ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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積雪期しか歩けない縦走路: 毛無山~西毛無山その3

2017年3月13日(日) 岡山県新庄村 毛無山(標高1218m) 日帰り単独行 


ランチを終え、少しのんびりしてから下山の準備に取り掛かります。


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午後になって雪が緩んできたので、下山はスノーシューを装着することにしました。エキスパートオブジャパンのスノーシューを使うのもずいぶん久しぶりです。もう一つ持っているTSLのスノーシューに比べると浮力は劣るものの、軽さで優り、ワカンタイプのため足の自由度が比較的あって斜面での使い勝手はこちらの方がいいので、雪が比較的締まっている春先の山にはこちらを使います。それに、前後に爪がついているし真ん中に滑り止めのL型金物を自分で付けたおかげで、けっこうな急斜面でも踏ん張ってくれます。とっくの昔に廃番になっているところを見ると売れなかったのでしょうが、僕はけっこう気に入ってます。


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12:33 西毛無山から南へ延びる尾根を下ります。下山コースは、尾根通しに南に下ったところにある996ピークから東へ続く尾根を利用する予定です。996ピークまでは、毛無山―西毛無山間と同じぐらいの距離なので、45~50分ぐらいかかるとみています。


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初めのうちは広くて緩やかな斜面が続きます。


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ひとつ南のピークへの登り返しも、緩やかなのでまったく問題なしです。


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12:50 西毛無山の南側にある1180mぐらいのピークを通過します。このあたりから急に尾根の幅が狭くなってきました。


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ピークをを越えると、尾根はどんどん細くなっていきます。両側の斜面も傾斜を増してきました。


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地形図の等高線の間隔は、1180ピークのすぐ南側はわりと幅が広くゆったりしているのですが、実際に目にするとけっこうな角度で下っています。


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滑りやすくなった下り坂を下りていくと、トレースが分岐していました。標高1120mぐらいの場所です。


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左の斜面へと下っていくトレースは、登ってきた足跡でした。左側の斜面は地形図で見てもかなり等高線が詰まった斜面だし、そのまま下ると谷へ下りてしまいます。実は、1180ピークから東へ下る尾根も下山コースとして検討しました。地図の黄色い線がそうです。ただ、ピークから東へ下り、1100mのあたりで右の支尾根に分岐する場所が分かりにくそうだということでやめにした経緯があります。検討した尾根とは違いますが、登ってきたトレースがあるということは、これをたどれば労せずして駐車場までもどれるということですが、谷筋の急傾斜地から登ってきているというのが気になります。


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実際に左手の斜面は、すぐ先で見えなくなっていて、傾斜が急であることがわかります。朝のうちの雪が締まっているときに登りで使うならまだよかったのかもしれませんが、すでに雪が緩んでここに来るまでの下りでさえずるずると滑りながら下りてきているような状態ですから、これ以上傾斜の急な場所を下るのは厄介なことになりそうです。というわけで、トレースを追うのはやめて、当初の計画通り996ピークから下りることにしました。


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下るにつれて尾根はさらに幅を狭め、傾斜もきつくなってきました。雪がゆるくなっているため、スノーシューでも表面の雪がすぐに流れてしまい、半分ずり落ちるようにしながら下る時間が多くなってきました。そのため、足に力が入って疲労がたまってきました。


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13:19 996ピーク手前の鞍部まで下りてきました。予想通り50分ほどかかりました。996ピークは目の前に見えていますが、下りで足が疲れてしまい、40mほどの標高差を登り返す気力がわきません。トレースは996ピークへと向かっています。


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そこで、地形図を取り出して下山コースを再検討することにしました。996ピークから東へ下る尾根に描いたピンク線が当初の下山予定コースです。このコースを選んだ理由は、途中で沢を渡らずに尾根通しで下れるからです。ただし、山頂直下の950mから850mにかけての区間がけっこう等高線の幅が狭く、傾斜のきつい斜面だと思われるので、この区間が問題なく下れるかどうかが懸念材料です。


いまいるのが996ピークの西側の鞍部ですが、ここから北へ下る尾根の等高線は予定コース上部のものよりも幅が広く傾斜がゆるそうです。ただし、900mから850mの区間が少し幅が狭くなっています。それでも予定コースの950mから900mの区間よりも広いし、すぐ下が谷になっているので、万一滑落するようなことがあっても確実にそこで止まるという安心感もあります。下りきった谷を渡って北側にある尾根に出れば尾根通しでキャンプ場上部へ出ることができるので、それほどリスクは高くなさそうです。


谷が渡れるかどうかだけが気になるところですが、積雪量や標高などから考えると、渡れないほど深く水量の多い谷である可能性はないと思われるので、そこのところは心配しなくても大丈夫だろうと判断しました。鞍部のすぐ北側にある谷も、完全に雪に埋まっている状態なので、多分同じ状況だろうと思ったわけです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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ということで、左手前方に見えている尾根へトラバースし、あとはその尾根を下っていくことにしました。この時スノーシューを履いたままだったので、斜面の上を向いた状態で横歩きしながらトラバースしました。


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尾根上に出たので、あとはこれを下っていくだけです。


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しばらくは問題なくサクサクと下っていくことができたのですが、やがて思いのほか傾斜のきつい斜面になってしまい、スノーシューではずるずると滑って安全に下ることができなくなってしまいました。そこは地形図のちょうど900mあたりで、等高線の間隔が狭くなるまさにその場所でした。地図の赤線が実際に下ったラインですが、920mあたりから谷へ下るまでかなり右往左往しているのがわかると思います。


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最初はうろうろしてスノーシューのまま下れそうな場所を探したのですが、少し下ってみてこれは無理だと判断し、クランポンに交換しました。じつは入山時に、残雪期の山だし4本爪のクランポンでいいかなと思ったのですが、初めて歩くコースだし何があるかわからないからと思い直して10本爪のクランポンを持ってきたという経緯があり、このときつくづく10本爪にしておいてよかったと思いました。


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表面に融けかけの柔らかい雪がのった斜面でしたが、下には硬い雪の層があり、クランポンの爪を下の硬い雪に食い込ませるようにけりこみながら斜面を下り始めた時、自分が落とした雪がきっかけになって足元の雪が突然わらわらと壊れるかのように崩れて流れ始めました。ビミョーなバランスで均衡を保っていた表層の柔らかい雪が、人が歩いたことでその均衡が崩れて一気に崩れ落ちてしまったようです。小さくわずかな規模ですが、これはまさに表層雪崩だと思いました。自分よりも上の斜面の雪が同じように落ちてきたら、もしかしたら流されていたかもしれません。埋もれてしまうほどの量はないので少し流されるだけで済むとは思いますが、気温の高い春の山は要注意です


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雪崩れた雪が落ちて行った先は、2mほどの高さの段差になっていました。下に雪もあるので、万一ここから落ちても命の危険はなさそうですが、場合によっては立木に頭部などを強打して重傷を負うという可能性も否定できません。やばいやばいと思いつつ、なんとか谷まで無事に下ることができました。


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谷は予想通り雪に埋まっていて、幅も狭く問題なく隣の尾根にとりつくことができそうです。ただ、この時点では対岸の尾根の高さがけっこうあるので、尾根が低くなるところまで谷の右岸をたどっていくことにしました。


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少し歩いて標高800mのあたりまで来ると、その先から谷が急に深く広くなっているのが見えました。これ以上進むと谷を渡れなくなるし、ちょうど左手の尾根も低くなって登りやすくなったので、ここで谷を渡りました。


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ところが、左岸の尾根に登ってみると、尾根の反対側にももう一つ谷があり、どうやらこの尾根の先で先ほどの谷と合流しているみたいです。


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地図の小尾根が今いる尾根になるということのようです。ビミョーな等高線のカーブを見落としていたので、てっきり一本の谷だと思っていたのですが、間に小さな尾根を挟んだ2本の谷筋になっていたわけです。とすると、取り付く予定の尾根は小尾根のもう一本北側にある大尾根であるはずで、小尾根の北側の谷を渡る必要があります。


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小尾根の今いる場所のすぐ下は、すでに雪が融けて水が流れている状態だったので、少し上流側に戻ってまだ雪に埋もれている場所で谷を渡りました。


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大尾根の斜面を登っていくと、尾根上の立木に赤いテープが巻いてあるのが見えました。どうやら、積雪期に利用されている尾根のようです。上の鞍部から下ってくるときはまったく人の気配がない状態だったので、多少なりとも不安を感じながらの下山でしたが、ここにきてようやく安心することができました。


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赤テープをたどりながら、尾根を下ります。しかし、赤テープがついているとはいえ、トレースはまったくありません。


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14:14 キャンプ場上部にでました。毛無山山頂を出発して以来、初めて見る道標です。ところが「ゆりかごの小径」というのが地形図に描かれている道なのかどうかがわかりません。

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当初、この道標の手前、写真の下側に林道が左右方向に走っていて、地形図に黒線で描かれている道路だとすっかり勘違いしてしまいました。ただ、その林道は右手方向に斜面上へと続いています。地形図では尾根に沿って下っていくようになっているので、地図と現状が違っています。とすると、地形図の黒線がゆりかごの小径ということなのかもしれません。


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ということで、道標の示す矢印の方向に進んでみることにしました。ところが、GPSを確認すると尾根を南へ下るように移動しているのがわかりました。ぜんぜん進む方向が違います。ということで、道なき雪原を無理やり進むのはやめて、林道をたどってみることにしました。結局、この林道は地形図には載っていない道でした。


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元の場所まで戻って、前方へ下る方向へと林道をたどります。


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林道脇の木に赤テープがあったので、どうやらこれが正解だったようです。


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丁字路のような場所に出ました。GPSを確認してみると、ここが地形図の黒線で示されている道路との合流点でした。あとはここを右へ下っていけばいいだけです。


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人工林の中に続くわずかな凹みをたどって行きます。クランポンなので時々大きく踏み抜いてしまうのですが、さすがにここでスノーシューに履き替えるのは時間の無駄だということで、そのまま歩き続けました。


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道がS字状に大きくカーブした先で、小さな沢を渡ります。スノーブリッジではなくて、橋の上に雪が積もっただけなので、安心して渡れました。


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14:34 キャンプ場に出ました。駐車場まではもうすぐです。


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14:39 駐車場に戻ってきました。休憩込みで6時間ほどの山行だったので、思っていたよりは疲れました。この次は、霧氷がついている寒い時期に歩いてみたいものです。

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| 2017年3月 毛無山・西毛無山 | 17:50 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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