ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

剣岳見たさにはじめての雪上テント泊 : 立山 vol 4

2011年5月3日~6日 富山県立山(雄山 標高3003m) テント泊山行

vol 3はこちら

5日の夜は剣岳の撮影から帰ってきてから夕食を食べたので、寝たのが21時をまわってのことでした。気持ち的にはこのままの勢いで早起きして朝日に染まる剣岳の姿もカメラに収めて帰りたいところですが、なんだかんだでシュラフにもぐりこんだのは21時30分ごろ。この時期は朝日が昇るのが早くなり、剣岳の頂に朝日が当たる時間はおそらく5時20分ごろのはずです。雷鳥坂を登るのに2時間かかるとすると、3時過ぎには出発しなければなりません。必然的に起きるのは2時。んなアホな・・・ この時点でほぼあきらめムード。目覚ましをセットすることもやめて、運良く起きることができたら行くということで就寝です。

昨晩の反省から、マットからの冷えを防止すべく、寝るときは遊んでいたハードシェルに働いてもらいました。しわにならないように気をつけながら、マットの下にハードシェルを広げて敷きこみます。ちょうど布団で寝押しする要領。これが効果抜群でした。念のため、昨晩同様にあるものをすべて着こんで寝ていたら、なんだか暑苦しくて寝付けません。ソフトシェルを脱いで、しかもソックスも脱いではだしになってやっといい具合の暖かさになりました。雄山登山と剣岳撮影行で疲れていたので、この夜はわりとまともに眠りにおちました。

気がつくと、テントの中は明るくなっていました。時計を見ると4時30分。やっぱり2時おきは無理でした。外が曇り空なら朝から下山、晴天なら別山まで登って剣岳にご対面と決めて、テントのジッパーを開くと真っ青な空が広がっていました。

「晴れたか~」と思いながら体を起こすと、筋肉痛で体はバリバリに固まっています。なんとか寝袋から這い出して、ひとまずトイレと洗顔に。テント泊で一番小屋泊がうらやましくなるのが、朝晩のトイレ。いちいち靴を履くのも面倒だし、テントを出るとさらに寒い。これだけは、小屋泊に勝るものなしです。

テントに戻って、まずはお湯を沸かして飲みます。まだ半分寝ている体がやっと目を覚まします。そして、朝食のマルタイ棒ラーメン。食後の紅茶を飲む頃には、頭はすっきりです。体のほうも温まって、筋肉痛で固まっていた手足がだいぶ楽になってきました。

別山へのGPS地図
さあ、今日が最終日。下山する前に剣岳にご挨拶してこなければ! 荷物をバックパックに詰めてマットをはぐってみると、ハードシェルは見事にプレスされて新品同様にしわが伸びていました。サラリーマン時代に、プレスのきいたYシャツを朝広げたときのことをちょっと思い出します。余計な防寒着を脱ぎ、いつものウェアに身を包み、靴を履いてクランポンを装着したら、いざ出発! 目指すは別山!! GO GO!!!

雷鳥坂下部
6時55分、雷鳥沢テント場を後に称名川を越えて、雷鳥坂に取り付きます。といっても、夏道の雷鳥坂ではなくて、一本西の尾根を登るのが冬道のようです。

広大な雪原
わずか15分程度登っただけで、広大な雪原を見渡せる高さになります。何度見てもゆったりとした大陸的なこの風景は、わくわくするというよりも心が静かになってゆくような気持ちにさせてくれます。

砂糖菓子のような立山
立山もまるで砂糖菓子のように朝の光に照らされています。

雷鳥坂上部
7時56分、標高2554mあたりまで登ってきました。奥大日岳への稜線と合流するあたりです。ここから上の斜面がけっこうな急坂で、見上げると急な部分には見事にシリセードの跡が残っています。あせらず、一歩ずつ確実にステップを刻みながら登ります。

奥大日岳
左手を見ると、奥大日岳がおはようさん。標高2605.9mの奥大日岳とほぼおなじ高さまで登ってきました。

彼方の白山
西方はるか彼方に浮かぶ白い頂は、恐らく白山でしょう。そういえば昨年、白山でメスの雷鳥が見つかったという記事がありました。北アルプスから飛来したと見られるとのことでしたが、どこの山から飛んで行ったにせよ、こういう景色を眺めていた一羽が、「よし! あの山までいっちょう飛んで行ってやろう」と思ったのか、はたまた「あそこにはもしかしていいオスがいるかも」なんて婚活目的だったのか定かではありませんが、その後を追ったオスはいなかったのでしょうか。どうなったのか気になります。

一ノ越ごしの槍
8時26分。急坂を登りきり、稜線に出ました。一ノ越の向こうに見えるとんがり帽子は・・・北アルプスの盟主 槍ヶ岳です。北アルプスのどこにいても、なぜか視界に入ってくる槍ヶ岳は、やっぱり北アルプスのスーパースターですね。

雷鳥坂上の稜線
稜線を東に進んでいくと、剣御前小屋が見えてきました。小屋の前を左に曲がり、小山のように盛り上がった雪の丘に登ると・・・

剣岳とご対面
剣岳とご対面です。昨日までは見ることができなかった剣沢とその奥の尾根筋下部の岩壁も綺麗に見えています。やっと剣岳の全貌を見ることができました。とはいうものの、左側に張り出している剣御前の斜面がやや邪魔です。何者にも邪魔をされない剣岳全体を見るために、少し休憩をとった後、別山に向かいます。

小屋の裏手から登山道に入ります。稜線の道は日当たりのいい場所なので、雪はほとんどついていません。3分も登ればケルンのある小ピークに出ました。ここからの眺めもなかなかですが、まだ剣御前の斜面が気になります。

剣岳と対峙する登山者
とりあえずということでカメラを準備していると、雪原にひとりの登山者が・・・彼(彼女?)もまた、剣岳に魅せられたのでしょうか。真正面から剣岳に立ち向かうかのように、じっと山を見つめていました。

剣岳アップ
斜面が邪魔なら望遠で迫ってやろうということで、70-200mmの望遠レンズに付け替えて、剣岳のバストアップです。PLフィルターをつけてコントラストをあげようと思ってフィルターケースを探したのですが、なぜか見当たりません。カメラ機材をまとめて入れているサブザックごとオスプレー イーサー85に入れてきたはずなのに・・・ もしかして、昨日の夕方の室堂乗越での撮影場所に落としてきたのかも。いや、そんなはずは・・・ と逡巡しても埒があきません。あきらめて、PLフィルターなしで撮影を続けます。ところで、前剣の岩頭に小さな二つのシルエットがあるのがおわかりでしょうか? 拡大してみると・・・

剣岳アップの拡大
二名の登山者が前剣の上に立っているのがわかります。撮影時はもちろん気づきませんでした。デジタルカメラの解像度には、本当に驚きます。6年前の1280万画素のカメラですが、まだまだ現役として使えそうです。

別山手前からの剣岳
より良いロケーションを求めて、別山の西にある小ピークまで来ました。ここまで来ると剣御前の斜面は問題なしですが、標高が上がって剣岳の高さに近くなってきたために、いまいち迫力がなくなってきました。

山を写真に撮るときは、同じ高さまで登るより少し低いぐらいの位置から撮影したほうが、山の高度感や迫力が出るように思います。もちろん、山ごとに条件が違うのでケースバイケースでの話しですが、今回のように手前にそこそこ高い尾根や山がある場合は、そういうものも入れないで撮ったほうがよさそうです。剣沢のテント場あたりから撮ると迫力が出そうな気がします。時間があればテント場まで下りて行きたいところですが、今日は下山する予定なので、あまり遅くなることはできません。ということで、剣岳撮影行はこれにて終了です。

あとは雷鳥沢に戻ってテントを撤収し、ターミナルまで戻るだけですが、フィルターケースのことが気になります。テントに忘れてきただけならOKですが、もしも室堂乗越ちかくの撮影場所に落として来たとしたら、もはや回収する見込みはなしです。中に入っているフィルター類を全部買いなおそうとすると、2万円以上の出費になります。さすがにそれはかなり痛い。下山ルートの雷鳥坂の途中から尾根伝いに行ける場所だから、帰りにちょっと寄り道して行くことにしました。

雷鳥坂上の稜線(帰路)
剣御前小屋から尾根を西にたどっていくと、雷鳥坂が始まる手前のあたりは、けっこう高度感のある尾根でした。登ってくるときは小屋に気をとられてあまり感じませんでしたが、滑落するとどこまでいけることやらという感じです。

奥大日岳への稜線
広くて長い坂をひたすら下っていくと、右手に奥大日岳に続く尾根が見えてきました。スキーだったらあっという間なのに、と思いながら歩きつづけて、昨日撮影していた場所まで来ました。フィルターケースは落ちていないかと探し回りましたが、見当たりません。誰かが拾っていったような足跡もなく、やっぱりテントに置き忘れていたようです。無駄足だったけど、落としていないことを確認できたので良しとします。

お昼前にテントに戻ってフィルターケースを探してみましたが、テント内にはありません。「???」わけがわからず、半ばあきらめて撤収作業に取り掛かりました。イーサー85の荷物を引っ張り出している途中、下部気室の奥、タオルの裏側にフィルターケース発見! どうやら上部気室と下部気室の仕切りの隙間から下に落ちたらしく、タオルの裏に入ってしまって見えなくなっていたようです。気づいたときによく探すべきでした。

とりあえず、無事フィルターケースも発見でき、山に忘れてきたものは何もないことが確認できたのでひと安心です。

バックパック
テントをたたみ、装備をバックパックに詰め込んで、さあ出発です。来たときの道はアップダウンがけっこうあったので、帰りはブルドーザーの道を通って帰ることにしました。例の崩れそうな雪庇の下が気になりますが、今回も大急ぎで駆け抜けました。

室堂ターミナルへのGPS地図
比較的平坦なブルドーザーの道とはいえ、登りは登り。1時間20分かかって、14時40分に室堂ターミナルに到着。15時15分発の臨時バスに乗って下山しました。

初めての雪上テント泊は、なんとか無事乗り切ることができましたが、夜の防寒対策はもう少しちゃんとした装備が必要だと感じました。今年の年末セールでダウンパンツとメリノウールの下着を買うことが決定です。厳冬期のテント泊をやるのであれば、今回使った化繊の夏用薄手の寝袋ではあまり役に立ちそうにないので、ちゃんとしたダウン入りの寝袋が必要になりそうです。冬用を買うか、ダウン入りの夏用寝袋を買って組み合わせるか、要検討です。




ランキングアップにポチッとご協力お願いします。
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村


関連記事
スポンサーサイト

| 2011年5月 立山 | 23:36 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re: こんばんわ!

みさわさん ども!

いやあ、フィルターケースは結局ずっと背負っていたわけで、
徒労に終わった時間がちょっとむなしかったです。
でも、無駄金を使わずに済んで助かりました。

フィルター無で撮影した剣岳ですが、やっぱりどことなく
白茶けた感じで、レタッチでもいまいち満足できません。
やっぱり乱反射を取りのぞくPLフィルターは、現場で使わ
ないとだめかなあという気がします。

| ヤマふぉと | 2011/05/18 22:51 | URL |

こんばんわ!

うん、良い天気、美しい景色ですね!
やっぱり山に登るのは青空に限りますね(*´∀`*)

そしてフィルターケース…あってよかったですねw
フィルター高いんですよねぇ、意外と。
最近じゃ面倒くさいので全然フィルタ使ってないですね。
レタッチでごまかす日々ですw

| みさわ | 2011/05/18 21:45 | URL | ≫ EDIT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://yamaphoto55.blog133.fc2.com/tb.php/171-db3f95e5

TRACKBACK

NEXT | PAGE-SELECT | PREV