ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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ラッセル地獄と樹氷の森:毛無山 その2

2012年2月5日 毛無山(標高1218m) 日帰り山行


2時間雪と戯れて無駄に過ごしてしまったわけですが、まだ樹氷の森を見ることができなくなったわけではありません。これ以上無駄な時間を過ごさないためにも、撤退と決めた以上は、即時撤退あるのみです。


撤退開始
きびすを返してトレースをたどって一気に下りました。


看板まで戻る
10:42 看板まで戻ってきました。下山にかかった時間は読みどおり10分でした。杉林から林道に出てきたところで、4人のファミリーが僕のトレースをたどろうとしているところに出くわしました。


30代ぐらいに見えるご主人と少し話をしましたが、正規の登山道ではなく、トレースは僕のつけたものが途中までしかないし、雪が深くてラッセルが大変だから行くのはやめたほうがいいと説明したところ、夏道のほうへ戻っていかれました。


もしも下山がもう少し早くてこのファミリーと行き違いになっていたら、もしかしたらあのまま僕のトレースを追っていたかもしれません。そう思うと少し罪悪感も感じます。とはいえ、登山道については看板にもマップが描かれているし、道標も設置されています。このトレースが正規のルートでないことは明らかなのです。登山は自己責任が原則です。僕は僕の自己責任において歩いているわけで、何かあっても自分だけの問題ですみます。しかし、家族がいっしょの場合、お父さんの判断が家族の安全を左右するので、ぜひ慎重な判断をお願いしたいものです。


走るように下ってきたのですっかり息が上がってしまい、少しの間看板の前で休憩をとりました。その間にファミリーは夏道を進んで行きました。


夏道からの分岐
沢沿いから登山道が離れる場所です。本来の夏道はこの尾根の左側の谷を登っていくのですが、トレースはここからいきなり尾根に上っています。積雪期はこちらのほうが安全で合理的なルートです。後で知ったのですが、どうやらこのトレースは、鳥取の山岳ガイド木元康晴さんのパーティーが前日につけたものだったようです。どうりで、合理的でしっかりとしたトレースだったわけです。


きれいなトレース
11:01 まるで機械で作ったようなトレースのおかげで、あっというまに標高840mまで登り返しました。これが駐車場から直接だったらもっとさくさく歩けたことでしょうが、1時間半のラッセルの後だけに、息は上がるし汗は流れ落ちるしで、先行するファミリーに追いつくことすらできません。


傾斜が増す
次第に傾斜が急になり、よく踏まれたトレースではかえってスノーシューが滑りやすくなってきました。この急斜面でファミリーがてこずっていたので、僕が先行しました。


シリセード跡
まずいことに、急傾斜の場所に限ってトレースがシリセードでつるつるのフラットにされてしまっているので、先行者のステップをたどって歩くことができません。伯耆大山の夏道でも同様の状況が見られますが、登るにしても下るにしても滑り台のようになってしまったトレースは、歩きにくいことこの上なしです。シリセードで下るのは結構ですが、ぜひ踏み跡のないところでやってもらいたいものです。登山者のことがわかるのは登山者だけなのですから、自分の行動が他の登山者にどういう影響を与えるのかを考えることのできる登山者でありたいものです。


夏道との合流点
11:34 夏道が尾根に出てくる場所に着きました。「クリ」とかかれた小さな木札が木の枝からぶら下がっている場所です。この先避難小屋のある尾根への道が急登になるので、ここで休憩していくことにしました。


クランポン装着
ついでに、スノーシューと靴の間に雪が詰まって少し歩きづらくなってきたこともあって、クランポンに履き替えます。その間に再びファミリーが先行していきました。


山頂への尾根に出る
12:13 山頂に続く尾根に上がる斜面は、かなりの急斜面です。息も絶え絶えになりながら上を目指します。


歩きやすい尾根
ようやく尾根に出ました。この先、歩きやすい尾根をたどっていけば、9合目の避難小屋です。クランポンでも大きく潜ることもなく、快適に歩くことができました。


樹氷01
標高が1100mを越えたあたりから美しい樹氷の森が広がっていました。


樹氷02
(写真クリックで拡大)青空でないのが残念ですが、本当にきれいです。


樹氷03
(写真クリックで拡大)幹まで白くなっていたらもっと美しい光景だったことでしょう。


避難小屋内部
12:35 避難小屋に着きました。ひとまず、昼食です。


チリトマト味のラーメン
スーパーで見つけた新製品らしきラーメンです。どこのメーカーだったか忘れましたが、酸味が程よく利いたチリトマト味がかなりおいしかったです。そういえば、カップヌードルにもチリトマトというのがあったはずですが、いつの間にか見かけなくなってしまいました。あれ、好きだったのに・・・


小屋内の温度計
小屋内の温度計は-4度をさしていました。念のため、自分の腕時計の温度計も見てみましたが-2度ほどで、バックパックにつけているホイッスルと温度計とコンパスが一体になったものは+2度になっていました。腕時計はメッシュポケットに入れていたので、体温の影響は受けていないはずですが、けっこういい加減みたいです。バックパックにつけていたものは、以前からどんなに寒くても2度から下がったことがないので、完全に壊れていると考えたほうがよさそうです。


一瞬の青空
食事の後は、せっかく担いできた一眼レフをもって小屋の周辺で撮影タイムです。このとき、一瞬だけ青空が出たのですが、ほんの数十秒で再びガスに覆われてしまいました。移動途中の瞬間だったので、いまいちの写真しかとれなかったのが残念です。


ひととおり撮影を終えて、荷物を置いて山頂まで往復しようとパッキングをしていると、先行していたファミリーが山頂から降りてきました。彼らはこれから食事をするようなので、荷物は置いていかずに担いでいくことにしました。出かける直前にもう一人単独行の男性も入ってきました。日曜日で天候もそこそこ悪くないわりに、登山者は多くなく、静かな山旅です。


山頂
13:34 昨年3月以来の毛無山山頂です。蒜山も伯耆大山もガスの中でしたが、毛無山周辺の山々は比較的よく見えていました。


雪だるま
山頂の碑には小さな雪だるまが座っていました。


白馬山方面
白馬山方面にはトレースはありませんでしたが、スキーの跡がついていました。


西毛無山方面
西毛無山(通称で正式名称ではありません)方面です。あちらのほうにも白い樹氷の森が広がっているようです。


山頂直下の樹氷
山頂直下の樹氷の森です。


西毛無山ズームイン
西毛無山にズームイン。寒々とした雰囲気ですが、水墨画のようできれいです。


田浪の景色
13:45 山頂で10分ほど景色を眺めてから、下山しました。途中、登山口のある田浪のあたりが見えていました。


樹氷04


樹氷05


樹氷06
樹氷の美しさに目を奪われ、撮影しながらのんびりと下りました。


下山路
尾根から離れて下る急斜面にあるシリセードの滑り台は、かかとからのキックステップが入らないことが多く、シリセード跡をはずすと逆に股下まで埋まってしまい、以外と大変でした。スノーシューに履き替えればよかったのかもしれませんが、面倒なのでクランポンのままで下りました。


駐車場着
15:15 登山口に帰着しました。すでにほかの車は1台もいません。みなさんお早いお帰りです。


さて、今回スキーグローブを登山用に試してみたのですが、-10度の気温にはとりあえずOKです。しかし、グローブが厚手すぎてカメラの操作がやりにくいうえに、スノーシューやクランポンのつけはずしをグローブをはめたまま行うことは難しく、素手でやらざるを得なくなりました。ウールのグローブにオーバーシェルグローブという組み合わせのほうが指先の操作感は良好です。というわけで、スキーグローブをメインで使うというのはなさそうです。


そんなことよりも、当分ラッセルはこりごりです。


■山行データ
<往路所要時間> 5時間27分(寄道・休憩時間を含む)
登山口8:06→2つ目の看板8:33→標高856m地点10:24→2つ目の看板10:37→9合目非難小屋/12:38/13:08→山頂13:33

<復路所要時間> 1時間33分(撮影時間含む)
山頂13:40→登山口15:13

<登山道情報>
夏道を途中まで使うルートは、しっかりと踏まれていて歩きやすい状態です。5日の情況でいえば、つぼ足でも上までいけそうな雰囲気でした。

登山口から2つ目の看板のところから左上の杉林に向かうトレースは、僕の失敗トレースなので、くれぐれも間違ってたどらないように。ラッセル地獄にはまりたい方は、ご自由にどうぞ。


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| 2012年2月 毛無山 | 13:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラッセル地獄と樹氷の森:毛無山 その1

2012年2月5日 毛無山(標高1218m) 日帰り山行



岡山では珍しいほど冷え込んだ日曜日。新庄村の毛無山に行ってきました。伯耆大山も考えましたが、天気予報が午後から晴れだったので、おそらく混雑するに違いないと思って、毛無山に変更したのでした。


朝5時30分に家を出て、登山口に7時45分に到着。道中はどこも氷点下の気温だったので、路面凍結を警戒してスピードを抑え気味に走ったため、いつもより余計に時間がかかりました。駐車場には車が2台だけ。これが伯耆大山だと混雑していたことでしょう。


-10度
登山口の外気温は、なんと-10度。氷点下2桁というのは、登山においては初めての経験です。この日は冷え込むという予報だったので、まだ試していないスキー用厚手グローブをためす好機です。


車外温度計の-10度という表示にびびりながらドアを開けたのですが、いがいにもそれほど寒いとは感じません。風がないうえに、ややかすんでいますが、太陽が顔を出していたせいでしょう。下蒜山の反省をもとに、今日は家を出るときに登山用のウェアを着てきたので、靴とゲーターを装着するだけで準備完了です。


出発前
8:06 -10度という極寒の中、インナーウェアとユニクロのハーフジップマイクロフリースだけといういでたちで出発です。


山の家前の雪原
山の家の前にトレース跡はありますが、新しい足跡はありません。先行者はおそらく西毛無山のほうに上がったのでしょう。


2つ目の看板
8:33 2つ目の看板まで来ました。途中でスノーシューを装着したので、時間がかかりました。ここまで、見事なほどしっかりとしたトレースがついていました。この先もおそらく同じ状況だと思われます。歩きやすくてたいへんけっこうなことですが、それだと10時過ぎには山頂についてしまいそうです。


天気予報では午後から晴れるとなっていました。この気温なら山頂付近のブナ林は見事な樹氷がついているはずです。青空バックの樹氷を見るなら、あまり早く登ってしまうと寒い中凍えながら待たなくてはいけません。それなら、ラッセル覚悟で左手の尾根を上がってみるというのもありかなと思いました。昨年3月に下りで使うつもりだった尾根ですが、途中で1本夏道側の小尾根に入ってしまい、もともと考えていた尾根ルート、つまり登山口から2つ目のこの看板のところに下りてくるルートは歩くことができなかったのです。


下蒜山では標高差約270mに2時間半かかりました。おおよそ標高差100mに1時間かかる計算です。この看板の標高は約750m、山頂までの標高差は約470mあるので、9合目避難小屋までなら4時間ほどで行けるだろうとの目論見です。


トレースのない林道
看板から左へUターンするように左の尾根に向かう道は、もともとは林道のようですが、トレースはまったくありませんでした。少し先で杉林の中へと入り、尾根上を目指します。


杉林の中
雪の重みで倒れたらしい杉が力なく倒れこんでいたりします。先週の寒波でかなりの雪が積もったようです。杉林の中はそれほどの急傾斜ではなかったのですが、足がふくらはぎあたりまで埋まるので、それなりに苦労します。


尾根の自然林
やっと杉林が終わり、自然の森になりました。ちょうど尾根らしい雰囲気になるところで、ここからがいよいよ本番です。


自分撮り
コンデジ用の小型三脚ゴリラポッドを木の枝に巻きつけて、自分撮りを1枚。


汗の結晶
看板から30分ぐらいしか経っていませんが、すでに汗が流れ落ちるような状況です。ふと腕を見ると、なにやら白いものが・・・ どうやらフリースを浸透して出てきた自分の汗の蒸気が、フリース表面で凍結して霜のように付着したようです。


ジグザグのトレース
次第に傾斜が急になってきて、雪も深くなってきました。とても直登はできないので、ジグザグに縫うように登ります。


狭い尾根
ところどころ尾根が細くなり、木々の間の狭いところを抜けなくてはいけないので、けっこう大変です。頭からは汗が流れ落ちます。首にかけたタオルは、すでに汗でぐっしょりで、絞ると滴り落ちそうな勢いです。


迷路のような場所
細い木が密集して生えていて迷路のような場所もあったりします。その上雪が深いので、歩きにくいといったらありません。急傾斜では腰近くまで雪がくるので、ひざで雪を崩して足をねじ込むような歩き方をしなければならず、まるでスローなヒンズースクワットをしながら歩いているようなものです。


ぼんやりとした太陽
9:43 さすがに疲れてきたので小休止をとります。出発時には日がさしていましたが、いまは太陽がぼんやりとみえるていどです。風はありませんが、立ち止まるとさすがに冷えます。


広い尾根
9:55 尾根がやや広く平坦になったところで、なんだか急に体が重く感じるようになりました。突然疲れが一気に襲ってきたような感じです。少しふらふらする感じもあります。少し前に休憩したばかりだというのに。とにかく、こんな登山道でもないところで歩けなくなったりしてはシャレになりません。荷物を降ろして、休憩することにしました。


家から持ってきた手巻き寿司と白湯で簡単な食事をとります。15分ほど休んでいると、とりあえず回復してきました。どうもラッセルがきつくて疲れてしまったようです。時間はすでに10時を回っています。この先再び傾斜の急な尾根が続いています。


登山道脇の看板からすでに1時間半が経過していました。GPSロガーで標高を確認すると、870mになっています。避難小屋が約1160mなので、あと290mほどです。看板から120m登ってきたわけですが、1時間100mの目論見はあっけなく崩れ去りました。1時間に80mしか登っていません。この分だと避難小屋までまだ3時間半はかかります。上に行くほど雪は深くなるわけだし、地図の等高線を見る限りここから982mの小ピークまでがもっとも傾斜の急な部分です。とすると、下手をすると避難小屋まで4時間以上かかりかねません。


もはやこのままこの尾根を一人でラッセルしながら登るのは無理と判断し、エスケープルートを考えてみました。夏道はこの尾根の右手、小さな尾根をもうひとつ越えた向こうにあります。しかし、尾根と尾根の間の谷間は案外深く、この場所から直接降りるのはやばそうです。それではと少し上のほうを偵察してみましたが、すくなくとも数十mは登らないと谷に下りるのは難しそうです。仮に降りたとしても、谷の深い雪を横断し隣の尾根に登るのに手間がかかりそうだし、その先夏道の通る谷をもうひとつ越えて、冬道が通っているだろう尾根に出るまで1時間以上かかるかもしれません。だったら、いったん下って看板のところまでもどり、そこから夏道を登り返したほうが早いはずです。標高差120mなら10分で下れるはずです。トレースのしっかりついた夏道なら、同じ870mまで登り返すのに、おそらく30分ぐらいで行けるはず。1時間もかからずに登り返せるのなら、素直に来た道を下るほうが早いわけです。それが、最善の方策だろうと判断しました。

つづく。


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| 2012年2月 毛無山 | 23:49 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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