ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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ユートピアのお花畑を求めて: 伯耆大山その2

2013年8月3日 鳥取県大山町 伯耆大山 単独日帰り山行 


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7:50 休憩を終えて槍尾根を進みます。初めてここを歩いたときのように、尾根は濃いガスにかすんでいます。今回も念のためにヘルメットを持ってきたので、さきほどの休憩のときにヘルメットをかぶりました。


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この瓦礫だらけで急傾斜の尾根にも、高山植物がそこかしこで花を咲かせています。ほんとに植物ってけなげだけれど力強いなあと感心します。


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少し進むと、目を疑いたくなるほど狭くもろそうな尾根がありました。片足を置くのがやっとしかないような幅まで切り崩された尾根は、しかも砂利が浮いて滑りやすそうです。幸い長さは1m程度だったので、片足を置いて足場を確認してから、向こう側へ飛び移るようにして渡ることができましたが、昨年まではこれほど厳しい条件のところは記憶にありません。たびたび発生した豪雨で崩落してしまったのでしょう。


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その先にも、かなり削られて細くなった場所があり、槍尾根もやがて人が歩けないほどになってしまうのではないかと心配になるほどでした。


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8:03 天狗ヶ峰に到着です。このとき、いつの間にかガスが切れて、展望が開けました。


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天狗尾根とその先のユートピア、三鈷峰がよく見えています。


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元谷からはガスが湧き上がっていました。


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このまま剣ヶ峰に行ってみたい誘惑に駆られつつ、今日の目的はユートピアのお花畑ということを思い出して、寄り道しないで天狗尾根を下り始めました。


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すぐに天狗下の難所に差し掛かりました。ここも以前よりは少し削られたみたいで、やせ細っているように見えますが、そうはいってもまだ両足をそろえて余裕で立てるぐらいの幅があるので、あまり恐怖感は感じません。普通に歩いて下ることができましたが、一箇所だけ足をのせたら崩れそうになったところがあったので、油断は禁物です。


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天狗下の難所を渡った直後、登山道でクワガタを発見。ノコギリクワガタってやつでしょうか。立ち木も無いような場所で、一体何をしているのでしょうか。小さいくせにこちらを威嚇しようと頭を持ち上げている姿がいじらしい。そういえば、前回も天狗ヶ峰でメスのクワガタを見かけましたが、天狗ヶ峰にはクワガタを引き寄せる何かがあるのでしょうか。


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さらに下っていくと、南側(振り子沢源頭部)にえらく荒れ果てた急傾斜の裸地が広がっていました。これもあまり記憶にない風景です。豪雨で表土が流されてしまったのかもしれません。そういえば、元谷の砂すべりもかなりえぐられているらしいので、大山はどんどんやせ細っていくばかりです。その傷跡のような砂すべりを、登山者がさらに踏み崩していくわけです。考えてみれば、登山者ってのは大山の傷跡に塩をすりこむようなえげつない行為をしているわけで、山にとっては忌むべき存在なんでしょう。


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1636ピークを回り込むと、目の前にクガイソウの爽やかな青紫の色が広がっていました。このあたりは今がピークのようです。とすると、標高の低いユートピアあたりでは、すでに終わりなのかもしれません。


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天気が良くないので派手さはありませんが、その分しっとりとした涼しげな色のクガイソウの群落が風にそよぐ姿は、涼感をさそう気持ちよさがあります。


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もう少し下ると、傾斜が幾分なだらかになった斜面に、シモツケソウやギボウシも混ざったお花畑が広がっていました。この時期の大山に来るのは初めてですが、人気があるのもわかります。


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ひときわ目立つオレンジ色のコオニユリも、あちらこちらで見かけました。


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象ヶ鼻を越えて、登山道の分岐まで来ました。ユートピア小屋まではほんのひと下りです。



ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。




9:00 ユートピア避難小屋に着きました。朝早いためか、天気が良くないためか、はたまた花のピークが過ぎてしまっているためか、カメラを抱えた単独の男性が一人いるだけでした。小屋にいってみるとカップルがちょうど出かけようとしているところでしたが、それ以外に人はいませんでした。僕も荷物を小屋において、カメラだけ持ってお花畑を見に行きましたが、やはりクガイソウはほぼ終わりかけの状態で、猫じゃらしのような状態のものがまばらにあるだけでした。


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しかし、シモツケソウはいがいとしっかり花をつけていて、ピンクの花が一面咲いていました。こちらはEOS6D+EF24-105で撮影したもの。


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こちらは、EOS40D+タムロン90mmマクロで撮影したもの。やはりボケの美しさではマクロのほうがいいです。


15分ほどうろうろと撮影していましたが、なにしろシモツケソウぐらいしかない終わりかけのお花畑なので、いろんな写真が撮れるわけもなく、お腹がすいたので小屋で朝食を食べることにしました。コンビニおにぎりと水だけの簡単な食事を終えて、これ以上いてもすることが無いので、さっさと撤収することにしました。


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9:37 小屋をでました。入り口にかかっていた温度計は17度をさしています。寒くもなく暑くもなくいい具合の気温です。


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象ヶ鼻の下にちょっとしたお花畑があったので、イヨフウロなど撮影して道草を食いながら、天狗尾根を登り返します。


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来るときに見かけた1936ピーク下のクガイソウの群落のところで、荷物を下ろしてもう一度撮影に時間をとりましたが、次第にガスが立ち込めてきたので撮影を切り上げて出発します。


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ガスで視界が悪い中、天狗の難所を登ります。


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下りよりもぜんぜん楽チンです。


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11:51 天狗ヶ峰です。天気がよければ剣ヶ峰も考えていましたが、完全にガスに巻かれたので、まっすぐ帰ることにしました。


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途中見かけた、貴婦人のような立ち姿の花ですが、何の花でしょうか。シモツケかな?


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槍ヶ峰も素通りします。


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広河原まで下りてくると、下からガスが上ってきて、ますます視界が悪くなってきましたが、短時間で晴れてくれたので助かりました。


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大堰堤から三ノ沢を見下ろすと、すっかり土砂に埋め尽くされたように見えます。


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登りの時、右岸から左岸へ渡る堰堤のところです。堰堤下の細い場所を伝って反対側へ渡ります。


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さらに下って行くと、工事が進んだせいか通行できない状態になっていて、一瞬どうしたものかと迷いましたが、よくみると右岸側の森の中にロープで仕切られた臨時登山道ができていました。もしかしたら、朝ここを通ったときもすでにあったのかもしれませんが、暗くて全然気づきませんでした。この写真は、下側の入口です。明るければ看板が出ているのでわかると思います。


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14:09 文殊堂に戻ってきました。土曜日だというのに、帰りは天狗尾根の途中で4人の登山者にあっただけでした。なぜか混雑していない週末の大山で、それなりにお花畑を楽しめたので、いい山行になりました。また、10時間も行動してけっこう疲れましたが、北アルプスのいい前哨戦になったと思います。


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ところで、出発前にふと車のフロントのバンパーの開口部、つまりラジエターの空気取り入れ口のところに茶色い塊があるのに気がつきました。大きな蛾がはさまってるのかと思ってよくみると、なんと蝙蝠です。夏の夜に走っていると、いろいろな虫がラジエター部分に張り付くことはままありますが、蝙蝠というのは初めてです。それにしてもなんでこんなことに・・・ 来るときは時速60kmぐらいで比較的のんびりと走っていたのに、逃げ出せなかったのでしょうか。熱いラジエターに押し付けられて、苦しみながら息絶えたのかと思うと、申し訳ない気持ちで切なくなりました。


終わり。



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| 2013年8月 大山ユートピア | 14:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ユートピアのお花畑を求めて: 伯耆大山その1

2013年8月3日 鳥取県大山町 伯耆大山 単独日帰り山行 


この時期に伯耆大山に登るのは、考えてみると初めてのことです。地元の低山に登山するようになっても、真夏の時期は暑いのと虫が多いのとで、なんとなく山から足が遠ざかっていたのですが、今年は翌週に控えた北アルプス遠征のリハーサルをかねて、ちょっと重装備で登ってみることにしました。一眼レフ2台、交換レンズ4本、三脚、防寒具、雨具、水2.5リットルと、36リットルのバックパックがいっぱいになるぐらい詰め込んだので、15kgぐらいはいっている雰囲気です。どうせなら、噂に聞くユートピアのお花畑を見てみようというわけで、目的地はユートピア。定番の宝珠尾根経由も考えましたが、土曜日だし混雑すると嫌なので、人の少ない三ノ沢から槍尾根を経由して行くことにしました。


21日に上蒜山に登って、GW以降怠けていた体に渇が入ったせいか、今回はとにかく早起きして出発しました。夜7時過ぎに寝て、11時半に起きて、シャワーを浴びて、準備を整え、午前1時過ぎに出発です。あまり寝ていないわりにはけっこうすっきりしていていい感じです。


蒜山から鳥取側へ抜ける国道482号は土砂崩れのため通行止めになっており、高速の蒜山ICから江府ICまでの区間が無料開放されているとの情報は事前に得ていましたが、三ノ沢へ行くには江府で下りるとまた戻ってくることになるので、大山パークウェイで行くことにしました。一時通行止めになっていた鍵掛峠から桝水までの区間も通行できるようになっていたので、問題なしです。


4:20 三ノ沢に到着です。事故で修理に出しているN BOX+の代車でN BOXを借りているのですが、荷室がない分後席足元がやたら広い!着替えたり、靴を履き替えたりするのがとっても楽でした。車中泊をしないのならこちらのほうが使い勝手は良いかもしれません。


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4:32 まだ真っ暗な中、出発です。


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豪雨で三ノ沢もだいぶやられたらしくて、入口に工事中の看板が出ています。歩き始めると、確かに土砂ですっかりうずもれている雰囲気です。おととしの台風では土砂が持っていかれてえぐられたようになっていましたが、今回は逆にすっかり埋まってしまったようです。


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4:50 いつも左岸の登山道に上がる堰堤まで来ました。重機で土砂を掘り出して、堰堤の前には大きく深い穴が開いている状態です。

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どうやって右岸に渡れば良いのかとヘッドライトで照らしながら観察してみると、堰堤の足元に1mほどの幅で土砂が残っているところがありました。


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左岸に渡って、傾斜のある土手を無理やり登ると、なんとなく見覚えのある登山道がありましたが、だいぶん様子が変わっていました。


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左岸に渡ってからは、いままではわりと平坦な登山道をたんたんと進んで行ったのですが、今回はすぐに道がなくなっています。登山道のあった左岸の土手が削り取られて道がなくなっているのです。川床に下りて進むと堰堤に阻まれて、右側から巻いて登ります。


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堰堤を巻いて進むと、かろうじて50cmほど残った登山道が、やばそうな雰囲気で残っていました。


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道の下はけっこうきつくえぐられていて、うかつに端に近づくと崩落しそうな雰囲気です。慎重に足元を確認しながら進みます。


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やがて、道は完全に消滅し、再び川床に下ります。今度は右岸側に土砂が堆積していて、そこから堰堤を越えます。


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堰堤を越えてすぐに左岸側へ上がり、10mほど行くと見慣れた登山道がありました。


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5:22 大堰堤の下まで来ました。大堰堤のひとつ下にある堰堤は、台風の影響で土砂が流されて左側から高巻いていましたが、なんと左半分がほぼ土砂に埋もれていて、そのまま歩いて乗り越えられるようになっていました。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



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5:31 大堰堤を越えて広河原へ出ました。


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ここも様子が変わっていました。以前は、わりと平坦でだだっ広いところでしたが、目の前に深さ1mほどの深さの川床のようなものができている一方で、奥に見える登山ルート沿いのS字状の河原は、逆に土砂でかさ上げされているかのように盛り上がって見えます。



少し休憩してから、広河原を歩き始めました。以前は斜めにまっすぐ歩いていけましたが、中ほどに低木が生長しているグリーンバンドのようなエリアがあるので、今回はそれが難しそうです。しかも、上に行けば行くほどえぐられている部分の深さが深くなるので、先に横方向に移動してグリーンバンドを超えて、S字部分へ続く河原をまっすぐ登っていくことにしました。


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グリーンバンドを超えて、S字状の河原の縁までやってきました。あとは適当なところで右側に移動して、登山道の入口を探しながら登っていくだけです。


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6:10 だいぶ南壁が近づいてきたところで、小さなケルンを発見。どうやらこのあたりから登山道に入れそうですが、このケルンの場所ではなさそうです。


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最初のケルンから20mほど登ったところにもうひとつケルンがあり、そこが登山道への入口でした。


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南壁下をトラバースする登山道の脇には、シモツケソウなどがたくさん咲いていました。


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コオニユリ?もきれいに咲いています。


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6:22 いよいよこのルートで一番厄介な砂すべりです。下りは楽ですが、ここを登りながらトラバースするのが難儀です。まるであり地獄のように足元の砂利が崩れるのでたいへんです。それにしてもこんなに幅があったっけ? というほど広々とした砂すべり。手前側は落ちてきた土砂で新しく広がったのではないかと思われます。


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悪戦苦闘して、ようやく砂すべりをトラバースし、さらに直登していきます。


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6:36 やっと登山道の入口を見つけました。ここを渡るだけでかなり体力を消耗した感じです。このあと、登り始めたらやたらしんどくなったので、座り込んでしばらく休まざるを得ませんでした。このとき、ブヨがうっとおしくなってきたので、はじめてモスキートネットを使用しました。けっこういいです。夏山には必要ですね。


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可憐なイヨフウロなどの花々に癒されて、なんとか体力気力が回復。再び上を目指します。


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7:18 やっと稜線まで這い上がりました。槍ヶ峰はガスにかすんでいます。


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いつみても垂直にしか見えない槍が峰下のルートを行きます。


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槍ヶ峰の肩へ出ました。通称槍ヶ峰本峰(または北峰)はもう目と鼻の先です。このピークは、本当は槍ヶ峰ではないらしいというのは以前記事にしましたが、とりあえず真偽の程が不明確なので、通称の呼称を今までどおり使うことにします。



つづく。





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| 2013年8月 大山ユートピア | 20:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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