ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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RAW撮影のメリット:デジタル・レンズ・オプティマイザ

直接的にはキヤノンのデジタル一眼や高級コンパクトデジタルカメラを使っている人にしか関係ない話ですが、jpeg撮影よりもRAW撮影のほうがメリットが大きいというお話です。


キヤノンのRAW撮影ができる一眼レフ等のカメラにはDPP(Digital Photo Professional)というRAW現像と画像編集ができるソフトが付属しています。このソフトが付属品のわりにけっこう優秀で、バージョンアップを重ねるたびに新しい機能が増えています。その結果、数年前に撮影した写真で、当時はあまり画質がよくなくて没にしていたような写真も、新機能を使うことで合格写真に生まれ変わることもあります。


最新のバージョンアップで新しく加わった機能に、DLO(デジタル・レンズ・オプティマイザ)という機能があります。これは、レンズの光学的欠点である収差等を後処理で補正できるというものです。具体的に言えば、絞りすぎて画像がぼやけてしまう回折現象や色収差(主として倍率色収差)などを補正して、シャープな写真にすることができます。以前のバージョンアップで追加されたレンズ収差補正機能とあわせると、レンズの持つ欠点の多くを後処理で補正することができるというわけです。


実際にどれぐらい違うのかをみてみましょう。


_MG_1854.jpg
上の写真は、EF70-200mmF4L USMで撮影したものです。手前の柿の木までの距離は約20m、背後にある桜の巨木との距離は約100mぐらいです。絞り値F22、焦点距離200mmで背後の桜の木にピントを合わせています。F22を使った理由は実験のためであって、実際にはまず使いません。


_MG_1854_no.jpg
DLO未処理の中央等倍トリミング画像


_MG_1854_dlo.jpg
DLO100%適用の中央等倍トリミング画像


2つの画像を見比べると、DLOで処理した写真のほうが細かい木の枝や葉っぱがくっきりシャープに見えます。ただし、もともとレンズの特性として画面中央部は解像度がいいので、等倍で比べてみると確かに違いますが、A4サイズぐらいの大きさだと大きな違いはないと思われます。



_MG_1854_no2.jpg
DLO未処理の左上隅等倍トリミング画像


_MG_1854_dlo2.jpg
DLO100%適用の左上隅等倍トリミング画像


中央部分とちがって、左上隅部分の等倍トリミング画像では、あきらかにDLOで処理した画像のほうがくっきり見えています。レンズ周辺部は画質低下が発生しやすいので、光学的な補正が可能なら画面全体の均質性がよくなります。とはいえ、パソコンの画面でみるぐらいの大きさだと、なんとなくシャープかなというぐらいであまり違いはわからないかもしれませんが、大きく伸ばして印刷すると違いがはっきりしてくるはずです。A3ノビやそれ以上のサイズの印刷をするのなら、ぜひ活用したい機能です。


<写真クリックで拡大>
IMG_5507.jpg
この写真は、神社の建物を正面から撮影したものです。軒下にある垂木の切断面が白色に塗られていますが、これを拡大してみると、左右の端のほうの白い四角の周囲に、色ずれのように赤や青の縁取りが見られます。


IMG_5507_no2.jpg
DLO未処理の左端部等倍トリミング画像


IMG_5507_dlo2.jpg
DLO100%適用の左端部等倍トリミング画像


見比べると、色の縁取りがきれいになくなっているのがわかります。




ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。






このように、画像がぼけて見えたり、色の縁取りがついてみるのはすべてレンズの光学特性によるもので、回折(かいせつ)現象とか色収差(ここでは倍率色収差のこと)と呼ばれるものです。画面周辺部の光量不足による影のようなものとか周辺部の画質は絞りを絞り込むことである程度改善されますが、絞りすぎると回折現象が発生します。色収差は特殊な素材のレンズやコーティングを使えば改善されますが、レンズが大きく重く高価になる上に完全に除去するのは困難です。


回折現象は、レンズが高級かどうかではなく、現実的な対策として回折現象が目立つようになる大きい絞り値は使わないようにするしかありません。そうはいっても、回折による画質劣化よりもピントがあっていない写真のほうが見た目はずっと気になるので、風景写真のように手前から遠方までピントがあって見えるような写真にしたい場合は、F16やF22といった被写界深度の深い絞り値を使わざるを得ないわけです。ただし、回折現象はセンサーサイズが小さくなるほどF値が小さくても目立つようになるので、コンデジのようにセンサーサイズが小さいカメラは、もともと被写界深度は深いということもあり下手に絞らないほうがいいです。


ところが、DLOのおかげで回折ボケを気にせず大きな絞り値を使うことができるようになりました。色収差も後から除去できるのです。ただし、これができるのはRAWで撮影したデータのみです。jpegで撮影した画像は、このメリットを享受することはできません。もっとも、現時点ではDLOを適用できるレンズは、Lレンズといわれる高級レンズと一部のEFレンズ・EF-Sレンズだけですが、今後徐々に対象レンズが増えてくるのではないかと期待しています。


なお、色収差に関しては、DLOでなくてもその前からDPPに装備されていたレンズ収差補正機能でも除去することはできますし、Lレンズ以外の多くのEFレンズでこの機能を使うことが可能です。


余談ですが、ピントがあって見える範囲は「被写界深度」であって、「被写体深度」ではありません。また、回折現象のことを「回析(かいせき)」と誤記しているのも見かけます。くれぐれもお間違えのないよう。





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