ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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近くて遠い天狗の尾根: 伯耆大山天狗ヶ峰 vol 2

2011年11月27日(日) 宝珠越ルートで天狗ヶ峰まで日帰り山行



僕は迷っていました。風はあいかわらず強く吹いています。


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大山寺橋から三鈷峰を見上げたときは山頂までくっきりと見えていたのに、いまでは生き物のようにうごめく白いガスが頂を覆い隠しています。ブナ林越しに見える大山北壁も、稜線はガスの中に消えています。

ユートピア小屋までは、おそらく問題なく行けるはずです。問題はそこから先です。稜線に出れば風も強くなるはず。ガスの中を歩けばウェアも濡れてきます。透湿防水素材のハードシェルに、撥水機能のあるパンツなので、びしょ濡れになって低体温症を心配することはないとはいえ、あまり楽しい稜線歩きではなさそうです。

”さっさと下山して、温泉にでも入ってのんびりして帰ればいいさ” 

”歩けないほどの風でもないし、とりあえずユートピアまで行けばいいじゃないか” 


二人の自分が交互にささやいています。


”なにも無理して登ることも無い。義務でも修行でもないんだから”

”ここまで来て何もしないで帰るわけ? 今シーズンの目標は経験値を上げることだろう? 晴天だけ登ってどんな経験が身につくんだ?”




・・・・・・




『ああ、そうか。そうだった。いろいろな状況で山を体験しなければ、経験値なんて上がるわけが無い。もちろん無理や無茶をしない範囲での話だけれど、引き際を見極めるためにも悪天候時の行動を経験しておく価値はある。』


結論は出ました。ひとまずユートピア避難小屋まで進み、天候が回復しないようなら撤退。行けそうなら、状況を見ながら天狗ヶ峰を目指すことにしました。


10:15 中宝珠越を出発です。立ち上がってバックパックを背負い、歩き出そうとした瞬間、背後に人の気配を感じました。振り返ると単独行の男性がちょうど中宝珠越に下りてくるところでした。てっきり中宝珠越で休憩するのだろうと思いそのまま出発したのですが、その男性は休憩することもなくそのまま進んできました。


”失敗したなあ” そう思いました。この先、細い尾根道になり、道を譲るような場所はとうぶんありません。この男性がゆっくり歩いてくれればいいのですが、なんだかがつがつと追い上げてきます。写真を撮りながらゆっくり歩きたいのに、こう追い立てられてはそうもいかず、不本意ながら追いつかれないように歩かなければなりません。


雪の増えた登山道
登山道の雪は次第に多くなり、しかも岩の露出した急傾斜の場所も出てきました。がつがつと先を急ぐような歩き方をするような状況ではないのに、男性がすぐ後に張り付くようにして来るので、どうしてもペースが上がってしまいます。そもそも、こんなにすぐ後を歩いていて、こちらが滑って落ちたら自分が直撃されるということを考えていないのでしょうか。そういえば、昨年も同じ場所で後から来た年配の夫婦がいて、ご主人のほうが同じようにがつがつとすぐ後ろを追い立てるように歩いてくるので、急斜面のところでひとこと言った事がありました。


「僕が滑ったら巻き込まれますよ」


男性はだまって立ち止まってしまいました。おかげで遅れてきた奥さんと合流できたようなので、結果的によかったのでしょう。そもそもパートナーがいるのに、自分勝手にひとりで先に歩いて行ってしまうなんてどうかしてるぜ! 自分よりペースが遅い人と一緒に歩く場合は、自分が後を歩いてその人のペースに合わせるのが筋でしょう。ソロで歩く場合でも、前に人がいる場合、少し距離をあけてペースを合わせるか、一声かけて先に行かせてもらうかすればいいのであって、だまって後からあおるような歩き方をするべきではありません。


今年もまた同じ区間で同じように後につかれるなんて、なんだか妙な気分です。一度なんとか追越ができそうな場所があったので、そこで立ち止まって写真を撮って時間をつぶして先に行ってもらおうとしたら、なんと後で止まって待っているではないですか。


ロープのある岩の斜面
あまり良い気持ちがしないので、写真を撮るのはひとまずおいておいて、ロープの設置された雪の張り付く岩の斜面で引き離すことにしました。ところが、そんなことしなくても、急斜面になると勝手に彼のペースが落ちて離れていきました。滑りやすい雪道を単独で歩くのが不安で、僕の後をついて歩こうとしていただけだったのかもしれません。もしそうなら、ひとこと言ってくれれば良いのに、黙って後につかれては気持ち悪くてしょうがない。僕がゴルゴ13だったら、後に立った瞬間に消されてますよ。





ゴルゴ13



ということで、中宝珠越から上宝珠越までの区間は、ほとんど写真も撮らずに歩き続けてしまいました。


上宝珠越
11:00 上宝珠越に到着です。砂すべりへの入口にはロープが張ってあります。


見上げるとユートピア小屋
見上げるとガスの切れ間にユートピア避難小屋が見えました。


勝間ケルン
上宝珠越では休憩をとらずに通過し、勝間ケルンの下を通り過ぎます。いつも思うのですが、このケルンはなんで鉄パイプ製なんでしょうか。最初は測量用のやぐらかと思いました。


本格的な雪道
上宝珠越から上は雪も本格的になってきましたが、それほどつるつる滑るわけではないので、クランポンは着けないでそのまま進みます。


三鈷峰への分岐点
11:32 尾根上の三鈷峰への分岐点に出ました。三鈷峰にかかっていたガスはだいぶ薄くなってきました。


滝雲が流れる北壁
しかし、振り返ると大山北壁がなんだか妙な状況です。山頂を覆い尽くした雲が滝のように北壁にそって流れ落ちています。


この雲はどこから来るのか不思議です。南壁にそって吹き上がった雲が稜線を越えて吹き降ろしてくるのでしょうか。そういえば、朝来るときに新庄村のあたりでは0度だったのに、大山寺では9度でした。風があって体感温度は低いものの、この尾根上で温度計は10度を差しています。いわゆるフェーン現象のような状況なのかもしれません。


矢筈ヶ山
矢筈ヶ山の方向は雲もなくそこそこ視界がありました。


大休峠避難小屋
親指ピークの向こうに大休峠の避難小屋も見えています。


尾根上のユートピア小屋
ひとまずユートピア小屋をめざします。


ユートピア小屋着
11:39 ユートピア避難小屋に到着です。


携帯トイレブース跡
夏に設置された携帯トイレ用ブースは床だけ残してなくなっていました。やっぱりハイシーズンだけの設置だったようです。中に入ってみると、携帯トイレを使うための便座だけが玄関土間においてありました。どうしろというのでしょうか。


小屋内
小屋の中には、これから出発しようと準備中の3人と、食事中のソロの男性がいるだけでした。ちょっと早いのですが、お腹も空いていたので小屋内で食事にすることにしました。ソロの男性は、三鈷峰の下を流れる剣谷を登ってきたとかで、大山はわりと詳しいみたいでした。食事をしながらいろいろと話をしましたが、彼も稜線の風が強すぎるので今日は稜線まで上がらずに下りるつもりだとのこと。窓をがたがたと揺さぶっている風を考えると、当然の判断でしょう。自分もここまでかなと食事をしながら考えていました。


12時30分をすぎて、彼が先に出発していきました。象ヶ鼻の先にある小砂すべりをくだって下山すると言っていました。その後こちらも食事を終えて荷物をかたづけ、出発の準備を整えているとき、ふと窓ががたがた鳴る音がしなくなっているのに気がつきました。


滝雲
窓を開けて北壁のほうを見てみると、巨大な雪崩のような雲が相変わらず北壁を滑り落ちていますが、小屋のあたりの風は幾分弱くなっていました。稜線の状況はあまり変わっていないみたいですが、もしかしたら上のほうも風が収まってくるかもしれません。しかし、雲の流れを見る限りでは、その可能性は低そうです。

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さあ、どうする? ここから上は吹きさらしの稜線です。突風でバランスを崩せば滑落の危険性が高くなります。しかし、天候は次第によくなりつつあるのもまた事実。上か、下か、行くのはどっちだ!?





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| 2011年11月 大山天狗ヶ峰 | 17:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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