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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。

2012年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年03月

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四国遠征第二弾 白銀の雪稜:石鎚山 その2

2012年2月12日 石鎚山(標高1982m) 日帰り山行 


霧氷の花を枝いっぱいにつけた大木の姿にしばらく見とれていたあと、ふと我に返ったように荷物を背負い、僕は先をめざして歩き始めた。


歯ブラシのような霧氷
この森は、同程度の標高の他の山よりも低木が多いような気がする。そのため、登山道の両脇から霧氷が張り付いた木の枝が覆いかぶさるように伸びていて、歯ブラシのような霧氷の様子をたやすく観察することができた。


冬芽
春を待つ冬芽も、凍てつく寒さの中でじっと暖かくなる日を待ち望んでいるようだ。


迷路の森
やがて登山道の勾配が急激に増し、呼吸が乱れ始めた。両脇に密生する木々が白い枝で視界をふさぐので、巨大な迷路を歩いているかのような気にすらなってくる。


前社ヶ森
10:35 小山のような岩塊の下を巻いて、急傾斜を登り返しながら上を見上げると、ふたたび真っ白い雪華を全身にまとった大木が目に飛び込んできた。大木の足元には寝そべるように粗末な小屋があるが、深い青色に塗られた小屋の外壁と、背後に広がる空の色が不思議な調和を見せていた。


試しの鎖の岩
山小屋かと思ったその小屋は、前社ヶ森という場所に建つ茶屋らしいが、冬季は無人の小屋になっていた。小屋のすぐ脇には、ついいましがたその足元を巻いてきた巨大な岩塊がそびえていた。この岩塊が「試しの鎖」といわれる鎖場だそうだが、さすがに積雪期にわざわざ鎖を伝い岩塊を超えるルートを来るものはいないようだった。


前社ヶ森から見た瓶ヶ森
小屋の前に立つと、正面に瓶ヶ森の白い頂が見えた。山頂部が広大な笹原になっている瓶ヶ森は、麓の石鎚山ロープウェイ乗場からさらに林道を奥に入ったあたりからルートがあるようだが、ロープウェイが利用できないため、石鎚山よりもタフな登山になりそうだ。
”次はあそこだな”
そんなことを思いながら、瓶ヶ森の白い頂をしばらくの間眺めていた。


前社ヶ森から先の道
前社ヶ森で小休止をとったあと、再び迷路のような白い森の中に向かった。晴天の日差しを浴びても、霧氷は融け落ちることなく木の枝に張り付いていた。


瀬戸内海を見渡す
森を抜け、見晴らしのいい尾根上に出ると、穏やかな瀬戸内海の様子や、麓の街の家並みまできれいに見えていた。海の向こうに伯耆大山の頂が見えないかと探してみたが、水平線近くはすこし靄っていて、それらしい頂を見つけることはできなかった。


森の向こうの瓶ヶ森
登ってきた方角には、瓶ヶ森が相変わらず寄り添うようにたたずんでいた。


夜明峠
11:22 森を抜けると、突然目の前に石鎚山が大きく立ちはだかった。手前には、輝く霧氷を身にまとった木々が点在する鞍部が緩やかに広がっている。この登山道中、もっとも美しい場所とされる夜明峠(よあかしとうげ)に着いたのだ。正面にそびえる石鎚山の岩峰が迫力を持って天に突き上げている。日の光を浴びて穏やかな表情の弥山に対して、最高峰の天狗岳は抜けるような青空の中黒々と沈み込んでいた。沈思黙考しているかのようなその姿は、畏敬の念を抱かせる雰囲気があったが、同時に魅力的でもあった。


夜明峠案内板
標高でいうと、夜明峠がちょうど登山道の中間点に相当するということらしい。高木が少なく、疎林といってもいいような雰囲気の峠は、そのおかげで見晴らしがよく、陽光にあふれた明るい峠だった。


無名峰
石鎚山の北西にある1920.6mの無名峰の切り立った断崖が、荒々しく空を切り裂いていた。


記念撮影
夜明峠の青と白がせめぎあう世界で、わずかな時間を過ごした。記念写真をセルフタイマーで1枚撮り、荷物を降ろしてあたりの風景を撮影して歩いた。


夜明峠の木々
これほど美しい霧氷の森を見るのは初めてだった。すべての木々が信じられないほど白い氷で枝という枝をびっしりと飾りつけ、太陽の光できらきらと輝いている。

夜明峠から瓶ヶ森

モンスターの木
空の青を除いてはモノトーンの世界に近いのだけれど、ありたっけの色を並べたお花畑と比べても、この白い世界のほうが色彩にあふれていて美しいと感じるのではないかという気さえしてくるほどだった。


山頂への道
後ろ髪を引かれる思いで夜明峠を後にした僕は、はるか頭上にそびえる岩の峰を目指して、本格的な急登が続く道へと歩き出した。


夜明峠を振り返る
振り返ると、白く染まった夜明峠の向こうに、およそ冬とは思えないほど穏やかな瀬戸内海と西条の街並が見えていた。ほんのわずかな距離と標高の違いが、これほど異質な世界を隣り合わせに作り出すのだ。自然の不思議さとともに強引なまでの力強さを感じた瞬間だった。


二の鎖の鳥居
12:08 二の鎖の分岐に着いた。鳥居の上にいくつか古ぼけた小屋が建っていたはずだが、跡形もなく消えうせている。小屋で食事にさせてもらうつもりだったのに、当てが外れてしまった。


土小屋ルート分岐
ここは土小屋ルートとの合流点だ。2009年5月に土小屋ルートを経由してここに来たことが思い出される。さすがに石鎚スカイラインや瓶ヶ森林道が通行止めになる積雪期に土小屋ルートを登ってくる人はいないらしく、雪面にはトレースの痕跡すら見当たらなかった。


鳥居から一段上がった平坦な場所で荷物を降ろした。かつて小屋があったと思われる場所に、雪の中からわずかに頭を覗かせた石垣があったので、そこを椅子がわりにすることができた。少し強めに吹き始めた風から体を守るためにジャケットを着込んで、手早く食事をとった。食事をしながら周囲を見渡してみると、バックパックが2つ、近くにあるブルーシートで覆われた建築資材か何かの上に置いてあった。どうやら重い荷物をここにデポして山頂へ向かったらしい。
”その手があったか”
ここから山頂までは傾斜が急になる上に、雪の積もった鉄階段を歩かなければならない。重い荷物などないほうが身軽でいい。さいわい天気は崩れる予兆など微塵もない。


二の鎖迂回路入口
食事を終えると、座っていた石垣のそばに荷物をまとめてデポした。風で体感気温が低いため、ジャケットはフリースの上に着たままで行くことにした。アックスとカメラと行動食だけを身につけて、僕は山頂に向けて出発した。


鉄階段
勾配のきつい斜面を真横にトラバースするように少し歩くと、鉄製の階段が現れた。以前来たときは二の鎖を登ったので、この階段の道は初めて通ることになる。完全に雪に埋もれているのかと思っていたが、意外にもきれいに除雪されたようになっていたので、少し安心した。


天狗岳の岩峰
二の鎖をぐるっと遠回りして登りつめたところで、石鎚山の大岩壁を真正面に見ることができる場所に出た。中央の黒々としたドーム上の岩峰が天狗岳だろう。3つの岩峰が寄り添っている様は、伯耆大山のとなりにある烏ヶ山のようでもある。撮影ついでに少し休憩をとってから、再び上を目指した。


半分埋もれた階段
二の鎖の迂回路よりも三の鎖の迂回路のほうが傾斜も急になり、階段の半分は完全に雪に埋まっているところが多くなった。階段は中央部分にしか手すりがついていないので、崖側はまさにがけっぷちを歩いているような情況だ。高所恐怖症の人は、まず足がすくんで歩けないことだろう。かつての自分なら、そうとうビビッていたに違いないが、北アルプスの大キレットを歩いてからというもの、これぐらいの状態であればそれほど恐怖心を感じなくなった。高所恐怖症は、ある程度のショック療法で克服することはできるようだ。

雪に埋もれた階段
しかし、ついに階段全部が雪に埋もれている状況になった。わずかに雪の上に顔を出した手すりにつかまりながら、中腰のまま慎重に足を進めていかなければならない。重い荷物を背負っていたらかなりつらい姿勢だが、空身ゆえにそれもたいした苦痛ではなかった。


完全に埋もれた階段
進むにつれて状況はさらに悪化し、ついに階段は完全に雪に埋没してしまった。こうなるともはや階段ではなく、ただのトラバース道だ。アックスを雪面に突き刺し、クランポンの刃がしっかりと食いついている感触を足の裏で確認しながら、僕は歩き続けた。


絶壁を這う階段
山頂直下の階段は、ほぼ垂直に近いと思われるほどの急斜面に設置されていた。幸いにも手すりがわずかに見えていたので、手すりをつかみ安全を確保しながらその階段を渡り始めた。足の下にはめまいがしそうな高さの空間が、大きく広がっていた。恐ろしいほどの高度感をたっぷりと味わいながら階段を渡りきると、僕は大きくひとつ深呼吸をした。それは、安堵のため息でもあり、高ぶった気持ちを静めるためでもあった。


展望開ける
そして、ついに視界が大きく開けた。正面右手に西ノ冠岳、左手奥に二の森がくっきりと見えていた。頂上はもうすぐそこにある。


山頂への石段
頂上山荘下の石段を歩くと、クランポンの刃が悲鳴を上げたが、かまわず歩き続けた。石段の先にはもう斜面も階段もない。あるのは青い空だけだった。



つづく。


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| 2012年2月 石鎚山 | 20:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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モンベル アルパインパンツ

昨年末に購入したモンベル アルパインパンツのレビューです。


モンベルアルパインパンツ
もともとは厳冬期のオーバーシェルパンツという用途で購入したのですが、年末から年始にかけての体調不良でどこにも出かけず、食べて寝るだけの生活をしていたおかげで、ウエスト周りがかなり厳しい状態になってしまいました。お山は豪雪、お腹は豪脂肪ってことですかい。くそっ! タイツの上に登山用パンツをはいて、その上からこのアルパインパンツをはくなどということは、もはや裸で真冬の富士山に登るのと同じくらい不可能なことになってしまいました。


せっかく買ったのに使わないのももったいないので、普通に冬期用登山パンツとして活用することにしました。さいわい、アルパインパンツだけ着用するのであれば、ちょっと息を止めて腹をへこませてやればボタンをとめられる程度のデブ化だったので、単体ではくぶんにはたいした問題はありません。


最初に使ったのは1月28日の下蒜山、その後は毛無山、剣山、石鎚山、泉山×2回と計6回の雪山山行で使用してきました。厳寒期ということで、寒いときには-10度前後の気温の中、下には厚手のタイツのみというレイヤリングでしたが、下半身においては気になるほどの寒さを感じることはありませんでした。3レイヤのゴアテックス生地ということで、保温性能もそこそこいいみたいです。


気温が高い(といっても0度~4度程度)ときの急登においては、若干汗ばむような感覚を感じることもありましたが、少し休憩するとすぐに汗蒸れ感はなくなったので、汗冷えを感じたことはありません。


写真を撮るために、雪の上に座り込んだり膝を突いたりしたことも多々ありましたが、濡れた感触になることもなく、耐水性能の高さも実感しました。


総じて、冬期の登山用パンツとしては優秀な製品だと思います。普通に登山用パンツとして使うのなら、両サイドのフルオープンジッパーは必要ないともいえますが・・・


とはいえ、気になった点もいくつかあります。


ウエストのサイズを調整するベルトが腰の左右についていますが、これがすぐに緩んでしまって役に立ちません。パンツがずり落ちて困るというわけではないので、それほど大きな問題ではないのですが、パンツを腰にしっかりとフィットさせたいと思っても、これでは意味がありません。デブ化した僕にとっては、これ以上締め上げるのは拷問に近いので、緩んでくれるぐらいのほうが楽チンなのですが、ウエストがやや緩いという人にとっては、ずりずりとずり落ちてくる恐れがあります。最悪、縦走中にパンツがずり落ちて足に引っかかり、そのまま崖を滑落して遭難なんてことにもならないとは限りません。救助隊が発見したときは、おケツ丸出しでしたというのは、できれば避けたいところです。おケツならまだましですが、大事なところが丸出しにでもなっていたら、「遭難者 公然わいせつで逮捕」なんて見出しが新聞に躍り、末代までの恥ですな。そうならないためには、別売のサスペンダーが必要になりそうです。僕も減量に成功して、見事な逆三角形の体型になったあかつきには、公然わいせつ罪の遭難者にならないためにサスペンダーの購入を検討したいと思います。えっ? いつの予定かって? そのうち・・・です。


それから、ゲーターを装着したときのかっこ悪さも気になります。

ゲーター外付けの例
シルエットとしてはそれほどスリムなパンツではないので、ゲーターを装着するとどうしても膝から上が膨れた、いわゆる忍者スタイルになってしまいます。自分で撮った写真を見る限りでは、それほど極端な忍者に変身しているわけではないようなので、許容することもできないわけではありませんが、やっぱりいまいちです。そもそも、インナースパッツがついているから、ゲーターなしでもいいじゃんと思っていたのですが、登山靴シリオ712GTXは靴の足首部分の高さがやや低いのか、インナースパッツだけだと足を持ち上げたときにずれてはずれてしまいます。なので、ゲーターを装着しないわけにはいかないのです。


ゲーターの中ばき
そこで、ゲーターをパンツの中に装着してみました。


ゲーターとインナースパッツのとりあい
インナースパッツはその上にかぶせるようにしてやると、二重にゲーターを装着しているのと同じなので、防寒および雪対策としても完璧。しかもパンツのシルエットもすっきりして、忍者に変身しなくてもよくなりました。パンツの裾からゲーターが長く見えると、股引が見えているようでもっと不細工かと心配しましたが、ほとんど見えないし、多少見えてもそれほどおかしな感じもなさそうなので、今後はこのスタイルで行こうと思います。当初の目的であるオーバーシェルとして使用した場合は、登山パンツにゲーターを装着した上からアルパインパンツをはくわけですから、考えてみればこれが本来のスタイルといえます。ちなみに、靴の中に雪が入らないにしても、パンツの裾の中に入って固まるのではないかという心配がありましたが、いまのところそういうことは発生しておりません。









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| パンツ | 15:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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泉山に3度目の正直

先週に引き続き今日も泉山に登ってきました。3度目にしてやっと本峰に登頂です。

今日はCコースから入りました。もう一名、倉吉のライダーさんといっしょになり、途中までは先行した僕がラッセルしてましたが、写真を撮ったりしてちんたらポンたらしているうちに、勾配がきつくなるあたりからトップをお任せ状態になってしまいました。

倉吉のライダーさん、ラッセルどうもありがとうございました。久しぶりに、トレースの助けがある登山ができて助かりました。

天気予報は晴れだったのに、ずっと雪と曇りの空でした。それでも時折薄日が差したりして景色もきれいでした。



泉山山頂
山頂で誰かと記念写真を撮ったのは、たぶんこれがはじめてです。赤ジャケットが倉吉のライダーさんです。

詳細なレポは後日また。石鎚山と先週の泉山をはやく終わらせないと・・・




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| ヤマネタ・ニュース | 18:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スノーシューの改造その後

先日レポしたスノーシューの改造ですが、実際に使ってみると結束バンドは全然効果なしでした。



四国遠征では使う機会がなかったので、2月19日の泉山で改造後の初使用となったのですが、下山後に確認してみると、赤いベルトはみごとに結束バンドに覆いかぶさった状態になり、金属の爪とあいかわらず接触していました。やっぱり、実際に歩いたときにかかる力は、スペーサー代わりの結束バンドぐらいでは役に立ちません。もっと厚めのものならうまくいくかもしれないので、今度ホームセンターで材料を探してみようと思います。



スノーシューの再改造
ということで、当面は赤いベルトが接触してしまう金属の爪の部分に、アルミテープを4重に重ねて切れにくくするという対処療法で行きたいと思います。何かスポンジのようなものを取り付けてテープで巻くというのも考えましたが、たぶん歩いているうちに取れてしまうのではないかという気がします。なので、テープだけということにしました。まあ、ベルトが切れたらメーカーでベルトの交換ぐらいはしてくれると思いますが・・・



足を乗せるプレートの下に取りつけたL型プレートは、しっかりととまっており、滑り止め効果もなかなかグッドでした。




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| ギア | 00:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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四国遠征第二弾 白銀の雪稜:石鎚山 その1

いつもどおりのレポではちょっとマンネリなので、今回は小説風にしてみました(内心、よけいなことしちまったと思いつつ、最初から書き直すのも面倒だし、途中でやめるわけにもいかず・・・)。そのため、山行記録とは言いながら、多少の脚色と誇張表現が含まれますので、あらかじめご了承ください(^^ゞ 




2012年2月12日 石鎚山(標高1982m) 日帰り山行 



赤く染まる空をフロントガラス越しに見つめながら、僕は西に向かって車を走らせていた。ほんの数時間前、剣山で見た美しい雪山の風景の余韻が、まだ頭の中で渦巻いていた。これから向かう西日本の最高峰石鎚山で、再びあの風景に出会えるかもしれないと思うと、妙に心は騒いだ。すでに気持ちは石鎚山へと飛び、真っ白な霧氷の森の中をさまよっていた。


しかし、現実の肉体は国道192号線上をのんびりと動いている。祝日の土曜日ということもあって、夕方の国道は意外に混んでいた。片側一車線の道は、道路わきのお店やスーパーに入ろうとする車が右左折のために減速するたびに、ブレーキランプの連なる赤い川となって淀んだ。


石鎚山を訪れるのはこれで2度目になる。前回は2009年のゴールデンウィークだった。雨にたたられて、3泊4日の日程はずっと曇りか雨。最初の3日間は山頂部はガスの中だったので、麓の高瀑渓谷や面河渓を散策しながら写真を撮って過ごした。最終日にやっと雨がやみ、土小屋ルートで山頂まで上がることができた、スカッと晴れた爽快な天気ではなく、どこか不完全燃焼のまま終わった山旅だった。


石鎚山ロープウェー乗場の駐車場に着いたのは、午後9時30分頃だった。天気予報では、日曜日も晴れ。しかし、土曜日の好天で霧氷が融け落ちてしまっている可能性がある。剣山から下山するときは、実際にそういう状態だった。夜のうちに山頂部に雲がかかり、霧氷が発達してくれることを願いながら、10時前には寝袋にもぐりこんだ。


7:00 目が覚めると、空はきれいに晴れわたっていた。山頂部分がどうなっているのかは、上まで登ってみなければわからない。ロープウェイの始発は8:40だとネットに出ていたのでゆっくりと朝食をとり、その後ポットに入れるお湯を沸かしたり着替えたりしているうちに、時計は8時を回っていた。そのころになると駐車場にはぞくぞくと車が入ってくるようになった。そそくさと着替えて、スキー板やボードを担いだ人たちがロープウェイ乗場へと向かう。
”始発まで時間があるのに、ずいぶん早急なんだな”
そんな風に思いながら彼らをみていたが、もしかしたら混雑を嫌って順番とりに向かっているのかもしれない。そうであれば、のんびりと時間を待っている場合ではない。僕もあわてて準備を整え、車を後にした。


8:15 ロープウェイ乗場に着くと、8:20発の改札が始まっていた。行列を覚悟していたが、意外にも行列はまったくできていなかった。始発が早まったということかと思い、急いで切符を購入し、ぎりぎりで8:20発の便に乗ることができた。(後日確認したところ、積雪期のロープウェイ運行時間はスキー場の営業時間にあわせるらしく、土日祝日は8時が始発だった。)


山頂成就社駅
わずか10分にも満たない時間で、一気に1300m近い標高の山頂成就駅に到着した。乗客の多くは急ぎ足で駅舎の外へと出て行ったが、僕を含めて数名のものが駅舎内にとどまった。みな登山者だった。クランポンを装着したり、ジャケットを羽織ったりと、それぞれが黙々と厳しい雪山に挑むための儀式を行っているかのようだった。そして、儀式を終えた者から順番に、まぶしい光と引き締まるような冷気の充満した外界へと出発して行った。


8:51 ハードシェルをバックパックにしまいこみ、クランポンを装着し終えて、僕の儀式は終わった。薄っぺらなガラスの引き戸を開き、冷たく濃密な空気の中へと足を踏み出した。紛れもない氷点下の空気が全身を包み、生暖かい室内の気温に慣れきっていた全身の筋肉が一瞬のうちに緊張した。


案内板
目の前には、環境へ溶け込むことを真っ向から拒否するかのような案内板が、巨大なBBQのごとくその存在を主張している。
”スキー場だからな”
半ばあきらめにも似た思いでそれを見つめ、最上段に書かれた「石鎚山頂」の文字だけを確認すると、僕は大きく息を吸って踏み固められて薄汚れた雪に一歩を踏み出した。クランポンの刃が、“ザクッ”と小さな音を立てた。


坂道の上の青空
坂道の先には真っ青な空が広がっている。
”今日も一日晴れてくれよ”
そう願いながら、ゆっくりと坂道を登った。


圧雪された道
成就社までの道は、きれいに圧雪され歩きやすい道だ。勾配もそれほどきつくない。クランポンなどなくてもまったく問題ないほど、雪は乾燥して軽かった。


成就社下の霧氷
やがて、道の両側の森は白い霧氷の花を咲かせるようになった。標高はまだ1400mほどだが、ここでこれほど見事な霧氷の花が見られるのなら、上に行けばさらにすばらしい光景に出会えるはずだ。気持ちは高ぶり、足取りは軽かった。


成就社
9:16 石鎚神社成就社に着いた。朝早いためか、鳥居の周辺にあるみやげ物屋はひっそりと静まり返っていた。神社にお参することも考えたが、早く霧氷の森が見たいという気持ちが勝り、鳥居をくぐるとすぐに左折して登山口に向かった。


神門
登山口には、注連縄が飾られた神門が建っていた。ここから先は神域ということなのだろう。石鎚山は、山そのものが神でもある。登山者は神の懐に入っていくというわけだ。神聖な気持ちと、それなりの覚悟を持って入山しろという戒めの意味がこの門にはこめられているのだろう。


ブナの大木
神門をくぐった先は、拍子抜けするぐらい穏やかで緩やかな下りの道が続いていた。ときどき巨大なブナが道端で登山者を見つめている。


緩やかな下り道
ゆったりとした幅広の道を、緩やかに下る。成就社の下で見たような霧氷は、影も形もない。日当たりがよすぎてすっかり融け落ちてしまっているとしたら、この先もあまり期待できないのかもしれない。すばらしい霧氷の森に出会えるという期待で膨らんでいた気持ちが、ほんの少ししぼみ始めたような気がした。


白い石鎚山
しかし、それは杞憂に終わった。先に進み、やがて木々の梢の先に見えた石鎚山は、見事なほど真っ白な雪化粧を施した森に覆われていた。しぼみ始めていた気持ちは、前にもまして大きく大きく膨らんだ。


八丁
9:35 成就社から石鎚山頂への登山道中、最低鞍部の八丁へ降りてきた。下りはここまで。いままではウォーミングアップのようなもので、ここからが本番だ。


八丁からの登り
八丁のすぐ先から始まる斜面は、それなりの傾斜がある。しかし、これから始まる山頂までの長く困難な道のりを予感させるほどの迫力はない。むしろ、これぐらいなら楽な道のりだと思わせるぐらいの優しさがある。


輝く石鎚山
八丁から始まる坂道を10分も登ると、平坦な尾根の道になった。葉を落とした木々の向こうに、澄み渡る青空とまぶしく輝く石鎚山の姿が見えていた。


霧氷の森再び
標高1400mに近づいてくると、周囲の木々は再び霧氷で白く彩られはじめた。地面だけが真っ白だった登山道は、右も左も白い世界に変わってゆく。


頭上にも霧氷
歩くにつれ、頭上も白く覆い隠されてゆく。白い天蓋の隙間にちりばめられたサファイアブルーの空の破片が、どこか異国の空を思い起こさせる。剣山でみた光景をはるかにしのぐ美しさだ。


(写真クリックで拡大)
白い森
やがて周囲はほとんど白一色の世界になった。その白い世界の向こうに、見慣れた太陽とはどこか違う、何者にも染まっていない純潔で無垢な輝きがあった。周囲は不思議な光に満ちていた。暖かさもまぶしさもない白く透明な光は、まるで無機質な液体のように森の中に溢れていた。やがて僕の体は僕自身の存在を否定するかのようにその色を失い、真っ白に昇華していくような感覚に襲われた。誰かの歓声に引き戻されなければ、そのままこの白い世界に溶け込んで戻ってこれなかったのではないか。ふとそんな気がした。しかし、それは恐怖ではなく、むしろ憧れにも似た感情だった。


登山者の歓声
白い森の中を、ゆっくりと登っていくと、先行していた登山者が頭上に向けてカメラを構え、首が痛いといいながらもなおシャッターを押し続けていた。
”何があるのだろう”
すばらしい光景に出会える予感に胸を躍らせながら、その場所に登りつめて頭上を見上げた。


美しい霧氷
そこにあったのは、枝先の隅々まで真っ白に輝く氷の花をちりばめた大木だった。爽やかで清々しいまでの透明感をもった青空を背景に、霧氷の花を咲かせた大木の姿はこの世のものとは思えなかった。僕は雪の上に寝転がって、ただ無心にそれを眺め続けた。現実とは思えない美しさに、視線をそらすことができなかったというほうがいいのかもしれない。



つづく






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| 2012年2月 石鎚山 | 23:04 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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モンベル ストームクルーザーパンツの修理

レインウェア修理前

愛用のレインウェアはモンベル ストームクルーザーですが、購入したのはすでに10年も前の話です。長期縦走では決まって雨に降られるほどの雨男なので、必ず年に数回は豪雨の中で使用してきましたが、逆に言えばその程度の使用頻度です。なので、それほどよれよれになっているわけではないのですが、さすがに裾がこすれて破れてしまいました。


ということで、モンベルに修理にだしました。1月下旬に出して、2月17日に修理完了との連絡を受けて引き取りに行ってきました。


レインウェア修理後

どんな修理になったのかというと、破れていた裾を10cmほどばっさりと切り落とし、新しい生地に付け替えていました。部分的につぎはぎするよりはそのほうが見た目にもいいです。


生地をあわせている部分の裏地には、ちゃんとシームテープが貼られていて、防水処理も万全でした。あまりくたびれていないつもりだったストームクルーザーですが、こうして新しい生地とつなぎ合わせてみると、さすがに古い生地のくたびれ具合がよくわかります。触った感じが明らかに違います。昨年夏に雨の中で着用したときには、水玉にならずにべったりと水膜が張り付いたようになっていました。帰ってから洗濯し、乾燥後ヘアドライヤーで熱を与えて生地表面の撥水性能を復活させたつもりでしたが、やっぱり新品にはかないません。


ちなみに、ゴアテックスといえども、生地表面が水をはじいて水膜ができないようにしないと、透湿性能が発揮されないので、何回か使ったら洗濯して、乾燥機などに入れることで生地の撥水性能を復活させてやらないとだめだそうです。うちは乾燥機がないので、一生懸命ヘアドライヤーをあてました。あとは、仕上げに防水スプレーをかけて劣化した撥水性能を補ってやるしかなさそうです。


今度穴が開いたら、そのときは買い替えですね。


なお、修理費用は6400円でした。新しいパンツを買うよりは安くつきました。




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| パンツ | 01:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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泉山で4時間ラッセル

P1010171.jpg


津山市の北にある泉山(いずみがせん)に行ってきました。といっても、泉山のピークには届かず、なんとか井水山の頂に立つのがやっとでした。というのも、Aコースは登山口からまったくのノートレースで、4時間も雪と戦う羽目に・・・ 

天気は、雪と曇りと晴れが短いサイクルで次々と切り替わるおかしな天気でした。


レポは、石鎚山のレポが終わってからゆっくりと書かせていただきます。




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| ヤマネタ・ニュース | 21:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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四国遠征第一弾 青天白雪:剣山 その2

2012年2月11日 剣山(標高1954.7m) 日帰り山行



枯れ木の間から三嶺
分岐から少し上がったあたりはあまり高い木がないので、展望が開けています。枯れ木の間から三嶺を望みます。


玉のような霧氷
玉のようなかわいらしい霧氷がついた木がありました。日が当たって融け残ったものがこうなったのか、もともとこんな風になっていたのかわかりませんが、本当に花が咲いたみたいです。



眼下の山並み
だいぶ標高が高くなってきたみたいで、周囲の山がほとんど眼下に見えるようになってきました。


刀掛けの松
11:47 刀掛けの松に着きました。昔はちゃんとした松だったのでしょうが、いまではただの倒木です。あと何年かすると、ただの残骸と化してしまっていると思われます。


登山道の十字路
ここは登山道の十字路になっていて、山頂への最短ルートは直進。右へ行けば大剣神社経由で山頂、左は行場だそうです。大剣神社方面へは踏み跡がありましたが、行場への踏み跡はなし。当然、最短距離で山頂を目指します。


毛むくじゃらの木
途中、毛むくじゃらの雪男のような木がありました。枯れ木につる状の植物が巻きついて小枝をたくさん伸ばしたもののようです。


針葉樹の森
刀掛けの松から上は、針葉樹の森になっています。霧氷のつき具合はもうひとつといったところですが、写真よりももっと白い森といった雰囲気です。


急傾斜
傾斜の急な場所もあり、山頂が近づいてきたような雰囲気です。


霧氷のダケカンバ森
針葉樹の森がダケカンバらしい木々に変わったあたりは、霧氷の白い花が満開でした。


お昼でも解けない霧氷
晴天のお昼過ぎだというのに、まだ霧氷が融けて落ちずに残っているのですから、気温が低い証拠です。さすが2000mになろうかという山です。


山頂直下
霧氷が満開の林を抜けると、目の前に山頂の建物(雲海荘というらしい)が現れました。頂上はすぐそこです。


山頂の案内板
12:39 山頂です。写真を撮ったりしながらゆっくり登ってきたので、3時間4分もかかってしまいました。


山頂台地
剣山の山頂は広い台地になっていて、植生保護のために木道が張り巡らされていました。


テラスから
まずは左手奥にあるテラスまで行ってみました。山頂からは地球の丸さが実感できます。というのはウソで、せっかくの広大な風景なので、あたらしく手に入れたSIGMAの15mm魚眼レンズを一眼レフに装着して撮影してみました。(写真クリックで拡大します)


雪原
山頂は、奥の雪原の左手にあります。(写真クリックで拡大します)


剣山山頂
木道をたどって山頂までやってきました。


IMG_2839_20120602122130.jpg
山頂のすぐ先から見た、次郎笈への稜線をです。このレンズは太陽を端っこに入れても、気になるゴーストやフレアが出ない、なかなか優秀なレンズです。この次は、星景写真で使ってみたいものです。


次郎笈への尾根横位置
同じ場所から横位置で撮ってみると、こんな感じでおもしろいです。(写真クリックで拡大します)


食事中
山頂のベンチで食事にしようと思ったのですが、風が冷たすぎてじっとしているのがつらく、風がよけられる場所を探して、雲海荘の入口まで逃げてきました。バーナーを準備するのが面倒だったので、おにぎりとお湯で質素な食事です。


つらら
入口のひさしからつららが遠慮がちにぶら下がっていました。


下山開始
13:37 名残惜しいのですが、明日のメインイベントのことも考えて、下山にかかります。


巨岩の上から
大剣神社を経由するルートで帰ろうかとトレースを追ってみましたが、どうも途中で判然としなくなっていたので、途中の大岩の上から記念撮影だけしてもと来たルートに戻りました。(写真クリックで拡大します)


刀掛けの松まで下山
14:04 刀掛けの松まで戻ってきました。


西島駅まで下山
14:14 西島駅です。


ハイキングコースのような登山道
近所の低山のハイキングコースのような登山道を下ります。


リフト下のトンネルまで下山
14:46 リフト下のトンネルを通過し・・・


駐車場上のトラバース下山路
駐車場上の急斜面をトラバースして・・・


駐車場帰着
15:05 駐車場に戻りました。


剣山と次郎笈
剣山と次郎笈に見送られて、石鎚山へ向けて出発です。


途中、貞光に出る前に木綿麻温泉(ゆうまおんせん)に立ち寄りました。この時期は剣山への登山客が激減するためだと思いますが、連休中だというのに混んでいませんでした。ほとんど地元のお客さんばかりだったようです。施設はそれほど大きくはありませんが、清潔で好感が持てました。入浴料400円もリーズナブルです。


剣山GPSマップ20120211
出発時と途中でGPSが迷ったらしく、暴走したラインになっていた余分なところをコピースタンプで処理しています。そのため、西島駅付近など一部地図が消えたりしています。



■山行データ
<往路所要時間> 3時間4分(撮影・休憩時間を含む)
登山口9:35→西島駅10:56→刀掛けの松11:47→山頂12:39

<復路所要時間> 1時間33分(寄道時間を含む)
山頂13:37→登山口15:05

<登山道情報>
登山道よりもアプローチの国道438号線がまずは第一の難関。雪道慣れしていない人は、くれぐれも慎重に。4WD+スタッドレスであっても、念のためチェーン必携です。2WDの人は特に!

登山道そのものは危険と感じるほどのところは特にないので、天気がよく、踏み跡もしっかりしている場合は6本爪のクランポンでも大丈夫そうな雰囲気です。悪天候時には若干道迷いしやすそうなところもあるので、ガスが出ている場合は慎重な行動を。



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| 2012年2月 剣山 | 01:30 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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四国遠征第一弾 青天白雪:剣山 その1

2012年2月11日 剣山(標高1954.7m) 日帰り山行 




2月11日と12日は久しぶりの週末連休です。体調もすっかりもどり、そろそろ本格的な雪山登山を楽しみたいところです。しかし、県北や日本海側の天気予報は雲や雪のマークばかり。伯耆大山や氷ノ山など登りたい山はありますが、いいかげん悪天候での登山はあきてきたところ。


ということで、お日様マークがばっちりついた西日本の最高峰石鎚山と、ついでに2位の剣山もあわせて制覇してくることにしたのでした。


6:00 11日早朝、まずは剣山に向けて出発です。地図で見る限りでは岡山から蒜山へ行くのと剣山へいくのは直線距離で同じくらいです。剣山への山岳路で時間がかかることを差し引いても、瀬戸中央道と瀬戸大橋の高速道路分で帳消しになって3時間ぐらいで着けるだろうとの目論見です。


瀬戸大橋の夜明け
瀬戸大橋を渡る途中でちょうど夜明けを迎えました。


夜明けの光
空には雲がまったくないので朝焼けはありませんでしたが、水平線を染めるオレンジの光がきれいです。


坂出ICで降りて、国道438号線をひたすら南下します。途中で道を間違えて10分ほど時間をロスしましたが、大きなミスもなく徳島県つるぎ町貞光まで来ました。ここから貞光川沿いに剣山を目指すのですが、この道がなんとも難儀な道です。はじめのうちはまだ2車線あって走りやすかったりするのですが、じょじょに狭い1車線の道になり、遅い先行車があったり、対向車があったりすると思うように走ることができません。


標高600mあたりから日陰は雪が残っている状態になり、やがて集落も途切れるあたりから完全な圧雪路です。標高1400mまで駆け上がるヘアピンカーブの連続する急傾斜の圧雪路ですが、新調したスタッドレスタイヤ+4WDのおかげでぐいぐいと登っていきます。2輪駆動車の場合は、念のためチェーンを持参したほうがいいような状態でした。


剣山
剣山スキー場を過ぎ、ラフォーレつるぎ山の入り口前に公衆トイレがあったので、そこで一休み。再出発してすぐに尾根を回りこんで下り道になると、目の前に剣山がおおきく聳え立っているのが見えました。写真は帰路に撮ったものです。


見の越着
9:20 やっと登山口のある見の越に到着です。曲がりくねった急傾斜の圧雪路に予想外に時間がかかりましたが、想定よりも20分遅れですんだのでまあ悪くないという感じです。


立体駐車場
晴天の連休なので混んでいるかと思いきや、立体駐車場の中には10台程度が停まっているだけでした。ほとんどは4WD車でしたが、中にはチェーンを巻いたプリウスもあり、チェーンがあればFF車でもなんとかなるようです。


出発
9:35 準備を整え出発です。


青空
空は雲ひとつない青空が広がっています。しかし、気温も-7度(腕時計の温度計なので実際はもう少し低いかも)となかなかの冷え込みです。服装は、ミズノ ブレスサーモLW長袖 + マーモット ハイブリッドジップPP L/S + ユニクロ マイクロフリースハーフジップという組み合わせで、先日の毛無山と同じものにブレスサーモをドライレイヤー代わりに加えています。-10度だった毛無山よりも1枚多いのですから、標高が高いとはいえおそらく大丈夫だろうと考えたのでした。


登山口
登山口は、駐車場から少し車道を戻ったところにあります。


石段
剣神社の石段を登って行きます。


登山口道標
9:43 石段を登りきって右へ進むと、道標がありました。


警告文
遭難・滑落の事故が多発しているとのこと。気を引き締めます。


よく踏まれた道
道はよく踏まれていて、積雪もそれほど多くはありません。とりあえず、登山靴のまま行ってみることにしました。


急斜面のトラバース
登り始めてすぐ、駐車場の上の斜面をトラバースしていきますが、ここは案外緊張しました。雪道に慣れていない人は、はじめからクランポンを装着しておいたほうがいいかもしれません。


リフト下のトンネル
9:56 登山リフト下のトンネルです。腰をかがめてくぐりぬけます。この時点であまりの寒さに耐えられなくなりました。トンネルを抜けたところにベンチがあったので、荷物を降ろしてジャケットをはおりました。ついでに、指先がジンジンしていたので、手袋も交換します。出発時は、モンベル メリノウールインナーグラブ + ノンブランド フリース手袋 + イスカ ウェザーテック ライトオーバーグローブ という組み合わせでしたが、イスカ シェトランドウールグローブ + イスカ ウェザーテック ライトオーバーグローブ に変更です。シェトランドウールグローブは購入後初めて着用しましたが、つけた瞬間に暖かいと感じるいいグローブでした。このあたりは北斜面のためか冷え込みがきつく、どうも-10度よりも低かったのではないかという感じです。


日のあたる登山道
10:30 日の当たる登山道になり、ようやく寒さも和らいできました。


雪化粧の木
雪をまとったおおきなモミの木らしい木が朝日に輝いていました。


巨岩
10:45 巨大な岩のある場所に来ました。リフトの西島駅まで200mです。


山頂を望む
巨岩を巻いて見晴らしのいい場所にでると、正面に山頂の建物が見えていました。


次郎笈
剣山の右手にはピラミダルな山容の次郎笈(じろうぎゅう)が顔を覗かせています。


次郎笈からの稜線
次郎笈から続く稜線の先には、三嶺(みうね または さんれい)の姿も見えます。


三嶺
三嶺はとんがり帽子のような山頂部が特徴的な山です。


西島駅
10:56 西島駅に着きました。


トイレ
ここには公衆トイレがありました。水洗ではありませんし、水道の水も出ませんが、使用することはできます。


ベンチで3名の登山者がスノーシューを装着していました。自分もスノーシューを持ってきていますが、スノーシューを使うほど積雪があるようには思えないので、僕はクランポンを装着することにしました。ついでに、ハードシェルジャケットとマイクロフリースを脱いで、ユニクロ リバーシブルフリースを着ました。ここから上は日が当たることと、傾斜が急になり汗をかきやすそうなので、ハードシェルは不要ということです。しかし、若干風もあるのでマイクロフリースではちょっと寒そうだということで、リバーシブルフリースに変更しました。


ユニクロリバーシブルフリース
ユニクロのリバーシブルフリースは、生地がやや厚めなので、防風性が少し高いことに加えて、裏がえして着るとジッパーが外側に縫い付けられている状態で着られるため、あごに冷たい金具が当たらなくてすむのです。高価な登山用品は、この部分を三角形のカバー布をつけたりして対応していますが、これだと逆に手袋をしている状態ではジッパーのつまみを操作しづらかったりする場合もあります。安いユニクロのリバーシブルフリースが思わぬメリットを生んで、意外にも山で使えるフリースになっていたのでした。


出発
11:20 山頂に向けて出発です。


分岐
分岐路がありました。右へ行くと大剣神社経由で山頂まで1270m、左は刀掛けの松を経て山頂まで970m。間違いなく左です。踏み跡も左へ行っており、右へ行った人はいないようです。


輝く霧氷
分岐路からすぐに鹿よけのゲートが2つあり、そこを過ぎると真っ白な霧氷に飾られた枝を広げた木が立っていました。ちょうど太陽を背にしているので、真っ青な空を背景に、霧氷の枝が純白に輝いていました。朝眠い目をこすりながらベッドから抜け出して来て、本当によかったと思った瞬間でした。この先にどんな光景がまっているのか、いやがうえにも期待が高まります。


つづく。




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| 2012年2月 剣山 | 17:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スノーシュー改造

最初の滑り止め
スノーシューの白いプレートの真ん中に取り付けた滑り止めですが、下蒜山では問題なかったものの、先日の毛無山ではいつの間にか取れてしまいました。やっぱり、プラスチックを瞬間接着剤で貼り付けただけでは強度不足だったようです。


ベルトがやばい
しかし、問題はそれだけではありませんでした。家に戻ってから点検してみると、なんと赤いベルトが切れかかっていました。フレームに取り付けられているステンレス製で三角形の滑り止めみたいなものにちょうどあたるらしく、鋭いものではないのに、じわじわとこすれて切断されていたようです。


そこで! スノーシューを改造することにしました。


改造その1 ベルト切断防止材装着

ベルトの切断を防止すべく、三角形の金属滑り止めとベルトが直接当たらないようにスペーサー代わりのものを取り付ける。



改造その2 金属製滑り止め装着

金属素材の滑り止めをボルトでプレートに固定する。




ということで、100円ショップとホームセンターで材料を調達してきました。


結束バンド
まずは改造その1で使用する、ベルト切断防止用スペーサー代用品ですが、強度があって、簡単に外れず、幅の調整が容易なもの、ということで見つけたのが結束バンド。これをベルトと金属の間に1~2本巻いてやればスペーサー代わりになりそうです。ベルトと金属の間隔に応じて巻く本数を調整すれば、広くても狭くても対応可能です。


金属素材の滑り止めは、ホームセンターで調達です。プレート幅が100mmなので、90mm巾のL型金物をゲット。ボルト穴の位置もちょうどいいところにあいていました。本当はステンレスのものがよかったのですが、黒い塗装されたものしかなかったので、今回はこれでよしとします。ボルトは5mm径で長さ10mmのステンレスボルト。ねじ頭は靴底を痛めたり、足裏にへんな違和感を感じないように丸頭のものにしました。


改造後裏
ということで、改造後のスノーシュー裏面がこちら。


改造後表
靴底の当たる表面はこうなってます。


明日からの連休で活躍してくれることを期待しています。





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| ギア | 20:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラッセル地獄と樹氷の森:毛無山 その2

2012年2月5日 毛無山(標高1218m) 日帰り山行


2時間雪と戯れて無駄に過ごしてしまったわけですが、まだ樹氷の森を見ることができなくなったわけではありません。これ以上無駄な時間を過ごさないためにも、撤退と決めた以上は、即時撤退あるのみです。


撤退開始
きびすを返してトレースをたどって一気に下りました。


看板まで戻る
10:42 看板まで戻ってきました。下山にかかった時間は読みどおり10分でした。杉林から林道に出てきたところで、4人のファミリーが僕のトレースをたどろうとしているところに出くわしました。


30代ぐらいに見えるご主人と少し話をしましたが、正規の登山道ではなく、トレースは僕のつけたものが途中までしかないし、雪が深くてラッセルが大変だから行くのはやめたほうがいいと説明したところ、夏道のほうへ戻っていかれました。


もしも下山がもう少し早くてこのファミリーと行き違いになっていたら、もしかしたらあのまま僕のトレースを追っていたかもしれません。そう思うと少し罪悪感も感じます。とはいえ、登山道については看板にもマップが描かれているし、道標も設置されています。このトレースが正規のルートでないことは明らかなのです。登山は自己責任が原則です。僕は僕の自己責任において歩いているわけで、何かあっても自分だけの問題ですみます。しかし、家族がいっしょの場合、お父さんの判断が家族の安全を左右するので、ぜひ慎重な判断をお願いしたいものです。


走るように下ってきたのですっかり息が上がってしまい、少しの間看板の前で休憩をとりました。その間にファミリーは夏道を進んで行きました。


夏道からの分岐
沢沿いから登山道が離れる場所です。本来の夏道はこの尾根の左側の谷を登っていくのですが、トレースはここからいきなり尾根に上っています。積雪期はこちらのほうが安全で合理的なルートです。後で知ったのですが、どうやらこのトレースは、鳥取の山岳ガイド木元康晴さんのパーティーが前日につけたものだったようです。どうりで、合理的でしっかりとしたトレースだったわけです。


きれいなトレース
11:01 まるで機械で作ったようなトレースのおかげで、あっというまに標高840mまで登り返しました。これが駐車場から直接だったらもっとさくさく歩けたことでしょうが、1時間半のラッセルの後だけに、息は上がるし汗は流れ落ちるしで、先行するファミリーに追いつくことすらできません。


傾斜が増す
次第に傾斜が急になり、よく踏まれたトレースではかえってスノーシューが滑りやすくなってきました。この急斜面でファミリーがてこずっていたので、僕が先行しました。


シリセード跡
まずいことに、急傾斜の場所に限ってトレースがシリセードでつるつるのフラットにされてしまっているので、先行者のステップをたどって歩くことができません。伯耆大山の夏道でも同様の状況が見られますが、登るにしても下るにしても滑り台のようになってしまったトレースは、歩きにくいことこの上なしです。シリセードで下るのは結構ですが、ぜひ踏み跡のないところでやってもらいたいものです。登山者のことがわかるのは登山者だけなのですから、自分の行動が他の登山者にどういう影響を与えるのかを考えることのできる登山者でありたいものです。


夏道との合流点
11:34 夏道が尾根に出てくる場所に着きました。「クリ」とかかれた小さな木札が木の枝からぶら下がっている場所です。この先避難小屋のある尾根への道が急登になるので、ここで休憩していくことにしました。


クランポン装着
ついでに、スノーシューと靴の間に雪が詰まって少し歩きづらくなってきたこともあって、クランポンに履き替えます。その間に再びファミリーが先行していきました。


山頂への尾根に出る
12:13 山頂に続く尾根に上がる斜面は、かなりの急斜面です。息も絶え絶えになりながら上を目指します。


歩きやすい尾根
ようやく尾根に出ました。この先、歩きやすい尾根をたどっていけば、9合目の避難小屋です。クランポンでも大きく潜ることもなく、快適に歩くことができました。


樹氷01
標高が1100mを越えたあたりから美しい樹氷の森が広がっていました。


樹氷02
(写真クリックで拡大)青空でないのが残念ですが、本当にきれいです。


樹氷03
(写真クリックで拡大)幹まで白くなっていたらもっと美しい光景だったことでしょう。


避難小屋内部
12:35 避難小屋に着きました。ひとまず、昼食です。


チリトマト味のラーメン
スーパーで見つけた新製品らしきラーメンです。どこのメーカーだったか忘れましたが、酸味が程よく利いたチリトマト味がかなりおいしかったです。そういえば、カップヌードルにもチリトマトというのがあったはずですが、いつの間にか見かけなくなってしまいました。あれ、好きだったのに・・・


小屋内の温度計
小屋内の温度計は-4度をさしていました。念のため、自分の腕時計の温度計も見てみましたが-2度ほどで、バックパックにつけているホイッスルと温度計とコンパスが一体になったものは+2度になっていました。腕時計はメッシュポケットに入れていたので、体温の影響は受けていないはずですが、けっこういい加減みたいです。バックパックにつけていたものは、以前からどんなに寒くても2度から下がったことがないので、完全に壊れていると考えたほうがよさそうです。


一瞬の青空
食事の後は、せっかく担いできた一眼レフをもって小屋の周辺で撮影タイムです。このとき、一瞬だけ青空が出たのですが、ほんの数十秒で再びガスに覆われてしまいました。移動途中の瞬間だったので、いまいちの写真しかとれなかったのが残念です。


ひととおり撮影を終えて、荷物を置いて山頂まで往復しようとパッキングをしていると、先行していたファミリーが山頂から降りてきました。彼らはこれから食事をするようなので、荷物は置いていかずに担いでいくことにしました。出かける直前にもう一人単独行の男性も入ってきました。日曜日で天候もそこそこ悪くないわりに、登山者は多くなく、静かな山旅です。


山頂
13:34 昨年3月以来の毛無山山頂です。蒜山も伯耆大山もガスの中でしたが、毛無山周辺の山々は比較的よく見えていました。


雪だるま
山頂の碑には小さな雪だるまが座っていました。


白馬山方面
白馬山方面にはトレースはありませんでしたが、スキーの跡がついていました。


西毛無山方面
西毛無山(通称で正式名称ではありません)方面です。あちらのほうにも白い樹氷の森が広がっているようです。


山頂直下の樹氷
山頂直下の樹氷の森です。


西毛無山ズームイン
西毛無山にズームイン。寒々とした雰囲気ですが、水墨画のようできれいです。


田浪の景色
13:45 山頂で10分ほど景色を眺めてから、下山しました。途中、登山口のある田浪のあたりが見えていました。


樹氷04


樹氷05


樹氷06
樹氷の美しさに目を奪われ、撮影しながらのんびりと下りました。


下山路
尾根から離れて下る急斜面にあるシリセードの滑り台は、かかとからのキックステップが入らないことが多く、シリセード跡をはずすと逆に股下まで埋まってしまい、以外と大変でした。スノーシューに履き替えればよかったのかもしれませんが、面倒なのでクランポンのままで下りました。


駐車場着
15:15 登山口に帰着しました。すでにほかの車は1台もいません。みなさんお早いお帰りです。


さて、今回スキーグローブを登山用に試してみたのですが、-10度の気温にはとりあえずOKです。しかし、グローブが厚手すぎてカメラの操作がやりにくいうえに、スノーシューやクランポンのつけはずしをグローブをはめたまま行うことは難しく、素手でやらざるを得なくなりました。ウールのグローブにオーバーシェルグローブという組み合わせのほうが指先の操作感は良好です。というわけで、スキーグローブをメインで使うというのはなさそうです。


そんなことよりも、当分ラッセルはこりごりです。


■山行データ
<往路所要時間> 5時間27分(寄道・休憩時間を含む)
登山口8:06→2つ目の看板8:33→標高856m地点10:24→2つ目の看板10:37→9合目非難小屋/12:38/13:08→山頂13:33

<復路所要時間> 1時間33分(撮影時間含む)
山頂13:40→登山口15:13

<登山道情報>
夏道を途中まで使うルートは、しっかりと踏まれていて歩きやすい状態です。5日の情況でいえば、つぼ足でも上までいけそうな雰囲気でした。

登山口から2つ目の看板のところから左上の杉林に向かうトレースは、僕の失敗トレースなので、くれぐれも間違ってたどらないように。ラッセル地獄にはまりたい方は、ご自由にどうぞ。


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| 2012年2月 毛無山 | 13:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラッセル地獄と樹氷の森:毛無山 その1

2012年2月5日 毛無山(標高1218m) 日帰り山行



岡山では珍しいほど冷え込んだ日曜日。新庄村の毛無山に行ってきました。伯耆大山も考えましたが、天気予報が午後から晴れだったので、おそらく混雑するに違いないと思って、毛無山に変更したのでした。


朝5時30分に家を出て、登山口に7時45分に到着。道中はどこも氷点下の気温だったので、路面凍結を警戒してスピードを抑え気味に走ったため、いつもより余計に時間がかかりました。駐車場には車が2台だけ。これが伯耆大山だと混雑していたことでしょう。


-10度
登山口の外気温は、なんと-10度。氷点下2桁というのは、登山においては初めての経験です。この日は冷え込むという予報だったので、まだ試していないスキー用厚手グローブをためす好機です。


車外温度計の-10度という表示にびびりながらドアを開けたのですが、いがいにもそれほど寒いとは感じません。風がないうえに、ややかすんでいますが、太陽が顔を出していたせいでしょう。下蒜山の反省をもとに、今日は家を出るときに登山用のウェアを着てきたので、靴とゲーターを装着するだけで準備完了です。


出発前
8:06 -10度という極寒の中、インナーウェアとユニクロのハーフジップマイクロフリースだけといういでたちで出発です。


山の家前の雪原
山の家の前にトレース跡はありますが、新しい足跡はありません。先行者はおそらく西毛無山のほうに上がったのでしょう。


2つ目の看板
8:33 2つ目の看板まで来ました。途中でスノーシューを装着したので、時間がかかりました。ここまで、見事なほどしっかりとしたトレースがついていました。この先もおそらく同じ状況だと思われます。歩きやすくてたいへんけっこうなことですが、それだと10時過ぎには山頂についてしまいそうです。


天気予報では午後から晴れるとなっていました。この気温なら山頂付近のブナ林は見事な樹氷がついているはずです。青空バックの樹氷を見るなら、あまり早く登ってしまうと寒い中凍えながら待たなくてはいけません。それなら、ラッセル覚悟で左手の尾根を上がってみるというのもありかなと思いました。昨年3月に下りで使うつもりだった尾根ですが、途中で1本夏道側の小尾根に入ってしまい、もともと考えていた尾根ルート、つまり登山口から2つ目のこの看板のところに下りてくるルートは歩くことができなかったのです。


下蒜山では標高差約270mに2時間半かかりました。おおよそ標高差100mに1時間かかる計算です。この看板の標高は約750m、山頂までの標高差は約470mあるので、9合目避難小屋までなら4時間ほどで行けるだろうとの目論見です。


トレースのない林道
看板から左へUターンするように左の尾根に向かう道は、もともとは林道のようですが、トレースはまったくありませんでした。少し先で杉林の中へと入り、尾根上を目指します。


杉林の中
雪の重みで倒れたらしい杉が力なく倒れこんでいたりします。先週の寒波でかなりの雪が積もったようです。杉林の中はそれほどの急傾斜ではなかったのですが、足がふくらはぎあたりまで埋まるので、それなりに苦労します。


尾根の自然林
やっと杉林が終わり、自然の森になりました。ちょうど尾根らしい雰囲気になるところで、ここからがいよいよ本番です。


自分撮り
コンデジ用の小型三脚ゴリラポッドを木の枝に巻きつけて、自分撮りを1枚。


汗の結晶
看板から30分ぐらいしか経っていませんが、すでに汗が流れ落ちるような状況です。ふと腕を見ると、なにやら白いものが・・・ どうやらフリースを浸透して出てきた自分の汗の蒸気が、フリース表面で凍結して霜のように付着したようです。


ジグザグのトレース
次第に傾斜が急になってきて、雪も深くなってきました。とても直登はできないので、ジグザグに縫うように登ります。


狭い尾根
ところどころ尾根が細くなり、木々の間の狭いところを抜けなくてはいけないので、けっこう大変です。頭からは汗が流れ落ちます。首にかけたタオルは、すでに汗でぐっしょりで、絞ると滴り落ちそうな勢いです。


迷路のような場所
細い木が密集して生えていて迷路のような場所もあったりします。その上雪が深いので、歩きにくいといったらありません。急傾斜では腰近くまで雪がくるので、ひざで雪を崩して足をねじ込むような歩き方をしなければならず、まるでスローなヒンズースクワットをしながら歩いているようなものです。


ぼんやりとした太陽
9:43 さすがに疲れてきたので小休止をとります。出発時には日がさしていましたが、いまは太陽がぼんやりとみえるていどです。風はありませんが、立ち止まるとさすがに冷えます。


広い尾根
9:55 尾根がやや広く平坦になったところで、なんだか急に体が重く感じるようになりました。突然疲れが一気に襲ってきたような感じです。少しふらふらする感じもあります。少し前に休憩したばかりだというのに。とにかく、こんな登山道でもないところで歩けなくなったりしてはシャレになりません。荷物を降ろして、休憩することにしました。


家から持ってきた手巻き寿司と白湯で簡単な食事をとります。15分ほど休んでいると、とりあえず回復してきました。どうもラッセルがきつくて疲れてしまったようです。時間はすでに10時を回っています。この先再び傾斜の急な尾根が続いています。


登山道脇の看板からすでに1時間半が経過していました。GPSロガーで標高を確認すると、870mになっています。避難小屋が約1160mなので、あと290mほどです。看板から120m登ってきたわけですが、1時間100mの目論見はあっけなく崩れ去りました。1時間に80mしか登っていません。この分だと避難小屋までまだ3時間半はかかります。上に行くほど雪は深くなるわけだし、地図の等高線を見る限りここから982mの小ピークまでがもっとも傾斜の急な部分です。とすると、下手をすると避難小屋まで4時間以上かかりかねません。


もはやこのままこの尾根を一人でラッセルしながら登るのは無理と判断し、エスケープルートを考えてみました。夏道はこの尾根の右手、小さな尾根をもうひとつ越えた向こうにあります。しかし、尾根と尾根の間の谷間は案外深く、この場所から直接降りるのはやばそうです。それではと少し上のほうを偵察してみましたが、すくなくとも数十mは登らないと谷に下りるのは難しそうです。仮に降りたとしても、谷の深い雪を横断し隣の尾根に登るのに手間がかかりそうだし、その先夏道の通る谷をもうひとつ越えて、冬道が通っているだろう尾根に出るまで1時間以上かかるかもしれません。だったら、いったん下って看板のところまでもどり、そこから夏道を登り返したほうが早いはずです。標高差120mなら10分で下れるはずです。トレースのしっかりついた夏道なら、同じ870mまで登り返すのに、おそらく30分ぐらいで行けるはず。1時間もかからずに登り返せるのなら、素直に来た道を下るほうが早いわけです。それが、最善の方策だろうと判断しました。

つづく。


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| 2012年2月 毛無山 | 23:49 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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初雪山で一人ラッセル:下蒜山 その2

2012年1月28日 下蒜山(標高1100.3m) 日帰り山行


ハンガーノック、いわゆるシャリばて。体から力が抜けていくような感覚は、まぎれもなく空腹によるエネルギー欠乏です。途中、行動食としてチョコレートやキャラメルを食べていたのですが、この手のものはすぐにエネルギーになる代わりにすぐに消費されてしまい、一気にエネルギー欠乏状態になるということはよく知られた事実。こまめに食べ続けていればいいのですが、寒い雪山ではつい立ち止まることを嫌がってしまうので、こういう失敗をしがちです。


何はともあれ、食事休憩をとるべき時間になっていることは明白です。しかし、この先は木々も少なく、吹きさらしの雪原が続くばかり。風・雪ともに強まりつつある中を空腹を抱えて上を目指すのはあまり賢い選択とはいえません。


振り返ってみた
振り返ってみました。広い雪原に続く自分のトレースの先に、先ほど通過してきた松の木が見えます。そういえば、ちょうど二本の松が寄り添うように立っていて、根元部分に休憩によさそうな空間があったことを思い出しました。目的の雲居平は目の前ですが、今日はここで撤退することにしました。GPSの標高は795mをさしていました。


昼食場所
二本の松の木まで戻って、根元を均して荷物を降ろしました。当然、そのまま雪に座るとお尻が冷たいので、折りたたみの座布団を敷いて座るのですが、上から吹き降ろしてくる冷たい風が背中にもろに当たるため、汗でぬれた背中が一気に凍りつきそうな勢いで冷えていきます。


ツェルトをかぶって
ジャケットを脱いでフリースを着ようかと思いましたが、この寒風の中でジャケットを脱ぐ気にはなれません。それならばと、ツェルトを引っ張り出しました。日帰り山行でも万一のために持ち歩いているツェルトですが、いままで一度も使ったことはありません。ぺらぺらの1枚生地のものですが、これを頭からかぶって片方のすそをお尻とバックパックの下に敷くと、みごとに風を遮断してくれました。この状態ならジャケットを脱いでもまったく問題ないのですが、風が遮断されたおかげで寒さがなくなったので、そのまま食事にすることにしました。


ツェルトの中で昼食
バーナーでお湯を沸かしてカップラーメンを食べるというのが一番いいのはわかっていたのですが、ツェルトを張り綱で固定しているわけではないので、風で時おりばたつきます。その状態で火を使うのはやばそうなので、おにぎりと白湯だけの簡単な昼食にしました。ただの白湯がこれほどありがたくおいしいと感じられるのは、厳しい雪山だからこそ。景色を楽しむわけでもなく、気の利いた食事を楽しむわけでもなく、ただ薄っぺらの黄色いシートを頭からかぶって無心に握り飯を食べ、白湯を飲むだけの食事。それでも、十分満足のいく食事です。


うっすらと麓が見える
外を見ると、うっすらと麓の様子が見えていました。


下る道
13:52 わずか15分ほどの短い食事休憩でしたが、ツェルトのおかげで寒さに凍えることなくゆっくりとすごすことができました。ツェルトを丸めてバックパックに突っ込むと、出発の準備完了です。山頂方向は風と雪が強くなりすっかり視界がなくなっていました。天候が回復に向かっていれば、もう一度雲居平までチャレンジしてもいいかと思っていましたが、さすがにこの状況では気持ちももりあがりません。自分のトレースがちゃんと見えているうちに下山することにしました。


視界がよくなる
登りではずいぶん時間のかかった道のりですが、下るときはあっという間。そのうえ、下るにつれて視界がよくなってきて、上ではかすんでいた下界の景色もかなりくっきりと見えるようになって来ました。天気が回復したというよりも、上のほうだけ天候が悪い状況だったようです。


三合目
14:01 三合目まで戻ってきました。55分かけて登った道を、わずか9分で降りてきたことになります。


最初の道標
さらに、ほぼ1時間かかった最初の道標まで、たったの12分。タオル1枚が汗でぐっしょりとなるほど大汗をかいて登ったのに、いったいあの苦労はなんだったのでしょうか。


青空がのぞく
14:27 東屋が見えるところまで戻ってきました。そのとき、突然雲がきれて青空が垣間見れました。上ではホワイトアウトになりかけていたというのに、猫の目のようにころころ変わるおかしな天気でした。


東屋でスノーシューをはずしました。今回、スノーシューにちょっとした改造を施していたので、急斜面でもあまり滑ることなく登ることができました。



改造スノーシュー
改造というのは、真ん中の白いプレートの中央に貼り付けてある、茶色の棒のようなものです。もともと白いプレート部分には何もなかったので、つま先とかかとの部分に爪があるとはいえ、急斜面になるとつるつるとよく滑っていたのです。そこで、滑り止めになるものを取り付けてみました。金属プレートをビスで留めることも考えたのですが、ちょうど真ん中あたりでベルトが交差してビス用の穴を開けることが困難だったので、室内の段差などでつまづきを防止するために設置する三角形のプラスチック部材を瞬間接着剤で貼り付けてみました。100円ショップで手に入る材料だったので、接着剤と合わせてわずか210円ですみました。



GPSログマップ



■山行データ
<往路所要時間> 2時間29分(休憩時間を含む)
登山口11:03→三合目12:35→雲居平下765m地点13:32

<復路所要時間> 38分
雲居平下13:52→三合目14:01→登山口14:30

<登山道情報>
登山口までの道路はきちんと除雪されているようです。駐車場もある程度の広さが確保されていました。登山口に東屋はありますが、トイレはありません。

登山道は尾根に上がる手前あたりがややわかりにくいですが、尾根上に出てしまえば尾根をひたすら登るだけですから、トレースがなくても大丈夫だと思います。

雲居平は悪天候時はホワイトアウトしやすそうなので、注意が必要です。




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| 2012年1月 下蒜山 | 21:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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初雪山で一人ラッセル:下蒜山 その1

2012年1月28日 下蒜山(標高1100.3m) 日帰り山行



今シーズンは事前の準備だけはしっかりできていたのに、いざ雪が降り始めると体調不良で出かけられなくなり、せっかくの年末年始も、その後の連休もまるまる無駄にしてしまいました。その憂さ晴らしもかねて、悪天候と知りつつも28日に下蒜山に向かいました。


蒜山三座は、昨年1月と2月に中蒜山に登っただけで、上蒜山、下蒜山ともまだ登ったことはありません。その意味では上蒜山でもよかったのですが、天気がよくなかったので無理に標高の高い山にする必要もないし、湯原方面から行く場合は下蒜山のほうが手前にあるのでアクセスが楽ということで、下蒜山に登ることにしました。


駐車場
ところが、朝少しのんびりしすぎて家を出るのが遅くなり、登山口に着いたのは10時過ぎ。ほかの登山者は皆無です。天気予報は雪ですから、まあ当然です。


到着が遅れた上に、到着してから準備に手間取ってしまいました。前回、前々回と県南の雪のない低山に登ったため、いわゆる雪山装備で山に登るのは今年初ということもあって、どうもてきぱきと準備ができず、必要以上に時間がかかります。


ひとまず東屋へ
やっと準備ができて登山口に向かいます。


東屋
道路の脇には高さ1mほどの雪の壁があり、それを乗り越えて東屋に入り、スノーシューを装着します。トレースが残っていればクランポンでもよかったのですが、わずかにそれらしきものが見えるだけという状態だったので、迷わずスノーシューを選択しました。


準備もできてさあ行こうかと歩きだした瞬間、何かが足りないことに気がつきました。そう、ストックがないのです。車においてきてしまいました。このところストックを使わない山行が続いたので、うっかりその感覚のまま出てきてしまいました。こうして余計な時間をたっぷり使ってしまい、ようやく出発できたのは11時前になっていました。がっくし・・・


出発前に記念写真
まあ、どうせ今日は悪天候だし頂上は無理だろうと思っていたので、雲居平までいければいいやと思っていました。なので、出発前にのんきに記念写真もとって、また~りと出発です。


先行者なしの雪原
11:03 雪原にわずかに残るトレースの痕跡を追って、歩き出します。アラレがばらばらと降っているので、珍しくはじめからハードシェルジャケットを着ていきます。中はドライレイヤーとしてCW-Xの化繊メッシュTシャツにブレスサーモミドルウェイト長袖のみです。CW-XのTシャツはなんでもっているのかよくわからないのですが(タイツといっしょに貰ったのかも)、ポリエステル100%のメッシュ状の生地なので、もしかするとドライレイヤーとして使えるのではと、今回ブレスサーモの下に着てみました。


かすかなトレースの痕跡
幸い、トレースの痕跡は消えることなく林の中に続いていました。歩き出してすぐに指先が冷えてしびれてきました。気温が低いので、今回は中厚手のウール手袋にイスカのウェザーテックライトオーバーグローブを使っています。この組み合わせならこの程度の低山ならたいてい大丈夫だと思っていたのですが、体調にもよるのかもしれません。手をにぎにぎさせながら歩き続けます。


尾根に上る道
緩やかだった傾斜が、尾根を目指してやや急になってきました。


尾根上の道標
11:38 尾根上に出たところに道標がたっていました。埋もれていないところをみると、このあたりの積雪はまだそれほどでもないということなのでしょう。


急登の始まり
道標から先は尾根歩きになり、いきなりの急登が始まりました。体が温まるにつれて指先の冷たさもいつしかなくなっていました。


小休止地点で振り返る
12:03 急登が一息ついてやや傾斜が緩くなったところで、休憩することにしました。自分のトレースを眺めながら、足元を踏み固めてならし、バックパックを下ろして立ったままで行動食と水分補給です。結構な汗をかいてしまいましたが、この段階ではまだあっという間に冷えるということはありませんでした。標高がそれほどでもないし、林の中で風がなかったからでしょう。


再出発
とはいえ、長居は無用です。短時間で休憩を切り上げて、ふたたび消えかけたトレースを追います。


深くなる雪
急登と緩斜面を交互に繰り返して登ります。雪の深さは次第にひざ下ぐらいまで来るようになってきました。もしもつぼ足だった股下ぐらいまでもぐっていたかもしれません。


赤テープ
ときどき見つかる赤テープが緊張感を和らげてくれます。下蒜山は尾根に上がってしまえばずっと尾根歩きが続くので地図さえ持っていれば迷うことはまずないと思いますが、それでもトレースがあまり当てにならない状況では、赤テープが頼もしい道標になります。


三合目
12:35 三合目に着きました。道標が見えていたのですが、道標の写真を撮り忘れてしまいました。このあたりだけ妙にくっきりとトレース跡が残っていて写真にもくっきり写っています。左にあるトレースは、右のトレース跡に木の枝がかぶさっていたので、道標を回りこんで木の枝を避けた自分のトレースです。一度通り過ぎようとして、道標まで戻り、道標の上にカメラを置いてタイマー撮影をしようとして失敗した写真です。凍結していて滑るので撮影をやめて進みました。


雪深い急登
進むにつれて雪はどんどん深くなり、急傾斜のところでは歩きにくくなってきました。


五合目
13:25 やっと尾根が広くなり、木々の少ない雪原のような場所にでました。このあたりがたぶん五合目のはずです。14時までは行けるところまで行こうと思っていたのですが、おそらくもう一段上にあるだろう雲居平の道標まで行けばちょうど14時ぐらいになりそうです。


トレースの消えた雪原
このあたりになると、トレース跡は痕跡すらなくなりました。もはや何もない雪原をただ自分の思うように歩くだけです。


しかし、進むにつれて雪とガスが濃くなり、ときおりホワイトアウトに近い状態になります。


雲居平の手前で
遠くに見えている木が唯一コントラストがある物体で、それを見ながら進めばいいのですが、足元の雪面はまったくコントラストがないので、雪面までの距離感がつかめなくなってきました。そうなると平衡感覚が少しおかしくなってきて、軽いめまいのような感覚が出始めました。まだ年末のめまいが完治していないからなのか、それともこれがホワイトアウトというものなのでしょうか。サングラスをかけてみてもあまり状況はかわりません。逆にレンズが曇って視界が悪くなるばかり。風も出てきました。汗がじんわりと体から熱を奪っていくのを感じます。足を踏み出すたびにふわふわとしたおかしな感覚にまとわりつかれ、体から力が抜けていくようでもありました。そういえば、まだお昼を食べていませんでした。


つづく。





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| 2012年1月 下蒜山 | 23:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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