ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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初雪山で一人ラッセル:下蒜山 その2

2012年1月28日 下蒜山(標高1100.3m) 日帰り山行


ハンガーノック、いわゆるシャリばて。体から力が抜けていくような感覚は、まぎれもなく空腹によるエネルギー欠乏です。途中、行動食としてチョコレートやキャラメルを食べていたのですが、この手のものはすぐにエネルギーになる代わりにすぐに消費されてしまい、一気にエネルギー欠乏状態になるということはよく知られた事実。こまめに食べ続けていればいいのですが、寒い雪山ではつい立ち止まることを嫌がってしまうので、こういう失敗をしがちです。


何はともあれ、食事休憩をとるべき時間になっていることは明白です。しかし、この先は木々も少なく、吹きさらしの雪原が続くばかり。風・雪ともに強まりつつある中を空腹を抱えて上を目指すのはあまり賢い選択とはいえません。


振り返ってみた
振り返ってみました。広い雪原に続く自分のトレースの先に、先ほど通過してきた松の木が見えます。そういえば、ちょうど二本の松が寄り添うように立っていて、根元部分に休憩によさそうな空間があったことを思い出しました。目的の雲居平は目の前ですが、今日はここで撤退することにしました。GPSの標高は795mをさしていました。


昼食場所
二本の松の木まで戻って、根元を均して荷物を降ろしました。当然、そのまま雪に座るとお尻が冷たいので、折りたたみの座布団を敷いて座るのですが、上から吹き降ろしてくる冷たい風が背中にもろに当たるため、汗でぬれた背中が一気に凍りつきそうな勢いで冷えていきます。


ツェルトをかぶって
ジャケットを脱いでフリースを着ようかと思いましたが、この寒風の中でジャケットを脱ぐ気にはなれません。それならばと、ツェルトを引っ張り出しました。日帰り山行でも万一のために持ち歩いているツェルトですが、いままで一度も使ったことはありません。ぺらぺらの1枚生地のものですが、これを頭からかぶって片方のすそをお尻とバックパックの下に敷くと、みごとに風を遮断してくれました。この状態ならジャケットを脱いでもまったく問題ないのですが、風が遮断されたおかげで寒さがなくなったので、そのまま食事にすることにしました。


ツェルトの中で昼食
バーナーでお湯を沸かしてカップラーメンを食べるというのが一番いいのはわかっていたのですが、ツェルトを張り綱で固定しているわけではないので、風で時おりばたつきます。その状態で火を使うのはやばそうなので、おにぎりと白湯だけの簡単な昼食にしました。ただの白湯がこれほどありがたくおいしいと感じられるのは、厳しい雪山だからこそ。景色を楽しむわけでもなく、気の利いた食事を楽しむわけでもなく、ただ薄っぺらの黄色いシートを頭からかぶって無心に握り飯を食べ、白湯を飲むだけの食事。それでも、十分満足のいく食事です。


うっすらと麓が見える
外を見ると、うっすらと麓の様子が見えていました。


下る道
13:52 わずか15分ほどの短い食事休憩でしたが、ツェルトのおかげで寒さに凍えることなくゆっくりとすごすことができました。ツェルトを丸めてバックパックに突っ込むと、出発の準備完了です。山頂方向は風と雪が強くなりすっかり視界がなくなっていました。天候が回復に向かっていれば、もう一度雲居平までチャレンジしてもいいかと思っていましたが、さすがにこの状況では気持ちももりあがりません。自分のトレースがちゃんと見えているうちに下山することにしました。


視界がよくなる
登りではずいぶん時間のかかった道のりですが、下るときはあっという間。そのうえ、下るにつれて視界がよくなってきて、上ではかすんでいた下界の景色もかなりくっきりと見えるようになって来ました。天気が回復したというよりも、上のほうだけ天候が悪い状況だったようです。


三合目
14:01 三合目まで戻ってきました。55分かけて登った道を、わずか9分で降りてきたことになります。


最初の道標
さらに、ほぼ1時間かかった最初の道標まで、たったの12分。タオル1枚が汗でぐっしょりとなるほど大汗をかいて登ったのに、いったいあの苦労はなんだったのでしょうか。


青空がのぞく
14:27 東屋が見えるところまで戻ってきました。そのとき、突然雲がきれて青空が垣間見れました。上ではホワイトアウトになりかけていたというのに、猫の目のようにころころ変わるおかしな天気でした。


東屋でスノーシューをはずしました。今回、スノーシューにちょっとした改造を施していたので、急斜面でもあまり滑ることなく登ることができました。



改造スノーシュー
改造というのは、真ん中の白いプレートの中央に貼り付けてある、茶色の棒のようなものです。もともと白いプレート部分には何もなかったので、つま先とかかとの部分に爪があるとはいえ、急斜面になるとつるつるとよく滑っていたのです。そこで、滑り止めになるものを取り付けてみました。金属プレートをビスで留めることも考えたのですが、ちょうど真ん中あたりでベルトが交差してビス用の穴を開けることが困難だったので、室内の段差などでつまづきを防止するために設置する三角形のプラスチック部材を瞬間接着剤で貼り付けてみました。100円ショップで手に入る材料だったので、接着剤と合わせてわずか210円ですみました。



GPSログマップ



■山行データ
<往路所要時間> 2時間29分(休憩時間を含む)
登山口11:03→三合目12:35→雲居平下765m地点13:32

<復路所要時間> 38分
雲居平下13:52→三合目14:01→登山口14:30

<登山道情報>
登山口までの道路はきちんと除雪されているようです。駐車場もある程度の広さが確保されていました。登山口に東屋はありますが、トイレはありません。

登山道は尾根に上がる手前あたりがややわかりにくいですが、尾根上に出てしまえば尾根をひたすら登るだけですから、トレースがなくても大丈夫だと思います。

雲居平は悪天候時はホワイトアウトしやすそうなので、注意が必要です。




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| 2012年1月 下蒜山 | 21:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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初雪山で一人ラッセル:下蒜山 その1

2012年1月28日 下蒜山(標高1100.3m) 日帰り山行



今シーズンは事前の準備だけはしっかりできていたのに、いざ雪が降り始めると体調不良で出かけられなくなり、せっかくの年末年始も、その後の連休もまるまる無駄にしてしまいました。その憂さ晴らしもかねて、悪天候と知りつつも28日に下蒜山に向かいました。


蒜山三座は、昨年1月と2月に中蒜山に登っただけで、上蒜山、下蒜山ともまだ登ったことはありません。その意味では上蒜山でもよかったのですが、天気がよくなかったので無理に標高の高い山にする必要もないし、湯原方面から行く場合は下蒜山のほうが手前にあるのでアクセスが楽ということで、下蒜山に登ることにしました。


駐車場
ところが、朝少しのんびりしすぎて家を出るのが遅くなり、登山口に着いたのは10時過ぎ。ほかの登山者は皆無です。天気予報は雪ですから、まあ当然です。


到着が遅れた上に、到着してから準備に手間取ってしまいました。前回、前々回と県南の雪のない低山に登ったため、いわゆる雪山装備で山に登るのは今年初ということもあって、どうもてきぱきと準備ができず、必要以上に時間がかかります。


ひとまず東屋へ
やっと準備ができて登山口に向かいます。


東屋
道路の脇には高さ1mほどの雪の壁があり、それを乗り越えて東屋に入り、スノーシューを装着します。トレースが残っていればクランポンでもよかったのですが、わずかにそれらしきものが見えるだけという状態だったので、迷わずスノーシューを選択しました。


準備もできてさあ行こうかと歩きだした瞬間、何かが足りないことに気がつきました。そう、ストックがないのです。車においてきてしまいました。このところストックを使わない山行が続いたので、うっかりその感覚のまま出てきてしまいました。こうして余計な時間をたっぷり使ってしまい、ようやく出発できたのは11時前になっていました。がっくし・・・


出発前に記念写真
まあ、どうせ今日は悪天候だし頂上は無理だろうと思っていたので、雲居平までいければいいやと思っていました。なので、出発前にのんきに記念写真もとって、また~りと出発です。


先行者なしの雪原
11:03 雪原にわずかに残るトレースの痕跡を追って、歩き出します。アラレがばらばらと降っているので、珍しくはじめからハードシェルジャケットを着ていきます。中はドライレイヤーとしてCW-Xの化繊メッシュTシャツにブレスサーモミドルウェイト長袖のみです。CW-XのTシャツはなんでもっているのかよくわからないのですが(タイツといっしょに貰ったのかも)、ポリエステル100%のメッシュ状の生地なので、もしかするとドライレイヤーとして使えるのではと、今回ブレスサーモの下に着てみました。


かすかなトレースの痕跡
幸い、トレースの痕跡は消えることなく林の中に続いていました。歩き出してすぐに指先が冷えてしびれてきました。気温が低いので、今回は中厚手のウール手袋にイスカのウェザーテックライトオーバーグローブを使っています。この組み合わせならこの程度の低山ならたいてい大丈夫だと思っていたのですが、体調にもよるのかもしれません。手をにぎにぎさせながら歩き続けます。


尾根に上る道
緩やかだった傾斜が、尾根を目指してやや急になってきました。


尾根上の道標
11:38 尾根上に出たところに道標がたっていました。埋もれていないところをみると、このあたりの積雪はまだそれほどでもないということなのでしょう。


急登の始まり
道標から先は尾根歩きになり、いきなりの急登が始まりました。体が温まるにつれて指先の冷たさもいつしかなくなっていました。


小休止地点で振り返る
12:03 急登が一息ついてやや傾斜が緩くなったところで、休憩することにしました。自分のトレースを眺めながら、足元を踏み固めてならし、バックパックを下ろして立ったままで行動食と水分補給です。結構な汗をかいてしまいましたが、この段階ではまだあっという間に冷えるということはありませんでした。標高がそれほどでもないし、林の中で風がなかったからでしょう。


再出発
とはいえ、長居は無用です。短時間で休憩を切り上げて、ふたたび消えかけたトレースを追います。


深くなる雪
急登と緩斜面を交互に繰り返して登ります。雪の深さは次第にひざ下ぐらいまで来るようになってきました。もしもつぼ足だった股下ぐらいまでもぐっていたかもしれません。


赤テープ
ときどき見つかる赤テープが緊張感を和らげてくれます。下蒜山は尾根に上がってしまえばずっと尾根歩きが続くので地図さえ持っていれば迷うことはまずないと思いますが、それでもトレースがあまり当てにならない状況では、赤テープが頼もしい道標になります。


三合目
12:35 三合目に着きました。道標が見えていたのですが、道標の写真を撮り忘れてしまいました。このあたりだけ妙にくっきりとトレース跡が残っていて写真にもくっきり写っています。左にあるトレースは、右のトレース跡に木の枝がかぶさっていたので、道標を回りこんで木の枝を避けた自分のトレースです。一度通り過ぎようとして、道標まで戻り、道標の上にカメラを置いてタイマー撮影をしようとして失敗した写真です。凍結していて滑るので撮影をやめて進みました。


雪深い急登
進むにつれて雪はどんどん深くなり、急傾斜のところでは歩きにくくなってきました。


五合目
13:25 やっと尾根が広くなり、木々の少ない雪原のような場所にでました。このあたりがたぶん五合目のはずです。14時までは行けるところまで行こうと思っていたのですが、おそらくもう一段上にあるだろう雲居平の道標まで行けばちょうど14時ぐらいになりそうです。


トレースの消えた雪原
このあたりになると、トレース跡は痕跡すらなくなりました。もはや何もない雪原をただ自分の思うように歩くだけです。


しかし、進むにつれて雪とガスが濃くなり、ときおりホワイトアウトに近い状態になります。


雲居平の手前で
遠くに見えている木が唯一コントラストがある物体で、それを見ながら進めばいいのですが、足元の雪面はまったくコントラストがないので、雪面までの距離感がつかめなくなってきました。そうなると平衡感覚が少しおかしくなってきて、軽いめまいのような感覚が出始めました。まだ年末のめまいが完治していないからなのか、それともこれがホワイトアウトというものなのでしょうか。サングラスをかけてみてもあまり状況はかわりません。逆にレンズが曇って視界が悪くなるばかり。風も出てきました。汗がじんわりと体から熱を奪っていくのを感じます。足を踏み出すたびにふわふわとしたおかしな感覚にまとわりつかれ、体から力が抜けていくようでもありました。そういえば、まだお昼を食べていませんでした。


つづく。





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| 2012年1月 下蒜山 | 23:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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