ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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剣岳見たさにはじめての雪上テント泊 : 立山 vol 3

2011年5月3日~6日 富山県立山(雄山 標高3003m) テント泊山行

vol 2はこちら

5日の早朝、本当は3時に出発して雷鳥坂を登り、別山から朝焼けの剣岳を撮影しようと思っていたのですが、睡魔に勝てず気がついたらあたりは白々としていました。しかし、天気はかなりいいみたいで、雲もなく立山がくっきりはっきり見えています。

朝日を浴びる奥大日岳
奥大日岳の山頂が朝日を浴びて明るく光り始めました。

ならば今日は雄山からあわよくば立山を縦走して別山に行き、夕方の剣岳を見てから雷鳥沢に戻ってくるという長大な縦走に挑戦してみることに。朝食を済ませて準備を整え、午前6時10分に出発です。

雄山GPS地図
雷鳥沢のテント場から立山方面にはブルドーザーが道を作っていて、その道をたどっていけば室堂山荘まで行くことができ、そこから雄山への登山道に合流することができます。ただ、そのルートは遠回りになるので、地図を見ながら夏道と思われるルートをたどって行きました。

浄土山
雷鳥沢のすぐ東側から2358mピークがある低い尾根に上り、その尾根を一ノ越方面に進んでいくと、目の前に浄土山がぽっこりと顔を出しています。真っ白な雪原の向こうにあるその姿を見ていると、日本ではないどこかを歩いているような錯覚にとらわれます。

輝くシュプール
立木も岩も見当たらない一面の雪原はBCスキーヤーやボーダーにとって最高のフィールド。数多くのシュープールが刻まれた雪原が、朝日を浴びて銀色に輝きます。SAJスキー検定1級の腕が鳴るぜ(プチ自慢)、といいたいところですが、もう10年近くスキーとはご無沙汰なのでまともに滑れるとは思えません。でも、こういう雪原を見ていると無性に滑りたくなってきます。

同じ高さの奥大日岳
一ノ越直下の大斜面は、斜度がきつく結構ハードです。休憩時に振り返ると、少し前まで見上げる感覚だった奥大日岳が、同じ高さに見えるようになっていました。

一ノ越山荘
8時過ぎに一ノ越に到着です。一ノ越山荘は3日から営業開始したようですが、コーヒーでも飲もうかと中に入ってみると売店はカーテンが閉められており、事務所にいた兄ちゃんも知らん顔。宿泊客以外は相手にしたくないみたい。ネットでもあまり評判のよくないこの山荘、やっぱりかという雰囲気でした。

一ノ越から槍ヶ岳
しょうがないので、山荘の裏側に回って荷物を降ろし、軽食をとった後、北アルプスの大展望をじっくりと楽しみました。おそらく野口五郎岳と思われる丸い山容の頂の背後に、槍の姿がくっきり。さらにその右手後方に穂高連峰の峰々も見えています。すばらしいパノラマビューです。

一ノ越からの登り
のんびりしすぎて気がつけば8時40分。周りで休憩していた人も順次雄山へ向けて最後の急登に挑戦し始めています。こうしちゃいらないと準備を整え、残り300mの登りに取り付きました。

ところどころ雪がなかったり、逆に氷になっていたりと、めまぐるしく変化する登山道を慎重にたどりながら、標高をあげていきます。途中前を行く黄色のジャケットに黒のパンツのいまどき珍しいペアルックのカップルが石を落としたようで、上から「ラクーッ!」の声。見上げてみるも落石らしきものはなく途中で止まったようですが、内心「いいかげんにしろよ、ゴルァーッ!」と怒り<`ヘ´> バカップルに落石を浴びせられてはかなわないので、少し間を置くために立ち止まって写真撮影で時間を稼ぎます。

眼下の一ノ越山荘
眼下の雪原をまるでアリンコのような登山者の列が続きます。

山頂直下のテラス
雄山神社の一段下に、やや平坦なテラス状の場所があり、その上が最後の急登になります。

雄山三角点
9時45分、一ノ越から約1時間で雄山山頂に到着しました。本当の山頂は少し先の雄山神社のある場所ですが、三角点と方向指示台のようなものがあるここが事実上の山頂といってもいいのでしょう。北アルプスの大パノラマを南から東へ順にみていきますと、

パノラマ1
まずは薬師岳、黒部五郎岳、笠岳、ちょとあやしい水晶岳。

パノラマ2
そして、中央に槍と穂高、左手奥ににはおそらく大天井岳。

パノラマ3
大天井岳からほぼ水平に伸びる稜線の先には燕岳。その左奥に餓鬼岳。手前右はしに南沢岳、鞍部を挟んで不動岳。さらに鞍部を挟んで船窪岳、北葛岳と続き、

パノラマ4
雄山の東には、針ノ木岳、蓮華岳、赤沢岳が連なり、

パノラマ5
岩小屋沢岳を経て爺ヶ岳、そして鹿島槍の後立山連峰に連なる峰々。間違ってたら、ご指摘お待ちしております。以前、この長大な尾根を一気に縦走しようなんて思ったこともありました。後立山・裏銀座・表銀座の大縦走。考えるだけでわくわくしますが、小屋泊前提でないととても無理ですね。

雄山での休憩
本当の山頂に登る前に、目の前に広がる針ノ木岳とその周辺の山々を眺めながら軽く食事を取ります。う~ん、贅沢なひととき。

雄山神社
そして、雄山神社のある山頂へ。

眼下の奥大日岳
大日岳連山は、すっかり眼下の存在に。

御山から見た剣岳
そして、恋焦がれたあのお山のお姿がついに!!! そう、岩と雪の殿堂 剣岳です。別山の陰に隠れて頭しか見せてくれませんが、立山曼荼羅には地獄の針の山として描かれた魔の山。映画「剣岳 点の記」で舞台となった険しく厳しいその姿をついに見ることができました。剣岳の姿を眺めながらこのまま立山を縦走して、別山まで行こうと思っていましたが、どうも人が通った気配がありません。鳥居横から大汝山への道があるとのことですが、鳥居はどこ? どうやら雪の下らしく、降り口らしいところはありましたが、踏み跡なし! 雄山神社横から大汝山方面を眺めてみるも、けっこうな急傾斜の雪面をトラバースして行かなければならないようで、単独行はちょっとリスキーな雰囲気です。ということで、立山の縦走は中止決定。とっとと一ノ越まで下りました。

アラビア巻き
一ノ越に戻ってきたのは11時過ぎ。山頂からはずっとハードシェルを着て降りてきましたが、さすがにここまで降りると暑い! ミドルウェアだけになり、強烈な日差しで痛みを覚え始めた顔を、タオルのアラビア巻きでガード。こういうこともあろうかと、ツバつきのハットをモンベルで買って持ってきていたのに、車に忘れてきてしまったのでした。寒いときはシェルのフードをかぶればいいのですが、暑いときはこれしかありません。幸い山でこういう怪しげなカッコをしていても、誰も不審に思わないので気楽なものです。

落ちそうな雪庇
帰りは、一ノ越の下からブルドーザーの道へショートカットして、ひたすらブルのキャタピラ跡が残る道を歩きます。テント場の手前に、大きな雪庇が張り出した崖の下を通るところがありましたが、気温も上がって崩れてくるのではないかとハラハラドキドキ(・o・) 崖の下だけは早足で駆け抜けました。

テントに戻って昼食をとり、少し昼寝して15時から温泉へ。今度はもう一軒の山荘、ロッジ立山連峰の温泉に行ってみました。どうやら一番風呂だったらしくて、貸しきり状態です。お風呂はやや小ぶりですが、更衣室もお風呂も綺麗で、見た目には雷鳥沢ヒュッテよりも絶対いい! しかも展望風呂という名前の通り、真っ白な立山が大きな窓越しに見える極上のロケーションです。し・か・し、お湯が熱い(*_*;  地獄谷温泉の源泉そのままだとかで、これがかなりの熱湯風呂。我慢して2分が限度。湯船から上がったらクラクラしてしまい、一度更衣室で休まないといけないほど。

とりあえず、頭と体を洗おうと洗い場に座ってお湯をだそうとしてみるも、さっぱりお湯が出てきません。4つある蛇口をすべて試してみましたが、3つはまるで間欠泉のようにときどきブシューとかいいながらちょろちょろとぬるいものが出てくるだけで、どれも同じ。のこり一つは何も出てきません。じゃあ、あきらめて水で・・・と思ったらこれがまた失神するような冷たさ(゜.゜) 地獄谷温泉だからといって、熱湯地獄と冷水地獄でどないせーちゅーんじゃ、うりゃぁ(ー_ー)!! と怒ってみたところでどうしようもありません。しょうがないので、湯船のそばに椅子をもっていって、湯船に水を入れながら蛇口の下でお湯を汲んで、体と頭を洗い流しました。もし湯船に誰か浸かっていたらそうもできないので、「ウヒーッ!!」とか心の中で叫びながら冷水を浴びていたかも・・・ かんべんしてください(T_T)

ということで、雷鳥沢の山小屋でゆっくりのんびり温泉を楽しんで、かつ頭も体もちゃんと洗いたい方は、雷鳥沢ヒュッテに行きましょう。頭や体を洗うのはどうでもよくて、熱湯地獄と冷水地獄で地獄谷温泉の真髄を味わい、心臓麻痺の限界に挑戦したい方は、ロッジ立山連峰へどうぞ。

お風呂から戻ってこの後の予定をどうするか考えました。せっかくの好天です。立山山頂から剣岳を見たとはいえ、なんだか物足りません。できれば夕日に染まる剣岳が見たいものです。しかし、別山乗越までこれから上がるのは時間的に厳しすぎます。地図には、奥大日岳への登山道途中にある室堂乗越から剣岳の眺めがいいと書いてあるので、室堂乗越まで行かなくてもその手前の2390mピークあたりでも十分剣岳が見られるような気がします。

室堂乗越へのGPS地図
ということで、夕陽に染まる剣岳を見るために、周りのテントで夕食の準備が始まる17時に、ひとり室堂乗越を目指して出発しました。

新室堂乗越から見た剣岳
雷鳥沢から新室堂乗越までおよそ40分。奥大日岳に続く尾根に登ると、剣岳が少し顔を覗かせていました。このまま室堂乗越方面に移動すれば、山頂付近が見えるだろうと尾根を西に移動し、2390mピークの西側に少し下りたところでカメラをセットしました。

雲海と猫又山
眼下の谷は雲海で埋め尽くされ、その向こうに猫又山の優美な姿が見えます。

夕日を浴びる剣岳
太陽が沈むのを待ちながら、剣岳の表情が変わるのを見続けていました。18時24分。太陽が最後の光を投げかけなら没していくとき、剣岳がその光を受けて赤く染まります。北アルプスの北の端にどっかりと腰をすえ、どこか孤高の山という雰囲気のある剣岳。そういうクールな雰囲気に惹かれるのかもしれません。この次は朝日に輝く姿を見たいものです。

太陽が山の端に沈み、剣岳の明るさが急速に衰えてきたところで撤収です。星空に浮かぶ剣岳の姿も撮りたいのはやまやまですが、さすがに暗くなって動くのはあまり感心できることではないので、暗くなる前に急いで戻ります。

夕暮れの奥大日岳
新室堂乗越まで戻ってくると、奥大日岳の背後に夕焼けのグラデーションが綺麗に広がっていました。

vol 4に続く



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| 2011年5月 立山 | 15:33 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re: はじめまして

しょももさん、はじめまして。

> あの~、私も4日・5日と雷鳥沢におりました。
> そして、5日は私も雄山でした。
> テン場発は6時過ぎだったので、前に1人歩いてなかったでしょうか?
> 雄山からの下山は9時半過ぎからだったので、山頂の少し下ですれ違っていると思います。

お~ 奇遇ですねえ。5日の朝は雷鳥沢から少し先の2350mピークのある低い尾根上で単独行の男性に抜かされましたが、ほかにははるか彼方の一ノ越下の斜面に単独行の登山者が見えていましたねえ。もしかしてその人だったのかも。

雄山からの下山時刻は、確かに僕とすれ違っているはずですね。きっとどこかで挨拶しているでしょうね。


> 5日は好天で良い日でしたね~。
> 剱・奥大日の夕景がお見事です!

5日は天気が良すぎて、日焼けがひどいことになりました。
写真の件、ありがとうございます。今回の成果はあれぐらいです(^^ゞ

| ヤマふぉと | 2011/05/16 01:53 | URL |

はじめまして

ヤマふぉとさん、はじめまして♪
みさわさんのブログからお邪魔しました(^^)

あの~、私も4日・5日と雷鳥沢におりました。
立山駅のケーブルカーは6時20分の3便目なので、まずそこから
ニアミスしてます。
そして、5日は私も雄山でした。
テン場発は6時過ぎだったので、前に1人歩いてなかったでしょうか?
雄山からの下山は9時半過ぎからだったので、山頂の少し下ですれ違っていると思います。

5日は好天で良い日でしたね~。
剱・奥大日の夕景がお見事です!

| しょもも | 2011/05/16 01:15 | URL |

Re: たびたびどうもです!

みさわさん

今年のGWは4日、5日が最高にいい天気でした。
その後もそこそこ良かったみたいですよ。
前半に比べると雲泥の差だったのかもしれません。

立山、長野県側からだと確かにあり得ない金額ですね。
高速1000円割引のあるうちに富山側から登ったほうが
お得ですね。

逆に、後立山連峰や燕岳は関西方面からは行きにくいです。

| ヤマふぉと | 2011/05/15 22:50 | URL |

たびたびどうもです!

う~ん、良い天気ですね(-´▽`-)
そして剱岳のアーベンロート、綺麗に染まってますね。

今年のGWは3,4日あたりが一番天気良かったのかな?
その頃僕らは神奈川の友達の家に遊びに行っていたので、奇しくも一番いいタイミングで山が登れませんでした('A`)
しかし立山、一度行ってみたいのですが、長野県側から立山行くには運賃が高すぎて…
なかなか踏ん切りがつきませんね。

| みさわ | 2011/05/15 20:23 | URL | ≫ EDIT















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