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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

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ルートを見失い1時間のロス:中蒜山(なかひるぜん) vol 1

2011年1月23日 岡山県真庭市 中蒜山(標高1123.3m)日帰り山行
Keyword: 冬山、登山、中蒜山、単独


 1月22日と23日は冬型の気圧配置が一時緩んだらしくて、降雪の予報は出ていませんでした。22日のほうが天気はよかったのですが、あいにく仕事が入ってしまい、23日に中蒜山に行ってみることにしました。蒜山三座は岡山では人気の山ですが、実は一度も登ったことがありません。知らないルートの山だというのに積雪期に単独で入ることに多少の不安はありますが、人気の山だからルートの道標もしっかりしているだろうし、土日を通じて誰も入っていないこともないだろうと楽観的に考えていました。

 蒜山の最高気温は4度との予報。それになりに冷え込みそうなので、体を温めるために朝カレーを食べて出かけました。これ、けっこう効果があったようです。冬山登山の朝食に辛口朝カレーはおすすめです。

 米子自動車道湯原IC手前のトンネル出口でチェーン規制されていましたが、湯原ICで下りる予定だったのでノーマルタイヤのまま行けました。国道313号線は凍結も積雪もなく、交通量も少なく快適でした。

道路正面の下蒜山
 やがて正面に下蒜山が見えてきました。下蒜山の登山ルートは犬挟峠(いぬばさりとうげ)からのルートが一般的だそうですが、途中けっこう急登があるとか。クランポンの練習によさそうなので、そのうち登ってみたいと思います。

塩釜へのわき道
 国道313号線から塩釜冷泉へと入っていく道も、きちんと除雪されていました。道路の両脇に似は高さ2mはありそうな雪の壁ができていました。こんなに雪の多い蒜山は初めてです。正面には中蒜山が見えています。

 塩釜ロッジ前の駐車場につくと、車は1台も停まっていませんでした。日曜日だというのに誰もいないなんて・・・と思いながら車を停めて車外に出ようと右足を外にだしたら、つるつるです。雪解け水が凍結して車の周囲がまるでアイスリンクです。転倒しないように気をつけながら車外に出て、登山道の様子を確認しに行きました。

中蒜山登山口
 中蒜山の登山道は塩釜冷泉から引いてきた給水場所の前から始まります。以前にはなかった立派な屋根のついた給水場所ができており、その背後の登山口に小さな看板がありました。近寄ってみると「積雪により登山道に倒木あり」とのこと。まあ、そういうこともあるでしょう。それはたいして問題ではありません。問題は、「踏み跡がない」ということです。トレースの跡らしきものはなんとなくわかる程度にありますが、まさか誰も入山していないとは!

 一気に不安感がこみ上げてきましたが、こういうこともあろうかと12,500分の1の地図を印刷してきたので、なんとかなるでしょう。だめならあきらめて帰るだけです。

 気温は-2度。けっこう冷えてますが、今回はブレスサーモ薄手のTシャツを1枚余分に着ているためか、朝カレーを食べたおかげか、とくに寒いという感じはありません。とはいえ、前回の泉山の経験を活かして、はじめからハードシェル着用で登ることにしました。

記念撮影
 コロンビアのフォレイカーシェルの出番がやっときました。せっかくなので、塩釜ロッジ前で記念撮影しておきます。

登山道案内図
 登山道入口に、なかば雪に埋もれかけた登山道案内図がありました。メジャーな山だし、要所要所に道標ぐらい整備されているだろうと思いつつ、登山道に足を踏み入れました。登山開始時間は9時30分。

 小さな尾根に上がり、緩やかな尾根を登っていきます。トレース跡はわずかな凹みとなって林間に続いているので、この時点ではルートは明確です。ルートをたどっている限りは、つぼ足でくるぶし程度までしか沈まないので、歩きやすく快適です。

塩釜冷泉
 左手に塩釜冷泉が見えました。蒜山の地下をくぐって湧き出す名水です。こんな時期でも凍結することなく透明な水をたたえています。

牧草地越しの中蒜山
 9時55分、林を抜けて開けたところに出ました。地図を見ると、どうやら牧草地のようです。天気はややどんよりとした曇り空ですが、中蒜山は頂上までクリアに見えていました。はたしてあの上まで行けるのでしょうか。地図ではここからルートは右方向に90度曲がることになっていますが、トレース跡も右の林の中に向かっています。

1合目からの展望
 林を抜けると再び牧草地です。今度は斜面下方向に木々がないので、けっこういい眺めが広がっていました。

1合目の道標
 牧草地に沿って少し進むと、道標がありました。あとで知ったのですが、ここが1合目だそうです。1合目の道標もたっているらしいのですが、完全に雪の下に埋まっていたようです。時間は10時5分。地図で見ると別ルートの登山道と合流する地点ですが、牧草地の中を通ってくるルートは完全に雪に埋もれて痕跡すらない状態でした。

スノーシュー装着
 ここらあたりでくるぶしの上まで雪が来るようになっていたので、スノーシューをつけることにしました。サイズ調整もしっかり済ませてあります。エキスパート・オブ・ジャパンというメーカーのスノーシューですが、実は購入したのは10年近く前です。しかし、使ったのは購入当時に奥大山から鍵掛峠へのスノートレッキングに使っただけで、その後は埃をかぶっていました。プラ板タイプにしなかったのは、価格も安かったのですが、なにより一番軽かったからです。クランポン、アックス、ストックに加えてスノーシューまで持ってくる冬山では、少しでも軽いギアが助かります。

 スノーシューをつけたついでに、ハードシェルを脱ぎました。風もないし気温も2度まで上がっていたので、暑いと感じるようになっていました。そうはいっても、これから高度を上げていくので、すぐに着られるようにザックに入れないでスノーシューを取り付けていたベルトに引っ掛けるだけにしておきました。

雪の造形
 出発しようと思ったところで、近くにある雪のふくらみがふと気になりました。この下にはいったいなにがあるのだろうかと思わせる、優美な曲線のフォルムが美しい雪の造形です。

 10時20分に出発しました。少しの間スノーシューの扱いにやや戸惑いましたが、すぐに慣れて足元を気にしないで自然に歩けるようになりました。

埋もれかけの道標
 10時28分、雪に埋没しかかった道標がありました。地図には鳥居のマークが描いてあるあたりです。小さな祠でもあるのだろうと思っていましたが、それらしきものは見当たりません。

トレース跡の分岐
 埋もれかかった道標から少し行くと、トレース跡が分岐していました。(写真は、自分が歩いた後に撮ったので明確なトレースが見えています)まっすぐに行くルートと右に折れて沢に下っていくルートです。雪の凹みぐあいから見ると右に折れるほうが正しいルートっぽい雰囲気ですが、地図の登山道はほぼまっすぐになっています。等高線から見るとたしかに沢に下っているのですが、いきなり90度も曲がるようにはなっていません。とりあえず、まっすぐのルートを進んでみることにしました。このまま直進しながら斜面を斜めに下っていくのかもしれません。しかし、次第にトレース跡が薄くなり、すぐに痕跡がなくなりました。少し歩き回ってみましたが、トレースを見つけることができず分岐まで戻りました。

 今度は右に折れて沢のほうに下ってみます。斜面を斜めに下り一段低いところにある平坦地まで下ると、なんとなくトレース跡のような痕跡がありました。上流方向にむかって進んでいくと、再びトレース跡がなくなりました。



P1020538.jpg
 そのまままっすぐ進んでみると、数日前に誰かが歩いたと思われるトレース跡にぶつかりました。そのトレースは左手の斜面上手から来て、右の沢のほうへ続いています。自分が下ってきたトレースとは直行するようになっています。この直行するトレース跡が、上から来たのか下から来たのかはわかりません。左上の斜面を登ったところは、最初に分岐を直進したあたりです。もしも上から来たのであれば、やはり上に正しいルートはないということなのでしょう。しかし、右手の沢から上がってきたのであれば、沢方面が間違っていたから斜面を登っていったとも考えられます。地図を見る限り右手の沢の方に行くというのは、ありえないと思えます。であれば、やはり沢筋で迷って上が正しいルートだと判断して登っていったということなのでしょう。

 こういうとき、他人のトレース跡がものすごく判断を迷わせます。このトレースが正しいとは限らないからです。完全に無視して自分だけで判断できればいいのですが、やはりどこか自分に自信がないということがあり、100%自分の判断を信じられないのです。ことに、今回は初めてのルートだし、雪山の経験もまだ少ないという負い目のようなものもあります。地図を見るとまっすぐいくのが正しいように思えるのですが、トレース跡らしきものはないし、その先は幅の狭い谷筋になっており、かなりの積雪がある急斜面の下を歩くのははばかられます。そういう不安感が、ますます直行するトレースを信じたいという気持ちを強くさせます。いつまでも悩んでいられないので、とりあえずトレースをたどって斜面を登ってみることにしました。

vol 2に続く。



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| 2011年1月 中蒜山 | 00:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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