ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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晴天5泊6日の山旅: 雲ノ平と黒部源流その5

2013年8月11日~16日 富山県大山町 雲ノ平および黒部源流部の山々 単独テント泊 


8月15日
目が覚めたのは午前4時ごろだったでしょうか。昨晩、撮影のために夜の雲ノ平を3時間ばかり徘徊したせいで、寒気を感じつつもよく眠れたようです。そろそろ飽きてきたラーメンの朝食ですが、とりあえずさっさと済ませてテントの撤収に取り掛かります。今日の目的地は、双六のテント場。最終日である明日の朝、晴れていれば日の出前に樅沢岳に登って、西鎌尾根をガスが越えるさまを槍ヶ岳とからめて撮ろうと考えていました。以前、三俣山荘前で早朝に撮影していたとき、新穂高方面から西鎌尾根をガスが越えて来たのを見たことがあるので、もしかしたらまた同じような光景を見ることができるのではないかという期待があるわけです。


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6:56 撤収を終えて出発です。7時前なのでテントもだいぶん減っていました。


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歩き始めるとすぐに、木道のすぐ下で綿毛に小さな水滴をいっぱいつけて、まるで宝石細工のように朝日にきらきらと輝いているチングルマを見つけました。その美しさに思わず荷物を下ろして、いきなり撮影タイムになってしまいました。せっかく持ってきたマクロレンズを使わずに持って帰るところでしたが、これまたほとんど使用していなかった予備のボディであるEOS40Dに取り付けて撮影開始です。最後の最後にようやく使う機会が訪れました。


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これがマクロレンズで撮った写真です。


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結局30分ばかり道草をして、ようやく木道を歩き始めました。本日も朝から晴天です。入山して以来、一度も雨に降られていません。たいてい1日ぐらいは雨に降られるか、雨こそ降らないまでもガスってしまうかどちらかということはありましたが、今年はラッキーです。朝天気が良いと、たとえ午後から曇ったとしても十分気持ちのいい山行をしたような気になるので、朝はやっぱり晴れていてほしいものです。


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8:07 祖父岳分岐の近くまで登ってきました。テント場から30分ほどで登ってきたので、なんだかいい調子です。


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ひとまず、祖父岳分岐で小休止です。食料が減って荷物は軽くなっているはずですが、やはり登りではまだまだ重いと感じます。2kgぐらいは減っている計算ですが、25kgが23kgになっても大差なしというのが正直な感想です。


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日本庭園を越えて、黒部源流が近くなってきたところで、まだ融け残っている雪田の脇を抜けていきます。この調子だと秋口まで融けずに残っていることでしょう。


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ハイマツのトンネルのような場所を抜けると、黒部の源流が眼下に見えました。登りはたいへんですが、下りは楽チンです。


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30分もかからずに渡渉点まで下りてきました。まだ午前9時30分ですが、すでに日差しは真夏の熱射です。渡渉する前に汗だくになった頭に冷たい水をかけ、顔を洗ってさっぱりしました。


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三俣山荘への登り返しの途中で、みずみずしいウサギギクを発見。夏の日差しをいっぱいに浴びて元気に咲いています。


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10:28 三俣山荘に着きました。相変わらず多くの登山者が山荘前で休憩しています。僕もベンチに座って行動食を食べたりしていたのですが、ここでも喫煙者が煙害を撒き散らしていてうんざり。今は駅の周辺など屋外でも公共の場であれば禁煙場所になっていることがおおいのに、なぜ山小屋の前は無法地帯なのでしょうか。気を使ってか少し離れたところで吸っている人もいましたが、5mばかり離れてもあまり効果はありません。せっかく気を使ってもらえるのなら、数十m離れていただければ助かります。テント場でもタバコの臭い匂いをかがされてむかつくことがよくあります。休日の山はもはや清々しい気分に浸れる場所ではなくなりつつあるようです。


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10:52 ちょっとのんびりしすぎましたが、三俣山荘を出発です。ハイマツ越しに見えるテント場には、あいかわらず上のほうまでテントが張られているようです。


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テント場を抜けて少し登ったところから背後を振り返ると、緑のハイマツの中に三俣山荘の赤い屋根が映えています。その背後の鷲羽岳や、遠く水晶岳の頂も見えるこの場所は、黒部源流のお気に入りの場所のひとつです。


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11:51 いいかげんうんざりしてきた登りですが、ここ三俣峠でとりあえずおしまいです。あとは、巻き道をたどっていくだけなら、途中にちょっとした登りがありますが、おおむねフラット、又は下りの道です。


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三俣峠からだらだらとした坂を下り、三俣蓮華岳東側に広がるカール谷の下まで降りてきました。ここにもたくさんのコバイケイソウが咲いています。


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さらに進んで丸山から延びる尾根を越えて双六岳に近づいてくると、こちらもコバイケイソウのお花畑。きれいなんですけど、さすがにそろそろ感動が薄れつつあります。


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巻き道の中間にある岩ごろの登りをこなし、巻き道分岐までもうひと歩きというところにあるだだっぴろい広場のようなところまで来たときに、シャリバテ状態になってしまいました。荷物を下ろして行動食を食べ、少し休憩して体力の回復を図ります。今回、行動食にいままで食べたことのないパワーバーなどを持ってきたのですが、あまり成功したとは言いがたい結果でした。まあ、詳しくは別途レポートしたいと思います。


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13:29 ようやく巻き道分岐まで戻ってきました。いつの間にか空には分厚く黒い雲が垂れ込めてきました。なんだか嫌な予感がします。早く下りてテントを張ってしまわなければ・・・ などと思いつつ分岐を通り過ぎたところで、予感的中。パラパラと雨粒が落ちてきました。


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もう目の前に双六山荘が見えているというのに、ここで降るか? くそっ!と思いながらも大急ぎで急登を駆け下ります。


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13:41 山荘まで降りてきました。分岐から12分で駆け下りてきたのですが、雨は分岐のあたりでパラパラと来ただけで、本格的な雨にはなりませんでした。無駄な体力を使ってしまったようです。しかし、テントを張っている途中にも一瞬パラりと降ったりして、なんだか中途半端な空模様でした。


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テントを張り終えて、水汲みなど必要なことを一通り終えたらあとはほっこりタイムです。コーヒーをいれて、雲ノ平山荘で買ったオレオビッツをつまみながら、読みかけの「神々の山嶺下巻」を開きます。明日には下山してしまうので、是が非でも読みきらなければなりません。幸い、夕食までには読み終えることができました。ちなみに、オレオビッツは最高にうまかったです。余裕があれば今度から担いでこようと思うほど。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



8月16日
午前3時起床。さすがに6日目ともなると疲れがたまっているらしく、朝起きるがつらい。内心、曇っていてくれたらゆっくり寝られるのになあ、と思いながらテントの外を覗くと、満天の星空・・・ うれしさ半分かなしさ半分。しかし、今回の目標の一つ、樅沢岳から日の出前の西鎌尾根と槍ヶ岳の撮影という宿題が残っています。あわよくばガスが出て、西鎌尾根を越える滝雲のようになるかもしれません。閉じようとするまぶたを無理やり開いて、出発の準備を整えます。


4:00 小型バックパックにカメラ機材と雨具など必要最小限の荷物を積め、ショルダーベルトを取り付けた三脚を肩にかけて出発です。樅沢岳に登るのは今回が初めてです。撮影ポイントがどこになるのか行ってみないとわかりません。なので、とりあえず早く着くにこしたことは無いということで、気合を入れてガシガシ登りました。岩ごろの道が続くので、ヘッドライトの明かりだけではどこがルートなのかいまひとつわかりにくい場所がたくさん出てきます。その上途中からガスが出てきたりしてなかなか難儀なルートでした。


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4:35 山頂に着きました。まだあたりはかなり暗い状態です。この山頂表示板の隣に、「槍ヶ岳展望台」と欠かれた小さな看板があり、ハイマツの中に踏み跡があったので、それを登ってみると見事な槍ヶ岳の姿がありました。暗い中うろうろしても仕方が無いので、ひとまずここで撮影することにして三脚をセットします。


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そうこうしているうちにあたりが明るくなり始めました。すると、眼下の谷から真っ白なガスが湧き上がってきて、西鎌尾根を越えて湯俣川のほうへ流れていくではありませんか。ガスはわずか5分ほどで消えてしまいました。この光景を見たくて暗いうちからここへ登ってきたわけですが、初めて訪れていきなり見られるとは思ってもいませんでした。好天続きといい、今年の山行はやたら運がいいのでちょっと気持ち悪いほどです。


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流れるガスが消えてしまったので、次は日の出の写真です。太陽は槍ヶ岳よりももっと左側が出てくるはずです。しかし、この場所からは樅沢岳山頂が邪魔になって日の出が見られません。そこで、山頂まで戻って、登山道を西鎌尾根のほうへ少し歩いていくと、大きく展望が開けました。さっきの写真もここで撮影したほうがよかったなあと思いましたが、いまさら言ってもしかたありません。それに登山道脇で撮影場所がほとんどないので、先客が3人ほどいるともうアウトです。さいわい、三脚をたてられる場所が1箇所空いていたので、撮影して行くことにしました。


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太陽は思っていたよりもかなり槍ヶ岳から離れたところから出てきたので、槍ヶ岳とからめるのはあきらめて日の出シーンだけを撮影しましたが、やはり特徴的なシルエットの山がないとあまりぱっとしません。普通の日の出写真になってしまいました。


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とりあえずということで、槍ヶ岳とからめたカットも撮ってみたのですが、空ばっかりになってつまらないので、やっぱだめでした。ということで、太陽が昇ったところで撮影は終了です。さっさとテント場へ引き返し、テントを撤収して出発です。


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8:11 テント撤収が終わるとすぐに出発です。


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相変わらず厳しい日差しが降り注いで、双六から弓折乗越までのアップダウンが堪えます。花見平の雪渓を見下ろすベンチで大休止して、しばし涼しい風を浴びます。


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弓折中段の登山道です。ここから見ると登山道が槍ヶ岳へと伸びていて、槍に向かって進んでいくようで好きな場所です。


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10:11 鏡平到着です。


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すっかりバテバテで、初めて名物のカキ氷を注文しました。コーラがほしかったのですが売り切れだったので、ネクターにしました。このカキ氷、確かにおいしいのですが量が少ない! ベンチへ持って帰ってくる間にすでに融け始めており、写真を撮った時点で一口食べただけなのにこの量です。しかし、これは担当者のせいだということがあとでわかりました。僕が注文したときはめがねのおじさんが窓口にいて、その人が作ったのですが、食器を返しに行ったときにお姉さんが作ってお客さんに渡しているところを見ると、倍ぐらいの大きさの山になっていました。納得いかねえっ! 鏡平山荘でカキ氷を頼むときは、オヤジが窓口にいるときは頼むべからず!!


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10:39 休憩を終えて鏡平を後にします。鏡池は快晴無風の状態で、まさに鏡のようでした。もっとしゃがんで低いところから撮れば逆さ槍がうつったのですが、荷物が重くてしゃがむのがたいへんだったし、わざわざ荷物を下ろしてまでは面倒ということで、手抜き写真です。


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11:53 ようやく秩父沢まで下りてきました。途中、調子に乗ってがんがん下りてきたので、さすがにひざががくがくします。汗もたっぷりかいたので、靴を脱いで足を氷のような冷水に浸し、頭からざぶざぶ水をかぶってクールダウン。


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疲れた体にはクエン酸。ということで、セブンイレブンのすっぱい梅干の残りを平らげます。この梅干、種を取ってせんべいのように平べったくした梅肉が20枚ほど入っており、山行のお供に最適です。


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13:11 林道に出ました。あとはだらだらと歩いて下るだけの道。ひとまず、わさび平を目指します。


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13:39 へとへとになってわさび平のベンチに座り込みました。鏡平からの下りを飛ばした後遺症が出てきたようです。歩くのが苦痛になってきました。そういえば、ちゃんとしたお昼ご飯をたべていないのでお腹もすいてきました。


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ということで、わさび平名物の冷やしソーメン! 麺にコシがあってうまいのですが、それ以上になんだか妙にまろやかで喉越しがいい!! さすがに天然水で作っているだけのことはあります。わさび平の水場で汲んだ水はめちゃうまですから、当然といえば当然。おすすめです。ちなみに、この山行のルート上にある水場でもっともうまいと感じたのは雲ノ平の水、次がわさび平です。


そうめんパワーで元気復活。わさび平を後に、一気に新穂高を目指しますが、標高が下がったせいで気温が上昇し、そうめんパワーも長続きせず。途中の風穴で冷気を浴びてしばし休憩をとり、15時20分になんとか車にたどり着いたのでした。

終わり。



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| 2013年8月 雲ノ平と黒部源流 | 23:23 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re: タイトルなし

百瀬さん

確かに、鏡池で逆さ槍を撮る絶好のチャンスを逃してしまいました。
なんだかあの時はそういう気持ちが全然湧いてこなくて、早く下りたいという気持ちばっかりだったので、けっこう疲れていたのかもしれません。鏡池の逆さ槍は、一度撮ったことがあるという記憶があったせいもあるみたいですが、以前の画像を確認したら微風で水面にすこし揺らぎが出ていて、今回のようにきれいな鏡状態ではなかったので、おしいことをしたようです。


薬師見平は、僕も行って見たい場所のひとつですが、登山道は廃道になって日がたつので、単独でうかつに入り込むとやばいですよね。いつか機会があれば挑戦してみようと思います。

| ヤマふぉと | 2013/09/16 11:46 | URL |

好天に恵まれた山行になりましたね、水鏡の倒影チャンスだったのに。
7/31-8/6テン泊で30年来の薬師見平へ行ってきました、梅雨明け予想が外れ雨・雨。雨桃源郷薬師見平は晴れてくれ楽しく過ごすことができました、上下山・中日だけ晴れてくれたことには感謝です。明日から台風で荒れ模様強風で葉が痛まないことを願うばかりです。

| 百瀬典明 | 2013/09/14 10:53 | URL |















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