ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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タフなバリエーションルート キリン峠~槍尾根~振り子沢周回:伯耆大山その3

2012年10月14日 鳥取県大山町 伯耆大山天狗が峰(標高1710m)



<注意>
ここで紹介しているルートには危険度の高い難所があります。この記事を参考に同じルートを歩いて発生した事故・怪我等については、当方はいかなる責任も負いかねます。あくまでも自己責任であるということをお忘れなく。



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10:31 鉄柱下の難所をクリアし、鉄柱のある場所で少し休憩をすればよかったのですが、難所を通過するのにアドレナリンが出まくったのか、じっとしていられないような衝動に駆られ、そのまま槍尾根を歩き始めました。もしかしたら、恐ろしかった場所から早く離れたかったのかもしれません。しかし、これが膝への負担を増す結果になったようです。


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鉄柱からの槍尾根は、多少のアップダウンがあったり、崖っぷちのぎりぎりを通るような場所もありましたが、なにしろさっき通過した難所に比べればまったくもって楽勝です。


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空はすっかり雲に覆われてしまいましたが、稜線はガスに巻かれることもなくクリアに見えています。快適な稜線散歩を楽しみながら槍ヶ峰を目指します。


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下から見上げるとものすごい絶壁の東壁ですが、神経が麻痺してきたのか細いナイフリッジのような稜線を歩いてもあまり怖いと思わなくなりました。


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左側も三の沢に向かって急傾斜が下まで続いていますが、草があることの視覚効果もあって、これまた全然怖くありません。こうやってだんだん高度に慣れていくんだなあと実感します。


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10:44 三の沢への下降路分岐に着きました。ここから先はすでに歩いたことのある道です。この前歩いたときと比べて特に変わったところもなく、槍ヶ峰までスムースに歩くことができました。


11時ごろ槍ヶ峰に着きました。時間が不正確なのは、GPSロガーがおかしくなっていて、草つきの上部あたりからログデータが記録されていなかったためです。槍ヶ峰についたときに写真も撮っていないので、到着時刻は不明です。ここでようやく気持ちが落ち着いて、ゆっくりと座って休憩することができました。少し肌寒いのでソフトシェルを着て、チョコレートをかじりながらのんびりと風景を楽しみます。


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11:15 誰もいない槍ヶ峰山頂で剣ヶ峰をバックに記念写真を撮り、天狗ヶ峰に向けて出発しました。


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11:22 天狗ヶ峰です。さて、この先どうするかです。今日の目的は振子沢ルート経由の周回なので、ユートピア方面に降りればいいのですが、目の前にある剣ヶ峰に登らずに下るというのもなんとなくもったいないような気がします。ついでに、主稜線のラクダの背も近くまで行って確認したいという気もします。しかし、そこまで行って帰ると40分ぐらいロスしそうだし、体力も消耗します。剣ヶ峰山頂には3~4人のグループがいたこともあって、今回は剣ヶ峰をパスして下ることにしました。


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天狗ヶ峰山頂から、弓ヶ浜のカーブがきれいに見えています。


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紅葉に彩られたユートピアと三鈷峰です。


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いよいよ2つ目の難所へと進みます。


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天狗ヶ峰の山頂から少し下ったところが、細く削られたナイフリッジになっており、ここが天狗の難所のようです。下から何人か登ってきていたので上で待っていたのですが、怖いのか難所の手前で立ち止まってなかなか登ってきません。ようやく先頭にいた小学生1年生ぐらいの男の子を連れた若いお父さんらしき人が待っているこちらに気がついて四つんばいになりながら登ってきましたが、子供はほったらかし。あとから子供がおっかなびっくりついてきますが、よくこんなところまでつれてきたものだと呆れます。結局こどもは誰の手も借りずに難所を登りきりましたが、案外子供のほうが怖がっていないのかもしれません。


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続いて後続も来るのかと思っていたら、最後の二人は引き返して行きました。残った二人がいつまでもぐずぐずとしているので、先に下ってしまえと下りることにしました。ところが、こちらが下り始めるのを待っていたかのように下の二人が上を確認もしないで登り始めました。いまさらこちらも引き返すなんてアホらしいので、かろうじてすれ違えそうな場所まで行ってなんとか彼らをかわしました。すれ違うときに、「山小屋までどれぐらいあるのか」と意味不明な質問をされたのですが、どうやら弥山の避難小屋まで普通に縦走できると思っていたようです。縦走は自粛要請されていることや、もっと危険な箇所があることを伝えておきましたが、服装もハイキングっぽい格好だったので、事前の情報収集もしないで来たのでしょう。


そんなこともあってか、天狗の難所はまったくもって恐怖感もなく、普通に歩いて通過してしまいました。最初に通過した鉄柱下の難所で恐怖感は麻痺してしまったのかもしれません。


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1636mピークの横から振り返ると、さっきの難所ですれ違ったグループが、先に行くのはあきらめたらしく、しゃがみこむようにして下り始めていました。あの様子では、ラクダの背まで行ってしまったら身動きが取れなくなっていたかもしれないので、結果的によかったのでしょう。


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左手に賽の河原のような場所が見えてきましたが、位置的に墓場尾根ではないかと思われます。


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ユートピアに近づくと、紅葉がきれいになってきました。


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11:59 象ヶ鼻に到着です。ちょうどお昼になったので、ここでランチにします。今日は朝立ち寄ったスーパーでおにぎりがなかったので、菓子パンのランチです。しかし、なんとなく食べた気がしなかったので、やっぱお昼はおにぎりに限ります。


ところで、食事の最中にある異変に気がつきました。左足の膝痛です。象ヶ鼻に着くまではなんともなかったのに、なんで休憩中に痛くなってきたのでしょうか。出発するまえに膝の屈伸運動もしたし、歩き始めてまだ5時間程度しかたっていないので、膝痛になる理由がわかりません。どうやら外側の靭帯を痛めているらしく、力を入れると膝の外側がピキッ! と痛みます。象ヶ鼻から予定通り振子沢を下るか、それとも登り返して三の沢を下るか、どちらがいいか考えました。登り返した場合、天狗ヶ峰まで標高差160mですが、三の沢に下りるまでがかなりの急傾斜です。ストックを使えない狭い稜線の下りが膝には厳しそう。下った場合は、振子沢の谷底までおよそ200mです。谷底まではそれなりに急傾斜ですが、谷に入ってしまえばそれほど急傾斜ということはなさそうです。ただし、駒鳥避難小屋から230m程度の登り返しがあります。鳥越峠から先はなだらかなので、負担は少ないでしょう。膝の状態は、登るよりも下りがつらい状態です。であれば、下りが楽なほうに行くのが得策。とすると、やはり振子沢へ下るほうがよさそうです。ストックに頼った歩き方をすれば、なんとか悪化させないで乗り切れるかもしれません。


12:17 膝痛で歩行速度が遅くなることを考慮して、お昼休憩を早めに切り上げました。ダブルストックを使って振子沢方面に下ります。


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12:27 道標の立っている場所まで下りてきました。


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ここを左に曲がって尾根を下っていくと、振子山・野田ヶ山を経て大休峠ですが、振子沢へ下るには直進します。どちらのルートもバリエーションルートなので、地図では点線表示になっています。


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美しい紅葉に彩られた振子沢目指して下っていくルートは、最初は尾根をたどるので快適です。


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しかし、途中から右手の振子沢へ急降下する道になり、膝痛の足には厳しい道でした。左足をかばうように歩くため、いつの間にか右膝も痛くなってきました。踏んだりけったりとはまさにこのこと。


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12:43 やっと谷底まで下りました。ここからは谷に沿って下ります。




ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。






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傾斜が緩やかになって足への負担は減ったものの、両側を高い崖に囲まれた谷底の風景がいつまでも続く退屈な道です。


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途中、倒木に鈴なりになったキノコを発見。シメジみたいでおいしそうですが、野生のキノコについてはさっぱり知らないので、もちろんそのままにしておきます。そもそも食べられるキノコなら、こんな登山道脇にあるキノコなどとっくの昔にキノコハンターが取って行っているはずです。


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単に涸れた沢を下っているだけので、正しい道なのかどうかよくわかりませんが、ときおり赤テープがあって安心します。まあ、狭い谷底なので迷いようもないのですが。


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見上げれば崖の上に紅葉した木々。


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行けども行けども迷路のような谷が続きます。


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谷が開けてきました。もうすぐ地獄谷へ出られそうな予感がします。


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13:52 やっと地獄谷に合流しました。


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広い谷になって、歩きやすくなります。


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振子沢との合流点です。登るときはこの大きな矢印が目印です。


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鳥越峠へ向かう道の入口は駒鳥避難小屋の見えるところなので、右岸に小屋を探しながら下っていくと、木々の隙間からわずかに屋根が見えました。ほとんど見つけられないレベルです。


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取り付き場所がわかったので、ひとまず休憩です。膝は痛いし、景色の変わらない谷底歩きですっかり疲れてしまい放心状態です。


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14:15 暗くなる前に戻りたいので、休憩を切り上げて出発します。避難小屋への取り付きは、丸い巨岩の脇からで、赤テープがあるので見落とすことはなさそうです。


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ここは以前一度だけ来たことがありますが、あの頃と変わっていません。小屋は急傾斜の崖の上にあるので、河原から登るのがけっこう大変です。


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梯子とロープを使って登るのですが、湧き水があったりして滑りやすく汚れやすいのであまりうれしくない道です。


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石造りの古い駒鳥避難小屋です。大山の避難小屋の中でもっとも古くて汚い小屋ではないでしょうか。


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ドアは太い針金がで閉じられており、使用されていないような雰囲気です。もっとも、針金をはずせば入れそうなので、単に開けっ放しにならないようにしているだけかもしれません。


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避難小屋の脇を抜けて、鳥越峠への登り返しが始まります。ここからしばらくは斜面を直登することにありますが、この部分がコケのついた岩の道で、足元に気をつけないを簡単に転倒しかねません。


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つるつるの滑り台のような岩をロープにつかまってクリアします。


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直登が終わり、斜面のトラバースになりましたが、今度は倒木のバリヤーです。


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苔むしたブナの根元がきれいですが、膝痛の身としてはあまり感動している余裕がありません。


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フラットな道が続くので、膝には助かります。


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これはもしかしたらツキヨタケかもしれません。闇夜でぼんやりと光るというキノコですが、機会があれば夜に撮影に来てみたいものです。ちなみに、ツキヨタケが光っている幻想的な姿は、KINOKO WEBというブログで見ることができます。



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フラットなトラバースが終わり、ロープが張ってある急斜面になりました。おそらく鳥越峠直下の斜面だと思われます。これを登りきれば鳥越峠のはず。


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15:12 鳥越峠へ戻ってきました。朝ここに着いたのが8時15分ですから、およそ7時間かけて周回してきたことになります。撮影の道草や膝痛のためとはいえずいぶんのんびりしたものです。



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10分間休憩してから、下山に取り掛かりました。


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すぐ下にある倒木のトンネルをしゃがんだままよちよちと歩いて通過します。


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15:57 文殊越えまで戻ってきました。ここを左折して健康の森入口へ下りれば楽ですが、車道を三の沢まで歩くことになるので、文殊峠へ登り返すことにします。


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最後の急坂です。


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最初の倒木。


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次の倒木。


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こいつが最後です。


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笹原を泳いで文殊峠。


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森の中に夕日が差し込み、なんとなく物悲しい雰囲気です。


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ミズナラの巨樹が待っていてくれました。


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苔むした岩の転がる谷筋を慎重に下ります。


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16:46 やっと道路に出ました。


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夕日を浴びる大山南壁。今日はずっとガスに隠れることなく、その姿を見せていたようです。


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16:54 誰もいない駐車場に戻ってきました。遭難して山中を彷徨ったあと、なんとか自力下山したような気持ちでした。


■山行データ
<往路所要時間> 4時間52分(撮影/休憩時間を含む)
駐車場6:30→文殊峠7:11→鳥越峠8:15/8:28→キリン峠9:22→槍尾根鉄柱10:28→槍ヶ峰11:00/11:15→天狗ヶ峰11:22

<復路所要時間> 5時間31分
天狗ヶ峰11:23→象ヶ鼻11:59/12:17→地獄谷駒鳥小屋下14:04/14:15→鳥越峠15:12/15:22→文殊峠16:05→駐車場16:54


<登山道情報>
キリン峠から槍尾根に上がる部分、特に草つきの上は滑落の危険性がある相当な難所です。天狗ヶ峰からユートピアへ下る尾根も、細くて砂利の浮いたナイフリッジがありますから、こちらも危険度大です。基本的に、トレッキング気分であるく道ではありません。振子沢ルートは特に危険な場所はなく迷うこともなさそうですが、両側を絶壁に挟まれた展望のない道なので、はっきり言って面白くない道です。




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| 2012年10月 大山天狗ヶ峰 | 12:56 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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タフなバリエーションルート キリン峠~槍尾根~振子沢周回:伯耆大山その2

2012年10月14日 鳥取県大山町 伯耆大山天狗が峰(標高1710m)




<注意>
ここで紹介しているルートには危険度の高い難所があります。この記事を参考に同じルートを歩いて発生した事故・怪我等については、当方はいかなる責任も負いかねます。あくまでも自己責任であるということをお忘れなく。



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鳥越峠で10分程度の休憩をとり、キリン峠にむけて出発しました。鳥越峠の道標には「キリン峠」を指し示すようなものは何もありませんが、烏ヶ山方向とは逆についている踏み跡をたどります。


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標高1250mぐらいになると、ブナの森の黄葉が多くなってきました。まだ、三分~四分といったところでしょうか。


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標高1300mに達するあたりになると、少し黄葉も増えてきた感じです。カエデ類の紅葉もちらほらあって、秋らしくなってきました。


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登山道脇には鮮やかな赤い葉っぱの低木もあります。


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キリン峠直下の斜面を見上げると、黄葉がかなり進んでいました。


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振り返ると秋色の森の向こうに烏ヶ山が見えています。


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バリエーションルートだけあって、両脇から潅木の枝が張り出し、地面にはこぶし大の石が転がって歩きにくい道です。その上急傾斜の直登ですから、けっこう疲れます。


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9:04 やっと東壁が見えました。急傾斜の道を登りきると突然目の前に現れるので、意外と感動してしまいます。すでに鉄の支柱だけになった道標がぬぼーっと立っているのですが、ここがキリン峠ということではなく、登山道が左に曲がる場所だから設置されているのでしょう。ここからもう少し上がったところにある1405mの小ピークがキリン峠です。


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道標のあるこの場所からは、眼下に色づいたキリン沢の森が見え、その背後に白い東壁がそびえているので、けっこうフォトジェニックな風景です。


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少し尾根を下ってみると、いい感じに紅葉した古木がありました。


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キリン沢を見下ろせば、色づき始めた木々がきれいです。


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いつの間にか空には薄い雲が広がっており、紅葉の色も今一歩鮮やかさが足りません。


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撮影タイムはほどほどにして、先を急ぎます。ここから先の道も、草や木の枝に邪魔をされて、歩きにくい状況でした。


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しかし、背の高い木が少なくなったため、展望はよくなりました。


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キリン峠の辺りがちょうど紅葉のピークだったようです。


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9:22 キリン峠です。積雪期に来るとこのあたりの低木はすべて雪の下になっていて見晴らしのいい場所ですが、さすがに今は視界が広がりません。休憩できるようなスペースもないので、そのまま通過します。


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大きな三角形の草つき斜面がよく見えるようになってきました。草紅葉も始まっています。


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キリン峠から草つき斜面までの道がさらに厄介な状態でした。木の枝の張り出しが多く、うかつに手で掻き分けて進んでいると、手を離れた枝に顔をたたかれて痛い目にあいました。


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草つき斜面にたどり着くと、やっと低木もなくなって歩きやすくなってきました。しかし、ここからは傾斜が急になります。


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振り返ると烏ヶ山が眼下に見えるようになっていました。手前のピークがキリン峠です。


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草つき斜面の途中で、左から合流してくる踏み跡がありました。もしかしたらこれが文殊越えから草つき斜面に直接上がってくる踏み跡なのかもしれません。


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その踏み跡の合流点のすぐ上にちょっとしたスペースがあったので、小休止をとることにしました。ここから先はいよいよ難所がる核心部です。なので、トレッキング装備から、登攀装備にチェンジします。


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ビフォア。


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アフター。といっても、帽子の代わりにヘルメットをかぶり、ストックと一眼レフを収納しただけですけど。ついでにチョコレートを少しかじってエネルギーもチャージします。




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準備も整ったところで、見上げると絶壁のような草つき斜面に取り付きます。


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10:13 草つき斜面の最上部に来ました。ここからが本番です。とりあえず目指すのははるかうえに見えている鉄柱のある場所。そこから先は比較的楽な尾根歩きになるはずですが、鉄柱下のこの尾根が問題の難所です。


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少し上がったところで、ファーストステージが待ち構えています。ここは、4月にクランポンを装着したまま越えようとして越えられなかったところです。しかし、今回は様子が違っていました。4月に来た時は、どこに手がかり足がかりを求めればいいのかわからないほどきれいさっぱり削り取られたような状態でしたが、今は斜面に草が生えており、その上に砂利がたまっていて、足を置く場所がちゃんとあります。砂利がたまったせいなのか、斜度も緩くなっているようで、なんでこんなところで引き返したのか理解できないほどあっさりとクリアすることができました。


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難なくクリアしたファーストステージを上から見ると、こんな感じです。そして、ここから先はわりと歩きやすい尾根をたどる道だったので、難所とはいえどうということはなさそうだと感じたのでした。


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しかし、この場所に立ったとき、その考えはめちゃくちゃ甘かったということを思い知ったのでした。はじめ尾根伝いに右のほうへ行けるのかと思ったのですが、上のほうが逆層のスラブみたいになっているので、登るのはまず無理だと思われます。どこを登ればいいのかと思ってよくよく斜面を見てみると、わずかなくぼみのようなところに踏み跡らしきものが見えており、どうやら赤線のように辿って行くしか道はないようです。高さにすると5~6m程度のようですが、この斜面は左下方向にずっと切れ落ちており、本当にこんなところを確保も無しで登っていいものかどうか、判断がつきかねるというのが正直なところです。ファーストステージのあとに、いきなりファイナルステージになったようなものです。


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とにかく、足の置き場所と手の置き場所があるのかどうか、斜面を見ながらシュミレーションしてみます。片足がかろうじてのせられる程度のわずかな窪みをたどっていくわけですから、途中で間違えて足を入れ替えるなんてことはできないのです。まして、途中で行き詰って引き返すなんてことができるかどうか、はなはだ怪しい感じです。足を踏み出したら是が非でも上りきるしかないという感じです。手前の斜面をトラバースするところはなんとかなりそうですが、奥の岩溝のようなところを登る箇所については、ここから見ているだけではよくわかりません。ここを越えたというブログの記事も読んだことがありますが、あまり詳しく書かれたものがなかったので、せいぜい主稜線のような細いナイフリッジがあるぐらいだろうと思っていたのですが、こんな崖だったとは・・・とはいえ、他の人間が通った道ならば行って行けないことはないはず。覚悟を決めて踏み出しました。



シュミレーションどおり、前半のトラバースはうまくいきましたが、後半の直登部分は苦戦しました。手がかりになりそうな岩は、力をかけるとどれもぐらついて役に立ちません。しっかりしているのは、つかみどころのないようなフラットな岩ばかりです。しょうがないので、フラットな岩に手を置いて、上から押さえつけるようにして体を持ち上げていきました。もちろん、3点支持はしっかり守ってのことですが、それでも体重を移動する瞬間は恐怖の一瞬です。手がすべりはしないか、足元が崩れはしないかとひやひやしながら、なんとかこの難所をクリアしたのでした。



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登りきって見下ろした写真です。なんとも恐ろしい難所でした。



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この先、さらにこれを上回るような難所があるのではと、びくびくしながら上を見てみたのですが、どうやらそれほど厄介な場所はなさそうです。



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踏み跡がなかったらやっかいそうな場所も、斜めに道ができていて難なく通過できました。


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10:28 槍尾根の鉄柱まで登ってくることができました。


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登ってきたルートを見下ろすと、最大の難所が隠れて見えないせいか、なんてことはない普通の尾根に見ますが、想像以上に危険なルートでした。


つづく。



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| 2012年10月 大山天狗ヶ峰 | 18:48 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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タフなバリエーションルート キリン峠~槍尾根~振子沢周回:伯耆大山その1

2012年10月14日 鳥取県大山町 伯耆大山天狗が峰(標高1710m)



伯耆大山はたかだか1700m程度の標高しかありませんが、もろく険しい主稜線とその派生尾根をたどるルートは侮れません。今回、以前から気になっていたキリン峠から槍尾根をたどり、天狗尾根を下って振子沢から地獄谷へと抜け、鳥越峠を経由して戻る周回ルートを歩いてきました。


伯耆大山の主稜線とその派生尾根には、難所が3箇所あります。弥山と剣ヶ峰の間にある難所、通称「ラクダの背」、天狗ヶ峰とユートピアの間にある天狗の難所、そして槍尾根の鉄柱下の難所の3つです。この周回ルートをたどると、鉄柱下の難所と天狗の難所の二つを通ることになり、その意味でもけっこうタフなルートです。


なお、どの難所も滑落の危険性が高い場所ですから、くれぐれも安易に立ち入らないようにしてください。この記事を参考に同じルートを歩いて発生した事故・怪我等については、当方はいかなる責任も負いかねます。あくまでも自己責任であるということをお忘れなく。



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6:30 三の沢の駐車場を出発です。気温は9度。肌寒いのでソフトシェルを着て行くことにします。



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三の沢にかかった新しい橋から南壁がよく見えました。今日は天気に恵まれそうです。



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三の沢を通り過ぎ、鍵掛峠方面に少し戻ったところに文殊越えルートの入り口があります。



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このルートを歩くのはこれが初めてです。


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薄暗い涸れた沢をたどっていきます。


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朝早いせいでまだ森の中に陽が差しません。地図によると沢に沿ってずっと登っていくようです。


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入口から10分のところに、巨樹がありました。葉っぱの形からするとどうやらミズナラのようです。目通り周囲で5mぐらいありそうな巨樹です。ミズナラの巨樹はあまり見かけないので、わりと貴重な樹かもしれません。


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6:54 文鳥水の水場です。入口に「文鳥水20分」と書いてありましたが、まさに20分で着きました。飲んでみようという気になれなかったので、そのまま素通りします。


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しばらく進んでいくと、後ろのほうで女性の声が聞こえました。誰か来たんだなあと思っていると、あっという間に追いついてきました。追い立てられるのは嫌なので、道を譲って先に行ってもらいます。ある程度年配の女性と男性のペアでした。僕が駐車場で準備していたときに入ってきた人のようですが、それにしても健脚です。あっという間に姿が見えなくなりました。


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やがて沢が消えてなくなり、傾斜が緩くなってきました。


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7:11 文殊峠に着きました。壊れた道標が悲しげにたたずんでいました。


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文殊峠から文殊越えへと下るルートの出だしは、笹が密生していてちょっと藪こぎ状態でした。


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笹薮が終わると、ルートを倒木がふさいでいました。


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最初の倒木を乗り越えると、さらに倒木が現れます。結局3本も倒木を乗り越えなければなりませんでした。壊れたままの道標といい、あまり登山道の整備はされていないようです。


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滑りやすそうな急傾斜を慎重に下ります。


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下りた所が文殊越えでした。ここで、右から健康の森ルートが合流します。ちょうどT字路のようになっているところです。キリン峠に行くにはここを直進し鳥越峠へ向かえばいいのですが、健康の森からのルートをそのまま直進(文殊峠から来た場合は左折)すればキリン峠の上にある草つき斜面に出ることもできるようです。当初、草つき斜面に出る踏み跡を行こうかと思っていたのですが、僕が文殊越えに着いたとき、ちょうど誰かが草つき斜面方面へ入っていくところでした。しかし、昨年の台風でかなりルートが荒れているらしく、なんだか大きな声でああだこうだとルートを探しているようでした。なので、正規のルートである鳥越峠を経由して行くことにしました。





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登山道脇の倒木に、クラゲの様なきのこがびっしり生えていました。ちょっとグロテスクです。


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先に進んでいくと、紅葉し始めた木々が目に付き始めました。


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まだ色づき始めといった感じです。


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それでも薄日に透ける紅葉はきれいです。


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ブナの根元にも小さな秋がありました。


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これはウルシの木でしょうか。


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壊れて割れた道標が地面に落ちていました。鳥越峠まで20分と書いてあるようです。


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苔むした倒木に、かわいらしいキノコが生えていました。


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色づき始めたマムシグサ。秋の森は楽しいですね。


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標高が上がってくると、黄葉した木も目に付くようになって来ました。


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登山道の傾斜がきつくなってきました。


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倒木の下をくぐります。


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急傾斜の登山道を登りきると・・・


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8:15 鳥越峠に到着です。標準コースタイムだとここまで1時間ですが、1時間40分もかかってしまいました。ついついいろんなものに目がいってしまい、道草に時間をとられてしまいます。


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峠のツタウルシが鮮やかに紅葉しています。


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見上げると立ち枯れのブナの向こうに秋の空が広がっていました。


つづく。





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| 2012年10月 大山天狗ヶ峰 | 22:33 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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