山頂直下の北壁を見て戦意喪失: 烏ヶ山その1
2021年2月28日(日) 鳥取県江府町 烏ヶ山(標高1448m) 日帰り単独行
2月最後の日曜日は、烏ヶ山に行ってきました。いくつか候補がありましたが、基本的に雪がまだ十分あるのは大山山系だけだろうし、仮にあったとしても標高が低い山は気温が高すぎて雪がグズグズになるのは目に見えているので、大山山系一択でした。
甲ヶ山のリベンジも考えましたが、先週は山に行っていないので2週間ぶりということもあり、長距離で標高差が大きい山行は体にきつそうなのでパス。振子沢を上まで詰めてあわよくば剣が峰も考えましたが、標高差も時間も甲ヶ山と同等レベルになりそうなのでパス。結局、槍尾根経由で剣が峰か、鳥越峠経由で烏ヶ山のどちらかが候補として残りました。積雪と天候とそのときの気分次第で決めることにして、とりあえず鳥越峠を目指すことにしました。
装備リスト
●アッパー
ドライレイヤ: ノースフェイス L/S ハイブリッドパラマウントメッシュクルー
ベースレイヤ: ノースフェイス ロングスリーブエアークルー
ミドルレイヤ: マムート デイトリッパーフリースジャケット
ソフトシェル: なし
ハードシェル: マムート オールラウンダージャケット
インサレーション: ノースフェイス レッドポイントライトジャケット
グローブ: ショーワ テムレス02ウィンター
キャップ/ハット: マムート トゥウイークビーニー
●ボトムス
ドライレイヤ: なし
ベースレイヤ: モンベル ジオラインLWタイツ
ミドルレイヤ: マーモット AWストレッチパンツ
ハードシェル: なし
インサレーション: なし
ソックス: BVD 5本指化繊ソックス
アイスブレイカー メリノウールミディアムクルー
シューズ: シリオ 712GTX
ゲイター: マムート ゴアテックスゲイター
●ギア
バックパック: マムート トリオンプロ35+7L
ストック: ブラックダイヤモンド トレイルコンパクト
クランポン: グリベル G10ワイド
ワカン: エキスパート・オブ・ジャパン スノーシューズL
ヘルメット: グラビティリサーチ アルパインヘルメット
アックス: カンプ カシン Xライトアッズ
カンプ カシン Xライトハンマー
ハーネス: カンプ ブリッツ

予報では晴れで気温0度前後、風速8m/秒程度となっていて暖かいと予想したので、ハードシェルのパンツではなく、冬用の裏地付き登山パンツを選択しました。予報は半分あたり半分外れのような感じで、気温はおおむね1度ぐらいだったもののけっこう風が強く、体感気温は氷点下のような感じでした。でも、服装においては過不足なかったようで、寒すぎるとか暑すぎるということはありませんでした。
マーモット AWストレッチパンツは、いつものゴアテックスのハードシェルパンツの感覚で頻繁に雪に膝をついたりしましたが、濡れることもなくなかなか優秀なパンツだと改めて感心しました。すでに販売終了となっていますが、防風性能もしっかりしているので、後継モデルがあるなら冬山におすすめの登山パンツです。
アックスは、槍尾根を登る場合に備えてハーネスとともにダブルアックスとしましたが、結局Xライトアッズのほうだけを使いました。ワカンも使わずじまいでした。
ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。

自宅を5時過ぎに出発し、奥大山スキー場に7時30分頃着きました。売店横の駐車スペースはすでに満車でしたが、最終除雪地点前の道路脇に駐車できるぐらいのスペースがありました。

7:49 出発します。

ゲートを横から迂回して進みました。雪はしっかりと締まっていて、脚がもぐることはほとんどありませんでした。

途中から環状道路を外れて木谷の中を北上します。

8:56 前方に大きなブナがあるなと思いながら近づいていくと、思いのほか巨樹で驚きました。

大きさがわかるように横に立って撮影してみました。メジャーがないので正確な幹周はわかりませんが、二抱えと50㎝ぐらいありました。なので、幹周4m弱といったところでしょう。木谷のブナの中では、おそらくトップクラスの巨樹だと思われます。とりあえず、木谷のブナ王と名付けておきます。

さらに少し登ったあたりにも、ブナ王よりも一回り小さいながら立派なブナがあり、周囲には直径1m前後の巨樹・巨木がたくさんみられました。標高1100mあたりのブナ林はおそらく人の手が入っていない原生林なのでしょう。

木谷の斜面上に向かって右斜め上方向に見える鳥越峠に向かって進んでいきます。

9:32 鳥越峠手前に小さな雪庇があり、その下に風を避けれる平坦な場所があったので、休憩していくことにしました。鳥越峠への急斜面を登るのにクランポンを装着しておく必要があるので、ちょうどいいタイミングでした。

9:56 休憩後クランポンを装着して、鳥越峠に向かいます。上の方で風が唸りをあげていて、峠に出ると風も強まりそうなので、ハードシェルジャケットも着ておきました。

GPSでほぼ夏道通りに登ってきたつもりでしたが、どうやら少し北寄りにずれてしまったようで、鳥越峠よりキリン峠側の尾根に出てきました。

50mほど南へ移動したところが鳥越峠でした。

槍尾根方面を見ると足跡がいくつかついていました。これ以外にも、鳥越峠を経由せずに登っている人もいるでしょう。

上の方に見えるピークには人影がありました。

一方、烏ヶ山方面へのトレースはありません。とすると、行くべきは烏ヶ山です。

鳥越峠から1320ピークへの尾根は雪庇ができていました。しかし、この尾根はそれほどナイフリッジではなく、幅もそこそこあるので、雪庇の出ている左に寄らないように気を付けながら尾根上を歩いて通過しました。

1320ピークへの登りに差し掛かったあたりで、指先が痛くなるほど冷えてきたので、インナーグローブをつけました。温度計を見ると1度をさしていましたが、風が強く、体感温度はマイナス5度ぐらいありそうな感じです。

傾斜のきついところをこなし、1320ピーク手前の尾根に出てきました。

倒木があったり、小さな雪庇があってふかふかの雪に足をとられたりと少し手こずりました。わずかな距離とはいえ、2月末になって今シーズン初めてのラッセルをすることになるとは思いもしませんでした。

10:42 1320ピークに着きました。

烏ヶ山のピーク付近はガスがかかっていて、見えたり見えなかったりしていました。風が強くじっとしていると冷えてきます。

小腹が空いて休憩したかったので、風下になるピークの北側に少し下ったところにベンチを作って座りました。風もほぼ当たらないし、陽射しも背中側から当たって寒さを感じないいい休憩場所でした。左手には大山も見えています。

行動食としてバランスパワーのスイートポテト味を食べました。味も風味も焼き芋みたいで、かなり美味でした。

休憩している間に大山のガスが取れることを期待していたのですが、ふと見るとさらに濃くなっているではありませんか。陽射しもなくなってしまい、気持ちも萎えます。

11:02 烏ヶ山の山頂付近もガスで見えなくなっていて、行くだけ無駄かなと思わないでもありませんが、強風でガスの動きが速いので、突然晴れる可能性も否定できません。なので、とりあえず行ってみることにしました。

1320ピークからはいったん鞍部へ下ります。鞍部の尾根に雪庇はありますが、尾根の幅が広いし、雪庇のはりだしもそれほど大きくないので、端に寄りすぎなければ大丈夫そうです。

とはいえ、細い立木にのっかっているだけの部分もあったりして、油断は大敵です。しかも鞍部は風の通り道なので、強風にさらされて結構寒いのがつらいところです。

鞍部を過ぎて三角点のある1385.5ピークの登りに差し掛かると、風が一気に弱まって寒くなくなりました。振り返ると、大山に陽射しが戻ってきて、上空に青空ものぞいています。このまま晴れてくれればいいのですが、ガスは相変わらずです。

ここからの急斜面に備えてストックからアックスに持ち替えるつもりだったので、風があまり当たらなくなったのは好都合でした。

烏ヶ山北峰の北面が厄介そうなので、ダブルアックスにしておこうかと思ったのですが、烏ヶ山まで尾根歩きが続きダブルアックスはかえって歩きにくいだろうということで、シングルで行くことにしました。
つづく。
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2月最後の日曜日は、烏ヶ山に行ってきました。いくつか候補がありましたが、基本的に雪がまだ十分あるのは大山山系だけだろうし、仮にあったとしても標高が低い山は気温が高すぎて雪がグズグズになるのは目に見えているので、大山山系一択でした。
甲ヶ山のリベンジも考えましたが、先週は山に行っていないので2週間ぶりということもあり、長距離で標高差が大きい山行は体にきつそうなのでパス。振子沢を上まで詰めてあわよくば剣が峰も考えましたが、標高差も時間も甲ヶ山と同等レベルになりそうなのでパス。結局、槍尾根経由で剣が峰か、鳥越峠経由で烏ヶ山のどちらかが候補として残りました。積雪と天候とそのときの気分次第で決めることにして、とりあえず鳥越峠を目指すことにしました。
装備リスト
●アッパー
ドライレイヤ: ノースフェイス L/S ハイブリッドパラマウントメッシュクルー
ベースレイヤ: ノースフェイス ロングスリーブエアークルー
ミドルレイヤ: マムート デイトリッパーフリースジャケット
ソフトシェル: なし
ハードシェル: マムート オールラウンダージャケット
インサレーション: ノースフェイス レッドポイントライトジャケット
グローブ: ショーワ テムレス02ウィンター
キャップ/ハット: マムート トゥウイークビーニー
●ボトムス
ドライレイヤ: なし
ベースレイヤ: モンベル ジオラインLWタイツ
ミドルレイヤ: マーモット AWストレッチパンツ
ハードシェル: なし
インサレーション: なし
ソックス: BVD 5本指化繊ソックス
アイスブレイカー メリノウールミディアムクルー
シューズ: シリオ 712GTX
ゲイター: マムート ゴアテックスゲイター
●ギア
バックパック: マムート トリオンプロ35+7L
ストック: ブラックダイヤモンド トレイルコンパクト
クランポン: グリベル G10ワイド
ワカン: エキスパート・オブ・ジャパン スノーシューズL
ヘルメット: グラビティリサーチ アルパインヘルメット
アックス: カンプ カシン Xライトアッズ
カンプ カシン Xライトハンマー
ハーネス: カンプ ブリッツ

予報では晴れで気温0度前後、風速8m/秒程度となっていて暖かいと予想したので、ハードシェルのパンツではなく、冬用の裏地付き登山パンツを選択しました。予報は半分あたり半分外れのような感じで、気温はおおむね1度ぐらいだったもののけっこう風が強く、体感気温は氷点下のような感じでした。でも、服装においては過不足なかったようで、寒すぎるとか暑すぎるということはありませんでした。
マーモット AWストレッチパンツは、いつものゴアテックスのハードシェルパンツの感覚で頻繁に雪に膝をついたりしましたが、濡れることもなくなかなか優秀なパンツだと改めて感心しました。すでに販売終了となっていますが、防風性能もしっかりしているので、後継モデルがあるなら冬山におすすめの登山パンツです。
アックスは、槍尾根を登る場合に備えてハーネスとともにダブルアックスとしましたが、結局Xライトアッズのほうだけを使いました。ワカンも使わずじまいでした。
ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。

自宅を5時過ぎに出発し、奥大山スキー場に7時30分頃着きました。売店横の駐車スペースはすでに満車でしたが、最終除雪地点前の道路脇に駐車できるぐらいのスペースがありました。

7:49 出発します。

ゲートを横から迂回して進みました。雪はしっかりと締まっていて、脚がもぐることはほとんどありませんでした。

途中から環状道路を外れて木谷の中を北上します。

8:56 前方に大きなブナがあるなと思いながら近づいていくと、思いのほか巨樹で驚きました。

大きさがわかるように横に立って撮影してみました。メジャーがないので正確な幹周はわかりませんが、二抱えと50㎝ぐらいありました。なので、幹周4m弱といったところでしょう。木谷のブナの中では、おそらくトップクラスの巨樹だと思われます。とりあえず、木谷のブナ王と名付けておきます。

さらに少し登ったあたりにも、ブナ王よりも一回り小さいながら立派なブナがあり、周囲には直径1m前後の巨樹・巨木がたくさんみられました。標高1100mあたりのブナ林はおそらく人の手が入っていない原生林なのでしょう。

木谷の斜面上に向かって右斜め上方向に見える鳥越峠に向かって進んでいきます。

9:32 鳥越峠手前に小さな雪庇があり、その下に風を避けれる平坦な場所があったので、休憩していくことにしました。鳥越峠への急斜面を登るのにクランポンを装着しておく必要があるので、ちょうどいいタイミングでした。

9:56 休憩後クランポンを装着して、鳥越峠に向かいます。上の方で風が唸りをあげていて、峠に出ると風も強まりそうなので、ハードシェルジャケットも着ておきました。

GPSでほぼ夏道通りに登ってきたつもりでしたが、どうやら少し北寄りにずれてしまったようで、鳥越峠よりキリン峠側の尾根に出てきました。

50mほど南へ移動したところが鳥越峠でした。

槍尾根方面を見ると足跡がいくつかついていました。これ以外にも、鳥越峠を経由せずに登っている人もいるでしょう。

上の方に見えるピークには人影がありました。

一方、烏ヶ山方面へのトレースはありません。とすると、行くべきは烏ヶ山です。

鳥越峠から1320ピークへの尾根は雪庇ができていました。しかし、この尾根はそれほどナイフリッジではなく、幅もそこそこあるので、雪庇の出ている左に寄らないように気を付けながら尾根上を歩いて通過しました。

1320ピークへの登りに差し掛かったあたりで、指先が痛くなるほど冷えてきたので、インナーグローブをつけました。温度計を見ると1度をさしていましたが、風が強く、体感温度はマイナス5度ぐらいありそうな感じです。

傾斜のきついところをこなし、1320ピーク手前の尾根に出てきました。

倒木があったり、小さな雪庇があってふかふかの雪に足をとられたりと少し手こずりました。わずかな距離とはいえ、2月末になって今シーズン初めてのラッセルをすることになるとは思いもしませんでした。

10:42 1320ピークに着きました。

烏ヶ山のピーク付近はガスがかかっていて、見えたり見えなかったりしていました。風が強くじっとしていると冷えてきます。

小腹が空いて休憩したかったので、風下になるピークの北側に少し下ったところにベンチを作って座りました。風もほぼ当たらないし、陽射しも背中側から当たって寒さを感じないいい休憩場所でした。左手には大山も見えています。

行動食としてバランスパワーのスイートポテト味を食べました。味も風味も焼き芋みたいで、かなり美味でした。

休憩している間に大山のガスが取れることを期待していたのですが、ふと見るとさらに濃くなっているではありませんか。陽射しもなくなってしまい、気持ちも萎えます。

11:02 烏ヶ山の山頂付近もガスで見えなくなっていて、行くだけ無駄かなと思わないでもありませんが、強風でガスの動きが速いので、突然晴れる可能性も否定できません。なので、とりあえず行ってみることにしました。

1320ピークからはいったん鞍部へ下ります。鞍部の尾根に雪庇はありますが、尾根の幅が広いし、雪庇のはりだしもそれほど大きくないので、端に寄りすぎなければ大丈夫そうです。

とはいえ、細い立木にのっかっているだけの部分もあったりして、油断は大敵です。しかも鞍部は風の通り道なので、強風にさらされて結構寒いのがつらいところです。

鞍部を過ぎて三角点のある1385.5ピークの登りに差し掛かると、風が一気に弱まって寒くなくなりました。振り返ると、大山に陽射しが戻ってきて、上空に青空ものぞいています。このまま晴れてくれればいいのですが、ガスは相変わらずです。

ここからの急斜面に備えてストックからアックスに持ち替えるつもりだったので、風があまり当たらなくなったのは好都合でした。

烏ヶ山北峰の北面が厄介そうなので、ダブルアックスにしておこうかと思ったのですが、烏ヶ山まで尾根歩きが続きダブルアックスはかえって歩きにくいだろうということで、シングルで行くことにしました。
つづく。
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| 2021年2月 烏ヶ山 | 23:17 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑