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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

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気まぐれ天気に一喜一憂: 後立山連峰その6 

2018年8月11日(土)~14日(火) 長野県白馬村 白馬岳(標高2932m) テント泊小屋泊単独行 


6、8月13日(月) 白馬岳頂上宿舎キャンプ場~白馬槍温泉
3時頃目が覚めて、寝返りを打った時にちょっとした違和感に気が付きました。テントの下がなんだかふわふわしているのです。寝袋から手を出してテントの床を触ってみるとウォーターベッドのような感触です。これは確実に水がたまっているのに間違いありません。前室を確認してみましたが、前室の地面はすこし水が残っているという状態です。ということは、テントの下のほうが少し低くなっていて水が抜けていないということなのでしょう。グラウンドシートを敷いているのですぐに水がしみてくることはないにしても、あまりのんびりと寝ていられる状況ではありません。


今日の予定は、天狗平に行くにしても槍温泉に下るにしても、3~4時間程度の行動時間になるので、5時ぐらいまでのんびりしても大丈夫ですが、浸水の恐れがあるとなるとさすがにそうもいかないので、さっさと起きて撤収の準備にとりかかりました。昨日と同じく、朝はアルファ米とスープで簡単に済ませます。食後のお茶を楽しみたいところですが、白湯だけ飲んでおしまいにしました。


幸い、明け方には雨は止んでいたので、雨に濡れながらの撤収にならずに済みました。それでも、雨に濡れたテントの撤収は少々厄介で、フライシートの水滴をおとしたり、水分で張り付いてしまうシートを折りたたむのに少してこづったりしたため、結局撤収が完了したのは6時近くになってしまいました。


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撤収後のテント跡を見ると、みごとに水が溜まっています。水たまりとまでは行かないまでも、この状態であればテントのフロアシートを触るとウォーターベッドのようになっていたのも納得です。


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6:13 トイレに寄って、水の補給をして、準備万端整ったら、出発です。出発時はそれほど雨が降っていたわけではありませんが、いつ本降りになるかわからない天気なので、レインウェアは上下とも着ていくことにしました。テントサイト前から斜めに登って行く道をたどれば白馬鑓ヶ岳方面に向かう稜線の道に出られます。


稜線に出てからもずっとガスがかかっていて展望はまったくありません。視界も30mぐらいしかないので、写真も全然撮らずに歩き続けました。キャンプ場から先は、緩く下って緩く登るというなだらかな稜線が続きます。


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7:09 急にガレた道になったなと思っていると、突然分岐が現れました。山頂と巻道の分岐なのですが、なんという山の山頂なのか書かれていません。位置的に、杓子岳しかないのでわざわざ書く必要がないということなのかもしれませんし、もしかしたら手前に道標があったのを自分が見逃しただけかも知れませんが、真ん中の空いているところに杓子岳と書いてくれてもよさそうなものです。晴れていれば山頂に登ってみるところですが、このガスでは行くだけ無駄ということで、巻道を進みました。


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巻道は等高線に沿っていてほぼ水平な道なので、歩きやすい道でした。12分ぐらい経ったところで、左上から5人ぐらいのパーティーが下りてくるのが見えたので、山頂から下ってくる道との合流点に差し掛かったようです。合流点を過ぎると、道は緩やかに下ります。


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7:30 小さな鞍部を過ぎると、登りが始まりました。杓子岳と違って、今度は大岩がごろつくそこそこの急登です。ひと上りしたところで大岩の風下側に休憩できそうな場所があったので、大休止をとりました。ここまで1時間20分休憩なしだったので、ちょうどいいタイミングでした。


この日は、天気が悪くバックパックにレインカバーをしているので、荷物の出し入れは手間がかかります。なので、行動食は一番手軽にとれるコンデンスミルクにしました。ヒップベルトのポケットに入れておけば、いつでも出して飲むことができます。甘くて高カロリーなので、すぐにエネルギーになってくれる便利な行動食です。荷物を降ろしてコンデンスミルクをチューブから吸い、水で流し込みます。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




5分ばかりの短い休憩を終えて、稜線を歩き出すと、すぐにジグザグの急登がまっていました。ひーこら言いながら登って行き、頂上かと思われた場所に出てみると、テラス状の小ピークのような場所で、急登はさらに上空のガスの中へと伸びています。さっきの休憩場所からまだ30分程度しか経っていませんが、後から団体が追い付いてきたので、彼らを交わすためにこの小ピークで休憩していくことにしました。


団体をかわしてから、ゆっくりと急登の続きを登り始めました。先ほどのテラス状の小ピークが標高2750mぐらいの場所で、白馬鑓ヶ岳まで残り200mを切っています。しかし、この直後が一番の難所でした。勾配も急で、岩の上をジグザグに登って行くコースになっていて、雨で濡れていると滑りやすい岩の表面に、すこし緊張しながら登って行きました。


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ようやく難所を脱して、岩場の上に出たところで、雷鳥の親子に出会いました。鳴き声をぜんぜん出していないので、最初は1羽だけかと思ったのですが、よく見ると母鳥と雛が3羽の親子でした。この山行で出会った唯一の雷鳥です。しかし、案外せわしない親子で、早足でどんどん進んで行くので写真を撮ろうとしてもなかなか近寄らせてくれず、ガスの中で望遠で撮らざるを得なかったので、あまりくっきりとした写真は撮れませんでした。そのうえ、一定時間雨にカメラを濡れさせてしまったので、レンズは曇るし、レンズの保護シャッターは閉まらなくなるしで、ちょっとしたトラブルを発生させることになってしまいました。やはり雨の日は防水デジカメに限ります。


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8:20 白馬鑓ヶ岳に登頂です。ガスガスだし雨も降っているしで展望はゼロ。まったくもって盛り上がりません。山名の書かれた標柱を撮っただけで、さっさと天狗平方面に下ります。

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8:45 白馬鑓温泉分岐につきました。天狗平に行くか、白馬鑓温泉に下るか、ここで最後の決断をしなければなりません。ここまでの稜線歩きは、正直つらいばかりで面白くもなんともありませんでした。横風があるので右の首筋のあたりが冷えてきましたが、レインハットをかぶっているので耳のあたりから首筋にかけてはどうしても無防備になってしまいます。レインハットは、雨音で周囲の音が聞こえにくくなることがないし頭が蒸れなくていいのですが、こういう寒い状況ではかえってフードの方がいい場合もあります。とりあえず、途中からフードの上からレインハットをかぶって歩いていました。


さらに良くなかったのが、新しく購入したイスカのレイングローブがなんとなく水が浸みてきたような感じがすることです。明らかに水が入ったというほどではないのですが、両手の小指のあたりが冷たいのです。ストックを持っているので、小指が手の下側になるわけですが、水が浸みたのであれば重力に従って小指のあたりに溜まってくるのは道理です。完全防水だとうたっていたのに、とんだ不良品をつかまされたと、憤りを感じていたのでした。ただし、後日検証してみたところ、水漏れはしていませんでした。おそらく、外側の生地が濡れて水を含み、その水が下の方へ垂れる関係で小指のあたりが冷たく感じていたのだろうと思われます。とんだ濡れ衣で、イスカさん、すいませんでした。


そんなこんなで、精神的にもネガティブ思考になっていたところにもってきて、ガス、雨、風の三重苦ですから、この状況で天狗平に行ってテントを張ろうという気持ちは湧いてきません。加えて、天気予報は今日も雨、明日も雨の予報だったので、天気が良くなる希望もほぼないわけです。昨晩の強風とどしゃ降りを考えると、周囲をぐるりと囲まれた窪地の頂上宿舎であれほどの強風だったのなら、稜線のキャンプ場である天狗平だとさらに強烈な風にさらされかねません。濡れた衣類や湿った寝袋といっしょにじめじめしたテントの中で、雨と風がおさまるのをひたすら待ち続けるなんて、さすがに気が進みません。


ということで、諸条件を勘案した結果、白馬鑓温泉に下ることにしました。天候がどうのという以前に、「温泉」に心が揺らいだといったほうがいいのかもしれません。もともと、朝早めに天狗平についてテントを張ったら、空身で白馬鑓温泉まで往復してみようかと思っていたぐらいなので、一度は行ってみたい場所でもあったわけです。なので、今回は温泉を優先したということにします。


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鑓温泉に下り始めると、雨が強くなってきました。バチバチとレインウェアをたたく雨音を聞きながら、ただ無心に下りていくと、少し開けた平坦な場所で、岩に描かれた温泉マークを発見。


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9:05 あたりには綿毛になったチングルマがたくさん咲いていて、なんだかほっこり。大出原という場所のようです。休憩に良さそうな岩があったので、荷物を降ろして小休止をとりました。休憩の最中も雨は降り続けていて、あまりゆっくりする気分にはなれません。写真を撮ってみると、カメラのレンズが曇ってしまって、もやっとした画像になってしまうので、こちらもあきらめました。


休憩を終えて、写真も撮らずに再び黙々と下って行くと、「この先クサリ場が連続して危険なので、ストックはしまってください」という内容の看板がありました。素直に従って、ストックを収納し、両手が使える状態にしておきました。


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看板から少し下ると、鎖場が現れました。最初のクサリ場は、10mほど平行移動して、5mほど下るという感じで、それほど厄介ではありませんでしたが、このあと鎖場が連続し、やはりストックを収納したのは正解でした。あまり高度感のある鎖場はなかったものの、滑りやすい岩のトラバースや、足場の悪い岩溝のような場所の下降など、けっこうさまざまなバリエーションが続き、トータルで言えばかなりの標高差を下った感じです。


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10:25 ようやく白馬鑓温泉小屋に着きました。前を歩いていたのは韓国人らしきパーティーですが、メンバーにひとり女性がいて、彼女がストックを持ったまま鎖場を下っていたのでやたら時間がかかりました。最後尾にガイドらしき男性がいたのですが、ストックを預かるなり収納するよう指示すればいいのに、何も指示を出さずじまいでした。


韓国人だから日本語が読めなくて看板の注意書きがわからなかったのだとしても、雨に濡れたクサリ場を片手にストックを握ったまま、片手で下ろうとすれば思うように動けないのは誰が見ても明らかですし、明らかに危険です。本人も本人なら、ガイドや他のメンバーもメンバーです。僕の他にソロの男性と二人パーティーが後で待たされていましたが、途中、少し広い場所があっても後続に道を譲ることもなく彼らはマイペースで歩き続けていました。しょうがないかと思って、とくにイラつくこともなかったのですが、根本的に登山スキルもモラルも低すぎるパーティーだなと思った次第です。もっと地元の低山で勉強してから北アルプスに来てもらいたいものです。


白馬鑓温泉にはキャンプ場もありますが、到着したときにはかなり雨が降っていたので、テントを張るのは気が進まず、受付で宿泊できるか聞いてみたところあっさり大丈夫ですと言われたので、最終日ぐらいは宿で楽をすることにしました。


午前中ということで、宿泊棟はガラガラでしたが、次第に人が増えてきて、夕方にはほぼ定員いっぱいという感じでした。とりあえず一人ひとつの布団は確保できたので、ぎりぎりのところで定員に収まったという感じです。といっても、この小屋の布団は幅60センチ程度の細い布団なので、隣の人の頭がすぐ近くにあり、あまり落ち着いて寝られる雰囲気ではありません。


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自分の寝る場所を確保したら、すぐに温泉に向かいました。テントサイトやトイレに行く道のすぐ下にあるので、道を歩く人からは丸見えですが、どうでもいいやという感じです。雨が降っていたものの、まだ午前中で人も少なく、広い湯船に自分も含めて3人入っていただけでした。写真はあとで撮影したものです。なお、女性専用の浴槽はこの右手にあり、そちらは周囲に壁があってのぞかれないようになっています。また、20時から21時の間だけ、露天風呂が女性専用になり、女性専用風呂が男性用に入れ替わります。


お風呂の後、外で昼食を作っていると、上から下りてきたご夫婦が受付で、今朝鑓温泉から出発したのだけれど稜線に出ると雷がひどくて戻ってきた。もう1日泊まりたいと言っているのが聞こえてきました。僕が歩いていた時は雷は鳴っていませんでしたが、富山県側で雷が発生したのかもしれません。白馬鑓温泉では雷鳴は全く聞こえないので、鳴っているとすれば稜線の向こう側なのでしょう。それにしても、そんな状況で天狗平でテントを張っていたら、あまり穏やかではいられなかったと思うので、下山して正解でした。


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午後からは雨も小康状態になってきましたが、天気が回復してくる雰囲気はありませんでした。

つづく。

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| 2018年8月 後立山連峰 | 12:41 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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