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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

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伯耆大山のバリエーションルートを行く: 一ノ沢右岸稜その2 

2018年6月24日(日) 鳥取県大山町 伯耆大山弥山(標高1709.4m) 日帰り単独行 


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森林限界を超えて草付斜面になったと思ったら、すぐに灌木帯のヤブコギが始まりました。順番から言えば、樹林帯の次に灌木帯となり、草地はそのあとのはずですが、なぜか一ノ沢右岸稜は樹林帯と灌木帯の間に草地がありました。過去に斜面が崩落などして裸地化してしまったのかもしれません。それにしても、この灌木帯がけっこうやっかいで、トレースがほとんど草に覆われて見えないので、地面の状態がさっぱりわかりません。足で地面の状態を探りながらすり足のようにして歩かなければならず、その上藪をかき分けながら登って行くわけですから、距離の割に疲れました。


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5分ほどでようやく灌木帯もまばらになり、人の背丈よりも高いものはなくなって視界が開けました。斜面の傾斜はあいからずきついままです。どこかで小休止できる場所はないかと探しながら登りましたが、気が付くと頭の上あたりを虫が群れ飛んでいて、立ち止まるとすぐに顔の周りに寄ってきてうざいこと。ちょっとした段差のようなところで立ち休憩をしようとしたら、やっぱり虫にたかられてすぐに出発せざるを得ませんでした。


灌木のある場所は、虫の隠れる場所があるので、どうしても虫が多くなります。その上、まだ標高がそれほど高くないので風が弱く、虫を吹き飛ばしてくれることもなく、草地になって風がそこそこ強く吹く標高まで一気に行くしかありません。


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小休止はあきらめて、灌木帯が終わるまで歩き続けることにしました。途中、赤い花(おそらくシモツケソウ)がたくさん咲いているお花畑のような場所があり、ほんの一時いやされます。


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オオバギボウシもあちこちに見られました。花の方はまだこれからといった感じです。


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トレースはいつの間にが一ノ沢の崩落地ぎりぎりのところを通るようになりました。足元にも注意しないといけません。登っても登っても終わらない灌木帯ですが、前方を見ると再び背の高い木が立ちふさがるように群れていて、あれを越えていくのかと思うとうんざりです。しかし、タケノコ岩がだいぶん近くに見えるようになってきたので、そこそこ標高は高くなっているようです。


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背の高い木の密集している場所を抜けて黙々と登って行くと、ようやく一ノ沢の崩壊地の一番上に近づいてきました。あれを越えればどうやら草地になりそうなので、歩きやすくなりそうです。


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10:21 崩落地の一番上まで登ってきました。こうしてみると、森林限界を越えたらずっと歩きやすそうな草地のように見えますが、実際はなかなか厄介な灌木帯が続いているというのが実情です。林道からバリエーションルートに入ってから40分が経過しています。その間、標高差でほぼ200m登って来たことになります。


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思った通り、崩壊地を過ぎると草地の斜面となり、灌木帯と比べると歩きやすく視界も広くて気分的にはかなり楽になりました。しかし、今度は地面がザレ場になって滑りやすくなったため、まったくもって楽になったとは言い難いのが残念なところです。


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10:34 ようやく座って休憩するのに良さそうな場所を見つけました。標高が上がったため風もそれなりに強めになって、虫が寄ってきてもすぐに吹き飛ばされていなくなるので、あまり虫を気にしなくても済みます。林道から約1時間でようやく荷物を降ろして座ることができました。標高1450m地点でした。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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10分強の休憩を終えて、再び山頂を目指します。タケノコ岩がだいぶん大きく見えるようになってきました。


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タケノコ岩はよく見るとゴリラの横顔のようです。


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左手にもいくつか岩峰があります。右手のタケノコ岩が大きすぎるのであまり大きく見えませんが、実際にはけっこうな大きさだと思います。


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タケノコ岩の横を過ぎると、トレースはやや不明瞭になってきました。もともと一ノ沢右岸稜はあまり明瞭な稜線ではありませんが、このあたりからは小さいながらも稜線っぽさが出てきました。


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上に見えているのがおそらく頂上台地の辺縁部だと思われるので、山頂まであと少しです。


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振り返るとタケノコ岩もずいぶん下に見えます。


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頂上台地が近くなってくると、再び崩落地の縁に出ました。実はこれが一ノ沢の源頭でした。


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一ノ沢源頭の崩落地の縁からは、先が見えないほど切れ落ちた一ノ沢がはるか下まで続いていました。このあたりは本当にぎりぎりのところにトレースがあるので、足元が崩れないようにできるだけ離れたところを足早に通過しました。


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11:19 最後は源頭部の崩壊地から離れてやや左斜めに急斜面を登って行くと、辺縁部の先に頂上台地が広がっているのが見えました。


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弥山山頂には大勢の登山者がいます。無雪期の頂上台地は木道以外は立ち入り禁止になっているので、多くの登山者に見られながら堂々と木道以外の場所から植生を踏みつぶしながら弥山頂上へ出ていくほど厚顔無恥でもないし、もともと辺縁部で引き返すつもりだったので、今回はここが最終到達点です。


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まだお昼前だし、天気もいいのでみな山頂付近に集まっているのか、山頂避難小屋のまわりには登山者の姿はほとんどみられませんでした。


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11:20 山頂台地の辺縁部でわずか1分ほど過ごしてから、体の向きを180度回して引き返します。結構な急斜面なので、足を滑らせないように慎重に下りましたが、ストックを持って来ればよかったなと少し後悔しました。


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一ノ沢源頭部の縁を下るとき奈落の底を覗きながら下るため、登るときより緊張しました。


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11:32 タケノコ岩の横まで下りてきて、このコースで唯一ともいえるほぼ平坦な場所でランチ休憩をとることにしました。トレースのど真ん中になってしまいますが、見渡す限り上にも下にも登山者はいないので、迷惑になることはなさそうです。


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本日のランチは、いつものコンビニおにぎりではなく、家に余っていたごはんにふりかけをまぶしただけのシンプルごはんと麦茶です。本当はおにぎりにするつもりでしたが、握るのが面倒だったのでそのままタッパーに入れて持ってきました。ごはんの左下に見える緑色のものは腐敗防止用のワサビです。最後はご飯にまぶして食べると、味が変わるしピリッとした辛さで単調なごはんもおいしく食べられました。弁当持参の夏山山行には、おススメです。


誰にも会わないし、静かでいい天気の大山を独り占めしながらランチを食べていると、山に登れるだけの健康な体があることの幸せを実感します。東京でサラリーマンを続けていれば、それなりの地位とそこそこの収入を得ていたかもしれませんが、長時間拘束や残業、ストレスなどではたして今と同じレベルの健康体であるのか怪しいところです。


そもそも、東京を引き払おうかと思うようになったのは、よくわからない体調不良に見舞われたことが原因でした。動悸や息苦しさなどがあり、大学病院で精密検査をしたのですが、結局原因はわからずでした。ストレスではないかということで、様子を見ることになり、そのうち症状もでなくなったのですが、当時は仕事が楽しくなくて会社に行くのが苦痛だったし、人も車も多く猥雑な東京がまったく好きになれなかったし、いろいろとストレスがあったのは事実です。見切りをつけて帰ってきて正解だったと思います。唯一残念なのは、信州までの距離が遠くなったことですが、こればっかりはしかたがありません。


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12:07 のんびりとランチを楽しんだあと、下山開始です。一ノ沢右岸稜をゆっくりと下ります。


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タケノコ岩の奥に烏ヶ山が見えています。


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あまり稜線らしくない右岸稜ですが、こうしてみるとわずかながら尾根になっているのがわかります。


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ザレ場はグリップが極端に低くなるので、慎重な足運びが要求されます。スリップしてもすぐに転げ落ちるというものではありませんが、くじいたり、痛めたりということがあると、下山が困難になる可能性があるので、一歩一歩確実に下ります。ストックがあるともっと楽でしたが、最近は大荷物の時しか使わなくなったので、それはそれで訓練だと思うことにします。実際、ストックを使わなくなると、膝痛がでにくくなったように思います。日帰りのような荷物が軽いときはストックを使わず膝を鍛えておいて、長期縦走のような大荷物の時にストックで負荷を軽減してやれば、膝痛も起こりにくいのではないかと思うわけです。


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12:30 崩落地の上まで戻ってきました。ここからが長く厄介な灌木帯の道です。休憩なしで一気に下ることにしました。草に覆われて地面が見えないので足で下がりながら慎重に下っていたものの、2度スリップダウンしてしまいました。やはり足元が見えないというのはハイリスクです。


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途中、1か所だけ咲いていたこの花は、ヤマボウシってやつでしょうか。白とピンクのコントラストがきれいでした。


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12:54 草薮をかき分けながら、ようやく森林限界の近くまで戻ってきました。しかし、この森の中を下る道も、これまで以上に急傾斜の道なので、林道に出るまでは気を抜けません。


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12:58 木の枝につかまりながら転げるように林道まで下りてきました。さすがに下りはあっという間でした。あとは歩きやすい林道をだらだらと下るだけです。


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13:23 往路で使った階段ではなく、林道をそのまま大山パークウェイまで下ってきました。大山パークウェイに出ると、往路で使った階段まではわずか50mほどの距離しかありません。これなら、はじめから林道を使ったほうが楽だし早いはずです。


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13:27 駐車場所に戻ってくると、最後に自撮りしておきました。というのも、いつも本日の装備をリストアップしていますが、ビジュアルで残しておいた方がわかりやすいので、今後は全身写真を撮っておくことにしたというわけです。


ところで、今回はGPSのログを地形図に落とし込んだものは非公開にすることにしました。バリエーションルートなので、ルートを公開して経験が少ない登山者や装備が不十分な登山者がうかつに入り込んで遭難騒ぎを起こすと、ユートピアから剣ヶ峰へのルートのように立入禁止にされかねないというのが理由です。それなりの経験がある登山者なら、地図がなくてもルートファインディングで歩けるはずですから、わざわざログを落とし込んだ地図をアップする必要もないと思います。地図がないと不安だということなら、このルートは自分の技量にあっていないと理解してください。


また、無雪期の頂上台地は木道以外は立ち入り禁止ですから、このルートは弥山山頂には事実上行けないことになります。それでも平気で行ってしまう登山者もかならず出てくるので、そういう不埒な連中の手助けになる情報を載せる必要はないというのも理由のひとつです。


もしもこの記事を読んで、無雪期に一ノ沢右岸稜を登ってみようと思ったら、くれぐれも頂上台地には上がらずに、台地の縁のところで引き返すようにしてください。植生保護やヒメボタル保護のために頂上台地の木道以外の場所は立入禁止ですが、そういうことを無視して歩く登山者がいると、やがて一ノ沢右岸稜そのものが立入禁止になる可能性が高くなります。登山者が自らの首を絞めるような行為は厳に慎んでいただきたいと切に願います。


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| 2018年6月 大山一ノ沢右岸稜 | 13:20 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

Re: タイトルなし

大山主稜線の通行禁止は一般登山者が入り込んで遭難するのを防止するための措置なので、経験・技術・装備を考えたうえで行けると思うのなら自己責任で行けばいいと思いますが、植生保護や動物保護を目的とした立入禁止措置は登山者の技術や経験はまったく無関係で、入ること自体が問題です。なので登山者がそれぞれマナーを守り自制する必要があります。すべての登山者がそうであってほしいものです。

| ヤマふぉと | 2018/06/30 22:08 | URL |

伯耆大山のバリエーション楽しく拝見しました。地形図の非公開や最後のコメントは私も同感です。安全登山や自然保護等を大事にしていきたいものです。

| 島根の青木です。 | 2018/06/30 16:24 | URL |















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