ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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謁見! 南アルプスの女王様: 仙丈ヶ岳その4

2013年12月31日~2014年1月3日 長野県伊那市 仙丈ヶ岳(3,033m) 単独テント泊



2014年1月2日午前11時40分。小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳への稜線に足を踏み出しました。初めての道は無雪期でも多少はどきどきしますが、標高が高い上に積雪期で強風も吹いているとあって、気持ち的にはかなり緊張していました。


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しばらくはほぼ平坦な稜線を進みますが、あいかわらずガスがすっきりと晴れてくれなくて、ときおりホワイトアウトに近いぐらい視界が悪くなることがあり、そのたびに緊張してしまいます。天気図から想像するかぎり今日は天候悪化の可能性は限りなく低いとわかっていても、気象予報士でもない自分の判断が絶対的に信じられるというわけではないので、やはり目の前の状況によって気持ちは揺らぎます。


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やがて、平坦な稜線の突端まで来ました。ここからいったん鞍部に下り、目の前に見えるピークに登り返します。当初、このピークが仙丈ヶ岳本峰かと思っていたのですが、地図と照らし合わせればどうやらこれは違うようです。鞍部から登り返した後、ぐるっと右へ回るようにしていった先に目指す3033mのピークがあるのです。ガスが切れ、視界がパーッと開けた瞬間、目の前のピークの向こうに仙丈ケ岳の一部が見えました。南アルプスの女王様は、簡単にその姿を見せてくれません。謁見を許されるには、まだ目の前のピークを越えるという試練をクリアしなければなりません。


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鞍部へ降りるルートは、岩の露出したやや急傾斜の尾根になっていました。クランポンの爪を引掛けて転倒しないように慎重に下ります。そして、約100mの標高差の登り返しに向かいます。この登り返しの斜面は、風下にあたるらしく風が弱くて助かりました。ここを登りきってピークの西側を回りこんだところで、ようやく南アルプスの女王様の姿を見ることができました。しかし、すぐにガスの中に姿を隠してしまいました。


そして、ピークへつながる最後の尾根を登ります。ピーク直前のこの尾根は、最初はふかふかの雪が積もったリッジが30mほどあり、そのあと岩の露出した小ピークを越えるようになっており、ここが最後の難関といってもいいでしょう。とりたてて危険というほどのものではありませんが、両側の切れ落ちた尾根なので、万一滑ったり転んだりすると滑落する可能性は高くなります。


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ふかふかの雪が積もったリッジを渡り、岩が露出した小ピークを越えると、目の前に仙丈ヶ岳が姿を現しました。さあ、あとはあの頂へ向かうだけです。


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そして、最後の斜面を登ります。


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12:53 厳冬期3000m峰の初登頂です。小仙丈ヶ岳から1時間程度とみていましたが、想定よりも少し時間がかかりました。


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ひとまず記念撮影。山頂はそれほど風は強くありませんでした。


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振り返ると、最後の小ピークを越えてくる登山者がいました。



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歩いてきた稜線がガスの中から姿を現しました。


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北側のカールの底には仙丈小屋が見えました。あの小屋の3階は避難小屋として開放されているはずです。可能であれば仙丈小屋を利用して、仙丈ケ岳から朝焼けの北岳と富士山の姿を撮影したいものです。来年はそれに挑戦してみるというのもいいかもしれません。しかし、写真を拡大してみても、小屋の周囲にトレースは見当たりません。ここを冬期に利用する人はいないのかもしれません。カールの底に降りていくとなると雪崩のリスクもありますから、途中の稜線でテント泊したほうがまだ安全ということでしょうか。


13:00 さあ、長居は禁物です。何が起こるかわからない厳冬期の3000mで、のんびりしているわけにはいきません。とにかく、ホワイトアウトしても問題ない6合目より下へ一刻も早く降りることにします。


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山頂手前のふかふか雪のリッジで、少しの間ホワイトアウトしそうになりヒヤリとしましたが、無事視界が回復し下山を急ぎます。


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途中で見つけた足跡です。降雪後に人が歩いたことで圧雪されて硬くなった足跡だけを残して、柔らかい新雪が風で削られた結果、足跡だけが盛り上がった状態で残ったものなのでしょう。雪山独特の不思議な造形です。


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13:39 小仙丈ヶ岳まで戻ってきました。甲斐駒はガスで隠れてみることができませんでした。今日は甲斐駒に登る予定でしたが、仙丈ヶ岳にして正解だったのかもしれません。


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14:08 大滝の頭が見えました。ここまでくればもう安心です。暴風雪になってももう大丈夫です。


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14:22 暑くなってきたので四合目で休憩がてらハードシェルとフリースを脱ぎました。


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14:46 二合目を通過します。


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15:04 登山口まで降りてきました。登頂に5時間近くかかったルートを、わずか2時間で降りてきました。雪山は本当に登りに時間がかかります。


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テントに戻ってみると、入口の通路が雪に閉ざされ、テントの周囲にシュカブラができていました。テント場にもけっこうな風雪があったようです。


今日で3泊目になるので、長衛小屋に3泊目の申込に行ったのですが、つい誘惑に負けて素泊まりで申込をしてしまいました。仙丈ケ岳登頂で消耗していたのと、今晩は晴れるはずなので放射冷却でぐっと冷え込むことを考えると、暖かい布団でゆっくり眠りたいという欲望に勝てませんでした。まあ、ブログねたにもなるしいいかなと。素泊まり5000円なら高くもないし。それにしても、テント場はそこそこにぎわっているのに、この時点で宿泊者は僕だけでした。その後もうひとり増えましたが、結局ふたりだけでした。正月2日の夜だというのにこんなに空いているなんて予想外でした。そういえば、31日に申込をしたときも、素泊まり空きありますという表示が出ていましたから、この小屋はけっこう穴場なのかもしれません。食事がないというのも理由のひとつなのでしょう。



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2014年1月3日午前8時30分。すっきりと晴れ渡った空を見て、今日は甲斐駒に登ってもよかったかなあと若干後悔したりもしましたが、昨日の疲れも残っていますし、左膝に少し違和感も出ていたので無理は禁物です。快晴の下、長衛小屋をあとにしました。


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北沢峠に設置されていた温度計は-8度をさしていました。ショルダーベルトにつけていた腕時計の温度計は-4度。いつもおおむね4度ぐらいの違いがあるようです。腕につけていなくても体の近くにあると、やはり温度は高めに出てくるようです。そういえば、仙丈ヶ岳の稜線で-8度だったので、実際には-12度ぐらいあったとすると、天気予報どおりだったようです。

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13:50 長い長い河原歩きを経て、ようやく駐車場にたどり着きました。スカルパ モンブランGTXは、靴底が硬いわりに長い河原歩きでも足が痛くなることも無く、始めから終わりまですこぶる快適でした。


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駐車場からすぐの急坂道は雪も解けていて、何の問題も無く上ることができました。日差しの暖かさといい、まるで春のような陽気でした。

おわり。


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戸台ーテント場jpg

テント場ー仙丈ヶ岳jpg
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| 2014年1月 仙丈ヶ岳 | 19:18 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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謁見! 南アルプスの女王様: 仙丈ヶ岳その3

2013年12月31日~2014年1月3日 長野県伊那市 仙丈ヶ岳(3,033m) 単独テント泊



2014年1月2日午前3時。寝袋から這い出して外を見ると、やっぱり雪が降っています。前線は通過しているはずなのになぜ? まだ低気圧の影響が強いということなのか、それとも前線の通過が遅れて天候の回復も遅れているのか。どちらにしても、これでは日の出や朝焼けは期待できません。なので、明るくなってから出発することにして、もう少し惰眠をむさぼります。


6時前に起きて食事をとり準備をしていると、少し外が明るくなってきたようです。雪もだいぶん小降りになってきた感じがします。テントの外に出てみると、わずかに青空も見え隠れしていました。ようやく天候が回復し始めたようです。これなら、お昼ごろには青空が出るに違いない。そう確信して出発することにしました。


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8:00 出発時間としてはちょっと遅いのですが、今日はピークハントが主目的の山行にするつもりなので、スケジュール的になんとかなるでしょう。昨年、途中撮影などしながら小仙丈ヶ岳まで4時間半ほどかかっています。撮影なしならもっと早いはずです。


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登山口には新雪が積もっていて、トレースはややあやふやな感じになっていました。今日はこのコースを登った人がいないようです。昨晩だけで10cmぐらいの積雪はあったようなので、ラッセルにならなければいいけれどと少し心配しつつ足を踏み入れました。


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幸い、トレースはしっかりしており、ラッセルが必要になるような場所もありません。気温が-5度程度と、それほど低くなかったので、少し登り始めるとすぐに体が温まり、汗をかき始めました。このまま行くと大汗をかいてまずいので、立ち止まってソフトシェルの下に着ていたフリースを脱ぎました。


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8:51 二合目で北沢峠からの登山道に合流しました。尾根に出たところですぐに後から3人のパーティーが登ってきました。男性1、女性2のパーティーですが、彼らもここで休憩に入ったので、簡単にドリンク休憩をとって彼らよりも先に出発しました。


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9:35 四合目です。昨年はここまでずいぶん時間がかかったように感じましたが、今年はなんだかあっという間です。昨年はここでも休憩をとりましたが、今年はそのまま通過します。


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10:02 大滝の頭に着きました。ここは休憩にいい場所ですが、昨年同様風が強く立ち止まるにはつらい状況だったので、そのまま通過することにしました。大滝の頭の少し手前、登山道の傾斜がなくなってフラットになった直後の場所のほうが風が無くて休憩に適していました。昨年の記憶では、大滝の頭からもう少し登ったところのほうが風が当たらないので、手前の場所を通り過ぎてしまった場合は、大滝の頭よりももう少し上で休憩したほうがいいはずです。


大滝の頭からひと登りして、尾根がフラットに広くなっているところで少し風が弱くなっていたので、とりあえず防寒対策だけしておくことにしました。休憩しようと思っていた場所は、ここよりももう少し登って傾斜が急になり始めたあたりですが、そこが必ず風が当たらないという保証はないので、防寒対策はできるときにしておいたほうがいいという判断です。一度脱いだフリースを着て、さらにハードシェルも着用しました。ここから上、5合目あたりで森林限界を超えると、そこからは吹きさらしの稜線です。ここでハードシェルを着用しておかないと、強風で一気に体温を奪われる可能性があります。強風の中で凍えながらあわててハードシェルを着ようとして、風に飛ばされでもしたら万事休すです。


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防寒対策ができたところで、再び登ります。登山道の傾斜が増し、新雪でふかふかになった場所が出てきたので、少しラッセルも強いられました。しかし、雪が吹きだまるということは、風が弱いという証拠。思っていたとおり、このあたりは風が当たらず休憩するには最適です。登山道脇の木の下の雪を少し掘り下げるようにして休憩スペースを作り、腰を下ろして行動食をとりました。この先、もしも天気予報どおり風速が20m毎秒を越えるような状況だったら、行動食なんかのんびり食べることはできそうに無いので、ここでしっかりととっておくことにしました。出発前、ショルダーベルトにつけている350mlのポットが空になったので山専ボトルからお湯を補充し、シャリバテ対策として行動中でも簡単に食べられるコンデンスミルクのチューブをシェルのポケットに入れておきました。


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10:55 六合目に着きました。このあたりはすでに森林限界を超えています。風もかなり強くなってきました。天候はまだ回復の兆しを見せず、稜線の先はあいかわらずガスの中です。


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六合目から少し登ったあたりでガスが突然切れ、青空が出現すると同時に、白い稜線もはっきりとその姿を現しました。しかし、このあたりから風との戦いが始まります。吹き付ける風が次第に強さを増し、登るほどに歩くのが困難になってきます。風に混じって飛んでくる凍った雪粒がばちばちとシェルをたたく音がうるさいほどです。


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小仙丈ヶ岳直下の斜面はガチガチに凍りついていて、一面風に削られた風紋が広がっていました。そして、このあたりでもっとも風が強くなりました。ときおり襲ってくる台風のような風に立っていることも困難で、たまらず耐風姿勢で耐えるしかありません。


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写真では風の強さがわからないので、動画を撮影してみましたが、右手で持っていたため、下ばかり写ってしまい失敗でした。まあ、風の音だけでもその強烈さはわかると思います。


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11:37 小仙丈ヶ岳に立つことができました。昨年より1時間遅く出発したのに、昨年とほぼ同じ時刻に着きました。昨年はこの時点で手足の指がキンキンに冷えて冷たさよりも痛さを感じていましたが、今年はまったく寒さを感じません。手袋はブラックダイヤモンドのソロイスト、靴はスカルパのモンブランGTXとグレードアップしたのが功を奏したようです。体のほうも、ゴアテックスのハードシェルが風から体温を奪い取られないようにしっかりと守ってくれています。これならまだ先を目指すことができるはずです。


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しかし、ここから先は未知の世界です。さらに高度が上がるわけですから、風がますます強くなるということも十分考えられます。狭い稜線の道、凍結した場所もあれば、岩場もあるでしょうし、ふかふかの雪がたまっているところもあるかもしれません。足を滑らせれば転倒ではなく、滑落に直結する危険性も高くなります。けれども、寒さの心配も無く、天候も回復してきているとなれば、仙丈ヶ岳を目指さない理由はありません。石橋をたたいて渡る慎重さは必要ですが、たたいてばかりいては渡ることはできません。リスクをとらなければ、望む結果は得られないのです。覚悟を決めて、僕は仙丈ヶ岳に向けて歩き始めました。


つづく。


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| 2014年1月 仙丈ヶ岳 | 19:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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謁見! 南アルプスの女王様: 仙丈ヶ岳その2

2013年12月31日~2014年1月3日 長野県伊那市 仙丈ヶ岳(3,033m) 単独テント泊 



2014年1月1日午前2時40分。腕時計のアラームが鳴り、真っ暗なテントの中で上半身を起こしました。あちこち筋肉痛があり、疲れも残っているようで体がだるく感じます。まあ、いつものことですから、朝食を食べお茶を飲んだりしているうちに、徐々に体も目覚めて回復してくることでしょう。


そんなことよりも天気です。昨日の夕刻から降り始めた雪は、はたして止んでいるのでしょうか。テントの入口を少し開いてヘッドライトで外を照らしてみると、白いものがたくさん目の前を通り過ぎていくのが見えました。止むどころか、少し勢いが強くなっているように感じます。


「う~ん」 どうしたものかと考えてみましたが、簡単に結論は出ません。基本的に写真目的の登山ですから、雪が降っていれば朝焼けなどの風景は見ることができないし、山そのものも見えないのは明白で、そうであればあえて登る理由はありません。しかし、わざわざ南アルプスまで来てキャンプして帰るというのではあまりにも馬鹿馬鹿しい。とはいえ、天気予報の風速予報では、今日から稜線の高さでは台風並みの強風が吹き荒れるらしいので、そんな暴風雪の中登頂していったいどうするのかとも思います。いや、登頂できればまだしも、遭難でもしたら一大事です。


ひとまず、明け方には雪が止む可能性もあるので、食事をとり出発できる状態にはしておくことにしました。ぬるくなったポットのお湯を沸かしなおして、朝食には毎度のラーメンです。今回は棒ラーメンではなく、カップヌードルリフィルを持ってきました。お正月ということで、スライス餅のパックもあります。通常のパック餅と違って、厚さ3mmぐらいにスライスされているので、お湯に入れて1分ほどで柔らかくなり、とっても便利でした。餅ラーメンにすることでカロリーも高くなるし、あまり腹もちのよくないラーメンの弱点を補うこともできるので、これはいい選択でした。


食後のお茶を飲み始める頃には、外がうっすらと明るくなってきました。しかし、雪の勢いは弱まる気配はありません。ひとまず、早朝出発というのはキャンセルにして、7時過ぎまで様子を見ることにしました。朝日が昇ればガスが切れて天候が変わるというのもよくあることです。じっと座っていても寒いので、寝袋にもぐりこんでうつらうつらとしているうちに、いつの間にか7時30分になっていました。テントにぱらぱらと何かがあたる音が聞こえます。そとを覗いてみると、やっぱり雪は降り続いていました。


今日はだめだ。ここでやっと気持ちが決まりました。停滞決定です。1月1日と2日の2日間を行動予定日として組んでいますから、1日停滞してもまだあと1日チャンスはあります。最悪、予備日を1日とっているので、4日に下山すればさらに1日チャンスは増えるわけで、暴風雪が予想される仙丈ヶ岳に無理して登ることはありません。そういうわけで、僕は再び眠りに落ちました。


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気がつくと午前11時を回っていました。外を覗いてみると、やっぱり雪は降り続いています。停滞して正解だったな。


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そう思いながら外に出てみると、テントの周囲にはさらさらの新雪が10cmほど降り積もっていました。ほおっておくと入り口が埋もれてしまうので、トイレから帰ってきてから雪かきをしました。


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テント場は、お昼前だというのに意外ににぎやかで、晴れていれば誰もいない静かな状態のはずですが、やはりこの天候では停滞を決めた人が多かったようです。ところどころで撤収しているテントもあり、登頂をあきらめて早めに下山することにした人もいるようです。


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ところで、今回もってきて便利だったのが、100円ショップで買ったブラシとチリトリのセット。手のひらに納まるぐらいの大きさなので邪魔にならないし、平べったいので収納もしやすく持って来るのに不都合はありませんでした。テント内に入り込んだ雪や落ちてきた結露を掃き集めてテント外に捨てるのに非常に役に立ちました。この写真に写っている白いのはテント内壁から落ちてきた結露の結晶です。冬山ではテント内で雪が降りますから、こういう掃除道具が必要になります。停滞しているとすることが無いので、つい掃除なんかしてしまうのですが、普段の生活でもこうであればいいのにと我ながら思います。今回は本は持ってこなかったので、寝るか食べるか掃除をするかの三択しかありませんでした。


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掃除の後は昼食ですが、動いていないのであまり腹は減っていません。なので、コーヒーと行動食で簡単に済ませました。僕はもっぱら紅茶派ですが、たまにコーヒーも飲みます。なぜ紅茶派かというと、使った後のティーバッグがクッカーの掃除に役立つからです。紅茶はウーロン茶の親戚みたいなものですから、油汚れの除去能力はなかなか優れていて、ラーメンなどの油がついたクッカーもティーバッグでぐるりと拭いてやるだけで見事に脂分が落ちるのです。掃除の終わったティーバッグは、食べ終わったアルファ米のパックに入れてジッパーを閉じておけばしずくがこぼれることもないし安心です。なので、食事のあとは紅茶を飲みますが、今回はクッカーを使わない昼食なので、コーヒーでいいかというわけです。

昼食後、することが無いので昼寝です。正月から食っちゃ寝の生活ですが、場所が場所だけにあまりだらけた生活をしているという気持ちにはならないのがいいところ。むしろ、じっと苦難に耐えている的な心情です。実際、結露したマットの上に座ってしまって、ダウンパンツのお尻の部分が濡れてしまったらしくて、寝袋の中で寝ていてもお尻だけが妙に冷たいという感触があり、快適に眠ることができませんでした。幸い、ハクキンカイロを2個持ってきていたので、お尻の冷たいところにあてがってやればとりあえず冷たさを緩和できたので、眠れないということはありませんでした。しかし、今後はこのマットの結露対策を考える必要があります。ゴアテックスのハードシェルパンツをはいていればいいのでしょうが、ダウンパンツの上にハードシェルパンツをはいて寝袋に入るのはごわつきそうだし、ダウンパンツを脱いで外に出ると寒さが余計に厳しく感じそうなので、テント内で厚着をするのはできれば避けたいところです。今後の検討課題ができてしまいました。


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夕方、長衛小屋の天気予報を見に行くと、1日の午前3時に日本海上に寒冷前線があり、午後9時には太平洋上へ抜けるという予報になっていました。雪が降り止まないのは当然です。しかし、今晩中に抜けてくれるのであれば、明日は高気圧が接近してくるわけですから、当然天候は回復に向かうはずです。


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2日の天気図では西から高気圧がやってきています。午前9時の段階では信州上空はまだ低気圧の影響が残り、等圧線が混んでいるので朝から快晴というわけにはいかないでしょうし風も強そうですが、時間と共に回復していくと考えられます。であれば、やはり明日がアタックチャンスというわけです。西から来る高気圧の後ろには低気圧がいないので、3日のほうが天気がよさそうですが、先のことはどうなるかわかりませんから、行ける時に行っておくべきです。というわけで、明日は決行決定です。


しかし、その夜はあいかわらず雪が降り続き、風も強まってきました。ずっと吹き荒れるというわけではありませんが、ときおりテントを大きく揺らすような風がテント場を吹き抜けていきます。寒冷前線の通過が遅れているのだろうかと心配しながら眠りについたのでした。

つづく。


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| 2014年1月 仙丈ヶ岳 | 19:15 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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謁見! 南アルプスの女王様: 仙丈ヶ岳その1

2013年12月31日~2014年1月3日 長野県伊那市 仙丈ヶ岳(3,033m) 単独テント泊 


1年前、行動食をテントに置き忘れるという大失態で登頂を断念せざるを得なかった仙丈ヶ岳に、今年再び挑戦することにしました。登山天気予報では、正月はどうやら悪くない天気のようです。気温は2,900mで-12度と、まあそんなところかなという感じですが、気になったのは風速。12月31日はまだ15m毎秒ぐらいの予報なのに、1月1日からはいきなり22m毎秒を越える数字があがっています。風速20mを越えると普通に立って歩けない状態ですから、3,000mの稜線でそんな風を受けて大丈夫なのだろうかと、想像するだけで気持ちが萎えます。まあ、天気予報は外れることも多いので、良いほうに外れることを願いつつ、12月30日のお昼過ぎに岡山を出発しました。


昨年同様、伊那市内にある菊の湯という銭湯でひと風呂浴びるつもりが、なんと休業! 昨年は大晦日でも営業していたのに残念。それではと、高遠にあるさくらの湯へと向かうも、こちらは営業時間内に間に合わず。結局、入山前に体を清めることはできませんでした。そのまま、戸台への途中にある道の駅で車中泊し、翌朝4時30分に戸台へと向かいました。


道の駅から戸台までは1時間近く要したように思っていたのですが、わずか30分で着いてしまいました。昨年は道が一部通行止めになっていて、河原を迂回して戸台大橋の下からもとの道へ戻るというルートだったし、雪もあったのでかなりゆっくりと走ったために時間がかかったように感じていたのかもしれません。今年は戸台までの林道に雪はなく、心配していた戸台の駐車場へ下りる急坂も土が出ている状態でした。予想外に早く着いてしまったので、車の中でのんびりと準備をしたのですが、それでも5時30分には準備が整ってしまいました。


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6:00 予定を30分早めて出発です。まだ真っ暗な河原を、トレースをたどって歩きます。

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6:49 前方の空が赤く焼け始めました。もっと空いっぱいに広がってくれればいいのにと思いながら歩いていましたが、残念ながらこれ以上朝焼けが広がることはありませんでした。ところで、今年は空家の前からトレースが左岸のほうに向かっていました。昨年は右岸についていましたし、地図に載っているルートもこのあたりは右岸を通っています。左岸に渡るのは白岩堤防を過ぎてからですが、今年はなぜこんなところから左岸に渡っているのでしょうか。ちなみに、下山時に本来の右岸ルートをたどったのですが、空家の少し上流のあたりで渡渉箇所が2箇所あり、そのどちらもわりと渡りにくい状況だったので、渡渉箇所を避けるという意味ではここから左岸に渡ったのは正解でした。


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7:00 白岩堤防が見えてきました。白岩堤防は右岸のほうを越えていくのですが、トレースはずっと左岸をたどっています。左側のがけ下に雪が積もっている土手のような場所がありますが、本来のルートはあの土手の上を緩やかに登っていきます。なので、このあたりで右岸に渡らないとあとあと面倒なことになりそうです。とはいえ、とりあえずトレースを信じて左岸を進むことにしました。


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結局、堤防直下のところまでトレースは続いていて、ここでようやく右岸へと渡渉していました。


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で、心配したとおり遥か頭上の土手の上にある本来の登山道まで、雪の積もった急斜面を無理やり登るという結果になりました。やっぱり、もっと手前で渡渉しておくべきでした。と、愚痴ってみても仕方ありません。えっちらおっちら急斜面を登って、正しいルートに合流です。


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7:20 白岩第二堤防上で休憩をとりました。ここから谷の正面奥に見える頂は、右端の双耳峰のようなのがおそらく双児山でしょう、そして、中央が駒津峰で左端に甲斐駒が見えているはずですが、残念ながら雲の中です。


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15分の休憩の後、再び雪の積もった河原歩きです。ここから先はただひたすら河原を進むだけです。


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9:30 だいぶん谷が狭まってきた頃、丸太橋に着きました。これを渡ると丹渓山荘まではすぐです。


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9:40 丹渓山荘下に到着です。退屈な河原歩きはここでおしまい。ここから先はいよいよ八丁坂の長い登りが始まります。


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休憩に入ったところで尿意を催してしまったので、丹渓山荘下にあるトイレと思しき小屋に行ってみたところ、やはりトイレでした。いや、「だった」と言うほうが正しいのでしょう。


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一応、個室と男性小便用とに別れているようですが、床板ははがれ、便器はなく、ほとんど廃屋でした。それでも、そこいらで野良犬のように立小便をするのははばかられるので、床を踏み抜かないように気をつけながら用をたしました。女性の場合、緊急避難用に利用することはあっても、ここをあてにするのはやめたほうがよさそうです。


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10:20 行動食をたべたり、クランポンをつけたりして思ったよりも時間を使ってしまいましたが、丹渓山荘脇から八丁坂に取り付きました。ここの取り付きとルート設定はもう少しなんとかならなかったのかと思います。たいした高度差はありませんが、傾斜のきつさと歩きにくさは長い八丁坂の中でも一番の難所です。実際、ここ以外に緊張するような場所はありません。


歩き始めてすぐに足の違和感を感じました。足自体の違和感ではなく、靴が緩いのです。休憩時に靴は脱いでいませんから、突然緩くなるなんてことはないはずです。しかし、実際のところ靴の中で足が動いてしまう状況になっています。原因をいろいろと考えてみたところ、クランポンを装着して靴の重さが増したから、いままであまり感じなかった緩さを感じるようになったというのがひとつ。次に、ソックスがへたってしまい、靴との間に隙間ができたというのがもうひとつの原因。おそらくその両方なのでしょうが、主因は後者にありそうです。ソックスは、今回新しく購入したスマートウールのマウンテニアリング用厚手ソックスで、おろしたてです。内側がパイル地になっていて、厚手ながらソフトでフィット感も良かったのですが、どうやらそれが裏目に出て、履き始めてわずか数時間でへたりが出てロフトが減少したようです。実際、テント場で靴を抜いだところ、履くときには足を包み込むようにフィットしていたはずのソックスが、ワンサイズ大きくなったようにぶかぶかでした。触った感触も少し薄く感じます。登山用のソックスは、パイル地のものよりも太目の糸で編み上げたようなタイプのほうがいいのかもしれません。


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丹渓山荘上の急斜面をクリアし、沢沿いの道を登っていくと、登山道が沢を横切る場所がありますが、ここから八丁坂の本番が始まります。ジグザグと長いトラバースの組み合わさったルートを、重い荷物を担いで黙々と登ります。


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11:16 ようやく急坂を登りきりました。昨年は丹渓山荘からここまで1時間10分ぐらいかかりました。途中2度ほど休憩をとっていますが、今回は休憩なしで1時間をきりました。荷物の重さはほぼ昨年と同じですから、今年は調子がいいようです。やはり、12月に入ってから3度雪山に行ったことが効いているようです。


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12:06 途中林道との合流地点が日当たりが良かったので、ここでお昼休憩をとることにしました。森の中など日陰だと上にジャケットなどを着ないと寒い状況でしたが、さすがに日が当たるとそのままで問題ありません。このときの気温は-3度。上はTNFパラマウントタンク+モンベルスーパーメリノウールEXP+ソフトシェルジャケット、下はモンベルジオラインEXP+ハードシェルパンツというウェアリングでしたが、風が無かったこともあって行動中は少し汗ばむ感じがありました。


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休憩場所の正面には、たぶん鋸岳だろうと思われるピークが青空に聳え立っていました。


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13:08 南アルプス林道沿いにある大平山荘に着きました。戸台からここまでの所要時間は、昨年と同じ7時間です。昨年はここまで来るのに相当しんどい思いをしましたが、今年はルートを覚えていることもあり、荷物が重いことは同じでも、精神的にかなり楽でした。


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13:25 大平山荘からひと登りで北沢峠に出ました。正式にはこもれび山荘(旧長衛荘)前が北沢峠で、登山道が林道と合流する場所が北沢峠ではないようですが、事実上の北沢峠といってもいいでしょう。


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13:40 長いアプローチがようやく終わり、長衛小屋(旧北沢駒仙小屋)テント場に着きました。幕営場所は、先人が残してくれた場所をそのまま利用させてもらうことにしました。3泊の予定ですが、天候によってどうなるかわからないので、とりあえず2泊で申し込みました。雪がさらさらで整地やペグダウンに苦労しましたが、水をまいて雪を固めてなんとかテントを張り終えました。やはり水場があるとなにかと助かります。


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テントを張り終えると、ひとまずティータイムです。重いものは早く処理するということで、デザート用に持ってきたソフトイチジクを試してみました。味はそれなりでまずくはないし食物繊維と栄養補給にはよさそうですが、定番化させるかというと微妙なところ。


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夕方になると日が翳って冷え込んできました。シングルウォールテントは、やはりダブルウォールに比べて冷えます。食事を終えたらさっさと寝袋にもぐりこみました。明日の天気はどうなるやら。3時に起きて、星が見えているようなら4時には出発。曇っていてもひとまずGO。雪の場合は、明るくなるまで様子見と決めて、眠りにつきました。

つづく。


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| 2014年1月 仙丈ヶ岳 | 15:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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