。まあ、風の音だけでもその強烈さはわかると思います。


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11:37 小仙丈ヶ岳に立つことができました。昨年より1時間遅く出発したのに、昨年とほぼ同じ時刻に着きました。昨年はこの時点で手足の指がキンキンに冷えて冷たさよりも痛さを感じていましたが、今年はまったく寒さを感じません。手袋はブラックダイヤモンドのソロイスト、靴はスカルパのモンブランGTXとグレードアップしたのが功を奏したようです。体のほうも、ゴアテックスのハードシェルが風から体温を奪い取られないようにしっかりと守ってくれています。これならまだ先を目指すことができるはずです。


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しかし、ここから先は未知の世界です。さらに高度が上がるわけですから、風がますます強くなるということも十分考えられます。狭い稜線の道、凍結した場所もあれば、岩場もあるでしょうし、ふかふかの雪がたまっているところもあるかもしれません。足を滑らせれば転倒ではなく、滑落に直結する危険性も高くなります。けれども、寒さの心配も無く、天候も回復してきているとなれば、仙丈ヶ岳を目指さない理由はありません。石橋をたたいて渡る慎重さは必要ですが、たたいてばかりいては渡ることはできません。リスクをとらなければ、望む結果は得られないのです。覚悟を決めて、僕は仙丈ヶ岳に向けて歩き始めました。


つづく。


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| 2014年1月 仙丈ヶ岳 | 19:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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