ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

謁見! 南アルプスの女王様: 仙丈ヶ岳その2

2013年12月31日~2014年1月3日 長野県伊那市 仙丈ヶ岳(3,033m) 単独テント泊 



2014年1月1日午前2時40分。腕時計のアラームが鳴り、真っ暗なテントの中で上半身を起こしました。あちこち筋肉痛があり、疲れも残っているようで体がだるく感じます。まあ、いつものことですから、朝食を食べお茶を飲んだりしているうちに、徐々に体も目覚めて回復してくることでしょう。


そんなことよりも天気です。昨日の夕刻から降り始めた雪は、はたして止んでいるのでしょうか。テントの入口を少し開いてヘッドライトで外を照らしてみると、白いものがたくさん目の前を通り過ぎていくのが見えました。止むどころか、少し勢いが強くなっているように感じます。


「う~ん」 どうしたものかと考えてみましたが、簡単に結論は出ません。基本的に写真目的の登山ですから、雪が降っていれば朝焼けなどの風景は見ることができないし、山そのものも見えないのは明白で、そうであればあえて登る理由はありません。しかし、わざわざ南アルプスまで来てキャンプして帰るというのではあまりにも馬鹿馬鹿しい。とはいえ、天気予報の風速予報では、今日から稜線の高さでは台風並みの強風が吹き荒れるらしいので、そんな暴風雪の中登頂していったいどうするのかとも思います。いや、登頂できればまだしも、遭難でもしたら一大事です。


ひとまず、明け方には雪が止む可能性もあるので、食事をとり出発できる状態にはしておくことにしました。ぬるくなったポットのお湯を沸かしなおして、朝食には毎度のラーメンです。今回は棒ラーメンではなく、カップヌードルリフィルを持ってきました。お正月ということで、スライス餅のパックもあります。通常のパック餅と違って、厚さ3mmぐらいにスライスされているので、お湯に入れて1分ほどで柔らかくなり、とっても便利でした。餅ラーメンにすることでカロリーも高くなるし、あまり腹もちのよくないラーメンの弱点を補うこともできるので、これはいい選択でした。


食後のお茶を飲み始める頃には、外がうっすらと明るくなってきました。しかし、雪の勢いは弱まる気配はありません。ひとまず、早朝出発というのはキャンセルにして、7時過ぎまで様子を見ることにしました。朝日が昇ればガスが切れて天候が変わるというのもよくあることです。じっと座っていても寒いので、寝袋にもぐりこんでうつらうつらとしているうちに、いつの間にか7時30分になっていました。テントにぱらぱらと何かがあたる音が聞こえます。そとを覗いてみると、やっぱり雪は降り続いていました。


今日はだめだ。ここでやっと気持ちが決まりました。停滞決定です。1月1日と2日の2日間を行動予定日として組んでいますから、1日停滞してもまだあと1日チャンスはあります。最悪、予備日を1日とっているので、4日に下山すればさらに1日チャンスは増えるわけで、暴風雪が予想される仙丈ヶ岳に無理して登ることはありません。そういうわけで、僕は再び眠りに落ちました。


IMG_0676.jpg
気がつくと午前11時を回っていました。外を覗いてみると、やっぱり雪は降り続いています。停滞して正解だったな。


IMG_0677.jpg
そう思いながら外に出てみると、テントの周囲にはさらさらの新雪が10cmほど降り積もっていました。ほおっておくと入り口が埋もれてしまうので、トイレから帰ってきてから雪かきをしました。


IMG_0679.jpg
テント場は、お昼前だというのに意外ににぎやかで、晴れていれば誰もいない静かな状態のはずですが、やはりこの天候では停滞を決めた人が多かったようです。ところどころで撤収しているテントもあり、登頂をあきらめて早めに下山することにした人もいるようです。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



IMG_0681.jpg
ところで、今回もってきて便利だったのが、100円ショップで買ったブラシとチリトリのセット。手のひらに納まるぐらいの大きさなので邪魔にならないし、平べったいので収納もしやすく持って来るのに不都合はありませんでした。テント内に入り込んだ雪や落ちてきた結露を掃き集めてテント外に捨てるのに非常に役に立ちました。この写真に写っている白いのはテント内壁から落ちてきた結露の結晶です。冬山ではテント内で雪が降りますから、こういう掃除道具が必要になります。停滞しているとすることが無いので、つい掃除なんかしてしまうのですが、普段の生活でもこうであればいいのにと我ながら思います。今回は本は持ってこなかったので、寝るか食べるか掃除をするかの三択しかありませんでした。


IMG_0683.jpg
掃除の後は昼食ですが、動いていないのであまり腹は減っていません。なので、コーヒーと行動食で簡単に済ませました。僕はもっぱら紅茶派ですが、たまにコーヒーも飲みます。なぜ紅茶派かというと、使った後のティーバッグがクッカーの掃除に役立つからです。紅茶はウーロン茶の親戚みたいなものですから、油汚れの除去能力はなかなか優れていて、ラーメンなどの油がついたクッカーもティーバッグでぐるりと拭いてやるだけで見事に脂分が落ちるのです。掃除の終わったティーバッグは、食べ終わったアルファ米のパックに入れてジッパーを閉じておけばしずくがこぼれることもないし安心です。なので、食事のあとは紅茶を飲みますが、今回はクッカーを使わない昼食なので、コーヒーでいいかというわけです。

昼食後、することが無いので昼寝です。正月から食っちゃ寝の生活ですが、場所が場所だけにあまりだらけた生活をしているという気持ちにはならないのがいいところ。むしろ、じっと苦難に耐えている的な心情です。実際、結露したマットの上に座ってしまって、ダウンパンツのお尻の部分が濡れてしまったらしくて、寝袋の中で寝ていてもお尻だけが妙に冷たいという感触があり、快適に眠ることができませんでした。幸い、ハクキンカイロを2個持ってきていたので、お尻の冷たいところにあてがってやればとりあえず冷たさを緩和できたので、眠れないということはありませんでした。しかし、今後はこのマットの結露対策を考える必要があります。ゴアテックスのハードシェルパンツをはいていればいいのでしょうが、ダウンパンツの上にハードシェルパンツをはいて寝袋に入るのはごわつきそうだし、ダウンパンツを脱いで外に出ると寒さが余計に厳しく感じそうなので、テント内で厚着をするのはできれば避けたいところです。今後の検討課題ができてしまいました。


20140101am3.jpg

20140101pm9.jpg
夕方、長衛小屋の天気予報を見に行くと、1日の午前3時に日本海上に寒冷前線があり、午後9時には太平洋上へ抜けるという予報になっていました。雪が降り止まないのは当然です。しかし、今晩中に抜けてくれるのであれば、明日は高気圧が接近してくるわけですから、当然天候は回復に向かうはずです。


20120102am9.jpg
2日の天気図では西から高気圧がやってきています。午前9時の段階では信州上空はまだ低気圧の影響が残り、等圧線が混んでいるので朝から快晴というわけにはいかないでしょうし風も強そうですが、時間と共に回復していくと考えられます。であれば、やはり明日がアタックチャンスというわけです。西から来る高気圧の後ろには低気圧がいないので、3日のほうが天気がよさそうですが、先のことはどうなるかわかりませんから、行ける時に行っておくべきです。というわけで、明日は決行決定です。


しかし、その夜はあいかわらず雪が降り続き、風も強まってきました。ずっと吹き荒れるというわけではありませんが、ときおりテントを大きく揺らすような風がテント場を吹き抜けていきます。寒冷前線の通過が遅れているのだろうかと心配しながら眠りについたのでした。

つづく。


ランキングアップにポチッとご協力お願いします。
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

| 2014年1月 仙丈ヶ岳 | 19:15 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re: タイトルなし

百瀬さん

僕のほうは今回あまりこれといった風景に出会えなくて、結局一眼レフは一度も使わずじまいでした。やはり登頂に気が向いてしまうと写真どころではなくなっちゃいますね。

| ヤマふぉと | 2014/01/08 18:51 | URL |

昨年12月22日の天気図に似ていますね、燕岳上山日ですが。当日の状況は風もなく穏やか日で稜線はガスの中、燕山荘に着くころから風が強まりガスが切れ始める、風はされに強まり20mを超えたようです、久々に雪煙舞う撮影ができました。低気圧通過後に吹き込む強風が短時間ですが吹き荒れることがあるようですね。
写真添付前提で記事書きましたができませんでした。

| 百瀬典明 | 2014/01/08 11:50 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamaphoto55.blog133.fc2.com/tb.php/510-c68e66d1

TRACKBACK

NEXT | PAGE-SELECT | PREV