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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

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気力体力を試される極寒のロングコース: 塩見岳 その5 

2018年12月31日(月)~2019年1月2日(水) 
長野県大鹿村 塩見岳(標高3047.3m) テント・避難小屋泊単独行 


5、1月1日 塩見岳アタック 前編
2018年大晦日の夜は、おそらく外気温がマイナス15度ぐらいまで下がったと思われる中、寝袋の中で寒さに耐えながら寝ていたわけですが、気がつけば寒さを感じなくなっていました。寝袋が温まったというようなことではなく、寒気が少し緩んだという感じでした。


1月1日は上空の寒気が北上し、北日本上空まで下がるという予報だったので、深夜に中部日本上空の寒気がいなくなったのが理由ではないかと思われます。ともあれ、寒さに邪魔されることなく気持ちよく眠れるようになったのは助かります。おかげで、その後は深い眠りに入ったようです。


明け方、隣のテントからゴソゴソと音が音が聞こえてきて目が覚めました。時計を見ると午前4時を少し回ったところでした。午前3時に腕時計のアラームをセットしていたのですが、腕にはめたまま寝てしまったので、まったく音が聞こえなかったようです。


事前の調査で、三伏峠から塩見岳までは往復で約9時間かかるらしいということがわかっていたので、3時に起床して5時に出発、余裕を見て遅くなっても15時には戻るという計画でいたのですが、これで1時間遅くなってしまいます。まあ、往復9時間なら6時出発で15時帰着ですから、致命的な寝坊というわけではありません。


びっしりと霜が張り付いたテントに触れないように気をつけながら寝袋から這い出そうとしたものの、さすがに多少は接触してしまうので、ぱらぱらと霜の粉が雪のように降ってきます。いちいち気にしていられないので、エイヤと起きてお湯を沸かします。


お湯が沸くまでの間に小型のバックパックに今日必要な荷物を詰めていきます。たいして荷物はありませんが、カメラ、交換レンズ、行動食、水筒、救急用品、ツェルトなどを詰めていくと、小型のバックパックはあっというまにいっぱいになってしまいました。念のため、ダウンジャケットも持っていこうとして付属のスタッフサックに詰め込んだのですが、直径20センチほどの塊になってしまいバックパックに詰め込むのは難しい状態です。今日は天気予報では晴天で寒気も緩み、風もあまりきつくないみたいなので、ダウンジャケットは使うことはないだろうということで持っていくのはやめました。かわりに、念のための防寒着として、寝るときにきていたメリノウールの厚手シャツを隙間にねじ込んでおきました。


アルファ米の朝食を食べ終えてから、ハードシェルの上下を着用し、出発の準備を整えます。トイレに行き、テントに戻ってから12本爪クランポンを装着したのですが、これがなんだかうまくいきません。今シーズン初使用になるため装着時の注意ポイントのようなことをすっかり忘れていて、紐がねじれたりするし、金具での締め付けがスムースにいかないのです。なんどかやり直したりしているうちにだんだんイライラしてきました。紐のねじれをなおし、金具に紐を通して固定しようとしてもなぜか固定できません。どうなってんだと思ってよくよく見てみると、なんと紐を固定する金具が逆向きになっていました。そんなことに気がつかないとは情けないと思いながら、金具の向きを確認してなんとか締め付けることができたのですが、次は余った紐の処理がうまくいきません。手袋でやっていたのですが、さすがに細かい作業ができずイラついて、結局素手でやることに。


たかだかクランポンを両足に装着するだけに結構な時間を要してしまい、出発できるようになったときには7時を過ぎていました。6時出発で15時帰着の予定がさらに延びてしまいます。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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7:21 焦りながらグローブを装着し、あわてて出発しました。ところが、このとき大失敗をやらかしてしまいました。なんと、左手だけアウターグローブを着けずに出発してしまったのです。インナーもアウターも両方ともノースフェイスのグローブだったので、手の甲に白字でロゴマークが入っているのですが、どちらもほぼ同じ位置、同じ大きさのロゴマークだし、グローブの色も黒色なので、ぱっと見あまり違いがわかりにくいということもあって、右手のアウターグローブをはめた後、左手はてっきりはめ終わっていると思ってしまったのでした。いつも左手から先にはめていたので、右が終われば完了という思い込みもあったのでしょう。なぜこのときは右からはめたのか。焦るとろくなことがありません。


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テント場から少し歩くと、二股の分岐がありました。塩見岳は左です。


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7:32 しばらく樹林帯を歩いた後、すこし登ったところで三伏山山頂に出ました。右手前方に塩見岳が見えますが、まだ結構な距離があります。のんびりしている暇はないので、写真だけとってすぐに歩き出しました。


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三伏山から先はほぼ平坦に近いような尾根筋で、樹林帯の中をだらだらと下ります。


7:50 本谷山との暗部まで下りてきました。ここから本谷山へののぼり返しが始まります。


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標高2600mの手前ぐらいから樹林がまばらになってきたので、開放感が少し強くなってきました。しかし、本谷山へののぼりでどうも体が重く感じ、足も軽快に動かないような感覚が出てきました。昨夜は19時半ごろには寝袋に入り今朝4時まで寝ていたので、睡眠時間は計算上8時間半ぐらいになりますが、初めのうちは寒さでなかなか寝つくことができず、実質はせいぜい5~6時間だと思われます。それに、登山口から三伏峠まで思いのほか時間がかかり体力もかなり消耗したみたいなので、疲れが残っているようです。



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山頂の手前で塩見岳が大きく見える場所がありました。三伏山から見たときよりもずっと大きく見えます。


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8:27 本谷山(ほんたにやま)山頂です。山頂はちょっとした雪原があり、その一角にテントが一幕ありました。ここからなら三伏峠からの往復2時間が節約できるのでだいぶん楽なスケジュールになるでしょうが、ここまでフル装備で上ってこなければいけないので、良し悪しというところでしょうか。


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道標には、三伏峠まで80分と書かれていますが、66分で来ました。標高は三伏峠より少し高いだけなので、帰りもほぼ同じぐらいの時間で帰れそうですが、疲労具合によっては80分ぐらいかかるかもしれません。すでに本谷山ののぼりで疲労感を感じ始めている状況を考えると、帰りの時間がどれぐらいかかるか気になるところです。



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山頂からも塩見岳が見えますが、やや樹木が邪魔です。休憩によさそうな場所がなかったので、写真だけとってそのまま本谷山を通過しました。


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9:21 だらだらと下って権右衛門山手前の鞍部まで下ってきました。塩見岳は見る角度が変わって、ピラミダルな三角形の山に見えてきました。このあたりの鞍部は比較的フラットで、日当たりがよくて風もあまりないので、暖かく感じます。本谷山から下ってくるときは、西風がけっこう冷たくて寒い思いをしましたが、ほっと一息つける場所でした。


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下っていくと、トレース脇にテントが一幕。ここまで来るということは、ご来光目的の登山なのかもしれません。しかし、タフな御仁もいるものです。


テントの場所から少し先の平坦な樹林帯の中で、道は右へと曲がります。テープがあるので迷うことはないでしょうが、まっすぐ行ったトレースもあったので、間違いやすいのかもしれません。


権右衛門山の南側斜面の樹林の中を塩見岳を目指して東進していくのですが、展望がまったくなく、アップダウンもあまりないので、行けども行けども果てしがないように思えてかなりうんざりしました。疲労感が増してきて、もう引き返そうかという気持ちも次第に強くなってきました。


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権右衛門山山頂の真南あたりで一度休憩をとりました。雪の斜面を切り崩してベンチを作り、どっかりと座って10分ほど休んでから再び歩き始めると、小屋まで残り40分の看板がありました。ほんとかなあと思いつつ先を急ぎます。


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残り40分の看板から5分も行かないうちに、日のあたらない西向き斜面の登り道になりました。距離はあまりないのですが、上から刺すような冷気が流れ落ちてくるのでここだけ何か別世界のような感じがしました。冷気に活力を吸い取られるような感じで、それほどきついのぼりではないのに、やたらきつく感じられ一気に疲れました。


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15分ほどで日のあたる尾根道に出て、冷気から開放されました。疲労感にさいなまれながらゆっくりと歩き続けます。


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10:48 ほどなく塩見新道分岐につきました。塩見新道は権右衛門山を経由して三峰川林道に出る道ですが、三峰川林道が約22kmもあるらしく豊口山ルートよりもさらに大変みたいです。


塩見分岐まで登ってきて、時間は11時前です。残り40分の看板を通過したのが10時20分頃なので、看板に偽りなしなら塩見小屋まであと10分ということになります。疲れているものの、あと10分程度で着くのなら、とりあえず塩見小屋までは行ってみることにしました。山頂を目指すかどうかは塩見小屋についてから考えることにします。


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しかし、塩見新道分岐から先は傾斜のきつい尾根道になり、疲れた体にはかなりこたえました。そろそろ森林限界を超えようとしているので、風も次第に強くなってきます。とはいえ、この日は予報どおり比較的穏やかで、風もそれほどきつくはありません。その点だけはおおいに助かりました。なにしろ、左手はインナーグローブしかはめていないので、強風が吹き始めると凍傷の危険性が高まります。


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10:56 まだかまだかと思いながら上っていくと、「がんばるんだに もうじきだでな」と書かれた看板がありました。小屋の姿はまだぜんぜん見えませんが、どうやら近くまで来ているようです。



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幅が狭まってきたきつい尾根道をあえぎながら登ります。3000mあたりになると酸素も平地の70%らしいので、息苦しさもでてきます。


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11:05 尾根に突き出たこぶのような小ピークを回り込んだら、突然塩見小屋が現れました。残り40分の看板から45分ほどかかりましたが、おおむね看板に偽りなしの距離だったようです。

つづく。

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| 2018年12月 塩見岳 | 21:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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