FC2ブログ

ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

星景写真のためのその2 三脚と雲台

「星景写真のためのその1」はこちら。


 山に登るときに三脚を持っていく人は、よほど写真が好きな人です。普通はそんな荷物になるものをわざわざ持って行きません。でも、星景写真を撮るのであれば、三脚は必須の道具になります。

 では、どんな三脚がいいのでしょうか。まず考えるのは重さです。三脚というのは、おおむね重さ=頑丈さということになります。少々の風ではびくともしないのが理想ですが、登山ということを考えれば軽さを優先させたいものです。しかし、軽いけれど使ってみるとぶれて役に立たなかったというのでは意味がありません。だからと言って、自重2kgを超えるような大型三脚をかついで登るのは現実的ではありません。どんなに立派な三脚があっても、ばてて動く気になれないというのであれば、せっかくのシャッターチャンスを活かせません。それなら、軽量な三脚にしておいたほうがましです。もちろん、重い三脚を持って登れる方は持っていってもらえばけっこうです。

 大きすぎず、重すぎず、しっかりしている三脚となると、自分で使ってみて一番良いのはカーボン素材の三脚で、重さが雲台込みで1.5kg程度、縮長が60cm前後のものになります。それぐらいのクラスになると、脚を伸ばしたときの高さが1.2m~1.3mぐらいになり、カメラをセットしたときにちょっとしゃがんでファインダーを見るという感じの高さです。

星景写真の場合は、風がまったくない場合なら脚を全部伸ばしてもいいかもしれませんが、長時間の露出において外乱をできるだけ避けて、なおかつ三脚の強度を弱めないために脚を全部伸ばしきらない状態で使うほうがいいので、高さはもう少し低いものでもいいかもしれません。ただ、昼間の写真でも使うとなると1.2m以下のものは、腰をかがめる度合いがきつくなるのでオススメできません。センターポールをあげればいいじゃないかと思うかもしれませんが、雲台の付いているセンターポールをあげるとぶれやすくなるので、晴天の昼間で速いシャッター速度が切れる場合を除いてセンターポールを伸ばして使うことはあまりオススメしません。

 昼間は三脚は使わないし、夜だけのために1.5kgもの三脚を担いでいけないという人もいるでしょう。そういう場合は割り切って雲台込みで1kg前後のものでも何とかなります。脚を全部伸ばさないで使えば、そのレベルの三脚でもそこそこの強度が期待できます。ただし、このクラスの三脚は付属の雲台が心もとないものが多く、雲台はもう少しいいものに交換したほうがいいです。なお、軽い三脚といってもアルミ素材で1000~3000円ぐらいで安売りされているモデルは、雲台の取り外しができないものがほとんどですので、こういうものはやめたほうがいいです。

 雲台は、自由雲台と3ウェイ雲台の種類が一般的です。自由雲台というのは、前後左右どの方向にも自由に動かせることができるタイプで、小型軽量にできるのがメリットです。
雲台SBH-280
***自由雲台 スリックSBH-280***

 3ウェイ雲台というのは、2本のハンドルで上下と左右の角度調整をし、水平回転をノブの調整でそれぞれ独立して行えるタイプで、水平を決めてから上下の角度を調整するということができるので風景写真の分野ではこちらが一般的です。ただし、大きく重くなるのが欠点です。
雲台SH-806
***3ウェイ雲台 スリックSH-806***

 私も当初は3ウェイ雲台を使っていましたが、風景写真では建築写真のように厳密な水平が必要になることはまずありません。水平線や地平線が見える場合は、ファインダーの中のピント面にあるフォーカシングスクリーンを格子タイプに交換しておけば、格子線にあわせれば水平は取れます。フォーカシングスクリーンが交換できないタイプの一眼レフや山岳地などで水平線・地平線が写らないような場合は、カメラのストロボ取り付け部分(アクセサリーシュー)に差し込む水準器を使えば問題ありません。最近のカメラなら、ライブビューで画面に格子線を表示したり、電子水準器が表示できるものもあるので、わざわざ重い3ウェイ雲台を持っていく必要がないわけです。なので、登山用に軽量な自由雲台を購入して使っています。

 自由雲台にしてよかったのは、圧倒的に軽いということのほかに、もうひとつあります。カメラを縦構図にセットしたときに、3ウェイ雲台は普通水平状態から左側に倒しますが、この状態で長くて重い望遠レンズをつけると、雲台取り付けネジが緩む方向に重さがかかるため、かなりしっかり取り付けていないと撮影中に徐々にカメラが下を向いてしまうことがあります。昼間であればほとんど関係ありませんが、夜間撮影で長い時間露出をかける場合は、当然ぶれてしまいます。自由雲台だと右側に倒すことも可能なので、ネジが締まる方向に力がかかって問題ありませんし、カメラのリモコンケーブルを取り付ける側面が上になるのでリモコンのつけはずしや取り扱いなどが楽になります。

 ただし、自由雲台にも欠点があります。風の強いところで使ったり、雲台部分を裸でザックに取り付けて縦走したりした場合、回転するボールヘッド部分に砂ほこりなどがついて、動きが鈍くなってしまいます。撮影中は仕方ないにしても、移動中は袋をかぶせておくなどしてヘッド部分を保護しておいたほうがいいです。

 私が通常使っているのは、スリックのカーボンプロ703という三脚と、同じくスリックの自由雲台SBH-280という組み合わせです。軽量化を図るときは、雲台はSBH-280のまま三脚をスプリントプロGMに交換します。
カーボンプロ703とスプリントプロGM
***左がカーボンプロ703 右がスプリントプロGM***

 カーボンプロ703にはもともと600gぐらいの3ウェイ雲台が付いていたのですが、ハンドル棒の付け根が破断してネジ穴がふさがって使えなくなったので、高精度3ウェイ雲台SH-806というものを購入して使っていました。なぜ「高精度」雲台にしたかというと、標準でついているタイプの普及価格帯の雲台は、構造的に強く閉めると水平が少し移動してしまうため、構図を決めてハンドルを締めると構図がずれてしまうからです。また、使っているうちに固定力が弱くり、しっかり固定するにはますます強く締めなくてはならず、その結果ねじ先が破断することになるというわけです。なので、どうせ買い換えるなら高精度雲台にしておいたほうがいいのです。

 しかし、SH-806はしっかりしてる分重さが700gもあり、山に持っていくのにつらかったので高精度で軽量なSBH-280に買い換えました。SH-806は同じくスリックの金属製大型三脚プロ700DXという三脚につけて車移動の撮影時に使っています。

 カーボンプロ703は7年ぐらい前に購入したもので、今のスリックのラインナップでは同等製品がすでにありません。スペック的に近いのはカーボン723というタイプですが、703よりも若干大きいです。カーボン703は脚部の縮長が約51cm、重さ約1kgと軽量です。雲台SBH-280は高さ9.3cm、重さ280gなので、雲台を三脚にセットした状態で長さ約60cm、重さ1.3kgになります。これぐらいであれば、3000m級の山でもなんとか担ぎ上げることができます。しかし、1週間程度のテント泊になると荷物の総重量が25kgぐらいになることもあるので、さすがに100gでも軽くしたいという場合もあります。そういうときは、潔く三脚のグレードを落とします。スリックのスプリントプロGMという小型三脚にSBH-280を取り付けたものにすると、三脚総重量が約1kgになるし縮長も10cmほど短くなるので見た目にもすごく軽量化されたように感じます。

 スプリントプロGMは、今のラインナップではスプリントプロⅡGMに相当しますが、Ⅱのほうはウレタングリップが付き、雲台もSBH-100DQというクイックシュー付きになっているようです。三脚の脚をすべて伸ばしたときの全高は約1.3mと必要十分な高さですが、脚の剛性感は正直一眼レフで使うには弱すぎます。手持ちよりましという程度に考えたほうがいいですね。もっとも、最近のカメラは高感度が普通に使えるので、以前よりも使える感じです。夜間撮影では3段目と4段目は伸ばさずに2段だけで使ったほうがいいですが、脚をまったく伸ばさずに岩の上などしっかりしたところにおいて使ったほうがさらに安心です。

 三脚と雲台を選ぶ上で注意すべき点は、搭載機材の最大重量をよく確認することです。自分が使う機材の最大重量が三脚もしくは雲台の最大積載重量の1/3~1/2ぐらいに相当するものを選んだほうがいいです。例えば、スプリントプロⅡGMの最大積載重量は2kg(スプリントプロGMに付属の雲台SBH-100の最大積載重量も2kg)となっていますが、実際それなりに使えるのは1kg程度です。もちろん、脚を伸ばさなければ三脚の剛性は上がるのですが、雲台はどうしようもないです。ちなみにSBH-280の最大積載重量は5kgですが、今使っている機材の最大重量は約1.5kg(EOS 5D+EF70-200F4L)で、昼間ならSBH-280でもなんとか使えますが、スローシャッターで使う気にはなれません。星景写真ではもっと軽量で小型の広角・標準レンズを使いますから、スローシャッターでも問題ありません。最大積載量5kgと書かれていても、実際には単に支えられるというレベルのもので、望遠レンズを安心して使うなら最大積載荷重の1/3ぐらいの重さまでと思っておいたほうがいいようです。

 また、最近の三脚の脚にはウレタンパッドが付いているものが多いですが、カーボン素材であれば真冬でも触れないほど冷たくなることはまずありませんし、登山時はウレタンパッドがかさばってザックに積載しにくくなるので、ウレタンパッドのないタイプをオススメします。

 三脚のメーカーは雲台も作っていますが、取付ネジは全世界共通規格1/4インチネジなので、同じメーカーのものである必要はありません。一部に3/8インチという太いネジの規格を使ったものもありますが、そういうものはたいてい大型三脚なので、あまり心配しなくてもいいでしょう。三脚メーカーも雲台メーカーも国産・外国産それぞれありますが、価格やラインナップなど購入しやすさからいって国産のスリックかベルボンから選ぶのが現実的です。個人的には、ベルボンの自由雲台はスリックの高精度自由雲台のようなタイプがないことと、カーボン三脚はどれもウレタンパッド付きばかりなので、スリックのUL-104かカーボン724FAあたりをオススメします。外国産に興味があれば、ジッツォ、マンフロット、インデューロなども調べてみてください。


《補足1》カメラ店でスリックのカーボンスプリント634PROとプロ200DXⅢというモデルを触ってみましたが、山に持っていくのであれば、このあたりでも十分だと感じました。すくなくとも、スプリント プロよりもしっかりしています。ただし、雲台は再考の余地ありです。

《補足2》
2014年時点での使用三脚については、「山で使う三脚 その1: スリック カーボン724EX」の記事をご覧ください。


 雲台を交換する場合は、雲台の回転ノブをしっかり締め、三脚のセンターポールのロックも締めた状態で、雲台を反時計回りに回せば取り外すことができます。
三脚と雲台のロック部分

雲台を取り外した三脚
***雲台を取り外した状態***

センターポールを三脚から取り外した状態だと力が入らず取り外せないことがありますから、くれぐれも三脚に固定した状態で行ってください。


「星景写真のためのその3」はこちら。




























ランキングアップにポチッとご協力お願いします。


にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト



| 撮影用具 | 21:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamaphoto55.blog133.fc2.com/tb.php/36-c5da4cf2

TRACKBACK

NEXT | PAGE-SELECT | PREV