FC2ブログ

ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

NEXT | PAGE-SELECT | PREV

≫ EDIT

理想の冬期ミドルレイヤを求めて~通気・透湿性能と保温性能の両立

登山における服装の基本はレイヤリングであるということは、すでに登山をされている方であれば周知の事実です。冬期登山の場合は、ベースレイヤ・ミドルレイヤ・アウターレイヤという3レイヤが基本でしたが、最近ではベースレイヤの下にドライレイヤを入れて4レイヤにしたり、さらにミドルレイヤを断熱レイヤと防風レイヤの2つに分けて5レイヤにするといった方法もあって、レイヤリングも多様化しています。


僕が雪山を始めたころはやはり3レイヤから始めました。最初のうちはベースレイヤとアウターレイヤはちゃんとした登山用品でしたが、ミドルレイヤはユニクロのフリースなんかを着ていました。次第に条件の厳しい山へ登るようになると、それでは対処しきれなくなり、ユニクロのようなタウンウェアからは早い段階で卒業しました。現在のスタイルは、4または5レイヤという形に落ち着きました。


一番最初に3レイヤで限界を感じたのは、やはり汗冷え対策です。いまでもよく覚えていますが、素肌にミズノ ブレスサーモMW長袖を着て山に登った時で、帰路の車中で汗で濡れたベースレイヤがなかなか乾かず、暖房を強く効かせても寒さがおさまらなかったことがありました。登山の最中でなかっただけましですが、これが山の上のことだったらやばかったなと思ったわけです。


次の登山のときに、素肌に夏用のブレスサーモLW半袖を着て、その上にブレスサーモMW長袖を着てみたら、山中でも帰りの車中でも汗冷えを感じることがなかったので、ドライレイヤの必要性を実感したわけです。もっとも、この頃はドライレイヤという概念を明確に持っていたわけではなく、ブレスサーモMWの汗抜けがよくないのなら、もっと薄手で汗抜けのいいシャツを下に着れば改善されるのではないかと思ったという程度の発想です。


さらに、厳冬期の高山に登るようになると、断熱層となるミドルレイヤに悩むようになりました。そのころ使っていたユニクロのリバーシブルフリースは厚手で生地もそこそこ詰まっていたので防風効果はそれなりにありました。しかし、袖口が閉められず緩いし首元も少し余裕があるつくりだったので保温性能があまりいいとはいえず、ハードシェルを着る機会が多くありました。冬の山では、晴れているけれど風があるという状況が多いわけですが、その場合フリースでは寒いけれど、ハードシェルを着ると暑いのです。また、風はないし気温もそれほど低くないけど雪が降っている場合もフリースのままというわけにはいきません。そういう場合も、ハードシェルを着ざるを得ないわけです。


最初に購入したハードシェルは脇下のビットジップがないものだったので、フロントジッパーを開けていてもジャケット内にこもる熱気をうまく排出できずすぐに汗をかいてしまいました。そのため、フリースを薄手のマイクロフリースに変更したりしたのですが、そうすると今度は寒いのです。稜線や山頂で風に吹かれるとハードシェルを着ていてもさすがに薄手のマイクロフリースでは寒さをしのげません。


monbell_lightshell.jpg
考えた末に、晴天時の登山であればハードシェルよりも通気性の高いソフトシェルで行動した方がいいだろうということで、ソフトシェルを購入しました。最初に購入したのはモンベル ライトシェルアウタージャケットというもので、今のライトシェルジャケットです。今のモデルはサイドと袖口にジャージのようなストレッチ素材を組み合わせているので、動きやすさとともに蒸れにくさも良くなっているのでしょうが、当時のものは全身ナイロン生地だったのですぐに暑くなって蒸れてしまい、とても登山の行動着として使える代物ではありませんでした。アップダウンの少ない稜線を風に吹かれながらのんびり歩くようなときはいいのですが、登りではほぼサウナスーツ状態でした。








20660IBT.jpg
ライトシェルジャケットの反省を踏まえて次に購入したのは、バーグハウスのジョラスソフトシェルジャケットです。脇下のビットジップも付いていて、温度調節もやりやすいということで、しばらくは満足していました。しかし、次第に不満点が出てきました。ひとつには、ジャケットが重いということです。けっこう厚みのある生地なので仕方がないのでしょうが、暑くて脱いだりするとけっこう持て余します。バックパックのポケットに突っ込んでおくということができないので、たたんでバックパックの中に入れるわけですが、そうすると寒くなってまた着たいというときに取り出すのが面倒です。


また、いがいと汗を吸って濡れやすいということもあります。山頂について避難小屋で脱いだりすると背中がじっとりと濡れているというのが普通でした。このあたりはモノによって違うのかもしれませんが、なんだかなあと思う原因のひとつでした。真冬では途中で脱ぐことはほぼないのですが、天気が良くて登っている途中で暑くなって脱いだ場合、あっという間に冷えるので休憩時に再び着ると背中がひんやりするのが嫌でした。


mammut_softechjacket.jpg
冬用ではありませんが、春秋用の薄手ソフトシェルジャケットとしてマムート ソフテックハイブリッドジャケットを購入しました。こちらはほぼ期待通りの性能ですが、ハイブリッドという名前のとおり、汗をかきやすい脇や背中の生地が薄手になっていて、気温が低く風があるとやや肩の後ろあたりがスース―する感じがあるので、冬に使うのはやはり厳しい感じです。


細かい不満を感じつつも、それでもトータルとしては悪くないと思ってソフトシェルジャケットを愛用していたのですが、2年前に寒さに弱くなっている自分に気が付きました。装備は変わっていないのに、以前よりも寒いと感じることが増えたのです。経年劣化による装備の性能ダウンというのもないわけではありませんが、やはり自分自身の経年劣化、つまり歳をとって体力が衰えたというのが主な理由だろうと感じたので、装備も状況に応じて変えざるを得ないと悟りました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




というわけで、改善すべきはミドルレイヤの保温力を高めることです。しかし、保温力を高めると汗をかきやすくなります。保温力がありながら通気性があって汗をかきにくいものってなんだろうと思っていろいろと調べてみたところ、同じような要望は高いらしくさまざまな素材が開発されていることを知りました。その中で一番良さそうだと思ったのが、ポーラーテックアルファという化繊綿です。暖かいフリース素材として有名なポーラーテックのバリエーションとなるポーラーテックアルファは、米軍特殊部隊用に開発された素材ということで、保温力がありながら蒸れにくいという特徴があります。この生地を採用したジャケットを見つけて購入してみました。マーモットのアイソザムフーディーというジャケットです。


isothermjacket.jpg
アイソザムフーディーは、ジョラスソフトシェルジャケットよりも確かに防風性能・保温性能ともに高く、しかも蒸れにくいので行動着としてはより快適でした。しかし、何度か使ってみると、その快適さが得られる条件はそれほど幅広いわけではないということがわかってきました。状況に合わせて中に着るもので調整が必要であることに変わりはありません。ジャケットではなくインナーで温度調整するというのは、あまり歓迎できません。なぜなら、脱ぐ作業と着る作業をそれぞれ2回行わなければならなくなるからです。暑ければ上着を脱ぐ、寒ければ上着を着るというのが一番シンプルです。インナーは着たままというのがめんどうくさくなくていいのです。通気性の高いジャケットは、いまのところかなりいいということは確実ですが、これで決まりというほどの決定打となっているわけではありません。


IMG_4184.jpg
さらなる快適さを求めて今シーズン試してみたのは、フリースとウィンドブレーカーの組み合わせです。寒さに弱くなったということで、テント泊での就寝時に着ることを想定して購入したノースフェイス マウンテンバーサロフトジャケットを見ていて思い立ったのがきっかけです。重さは450gあり、これを就寝時の防寒用だけにわざわざ追加で持っていくと荷物の重量増になるわけで、だったらソフトシェルがわりに行動着にしてしまうというのはどうだろうと思ったわけです。


マウンテンバーサロフトジャケットは、ポーラーテックサーマルプロハイロフトという毛足の長い厚手のフリースです。いわゆるふわモコの暖かいフリースですが、珍しく脇下にビットジップを備えています。フリースと言えば一番の弱点は通気性能が良すぎて防風性能が低いということですが、毛足の長いフリースなら風を通しにくいのではないかと思ったわけです。それでもジャケットに使われている生地に比べれば当然通気性能はいいわけで、そのぶん透湿性能がいいわけです。通常のフリースよりも保温性能が高く風を通しにくいけれど、ソフトシェルジャケットほど防風性能が高いわけではないということなら、見た目には暑そうでも行動着として使えるのではないか。もしも暑くなったらビットジップで温度調節もできるわけで、これは案外いけるかもしれないと思いました。


とはいえ、冬山の風は温度も低いしいつもそよそよと吹いてくれるわけではありません。風が強い場合は、いくら毛足の長い厚手フリースとはいえさすがに耐えられないでしょうから、防風対策は必要です。当初はハードシェルがあるからそれを着ればいいだろうと思いましたが、それだとソフトシェルを買う前の段階と同じだとすぐに気がつきました。となると、なんらかの防風ジャケットが必要ですが、ウィンドストッパーを使ったソフトシェルなど買ったらいままでとなにも変わりません。防風性能は向上するでしょうが、メンブレンが入っていれば基本的に通気性能はあまり期待できません。中に厚手のフリースなんか着ていたら余計に暑いだけです。とすると、防風性能はそこそこで、ある程度の通気性能があり薄手で軽いジャケットが必要です。該当するのはウィンドブレーカーぐらいしかなさそうです。


Softech Granite hooded Jacket
いろいろと検討してみた結果、購入したのはマムートのソフテックグラナイトフーデッドジャケットでした。ソフテックというマムートオリジナルの生地で作られたジャケットです。ソフテックは、撥水性に優れた二重織りになっていて、防風性・透湿性があり、伸縮性にも優れた生地です。ウィンドブレーカーによくあるナイロンのシャカシャカした感じはなく、ソフトで肌触りのいい生地なのもいい感じです。以前購入したソフテック グラナイトハイブリッドジャケットでも使われている生地なので、その性能はわかっています。ソフテック グラナイトハイブリッドジャケットが使えれば問題なかったのですが、さすがに厚手フリースの上に着るにはサイズが小さかったので、倉敷のマムートストアで試着してみて、自分のサイズよりも2サイズ大きいユーロL(日本XL)を購入しました。通常は、シャツやフリースはS、ジャケットはMを選びますが、マムートは腕が細い作りになっているので、パツパツ感がないサイズとなるとユーロLだったわけです。丈は思っていたよりも長くなくて、それほどダブダブした感じもありません。






この組み合わせで今年の正月は八ヶ岳に行ってきました。登山口から行者小屋までの工程では、気温はマイナス6度以下でしたが、はじめのうちはマウンテンバーサロフトジャケットだけで大丈夫でした。すこし汗ばむぐらいのところもありましたが、脱ぎたくなるほど暑くもなく、かといって寒いということもなく、いい具合でした。文三郎道の中岳のコルでは、気温マイナス19度、風速20m/秒ぐらい吹いていましたが、グラナイトフーデッドジャケットの上にハードシェルを着れば優秀な防寒性能を発揮してくれました。ハードシェルは完ぺきに風を防いでくれますが、断熱性能がないに等しいので寒さはしみてきます。しかし、断熱層であるマウンテンバーサロフトジャケットとハードシェルの間にグライナトフーデッドジャケットがあることで、ハードシェルからの寒さを遮ってフリースの毛足の間に溜まった暖かい空気が冷えるのを防いでくれるというわけです。いわゆる、二重窓と同じ原理です。


朝の気温がマイナス15度と低かったものの風が弱く晴天だった硫黄岳への登頂時は、グラナイトフーッデッドジャケットは着ないでバーサロフトジャケットに直接ハードシェルを着ていましたが、暑くもなく寒くもなく赤岳山荘に戻るまで服装の調整はしませんでした。


下山時はハードシェルの代わりにグライナトフーデッドジャケットを着て下りましたが、これもまた暑くも寒くもなく登山口までそのままでした。いつも下山するときは登山口が近くなると汗ばむことが多いのですが、この時は汗ばむこともありませんでした。


ということで、今のところ厚手フリース+ウィンドブレイカーという組み合わせがもっとも汎用性が高く、幅広い気象状況に対応できる組み合わせだと感じています。ただし、考え方は人それぞれなので、あくまでも個人的な意見です。


ミドルレイヤ―を防風レイヤと断熱レイヤに分割するという発想になるわけですが、アウターレイヤ―にハードシェルがあることを前提にしているので、この場合の防風レイヤはハードシェルのような完ぺきな防風性能は不要です。防風・通気・透湿の3つがうまくバランスしている軽量なものでいいわけです。断熱レイヤは極寒の状況でも耐えられる保温性能があるのが理想です。断熱性能の低いものにしてしまうと、インシュレーションジャケットを余分に持つ必要が出てくるので、はじめから高い保温性能があるほうがいいわけですが、暑すぎて行動に支障をきたしては意味がありません。なので、保温性能が高いのに通気性能もあるフリースジャケットが適しているといえます。


マウンテンバーサロフトジャケットは使ってみるとアウターとしての使い方を考えて設計されているようで、左右のポケット位置が高めについているため、バックパックのヒップベルトと干渉しないようになっていて使いやすいと感じました。また、ノースフェイスお得意の肩についている補強生地もショルダーベルトとすれて毛足が切れたり毛玉になったりするのを防いでくれます。ビットジップは結局使いませんでしたが、あれば便利な機能であることは事実です。現行品では、より極地向けのアンタークティカバーサロフトジャケットと、ビットジップとをなくして中厚手の生地にしたスーパーバーサロフトジャケットの2系統に分かれたみたいです。どちらも肩の補強生地はなくなってしまいました。







アウターとしても使うことを考えると、肩の補強生地があるマウンテンバーサベントジャケットのほうがいいのかもしれません。いまならアマゾンでブラックの日本Lサイズが通常20%オフに加えて10%オフクーポン(3月2日まで)が使えるので、18,800円ほどで購入できます。オリーブ色ならさらに500円ほど安いです。








さらにメリットがもう一つ。重さ的には、マウンテンバーサロフトジャケットが450gでグライナトフーデッドジャケットが381gですから、厚手ソフトシェル+薄手フリースと大差ありません。しかし、ソフトシェルジャケットの時には休憩時用にインシュレーションジャケットが別途必要でしたが、この組み合わせではそれが省略できます。防風性能が上がればマウンテンバーサロフトジャケットはインシュレーションジャケット並みの保温力を発揮してくれるからです。


休憩時のインシュレーションジャケットが必要なければ、トータルの荷物の軽量化になりますが、その分テント泊時の停滞時用ダウンジャケットのグレードを上げるということもできます。持っている装備や状況に合わせて判断すればいいわけですが、選択肢が増えるというのはいいことです。


とりあえず、自分がいま求めているミドルレイヤの性能を手に入れることができたわけですが、決してこれで完成というわけではありません。素材開発は日進月歩です。これからもどんどん新しい素材が開発されるでしょうから、さらに快適で高性能なウェアがリリースされる可能性は間違いなくあります。現状で満足できなくなったときは、またまた素材探しの旅に出ることになるわけですが、それもまた楽しです。懐はさびしくなりますけどね。


ランキングアップにポチッとご協力お願いします。
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村


登山ランキング




関連記事
スポンサーサイト



| ジャケット | 13:36 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

NEXT | PAGE-SELECT | PREV