ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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紅葉はまだまだ、天気はいまいち: 岡山県立森林公園その1

2017年9月14日(木) 岡山県鏡野町 きたけ峰(標高1099m) 日帰り単独行 



9月半ばの連休は台風直撃らしいし、土曜日と月曜日に仕事が入ってしまい、どちらにしても遠出は無理ということで、14日の平日に県立森林公園を歩いてきました。


県立森林公園は何度か訪れたことはありますが、いまだに外周部の縦走路を一周したことがなかったので、今回はぐるりと縦走することにしました。


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8:30 駐車場には他に車はなく、一番の到着でした。準備をしているときに1台入ってきましたが、僕が出発するまではそれ以上の車は来ていません。さすがに平日は空いています。


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本日の予定コースです。水色のコースを反時計回りに歩きます。県立自然公園は、湿原のような平坦な場所を1000m級の山々が取り囲む場所で、中心部を散策するだけならほとんど登りもないし楽ちんです。登山道や散策路も縦横に整備されていて、周辺部の山々を縦走することもできるし、一部に登って降りるということも可能で、気軽にトレッキングを楽しむにはいいところです。


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8:46 駐車場から管理センターのほうへ歩いていきます。管理センターは8時30分からオープンしていて、園内のマップももらえます。


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管理センターのサイトから、園内マップのpdfをダウンロードすることもできます。なお、園内地図には左下のきたけ峰の標高が1,108mと記載されていますが、地形図では1,099mとなっているので、この記事では地形図の標高を使っています。


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管理センター前の道をまっすぐ奥に向かって歩きます。


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8:55 最初の分岐を右折です。


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行く先はすずのこ平。六本杉を経由します。


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分岐からすずのこ平への道に入ってすぐのところに、名木百選に選出されたオオヤマザクラの巨木があります。


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醍醐桜にはとうてい及びませんが、なかなか立派なサクラです。一度満開のところを見てみたいのですが、なかなかタイミングが合わず、いまだに見に来ることができていません。


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9:02 オオヤマザクラから少し行くと、六本杉があります。すずのこ平には六本杉の前を右に行けばいいのですが、分岐に気が付かず直進してしまいました。


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六本杉の裏をぐるっと右に曲がって下りて行くと、丁字路があります。すずのこ平へは右のはずということで、右に進んでみましたが、これだと六本杉のほうへ戻るだけではないかという疑念が湧いてきました。


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案の定、すぐ先で右手に六本杉が見えました。ここが丁字路になっていて、すずのこ平には左へ進みます。結局、六本杉の前で右折すればいいだけだったのですが、道標がなかった(見落とした?)ので直進して、六本杉の後ろをぐるっと回って戻ってきたというわけです。


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なだらかな森の中を登って行きます。


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標高が上がるにつれて、きれいなブナ林になってきました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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9:27 大きなブナのあるちょっとしたピークのような場所に着きました。登山道はここからいったん左へ下ります。下りたところで再び丁字路になっていて、右折して進みます。


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谷を一つ越え、尾根を回り込んだところで、道標のある分岐にでました。すずのこ平へは右の尾根へ進みます。


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尾根を登って行くと、太いブナが立ち並ぶきもちのいい森になっていました。


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ひときわ太い苔むしたブナが存在感を放ちます。


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美しいブナ林の中を進みます。


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ひんやりと涼しくて気持ちのいい散策路です。


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ブナ林が突然終わり、笹薮の道になると、尾根まであと少しです。


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尾根に出たところで、左折して北へと向かいます。


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左折した先がフラットなピークのような場所だったので、ここがてっきりすずのこ平だと思ったのですが、なにも表示板がないので、違うみたいです。


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再び笹藪の道を進みます。


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道の真ん中にカエデの木が通せんぼしているところから、左へ曲がり下って行きます。


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進んで行くと道標があり、すずのこ平はまだ先のようです。


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小さな鞍部を通過して緩い上り返しを詰め上がったところにすずのこ平と書かれた板が置かれていました。ここがすずのこ平なのか、それともこの先ということなのか、いまいちよくわかりません。


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歩いて行くと、フラットで開けた尾根になり、避難小屋がありました。


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休憩して行こうかと思って中を覗いてみると、ちょっと入るをのためらう雰囲気だったので、そのまま通過しました。


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10:08 避難小屋の少し先に、ようやく目指すすずのこ平がありました。ほとんど地面と大差ない高さのベンチがひとつだけあり、すこし休憩していくことにしました。


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地図で確認すると、ここが鳥取との県境になり、森林公園で一番北に位置する場所です。北側はガスで展望はゼロ。歩いてきた方角である南側をみると、少し青空がのぞいていました。


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ドリンクを二口ほど飲んだところで、雨粒がパラリと落ちてきたので、休憩は切り上げて出発しました。


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ここからはいったん南へと下り、少し下ったところからもみじ平まで西へ向かって縦走していきます。


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県境を越えたきたガスが森にかかって、雨になりそうな雰囲気です。


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紅葉にはまだ早い時期ですが、気の早いツタ類はすでに紅葉しはじめていました。


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足元で何かが動いたので見てみると、なんとカニでした。沢沿いならまだしも、こんな稜線にカニがいるとは驚きです。


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降りそうで降らない妙な天気ですが、日差しが少し差し始めたので、どうやら雨の心配はなさそうです。


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展望のないかわり映えのしない笹薮の道が続き、なんだか退屈してきました。


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ようやく少し展望が得られる場所に来ても、天気が良くないので盛り上がりません。


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左手前方に見えるひときわ高い山が、このコースの最高峰であるきたけ峰だろうかと思ってみても、山座同定するには特徴がなさ過ぎてわかりません。


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10:48 ログハウス風の避難小屋が見えてきました。ここはなんとなく記憶に残っているので、おそらく県境三叉路というところでしょう。


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以前、反対方向からここまで来て、中央園路へ下山したことがあります。


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すずのこ平でほとんど休憩しなかったので、さすがに疲れてきて避難小屋で休憩しようと思ったのですが、やっぱり入る気がしなくてもみじ平までそのまま行くことにしました。


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道標に貼ってあった地図です。赤丸のところにいます。もみじ平まではそれほどかからなかったような記憶があります。


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県境三叉路から少し進むと、これも記憶にある変に曲がったブナがありました。こんな形になっても立派に生きているのだから、植物って不思議です。


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もみじ平への道はおおむねフラットで歩かいやすいのですが、両側から笹薮が迫ってくる迷路のような道で、正直面白くありません。


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11:09 見覚えのある広い場所に出ました。


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もみじ平です。避難小屋の前で年配のご夫婦がすわって食事をしていたので、すこし先に進んだところで荷物をおろし休憩することにしました。森の中の広場のようなところなので、まったく展望はありませんが、静かでいい感じです。出発して2時間半近く経っているので、さすがに疲れました。トレーニング目的とはいえ、休憩は必要です。コンビニで買ってきたおにぎり1個を食べ、塩レモンの飴をデザートにして、20分ほど休憩しました。

つづく。


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| 2017年9月 岡山県立森林公園 | 21:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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累積標高差893mは意外ときつかった: 下蒜山~中蒜山その3 

2017年9月10日(日) 岡山県真庭市 下蒜山(標高1100.4m)・中蒜山(標高1123.4m) 日帰り単独行 



前回で終わるつもりでしたが、時間が遅くて眠かったことと、左腕が疲れてきたので、下山部分だけが残ってしまいました。わざわざ独立して記事にするほどのボリュームはありませんが、早めに書き終えてしまいたいと思います。


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12:04 ランチ休憩を終えて、下山にとりかかります。今回はバーナーを持ってきて山頂でゆったりとコーヒーでも飲もうと思っていたのですが、朝急いで準備したためバーナーとクッカーを忘れてきてしまい、結局水でおにぎりを流し込んだだけでした。


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中蒜山登山口への分岐を通過するとき、下の方から声が聞こえていたので、登山者が登ってきていたようです。時間的にはこれから本格的に混雑する時間だったのかもしれません。混雑する前に休憩し終えることができてラッキーでした。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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12:27 フングリ乢を通過します。ここまでは単独の男性を一人追い越しただけでした。


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フングリ乢の上にある笹原の尾根から樹林帯に入ったところで、道端に人が寝転んでいてちょっとびっくり。赤い服を着た男性で、単に寝転んで休憩していただけでしたが、最初見た時は死んでいるのかと思って焦りました。


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下蒜山への登り返しは、それほど斜度はきつくありませんが、だらだらと続く感じで長く感じます。


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しかし、見通しが良く次第にピークが近づいてくるのが見えるので、気持ち的にはまだ楽でした。


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下蒜山山頂西の尾根に上がる階段が一番しんどかったです。足腰に疲れがたまる時間帯だったからでしょう。


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ようやく階段を登り終え、フラットな尾根道を下蒜山山頂へと向かいます。下蒜山から団体が下ってくるのが見えたので、あまり急ぐと坂道ですれ違いになり、通過待ちが発生しそうだったので、フラットなところですれ違えるように少しゆっくり目にあるいてタイミングを調整しながら行くことにしました。それにしてもすでに13時を回っているのに、どこまで行くのか知りませんが、これから中蒜山に向かうというのもずいぶんのんびりとした計画です。


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13:28 下蒜山山頂まで戻ってきました。団体さんとはうまくフラットな尾根道ですれ違えたので、下蒜山への最後の登り坂はスムースに通過できました。


汗で服がびっしょりだったので、誰もいない山頂のベンチにすわって、すこし休憩していくことにしました。気温的にはたいして暑くはなかったのですが、やたら汗をかいた一日でした。


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13:48 山頂で20分休憩をとって、下山開始です。


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下蒜山山頂から9合目の小ピークまでは、改めて見るとけっこうな急傾斜で、登ってきたときの印象とはずいぶん違っていました。


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反対に、45度の壁は思っていたほどの急斜面には感じなくて、むしろ登りの時の方がきつく感じました。登りと下りでこんなに感じ方が違う山もあるんだなと改めて思った次第です。積雪期に通った時は、さすがに登りも下りも怖かったのに、妙な感じです。


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誰もいない雲居平をズンズン下ります。


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途中休憩なしで、尾根道末端まで一気に下ってきました。これを下ってしまえば、あとはフラットな森の道だけです。


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14:58 最後の方は少し足が痛くなってきましたが、なんとか無事に車まで戻ってくることができました。登りも下りも、それぞれ休憩込みで3時間を要しました。トータル6時間の山行になり、日帰り山行としてはそこそこ長い時間歩いたので、思っていたよりも疲れたというのが実感です。蒜山三座の縦走となると一日がかりになるでしょうから、そのうち機会を見つけて挑戦してみたいと思います。


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| 2017年9月 下蒜山・中蒜山 | 13:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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累積標高差893mは意外ときつかった: 下蒜山~中蒜山その2 

2017年9月10日(日) 岡山県真庭市 下蒜山(標高1100.4m)・中蒜山(標高1123.4m) 日帰り単独行 


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9:52 汗を拭いて水分補給をしただけの休憩とは言えないような小休止のあと、下蒜山山頂から西へと下ります。


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前方遠くに大山と烏ヶ山が見えていました。この日はガスがかかることもなくきれいに見えていました。しかし、こうしてみると、とても標高1700m程度の山とは思えない圧倒的な存在感と高さを誇る大山は、やはり名峰と呼ぶにふさわしい風格があります。


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下蒜山山頂から西へ下る道は、なぜかやたらドロドロしていて、スリップに気を付けて左右の笹がある場所をたどりながら下りました。距離があまりないのがせめてもの救いです。


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下蒜山から標高差50mほど下ると、いったんフラットな尾根道になります。尾根の末端あたりまで来ると展望が得られて、これから下って行くフングリ乢とそこに至る稜線が見えました。こうしてみると結構な標高差です。1100mの山頂から820mの最低鞍部まで下るので、標高差は280mあります。ちょっとした里山程度の標高差があるわけです。登山を始めてから休憩らしい休憩をとっていないので、ちょっと脚が心配です。


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フラットな尾根の末端から南西方向に延びる尾根を下って行きます。この尾根はなぜか樹木がなく、展望のきく気持ちのいい尾根です。ただし、結構段差のある階段が設置されている部分もあるので、それなりに楽ではありません。


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5分ほど下ると尾根道の傾斜が緩くなって、階段もなくなり歩きやすくなってきます。前方に、再び木々が生い茂る尾根が近づいてきました。


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919ピークで尾根が南へと向きを変え、そこから先は樹林帯の道になります。日差しがさえぎられるため、急に涼しくひんやりとした空気にかわりました。


樹林帯から抜け出て笹原になったところで、尾根道は再び西へと向きを変えます。緩く下って、軽い登り返しをこなした標高870mの小ピーク上に笹がかられた3畳ほどのスペースがあったので、そこでようやく大休止をとることができました。


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休憩場所から西に中蒜山が見えます。


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振り返った東側には、今まで下ってきた下蒜山へと続く尾根道が見えます。空を薄い雲が覆い始めたので、笹原のど真ん中とはいえ日差しがさえぎられてあまり暑さはかんじません。しかし、歩きづめのためけっこう汗をかいてしまい、シャツもパンツも汗だく状態になっていました。最近、日帰り山行のお供にしているグリベルのハイキングチェアーにどっかりと座って、おにぎりを食べたり水分補給をしたりで、15分ほどゆっくりしました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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10:48 再び中蒜山へと向かいます。まずはフングリ乢へ向けて下降です。


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フングリ乢のあたりまで来ると、ちょっとしたブナ林になっていて、再びひんやりとした涼しさを味わうことができました。


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10:53 ブナ林の中を進んでいくと、突然木々のないところに出て、そこにブングリ乢の標柱がありました。笹原を切り開いた道端にひっそりと建っていて、休憩するようなスペースもなく、ここがそうなのかと思っただけで、そのまま通過します。


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フングリ乢を過ぎると、中蒜山への登り返しが始まります。初めのうちは階段が設置されていて歩きやすい道ですが、途中やや傾斜がきつい場所もありましたが、全般的にはこれといって厄介な場所はなく、淡々と登りつめていくだけです。


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フングリ乢から20分ほど登ると、中蒜山山頂へ続く尾根にでて傾斜が緩くなります。ここまでくれば山頂はもうすぐです。


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11:23 塩釜からの中蒜山登山道との合流点です。中蒜山山頂まで、あと10分もかからない距離です。


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のんびりと登って行くと、前方に避難小屋と山頂が見えてきました。


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避難小屋まで来ると、2匹のアゲハチョウがダンスを踊るかのごとくくっついたり離れたりしながら華麗に舞っていたので、そばに咲いていた花にとまったところを激写。


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11:31 中蒜山山頂です。まだお昼前だったためか、登山者は3人ほどいただけで、思ったよりも空いていました。下蒜山登山口から休憩込みで約3時間でした。コースタイムより30分ほど遅れていますが、おおむねこんなものだろうという感じです。


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5か月ぶりの中蒜山です。


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人のいないうちにさくっと自撮りしておきました。このサングラスは、先日の楽天スーパーセールでゲットした、スワンズのエアレス リーフSA-606というもので、重さ14gとかけている感じがしないほどの軽さに加え、可視光線透過率45%となっているので、明るい尾根道でまぶしいことはなく、反対に暗い林の中でも比較的よく視界が確保され、ずっとかけていられるいいサングラスです(現行品はSALF-0712 COPというモデルで16gになってます)。詳しくは後日レポする予定です。







ベンチに座ってランチ休憩していると、続々と登山者がやってきて山頂はあっというまに人が増えましたが、それでも10人ぐらいだったので、それほど混雑している感じはありませんでした。他にも、立ち止まらないで写真だけ撮ってすぐに立ち去るような人もちらほらいて、それなりに日曜日の山頂の雰囲気ではありました。幸い、このときは近くで喫煙する愚者がいなかったので、不快な思いをすることなく休憩することができました。


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山頂からの展望はやや霞んでいましたが、麓の様子はよく見えました。水田がほんのりと黄色くなっているのをみると、秋が来たのを実感します。


つづく。


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| 2017年9月 下蒜山・中蒜山 | 00:05 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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累積標高差893mは意外ときつかった: 下蒜山~中蒜山その1

春ごろからずっと痛めていた左右の肘ですが、特に左ひじがひどく、時にズキズキと痛んだり、力を入れて左腕を握ることができないような状態が続いていました。幸い、夏山山行前にはだいぶん回復して、後立山連峰縦走後は悪化することもなく、痛みもほぼとれてこれで全快と喜んでいました。


ところが、先週あたりから左腕を使うと腕がピクピクとひきつったようになる症状が出始めました。特に腕を痛めるようなことはしていないはずですが、思い当たることといえば、仕事で建築現場の足場に上り下りしたことぐらいです。基本的には階段がありますが、場合によっては足場に段差があったりするので、ジャングルジム的な上り下りをすることもあります。その場合、どうしても足場のパイプを強くつかんだりぶら下がるようなこともあるので、筋を痛めたのかもしれません。


痛みはほとんどなく、ピクピク痙攣だけの症状なので日常生活に大きな支障はないものの、キーボード入力がうまくできず、それだけが困ります。というわけで、ブログも更新は片手で入力しなければならず、まったくはかどりません。とりあえず、ぼちぼち進めて行こうと思います。






2017年9月10日(日) 岡山県真庭市 下蒜山(標高1100.4m)・中蒜山(標高1123.4m) 日帰り単独行 


8月31日に歩くつもりだった下蒜山から中蒜山への縦走に行ってきました。中蒜山から上蒜山への縦走は2017年4月に済ませてあるので、残り区間を早く歩いてみたかったというわけです。


とはいえ、下蒜山登山口から下蒜山山頂までの標高差は約590m、下蒜山と中蒜山の最低鞍部フングリ乢から中蒜山山頂までの標高差は約303mで、累積標高差は約893mあり、中国地方ではなかなかの標高差です。伯耆大山が約935m(南光河原~弥山間)なので、それと大差ないレベルであり、前回の櫃ヶ山ほど楽ではないだろうというのはわかります。休憩込みで往復6時間と見積もっています。


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8時過ぎに下蒜山登山口に到着しました。日曜日ということもあり、登山口横の駐車場はいっぱいだったので、奥にあるアスファルト舗装の駐車場に停めました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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8:25 登山開始です。登山口横の駐車場に停まっている車を見ながら登山口に歩いていくと、長野ナンバーの車があってちょっとびっくり。もちろん岡山ナンバーの自分が長野まで登山に行くわけですからその逆もあるわけですが、標高わずか1100mという低山に、3000m級の山が連なる長野からわざわざ登りに来る人がいるとは!? 大山登山のついでなのか、それとも二百名山に入っている上蒜山まで縦走するつもりなのかもしれませんが、ちょっとした驚きでした。


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登山道は湿原の中を突っ切って西へ向かいます。下蒜山には何回か来ていますが、実は無雪期に登山するのは初めてです。初めて訪れたのは2012年1月で、その時は悪天候のため雲居平で引き返しました。そして、その時が初の雪山登山でした。


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森の中に入ると黒い火山灰の道になりますが、意外と滑らないので歩きやすかったです。


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8:35 短い登り階段を詰めあがると尾根に出ます。ここで左に曲がり、尾根道をたどります。


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尾根道は始まりからいきなり急な階段道が続きます。


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最初の階段がやっと終わったと思ったら、すぐに次の階段が現れます。


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8:48 二つ目の階段を終えるとやや傾斜が緩くなり、三合目の道標があります。


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三合目を過ぎるとすぐに急傾斜の岩が露出した道になります。鎖も設置されていますが、足場はそれほど悪くないので鎖に頼ることなく登っていけます。


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8:58 岩の急斜面が終わると緩い傾斜の森の中をしばらく進み、ぱっと開けたところが五合目です。下蒜山も頭をのぞかせています。


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ここからは直射日光を後ろから浴びるので、帽子のサンシェードをおろします。この帽子は以前記事にしたphenix ARBOR HATです。メッシュ窓もあるので涼しく快適です。首筋に日差しを受けなくて済むだけで暑さの感覚はだいぶんなくなります。ツバの芯がもうすこししっかりしていればいいなと思いますが、価格が安いのであまり多くは望めません。



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雲居平は快晴です。広大な笹原の中をのんびりと歩きます。


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9:10 雲居平に着きました。後からトレランっぽい人が来ていたので、先行させるために休憩をとりました。


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流れ落ちる汗を拭きながら蒜山高原の風景を楽しみます。


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ところどころススキの群生がありましたが、まだ穂はしっかりと閉じたままで、秋らしくなってくるまでもうしばらくかかりそうです。


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9:19 七合目を通過します。この先に、下蒜山の壁といってもいい45度の急斜面が待ち構えています。


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次第に傾斜が増し、45度の壁が迫ってきました。しかし、積雪期と違ってちゃんとした登山道がジグザグについているので、思ったほどの厄介さはありませんでした。


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振り返れば笹の海原が広がっています。


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横を見ればさすがに45度を実感させられる角度の斜面が伸びています。


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上の方は岩の露出した直登の道になるのでそれなりに大変でしたが、距離が短いので助かります。雪の1枚バーンになる積雪期は、ここを上り下りするのはかなり緊張しますが、無雪期はほとんど緊張する要素がありません。


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45度の壁を登りきると、そこが9合目です。下蒜山の山頂までもう少しです。


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9合目から山頂まではそこそこきつい登りですが、特に危険なところはないので淡々と登って行くだけです。


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9:50 下蒜山登頂です。登山者が5人ぐらい休憩していました。登山口からここまで立ったままの小休止しかとっていないので座って休憩したかったのですが、ここにもタバコを吸う愚者がいて、毎度のことながらなぜか風上で吸うので煙が流れてきて大迷惑。山で喫煙する人は押しなべて知能指数が低いようで、周囲に配慮して喫煙している人を見たことがありません。休憩どころではないので、すぐに中蒜山に向かいました。

つづく。

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| 2017年9月 下蒜山・中蒜山 | 23:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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ゆく夏くる秋: 櫃ヶ山 

2017年8月31日(木) 岡山県真庭市 櫃ヶ山(標高953.5m) 日帰り単独行 


8月最後の日、快晴予報が出ていたので仕事は休みにして出かけてきました。下蒜山から中蒜山への縦走をしようと思ってでかけたのですが、後立山連峰縦走から帰ってから2週間、どこにも出かけずかなり足腰がなまってそうなので、ちょっときついかなと思い、急きょ櫃ヶ山に目的地を変更しました。


櫃ヶ山は湯原温泉の近くにあるピラミダルな山で、岡山ではそこそこ人気の山だと思います。湯原ICから国道313号を少し南に下ったところに櫃ヶ山登山口という大きな看板がたっていますが、そこにある駐車場はけっこう狭くて、4台分ぐらいのスペースしかありません。そこがいっぱいだった場合は、登山口のすぐ南にある橋を渡ったところから河原に下りることができ、河原に広い駐車スペースがあります。


国道沿いの登山口からは集落の中を通り、畑のそばを通って竹藪の中を登って行くのですが、この区間が登山道という雰囲気がなく、ただのアクセス路という感じで面白くありません。2016年5月に櫃ヶ山から星山へ縦走した時は、復路に基幹林道を使うことから、林道を上がったところにある登山口に駐車して、そこを起点にしました。ここからなら、すぐに登山道に入れるので、集落や畑などを通過する必要がないので始めから登山の雰囲気を味わうことができます。今回も林道の登山口を利用しました。さすがに平日ということで、ほかに停まっている車はありませんでした。


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9:23 準備を終えて出発です。今回は、いつも通り駐車場所の登山口から入山するのではなく、しばらく基幹林道を南へ歩いたところにあるもう一つの登山口から入ることにしました。同じルートを同じ方向に歩いていも目新しさがないので、逆回りで歩いてみようというわけです。


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林道を歩き始めて5分ほどすると、急に勾配がきつくなります。最初は11%の表示があり、その後12%の表示がありました。10%を超える勾配なんて山岳路にでも入らない限りあまりでくわすことはありません。高速道路でけっこうきつなと思う勾配でも、たいてい5%ぐらいですから、12%勾配はなかなかレアです。もっとも、登山道ではこんなものではないでしょうから、歩いている分にはそれほどでもありません。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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9:47 登山口に到着です。八月末ということで、雑草が伸び放題です。


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林道からの入り口は廃道のような雰囲気で、かなり草に覆われていました。


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しかし、森の中に入ってしまうとトレースはしっかりと見えています。


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苔むした丸太橋を渡ります。


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沢音を聞きながら谷筋に沿って登って行きます。


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若干わかりにくい場所が渡渉地点になっていました。沢の手前でトレースが消えたようになっていて、立ち止まって道を探しましたが、よく見ると沢へ下りて行くようにかすかな足跡がついていました。沢に下りると歩いてきた道の延長方向についトレースを探してしまいますが、沢の上流方向にはトレースらしい物はありません。なので、ここでもう一度周囲を確認してトレースを探すと、右手後方にトレースがありました。ちょっとわかりにくい場所です。


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数本の倒木がまとまって道をふさいでいました。またぐには高過ぎるし、くぐるには低すぎます。なので、上側を巻いて通過しました。


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植林の尾根下に見覚えのある看板がありました。標高630mぐらいの場所です。古い地形図には、このあたりから尾根を通って山頂南側の稜線に出る登山道が描かれていました。2010年12月に初めて櫃ヶ山に登ったときには、その古い地形図を持って行ったので、登山道の入り口がわからず行きつ戻りつして探したことがあります。最新の地形図では、現在の登山道が反映されていて、古い尾根筋の道はなくなっています。この看板は古い地図を参考にして廃道になった登山道に入り込まないようにするための注意書きなのでしょう。


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次第に登山道の傾斜がきつくなり、沢からも距離・高さが遠くなって水音も聞こえなくなってきました。標高700mあたりで、仕事の電話がかかってきました。スマホにはメールの着信音もしています。こんな山の中の谷筋にいるのに、電話もメールも通じるなんて、さすがドコモだと感心するばかりです。以前はソフトバンクの携帯でしたが、ちょっと山間部に入るとすぐに圏外になってしまい、平日に登山するのは躊躇したものでしたが、いまは全く気になりません。山に入るならドコモ回線が一番です。


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10:50 急に樹木のない開けた場所に出ました。


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稜線が近くに見えます。以前、下山で使ったときにこんな場所を通った記憶があるので、稜線まで近くなったことがわかります。樹木がない理由はわかりませんが、一度土砂崩れでもあったのかもしれません。ただ、日当たりがいいためか、登山道わきにトゲのある草がけっこうあり、夏用の薄手のパンツだとトゲが貫通しがちなので、パンツに引っかかったりビミョーにチクチクしたりしてあまりうれしくありません。短パンにタイツといういでたちだとけっこう大変かもしれません。


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再び森の中の道になり、草の少ない歩きやすい道になります。


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10:59 稜線に出ました。稜線上の道はきれいに草刈がされていて、星山への縦走路も1mを越えるぐらいの広い幅で続いていました。出発以来とくに休憩をとっていませんが、電話がかかってきたときに荷物を降ろして数分間立ち止まっていたので、休憩をとったようなものです。なので、ここでも休憩なしで山頂まで行くことにしました。


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櫃ヶ山へと続く尾根道をたどります。


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振り返ると、星山への縦走路になっている尾根と、その向こうに星山が半分だけ顔をのぞかせているのが見えました。


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小ピークに登ると、櫃ヶ山が見えました。あとひと登りです。


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足元にあまり見たことのない花が咲いていました。戻ってネットで調べてみると、どうやらフシグロセンノウという花のようです。都道府県によっては絶滅危惧種に指定されているみたいです。


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11:13 櫃ヶ山山頂です。誰もいない静かな山頂です。山頂南側の一部だけ草刈がされていました。しかし、山頂部から北側にかけては雑草が伸び放題です。


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相変わらず標高しか記載していない標柱がたっています。


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離れたところにぽつんと立っている標柱に消えかけた文字で日津ヶ仙と書かれていて、古くはこちらの字をつかっていたのかもしれません。とりあえず、その標柱横で自撮り。


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今日はいい天気で、日差しも常に降り注いでいるのですが、風がひんやりと涼しくて少し前のうだるような暑さが全然ありません。風がやんでも、日差しに焼けつくようなエネルギーはなく、夏が往き秋が訪れたのを感じました。


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大山は雲に邪魔されて頂上付近は見えません。単に雲が邪魔しているだけなのか、頂上付近にガスがかかっているのか、ここからだとはっきりしません。


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蒜山三座は雲の下、山頂までなんとか見えていました。


かれこれ30分ほど誰もいない山頂でぼけーっと景色を見て過ごしていました。お昼前ですが、あまり空腹感もなく、ランチ用に持ってきたパンも手をつけませんでした。山頂でコーヒーでも飲もうと担いできたバーナーと水も使わずで、無駄に重い荷物になってしまいましたが、日帰りなのでたかが知れています。


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11:43 この日は休憩用にシートではなくトレッキングチェアーを持ってきたので、山頂で昼寝というわけにもいかず、せっかくの静かな山頂ですが下山することにしました。伸び放題の草の中を北に向かって下って行きます。


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山頂直下は比較的傾斜が急ですが、ちゃんとした階段があってそれほど大変な場所ではありませんが、草に階段が覆い隠されていて、足で段差を探りながら下りなければならず、けっこう手間取りました。


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9合目の草地にたくさん生えていた赤っぽい猫じゃらしのような植物。花なのか実なのかよくわからないものですが、調べようもないのでそのうち判明することを期待しつつ、先を急ぎます。


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9合目から8合目へと下る道も、やはり藪化していました。ここでも足で段差を探りながらゆっくりと下って行きます。


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8合目の天狗の森分岐はただの草薮状態です。


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天狗の森へ下る道も草で覆われてトレースさえ見えません。夏場はほとんど人が通っていないみたいです。


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8合目から下って行くと、マツムシソウが咲いていました。やっぱり秋だなあと納得。


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7合目あたりにある天狗の森分岐が見えてくると、単独の男性が天狗の森方面に入ってくのが見えました。この日見た唯一の登山者でした。


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下って行くと、ナデシコも咲いていました。またまた秋を感じた瞬間でした。


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12:17 6合目を通過します。


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6合目にある広場のような場所も、伸び放題の草に覆われていました。


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6合目から5合目にかけての急傾斜の区間も草がびっしりついていて、段差がまったく見えないばかりか、草で滑ったりしてかなり大変でした。夏の櫃ヶ山はめんどくさい山でした。


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ようやく樹林帯に入ると、草ぼうぼうの登山道から解放されて、涼しくて歩きやすい道になりました。


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イガグリもたくさん落ちていて、すっかり秋っぽくなっていました。


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急傾斜の植林帯を水平にトラバースする道になると、登山口ももうすぐです。


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12:51 登山口に下りてきました。特に急いだわけではありませんが、休憩をとらなかったので、1時間10分で下りてくることができました。3時間半の山行ということで、2週間ぶりの山としてはきつすぎず緩すぎずでちょうどいい感じでした。


帰りは足(たる)温泉に立ち寄りましたが、平日の午後早い時間だったため、ガラガラでした。山も温泉も平日に限るなと思った1日でした。

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| 2017年8月 櫃ヶ山 | 15:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の後立山連峰縦走: 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳その7

2017年8月11日(金)~14日(月) 長野県大町市 爺ヶ岳(標高2669.9m)、鹿島槍ヶ岳(標高2889.2m)、五竜岳(標高2814m)  テント泊小屋泊単独行 


7、8月14日 五竜山荘~遠見尾根~神城~扇沢
今回の山行は、もともとの計画では4泊5日で後立山連峰を縦走し、白馬大池から栂池に下山する予定でした。しかし、2日目に五竜山荘まで行く予定を途中のキレット小屋で行動を打ち切ったことで、1日行程が遅れてしましました。本来ならこの日は天狗平山荘のテント場にいるはずだったのです。そして、今日の予定では白馬岳を越えて白馬大池で幕営する予定でした。天気予報では、明日15日以降は雨が続くことになっています。


昨夜から14日以降の予定をどうするかいろいろと考えていましたが、14日も曇り予報がでているので、おそらくガスガスの天気だと思われます。もしかすると、早めに雨になるかもしれません。もしも計画通りに進むとすれば、五竜山荘から唐松岳を越えて、不帰キレットを抜けて天狗平まで8時間の行程です。ガスで視界のない中を8時間も行動する理由があるかといえば、まったくもってありません。しかも、厄介な不帰キレットを通過するのです。晴れていれば写真を撮りながら歩けばいいのですが、ガスガスの不帰キレットなどただの苦痛以外の何物でもありません。しかも、天狗山荘に到着するのは14時の予定なので、テントのスペースが確保できるかビミョーなところです。


15日は天狗山荘から白馬岳を越えて白馬大池まで7時間の行動予定なので、5時に出れば13時には着けるはずです。テントの心配はなさそうですが、ガスと雨の中での行動になるわけで、これまたまったく意欲がわきません。というわけで、今年の山行は後立山連峰の南半分だけの縦走で終えることにしました。登頂や縦走自体が目的なら継続したかもしれませんが、自分の場合はそうではないので、特に未練も感じません。天気が良くないのに突っこんでいけば遭難の確率も高くなるので、リスク管理の点でも撤退するのがお得です。


というわけで、基本的には遠見尾根経由で下山することにして、もしも14日の朝天気が良ければ唐松山荘まで行って、その時点での天気次第で不帰キレットを抜けて天狗山荘まで行くか、八方尾根経由で下山するかを決めることにしました。


14日の朝は4時ごろ目覚めました。とりあえず、すぐに朝食をとり、出発の準備に取り掛かれるようにしておきました。


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5時過ぎにトイレに行くと、東の空に一瞬だけ朝日が顔を出しました。


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下界は昨日と同様に雲海に埋め尽くされています。上空は青空ものぞいているので、もしかしたら晴れてくるかもしれません。すぐにテントに戻ってパッキングを始めました。


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パッキングしていると、急に朝日が差し込んできて、五竜岳がスポットライトに照らされたように浮かび上がりました。


しかし、すぐに日差しはなくなり、あっというまに上空は雲に覆われてしまいました。そのうえ、どこからともなくガスが忍び寄ってきて、五竜山荘周辺は昨日と同じようにガスに包まれてしまいました。これで一気にトーンダウン。急いでパッキングする理由はなくなってしまったので、1リットル100円で購入した水が余っていたこともあり、パッキングの手を止めてコーヒータイムをとることにしました。


撤収されていく周囲のテントを眺めながら、のんびりとコーヒーを味わってから、再びパッキングを始めました。内側が結露でびっしょり濡れているフライシートはある程度タオルで水滴を拭きとったら、バサバサとはたいて水気をとばして折りたたんでおしまい。テントは本体はとくに濡れているところもないので、そのままたたみます。テントをたたんでからパッキングを完了するまでの時間が、雨に対して一番無防備な状態なので、とにかく急いでパッキングを終えました。


メスナーテント本体の収納袋はきつきつの作りになっているため、かなり上手にきっちりとあうサイズにたたまないとうまく入らなかったのが欠点でした。しかし、今回は一回り大きいダウンジャケットか何かについていた収納袋に入れてきたので、少々適当でも小さく折りたたんで強めに丸めてしまえばうまく収まり、時間と手間を短縮することができました。商品についている収納袋を後生大事に使わなくても、より使いやすい物で代用すればかえって便利になることもあるということです。その点、アライテントのXライズは、はじめから余裕のある収納袋になっていて、さすが老舗は違うと感心しました。


ちなみに、最近はサーマレストの自動膨張式マットも収納袋を使わずに、バックパックの気室サイズにちょうどあうぐらいの大きさに折りたたんでそのままバックパックに縦に入れています。こうすると、丸めて収納袋に入れるよりパッキングが楽だし、容量も少し余裕ができます。四角い入れ物に丸い筒状のものを入れれば、どうしても角の部分にデッドスペースが発生しますが、丸めないで折りたたんで入れればデッドスペースが発生しないというわけです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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6:36 ちょっとのんびりしすぎて遅くなってしまいましたが、やっと出発です。小屋の右側を奥に向かって進みます。


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5分ほどで遠見尾根の分岐に着きました。直進するか、右折するか、運命の分かれ道というところですが、ガスガスのこの天気です。昨夜考えていたとおり、遠見尾根で下山することに決定です。


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白岳のピークを越えます。


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白岳から始まる下りを10分ほど進んだあたりから鎖場がでてきました。たいして傾斜もきつくなく、鎖がなくても問題なさそうに見えますが、意外とスタンスがなかったり、滑りやすかったりで、鎖に頼ることも多々ありました。


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鎖場が現れるころになると、ガスもなくなり、五竜岳や鹿島槍が姿を見せ始めました。早まったかなと思ったりもしましたが、すぐにガスに隠れてしまい、やはり下山で正解だったと思うことにしました。


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7:40 池のある広くてフラットな場所に出たので、ここで休憩にしました。地図には何も書いてありませんが、ネットで調べると西遠見ノ池という名前だそうです。


遠見尾根は白岳から西遠見山まではそこそこ鎖場や岩場が続きますが、西遠見山から下は比較的傾斜も緩やかで歩きやすい尾根道でした。


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8:05 大遠見に着きました。登山道に沿ってわずかに休憩場所がある程度のたいして広くもない場所に20名ぐらいの団体が休憩していたので、道標の写真だけとって通過しました。


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大遠見から中遠見にかけては比較的細い尾根道で、傾斜もそれなりにありますが、階段が整備されているので歩きやすい道でした。


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8:36 中遠見です。ここもあまり広くありませんが、二人ほど休憩していただけんなので小休止をとりました。


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このあたりは雲海の中にはいったのか、すっかりガスガスの状態でした。雲海の上はもしかして晴れていたりするのかなと思ったりしましたが、いまさら考えても仕方がありません。あとは下山するのみです。


中遠見から下って行くと、突然道が分岐していました。五竜岳への道標はあるものの、下山方向の道標がなにもなく、一瞬どうしたものかと判断にまよいましたが、山と高原地図には小遠見山の下を巻く道が描かれていて、その分岐であろうと見当を付けました。小遠見山に登る必要はないので、左の巻道へと進みます。


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9:45 ずんずん下って行くと、再び分岐がありました。今度は道標が設置されていて、右が地蔵の沼経由でゴンドラ駅、左が地蔵の頭経由でゴンドラ駅となっていて、どっちでもいいみたいです。沼経由のほうが少し距離が長そうですが緩い下りで楽なんだろうと思われます。しかし、せっかくなので地蔵の頭を経由して行くことにしました。


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地蔵の頭へは登り返しになるのですこししんどい思いをしましたが、広いピークは人けがなく静かでした。ベンチもあちこちに設置されていたので、とりあえず荷物を降ろして休憩です。シャツもパンツも汗でびっしょりと濡れていて、ベンチに座るとお尻の跡がくっきりとつくほどです。しばらく休憩してみたものの、それで乾くはずもなく、あきらめて下ることにしました。


地蔵の頭のすぐ下にリフト乗り場があり、最後だしリフトで楽してしまおうと乗り場に行ってみると、係員からこのリフトの降り場はゴンドラ駅より100mほど下にあり、下りてからゴンドラ駅まで距離で100m、高低差で30mの登り返しがありますとの説明を受けて、あまりリフトに乗るメリットがないと判断。ゴンドラ駅まで歩いて下ることにしました。


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リフト乗り場からゴンドラ駅までは高山植物園になっていて、たくさんの花が咲いていました。観光客もたくさん訪れていて、大きな荷物を担いだ登山装備のいでたちはちょっと場違いな感じです。


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でも、稜線であまり見られなかった花がたくさん見られたので、歩いて下ったのは正解でした。


ゴンドラ駅まで下ってくると、ちょうど雨が降り始めました。ここから先はどしゃ降りになっても問題ないので、いいタイミングでした。トイレを済ませたらすぐにゴンドラに乗り込みます。すいているので、一人で一台のゴンドラを貸切でのることができました。汗臭さを気にしないでいいのでよかったです。


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雨とガスの中をゴンドラは静かに下って行きます。


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どんどん下って行くと雨雲を抜けたようで、ぱっと視界が開けました。下界は雨は降っていません。全く変な天気です。


ゴンドラを下りて、すぐ下にあるエスカルプラザで温泉に入りました。事前にネットで調べた時は、スキーシーズンしか営業していないということだったはずですが、なぜか営業していました。お盆休み期間だけ特別に営業していたのでしょうか。とりあえず、汗でびしょ濡れのまま扇沢まで公共交通機関で帰らなくてもすんだのは助かりました。


もっとも、上は新しいTシャツに着替えたものの、下は今朝新しく履き替えたばかりの山パンツなので、もう予備はなく汗で濡れたパンツをはかざるを得ませんでした。ちょっと気持ち悪いのでドライヤーで腰回りを乾かしてみたら、けっこう臭いがきつくなってしまい、虫よけスプレーで消臭してなんとか周囲に迷惑をかけない程度に抑えることができました。今回、自分でブレンドして作ってきたスプレーで、レモングラスエキスを多めに入れて柑橘系の匂いが主体のスプレーにしていたので消臭剤としても活用できました。


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温泉から出て玄関へ行ってみると、玄関前にJR神城駅への無料送迎バスの停留所があり、ちょうど11時40分に出発するところでした。この無料バスも事前に調べた限りではスキーシーズンしか営業していないとのことだったので、歩いて神城駅まで行くつもりでしたが、すごく助かりました。もっとも、乗る予定の電車が12時33分発で、早く着きすぎて少し暇を持て余してしまったのが、ちょっとした誤算でした。


13:53 神城駅から信濃大町駅まで電車で移動し、大町駅前から扇沢行きのバスで扇沢まで戻ってきました。登ってくる途中に大きな臨時駐車場ができていたりで、かなり混雑しているようです。


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有料駐車場に入る車が大渋滞になっていました。


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スノーシェードの先まで渋滞していて、駐車場に入るまでけっこう待たされているようです。多くは一般の観光客みたいですが、こんな時間からどこまで行くつもりなんでしょうか。


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13:59 ようやく自分の車まで戻ってくることができました。今回は途中で下山することになってしまいましたが、残った唐松岳以北の後立山連峰は近いうちに訪れようと思いつつ、一路岡山へと車を走らせました。

おわり。

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| 2017年8月 後立山連峰 | 22:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の後立山連峰縦走: 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳その6

2017年8月11日(金)~14日(月) 長野県大町市 爺ヶ岳(標高2669.9m)、鹿島槍ヶ岳(標高2889.2m)、五竜岳(標高2814m)  テント泊小屋泊単独行 


6、8月13日 北尾根の頭~五竜山荘

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北尾根の頭からはいよいよ本日のメインイベントとなる五竜岳が大きく聳えたっているのが見えましたが、その手前に前衛峰のような岩峰がいやらしい感じで行く手をふさいでいます。2645ピークです。山と高原地図にはG5と書かれているピークですが、かなり厄介な岩峰で、奥にあるG4とともにこの区間の核心部です。コースは、しばらく尾根上を進んでから左へと回り込み、G5下のザレ場から取り付きます。


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右から長い影がかかっている大きなザレ場が、G5下の取り付き部分になります。


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アリジゴクのようなザレ場を喘ぎながら登ります。それなりにトレースがついていますが、足を置くとズルズルと崩れるような砂利のたまった道なので、重荷を担いでいるとかなり厳しい場所でした。右上の岩頭下を抜けて稜線を目指します。


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稜線に出てしばらく登って行くと、足元で何かが動きました。何かと思ってよく見るとなんと雷鳥です。距離はわずか1mもないほど近くでしたが、逃げるそぶりも見せずゆっくりと歩いていました。


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ふと右上の岩の上を見ると、雛らしい雷鳥が2羽いるのが見えました。どうやら足元の雷鳥は母親のようです。


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やがて、足元にいた雷鳥が岩の上に登って雛鳥と合流。しかし、もう一羽のひな鳥はわれ関せずで、逆方向へと向かっています。


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人間には無関心ながら、鷲鷹類を警戒しているのか、時折頭上を見上げます。


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だいぶん大きくなった雛鳥とともに、雲海の彼方を見つめています。何を思っているのでしょうか。


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僕のすぐ目の前をゆっくりと下り始めました。


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雲海と雷鳥、いい組み合わせです。急なことだったし、狭い尾根道だったので荷物を降ろして一眼レフを取り出すことができず、コンデジでの撮影しかできなかったのが痛いところです。逆光なのでストロボを焚いているのですが、コンデジのストロボでは光量不足で強い日差しにまったく対抗できていません。やはりもう一クラス上の1インチセンサーのコンデジに買い替えようかと思った出来事でした。


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鹿島槍と雲海を背景に雷鳥の写真ですが、ずっとこんな写真を撮りたいと思っていました。一眼レフでちゃんと撮れなかったのが悔やまれるところです。やっぱ首からぶら下げておかないとチャンスを活かせませんねえ。


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G5のピークが近くなると、タフな鎖場や岩場が続きます。スタンスはしっかりとしているので、それほど危険な感じはしませんが、ワンミスが命取りになりかねない場所が多々あるので、緊張感を切らさないよう注意深く進みました。


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G5を超えた先にある尖塔のような岩峰です。右の岩峰がG4だったと思います。コースは、この2本の岩峰の間を抜けていきます。抜けた先がちょっとしたギャップになっていて鎖もかかっているのですが、荷物の重さと大きさのためもあって、足場がうまく取れず下りるのに手間取りました。


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G4のギャップを越えて大岩を左から回り込むと最後の鎖場があり、その先には五竜岳へと続く尾根道が伸びていました。これでようやく八峰キレットを越えたことになります。


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9:23 G4を越えて尾根道に入って少し進んだところで大休止をとりました。北尾根の頭の手前で休憩してから、ここまでノンストップで歩いてきました。かれこれ、1時間半かけてG5とG4を越えました。この難所を越えている途中ではやはりアドレナリン全開だったようで、疲れたとか休みたいといった気持ちは全く起きませんでした。しかし、G4を越えて尾根道に入った途端どっと疲れが出ました。登山道から少し外れた岩の上に座って、これまで歩いてきた鹿島槍と八峰キレットを見ながら、ちょっとした達成感に酔いしれていました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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9:39 20分近い大休止を終えて、いよいよラストのボスキャラ、五竜岳へのアタック開始です。小さな鞍部から始まる五竜岳への登りは、標高差約150mの岩の露出した急斜面です。最初のうちはまだ道らしきものがありますが、それもいつのまにか消えて、岩壁を鎖やペンキマークに頼りながら登って行くようになります。


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中盤あたりはもっともきつい区間で、クライミングに近い岩登りが続きます。登るのも大変ですが、これを下るのはけっこうビビるかもしれません。小石が浮いていたりすることもあるので、スリップにも要注意です。休憩することも忘れて、なんだか憑かれたように夢中で登り続けました。


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岩登り区間がようやく終わり、再び普通に立って歩ける道になったところで、ようやくゴール地点らしきところが見えてきました。人が大勢いるので、おそらくあそこが山頂下の分岐なのでしょう。五竜岳山頂は少し左に行ったところにあるはずです。あそこまで行けば、荷物はデポして空身で山頂往復するだけです。


10:23 山頂下の分岐に着きました。眼下には、五竜山荘も見えていました。道標が建っている近くにバックパックをデポして、すぐに山頂へ向かいます。急いでいたためか、この場所で写真を撮ることをすっかり忘れていました。また、山頂へ行くのにGPSを持っていくのも忘れてしまい、ログも残っていません。


分岐から山頂までは大岩がゴロゴロする道を2分ほど歩きます。傾斜はほとんどないので楽ですが、道らしい道になっていないので、けっこう歩きにくく感じました。


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10:28 本日の最高地点、2818mの五竜岳に登頂です。登頂とほぼ同時にガスが上がってきて、展望がほとんどきかなくなってしまいました。


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幸い人が少なかったので、さくっと記念の自撮りをして、すこしだけ岩に座って休憩しました。


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たまにガスが切れて一瞬下界が見えたりもしましたが、ほとんど真っ白なガスのスクリーンを見ている状態でした。


3分ほど山頂でゆっくりしてから、すぐに分岐へと引き返しました。分岐の周辺では、お湯を沸かしたりしてのんびりしている人もちらほらいましたが、冷池山荘の二の舞にはなりたくないので、すぐにバックパックを背負って出発しました。


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五竜岳直下はわりとめんどうな岩場がまざった傾斜のきつい区間でした。


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しかし、少し下ればざれた尾根道になりました。いつの間にかガスに覆われてしまいましたが、いまは一刻でも早くテント場に到着することだけを考えながら先を急ぎます。


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ガスで視界がないので、歩けども歩けども小屋が見えてこないことに少しいらだちを感じつつも、もうそろそろ到着するころだからと自分をなだめながら歩きます。


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11:30 五竜山荘に着きました。テント場は左に下がったところにあります。まだお昼前ということで、テントを張るスペースは十分残っていましたが、小屋に近く、フラットないい場所はさすがに埋まっていました。


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大きく分けて3段に分かれたテント場の一番下のテントサイトにテントを張りました。今回は、フライシートを新調して、久しぶりにメスナーテントをもってきました。アマゾンでたまたま開封未使用品をアウトレットで売っていたので、新品を買うよりも安く手に入れることができました。ニッピンの通販サイトでも入手できなかったのでラッキーでした。やっぱり、山道具はある程度メジャーなブランドのものを使うに限ります。オプション類が豊富だし入手もしやすいので、あとあと便利です。メスナーテントのようなマイナーブランドを購入する場合、そういう不利な点を考慮しておく必要があります。


当初は3段目の真ん中あたりががっつりあいていたので、そのど真ん中に張ろうとしていたのですが、ひとつ前の写真に写っている赤いシャツを着た男性(マスクをしている方)が、混雑するから端っこから張ってくれと言ってきたので、一番端っこにすでに3張ほどテントが設営してあった場所の隣に設営しました。すこし地面がねじれていてテントも歪んでしまったものの、傾斜もあまりなくそれほど悪い場所ではなかったのでいいいのですが、自分の気に入った場所を選べるのが先着者の権利だと思うので、強制的に場所を決められるのはちょっと納得がいきません。とはいえ、激混み必至のテント場ですから、ある程度譲歩して無駄なスペースが出ないようにするということに反対するつもりは毛頭ありません。混雑時は譲り合いが大切なのは十分わかっています。


ただ、背中に「NAGANO PATROL」と書かれた赤シャツの男性は、どういう立場の人かわかりませんが、言い方がとっても慇懃無礼でちょっと不愉快な気分にさせられました。そばまで来ていうのではなく、一段上の高いところからああしろこうしろと言ってきたのもいい気分はしません。警察関係の人がわざわざテント場の張り方指導まですることはないでしょうから小屋の従業員なんでしょうけど、人選を再考するか、サービス業のなんたるかを再教育するかしてもらいたいものです。


テント設営を終え、ようやくゆっくりすることができます。とりあえず、小屋に行ってコーラを買って、行動食で軽いランチにしました。甘く刺激に満ちた黒い液体を味わいながら、ベンチに座って厳しい八峰キレットと五竜岳の登りを思い返しているうちにも、次々と登山者がやってきてテントの数が増えていきます。


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テントに戻って、荷物を整理して、カフェオレと担いできたビッツサンドでおやつタイムです。


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テントから外を見ると、どうやらテントが張れそうな場所はほぼ埋まったようです。


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トイレに行ったついでに、少しぶらぶらしてみましたが、15時を回った時点ですでにテントを張るスペースはなくなっていました。今日は、問題なく眠れるぐらいのほぼフラットな場所を確保することができたことに感謝です。昨日、雨の中を無理して五竜まで来ていたら、きっと雨の中15時を回った立錐の余地がないテント場を前に途方に暮れていたことでしょう。お盆休みは午前中で行動を打ち切るのが鉄則ですね。

つづく。

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| 2017年8月 後立山連峰 | 21:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の後立山連峰縦走: 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳その5

2017年8月11日(金)~14日(月) 長野県大町市 爺ヶ岳(標高2669.9m)、鹿島槍ヶ岳(標高2889.2m)、五竜岳(標高2814m)  テント泊小屋泊単独行 



5、8月13日 キレット小屋~北尾根の頭
キレット小屋の食堂床でごろ寝をするというあまりいい条件ではない宿泊でしたが、とりあえず寝る場所があっただけでもOKでした。隣のオヤジがいびきをかくし寝相が悪くて足をこちらに向けてきたりで困りましたが、なんとか6時間ぐらいは寝られたようです。


朝食の準備で午前4時には起こされるため、少し早目の3時半ごろに起きて空いているうちに自炊室で朝食をとりました。食べ終わったころにちょうど明かりがついて食堂の立ち退き指令が発せられました。ちょうど食事も終わったところだったので、食堂に戻って自分の荷物をまとめて撤退しました。


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パッキングを終えて5時過ぎに外に出てみると、剱岳に朝日が当たり始めたところでした。


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眼下には雲海が広がっていて、なかなかフォトジェニックな光景でした。もう少し剱岳が右にあれば、手前の尾根に邪魔されずに済んだのでしょうが、こればかりはどうしようもありません。次回ここに止まることがあれば、日の出前に出発して剱岳がきれいに見える場所まで移動して、写真を撮りたいと思います。こういうことも来てみないとわからないことなので、今回キレット小屋に泊まったのはロケハンとして役に立ちました。もしも昨日ガスの中を五竜山荘まで行っていたら、何もわからないままでした。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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5:12 そろそろ出発する人も出てきたので、渋滞する前に出発します。


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五竜岳まで約4時間の行程です。


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登山道は小屋の北にある岩壁の下をトラバースするように伸びています。


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狭い鞍部に建つキレット小屋です。背後のピークがおそらく南側にある2518ピークだと思われます。


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小さな尾根を回り込むと、大きな岩峰とその背後に五竜岳が見えました。手前の岩峰は1つのように見えますが、手前に少し低い岩峰があり、背後に少し高い岩峰が重なっていて一つに見えています。岩峰のピークを越えるのは勘弁してほしいなと思いながら先へ進みます。


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小さな鞍部にさしかかると、信州側にも雲海が広がっているのが見えました。


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さっき見た岩峰の手前で、けっこうきつい傾斜の登りになりました。手前の少し低い岩峰はどうやらピークを越えていくようです。見た目ほどきついわけではありませんが、コース上はわりと砂利がたまっていたりして、スリップに注意しながら一歩づつ体を押し上げていきます。


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岩峰のピークまで登ると、背後にあった少し高い岩峰の様子が見渡せました。登山道は西側を巻くようについているのでひと安心です。


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岩峰の西側をトラバースして小尾根を越えたところに鎖場がありました。上部が逆相のようなスラブになっていて、足を滑られせないように慎重に岩溝やでっぱりを使って下りました。


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鎖場の後は比較的歩きやすい区間が続きましたが、いつの間にかガスがかかるようになり、展望がなくなってしまいました。あれほど晴れていたのに、きょうもガスガスの1日になるのかとちょっとがっかりです。


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6:36 ここまでは比較的楽な尾根歩きでしたが、一転激下りの始まりです。


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ここから2416の最低鞍部まで下りが続きます。


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6:52 ちょっとした平地がある鞍部に着きました。中央に小さな道標のようなものがあるので回り込んで見に行ってみました。


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「口ノ沢のコル」という場所のようです。地形図にはこの記載はありませんが、山と高原地図には2416の数字が書いてある横に記載されています。つまり、八峰キレットの最低鞍部に着いたということです。


口ノ沢のコルで荷物を降ろして休憩をとりました。相変わらずガスがかかっていて展望はありませんが、けっこう明るいのでこのまま雨になるという雰囲気はなさそうです。


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口ノ沢のコルからは五竜岳への登りが始まります。とはいっても、しばらくは尾根の西側をなだらかにトラバースして行く道が続き、きつい場所はありません。


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2470mあたりまで登ってくると、次第にガスが薄れて展望が開けてきました。昨日越えてきた鹿島槍が見事な双耳峰の姿を見せています。


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さらに日差しがでてきて、ブロッケンも現れました。山でブロッケンを見るのも久しぶりです。


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2500mあたりに来ると、上の方はガスが抜けて強い日差しになったので、ブロッケンの周囲にできる虹の色が濃くなると同時に、なんと二重になりました。


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剱岳も再び姿を見せます。


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剱岳と二重の虹に囲まれたブロッケンです。こんなブロッケンは、登山を始めて以来初めて見ました。


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ずっと尾根の西側をトラバースしてきた登山道が、2500mあたりから尾根上に登るようになります。そのため、傾斜がややきつくなりました。


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ガスがどんどん薄くなってきて、前方に五竜岳も姿を現しました。


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剱岳上空には、紺碧の空が広がっています。


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進むにつれて、五竜岳がはっきりと見えてきました。本日最後に挑まなければならないボスキャラです。


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背後の鹿島槍は雲をまといながらも、山頂付近はくっきりと見えるようになりました。


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7:50 北尾根の頭に着きました。山と高原地図では2560ピークに北尾根の頭と書かれていますが、現場の山名板には2550と書かれています。間違いなのか、微妙に場所が違うのかよくわかりません。少し休もうかと思いましたが、この少し手前で一度荷物を降ろして撮影を兼ねて休憩しているし、風上側でタバコを吸う女性がいて迷惑だったので、そのまま通過しました。


喫煙が周囲に迷惑をかけているという自覚がないのは老若男女を問わずのようで、自他ともに健康被害をこうむる行為を好んで行っている時点で思慮や配慮という言葉の意味を理解することができないのでしょう。そういえば、少し前にマンションなどのベランダで喫煙するホタル族のために、上階や隣家が迷惑をこうむって問題になっているというニュースがYahooにでていましたが、それと同じです。外だから自由に吸っていいと思ったら大間違いの時代なのです。いい大人なんだからそろそろ気づいてもらいたいものです。

つづく。


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| 2017年8月 後立山連峰 | 22:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の後立山連峰縦走: 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳その4

2017年8月11日(金)~14日(月) 長野県大町市 爺ヶ岳(標高2669.9m)、鹿島槍ヶ岳(標高2889.2m)、五竜岳(標高2814m)  テント泊小屋泊単独行 


後立山連峰縦走から帰宅して一週間。帰宅後は3日間ぐらいは動く気力もわかないぐらい体がだるく、エアコンのきいた部屋でごろごろしてばかりでした。あまりにも体を動かさないからか、足腰が固まったように動かしづらく感じるようになり、エアコンの風があたる場所で昼寝をしたためか、やたら寒さに過敏になり、おまけに軽い痺れのような感覚まででてきてちょっとやばい感じになりました。


というわけで、特に用事もないのに無理やり好日山荘へ出かけて炎天下の中を歩いたりしたおかげで、ようやく体調も戻ってきました。昨日は仕事がたてこんでいて朝から動いていたのですが、お昼前の最後の現場では足場を登ると息が上がり、少しクラクラしたりしてなんかやばい感じでした。しかし、結果的に暑い中で体を動かしたのが良かったらしく、今日は体調もよくようやく疲労感が抜けてまた山に行きたいと思うようになりました。人間の体は動かしていないとすぐに錆びつくという点で、機械と同じですね。


さて、後立山連峰縦走のレポも2日目に入り、いよいよこの山行の核心部分が始まります。





4、8月12日 冷池山荘~鹿島槍ヶ岳~キレット小屋
2日目の朝は、午前3時に起床しました。前の晩、部屋が暑かったためか、通常の就寝時間が遅いためそのリズムが定着してしまっていたのか、とにかく寝つきが悪く、疲れているはずなのになかなか眠れませんでした。22時ごろ一度起きて外に出てみましたが、ガスと霧雨のあいにくの天気で星景写真を撮ることもできず、すごすごと部屋に戻って横になっているうちに、なんとか眠りに落ちることができました。というわけで、実質4時間ほどしか眠れなかったわけですが、不思議と目覚めはよかったのでした。


今朝早起きしたのにはわけがあります。今日の行動予定は、鹿島槍ヶ岳を越えてキレットを渡り、さらに五竜岳を越えて五竜山荘のテント場までとなっています。行動時間は約10時間とこの山行で最も長く、鹿島槍ヶ岳が2889m、五竜岳が2814mあり、最低鞍部が出発地点の冷池山荘やキレット中間の2410mぐらいとなるので、標高差約400mを2度こなさなければなりません。難所であるキレットを越えることも含めて体力的にも時間的にももっとも厄介な区間になるため、どうしても5時に出発する必要があります。それでも、五竜山荘に着くのは15時になりそうなので、テントを張る場所があるかどうか、かなり怪しいだろうと思われます。


4時過ぎには朝食を終えて、すぐにパッキング、布団の片づけ、歯磨き等ひととおり済ませたらすぐに出発準備に取り掛かりました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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4:49 5時出発の予定でしたが、10分早く歩き出すことができました。昨夜のガスと霧雨はどこへやら。晴天ではありませんが、ひとまず視界はあります。


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小屋から10分でテント場を通過します。少しガスがかかっていますが、爺ヶ岳がくっきりと見えています。昨日立錐の余地もないほどテントで埋め尽くされていたテント場ですが、この時点ですでに撤収したテントのほうが多い状態で、テント泊者の多くが出立した後でした。皆、僕と同じように五竜山荘やそのまた先の唐松山荘を目指しているのでしょうか。


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テント場から先へ進んでいくと、前方の視界が大きく開けました。ガスで頭を隠した鹿島槍ヶ岳が大きく立ちはだかっているのが見えます。


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信州側は雲海が広がっています。


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やがて雲海の彼方に朝の光があふれだしました。雲が多く太陽自体は見ることができませんでしたが、こういう朝も悪くありません。


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冷池山荘から鹿島槍ヶ岳まで、最初のうちはなだらかな尾根歩きで比較的楽なルートです。しかし、途中に前衛峰のごとく標高2683mの布引山が立ちはだかります。それでも急登になる部分は山頂直下の標高差100mぐらいの区間だけなので、朝一番の上り坂としてはまだましでした。


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6:01 布引山山頂です。標柱には布引岳と書かれていますが、地形図には布引山と記載されていて、どちらが正しいのかわかりません。山容からすると、「岳」というほど峻険な雰囲気はないので、「山」のほうが適当かと思われます。予定では山荘からここまで1時間20分を想定していたので、10分早く着くことができました。ガスであまり視界のない山頂で少し休憩をとってから、今日の最高地点である鹿島槍ヶ岳南峰に向かいました。


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布引山から鹿島槍南峰までは標高差200mほどありますが、コースとしては比較的緩やかな尾根道です。しかし、出発したころにはガスが出ていなかった飛騨側からガスが斜面に沿って吹き上がってくるようになりました。信州側は相変わらずガスガスのままで、なんとなく雨模様になりそうな予感がします。


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視界が効かないので、山頂がどこにあるのか、あとどれぐらいあるのかわからない状態で、尾根の道をただ歩き続けます。


やがてガレた急斜面になり、どうやら山頂が近そうだというあたりで、ついに雨粒が落ちてきました。時間はちょうど7時ごろでした。鹿島槍南峰到着予定時間が7時15分で、布引山で10分のアドバンテージがあることから考えておそらくもう5分もかからないぐらいで山頂だろうということはわかるので、このまま山頂まで行ってからレインウェアを着るかどうか迷いました。しかし、雨が降り始めたら、とりあえず濡れる前に雨対策をしてしまうのは山での鉄則です。特に3000m近い山上では夏とはいえ濡れてしまえば低体温症で命の危険すらありますから、うかうかしていられません。数分後にどしゃ降りになり、風が吹き始めたらアウトです。


実際、GPSのログを確認すると、山頂まで標高差20mのところにいたのですが、いそいでバックパックをおろしてレインウェアを引っ張り出して着用し、バックパックカバーをかけて雨対策を施しました。その間、雨は徐々に雨足を強めていましたが、本降りというほどのところまで強くはなりませんでした。


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7:20 ゲーターまで装着したためか雨対策に10分ほど費やして、再び歩き出したら、そこからわずか3分ほどで山頂でした。なんだよと思いましたが、山頂に着いた時にはそれなりに雨が降ってきたので、やはり先に雨対策を施したのは正解だったと思うことにしました。


ガスで何も見えないし、雨も降っているしで、ただ山頂の岩に座って行動食を食べながらこの後のことを考えていました。北峰までの吊尾根はさておき、北峰から先の八峰キレットが今日の核心部です。晴れていればまだしも、この雨では滑りやすいし、風が出てくれば寒さも増して手がかじかんだりするだろうから、ペースを上げることは難しいと思われます。


予定では7時20分に南峰を出発することになっていますが、すでに7時30分をまわっています。10分のアドバンテージはなくなって、かわって10分遅れになっています。この先さらに遅れが出れば、五竜山荘に着くのは15時を回ってしまうことは確実で、当然テントをはるスペースはないものと考えたほうがいいでしょう。であれば、無理をして五竜山荘まで行かなくても、途中のキレット小屋に素泊まりするほうが体力的にもいいのかもしれません。昨日の冷池山荘の状況からすると、キレット小屋も定員を大きく上回るほどの入れ込みはないかもしれないので、なんとか寝る場所ぐらいは確保できるかもしれません。


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7:37 とりあえず、キレット小屋で宿泊という選択肢も考慮に入れつつ、鹿島槍南峰を出発しました。


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南峰と北峰をつなぐ吊尾根は、あまり厄介なところはないだろうと思っていたのですが、スタート直後からかなりの急傾斜で、いきなりキレットが始まったのかと思うほど大変なコースでした。ガスで先が見えない中を、激下りの岩尾根を黙々と下ります。


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8:02 北峰分岐に着きました。区間タイムでは予定より10分早かったので、南峰での遅れを少し取り戻しましたが、それでも計画より10分遅れです。ここで北峰に登るかどうかを決めなければなりません。予定では北峰往復に20分の時間を当てていますが、このガスの中で登っても何も展望は得られません。鹿島槍は南峰が最高地点になるので、あえて北峰に登る必要もありません。登って楽しくなく、登る理由もないのであれば北峰はパスです。これで行程を20分短縮できます。


とりあえず、荷物を降ろして小休止をしながら、セイラスの防水グローブを外しました。セイラスのエクストリームオールウェザーグローブは防水性・保温性に優れたいいグローブですが、手が濡れているとはめるのがすごく厄介なのが欠点です。南峰を出発するときに装着したのですが、生地がやや厚手であるためか岩をつかむときに若干グリップに不安があるため、これから先の八峰キレットは素手で越えることにしました。幸い気温はそれほど低くなく、雨も小降りになってきたので手がかじかんでしまうことはなさそうです。手指の保温よりも、確実に岩や鎖をつかんでグリップを確保する方が優先です。


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8:04 北峰分岐を出発です。分岐から見える範囲は斜面のトラバース道なのでわりと楽な道に見えますが、見た目ほど楽な道でもありません。



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進んでいくと、どこに道があるのかと思うほどのきわどい場所もあったりで、一歩一歩気を抜けない時間が続きます。


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尾根を下って行くばかりかと思っていたら、意外に登りの区間もあったりして、短いスパンで登山で遭遇する様々な要素が入れ代わり立ち代わり出てきます。当然、その時々で必要な技術も違えば、体力的にもきつかったりするので、さすがにキレットの名前はだてではないと思いました。それでも北峰の直下はまだ楽な方です。


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9:08 キレット小屋の少し南に位置する2518ピークの近くまで来ると、鉄の桟道がかかった鎖場が現れました。地図ではこの部分に八峰キレットの文字が印刷されていますが、まさにここが核心部でした。


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巨大な岩峰の隙間をよじ登って行くと、鉄梯子が現れました。雨に濡れているので滑らないように慎重に登ります。


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鉄梯子を登りきったら、ほぼ垂直に近い岩壁につけられた細いトレースをたどって水平移動です。写真は振り返って撮影したものなので、奥の切れ目のようなところから梯子で登ってきたわけです。そして、この後再び鉄梯子を登って写真右の岩壁を回り込んでいきます。地図とGPSログで確認すると、どうやらこの岩壁が2518ピークになるようです。


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岩壁を回り込んでさらに下って行くと、ロケットのような岩峰が見えてきました。先行者がこの岩峰の左側面を回り込んでいくのが見えますが、この区間で一番厄介な場所がここでした。


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岩峰をへつる部分の取り付きです。鎖はありますが、足元にフラットな場所はありません。わずかにある岩の突起に足をのせて、鎖を使ってここを渡って行きます。荷物が重く大きい場合は、背中側にひっぱられがちなので、手を伸ばさず岩に張り付くようにして渡る必要があります。ここで落ちると数十mは転落することになり、命が助かるかどうかはビミョーなところです。


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このあとも同じような岩と鎖のトラバースルートが少しの間続き、ようやく普通に歩ける道になったなと思ったら眼下にキレット小屋が見えました。結局、キレット小屋の南にある2518ピークの前後がこの区間の一番厳しいところでした。


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9:28 岩峰と岩峰の間にある狭い鞍部に縮こまるようにして建つキレット小屋ですが、ここに小屋があってよかったと心の底から思います。小屋に着いた時には、やっかいな核心部の通過でアドレナリンが出て興奮していたせいか、寒さも疲れも感じていませんでしたが、小屋前のベンチで荷物を降ろして休憩しているうちに、だんだん落ち着いてきました。


予定ではキレット小屋到着は9時40分だったので、10分のアドバンテージができました。鹿島槍北峰分岐に10分遅れで着き、北峰往復の20分を短縮したので10分余裕があったわけですが、この区間はまさに計算通りの所要時間でした。しかし、問題はこの後です。ここから五竜岳まで4時間、さらに40分下ってようやく五竜山荘です。休憩などを入れると6時間近い行程です。


キレット小屋と五竜岳の間の区間も、鎖や梯子が連続するそうなので、気力体力ともに試されることになるでしょう。そうして、ガスガスの五竜岳にただ登頂して、疲労困憊でたどり着いた五竜山荘ではテントを張る場所が確保できないか、運よくあっても決して安眠できるような場所ではないだろうことはまず確実です。このガスと雨の中をそこまでして踏破する必要があるだろうか、と逡巡していました。


体力的にはいまのところそれほど疲弊しているわけではありませんが、この後の6時間近い行程を踏破するだけのタフさがあるかと考えると、ビミョーなところです。それよりも、やはり気力の方がかなり萎えています。山岳写真を撮ることが登山の主要な目的である僕の場合、悪天候の中をただ移動するということは、ほぼ意味のない時間と体力の浪費としか考えられません。そうなると、歩くためのモチベーションがまったくないのです。


この時間は、ちょうど北からも南からも朝一番で出発した登山者が到着するタイミングらしく、小屋の中も外も大勢の人でにぎわっていました。しかし、時間が経つにつれ徐々に休憩していた人たちがそれぞれ北へ南へと出発していき、次第に喧噪も薄らいできました。これだけの人が休憩だけで出発していったということは、宿泊客はそれほど多くないのかもしれません。ここにはテント場はないので、雨でテント泊から素泊まり変更する登山者はありませんし、キレットの真ん中という場所柄、五竜山荘や唐松山荘などよりも登山者は少ないでしょうから、飛び込み客も多くはないはずです。とすると、部屋で布団一枚というのは無理だとしても、廊下の隅で寝るぐらいのことはできるのではないかという気がします。


受付で素泊まりできるかどうか聞いてみたところ、部屋の方は予約でいっぱいで無理なので、食堂に毛布で寝てもらうことになるとのこと。自分としてはテント泊装備なので、寝る場所さえ確保できれば寝具は自前のものが使えるので心配する必要はありません。もしも寝具なしの状態で毛布一枚で寝るとなるとちょっと考えるかもしれませんが、とりあえず寝られるということであれば、問題なしです。


まだ10時前という早い時間ですが、素泊まりを申込みして小屋に入りました。レインウェアなどの濡れたものはまだガラガラの乾燥室に干し、汗で濡れたシャツやパンツはとりあえず着たまま乾かすことにしました。幸い、ここの自炊室はけっこう広くて玄関わきの便利なところにあるので、荷物は廊下に置いたまま自炊室にこもって、食事が終わって食堂が解放されるまでの長い時間を、漫画を読んだりお茶を飲んだりしながら自炊室で過ごしました。


夕方になるころには、僕と同じような飛び込みの宿泊客が20名近くに増えたようで、廊下にはバックパックがずらりと並び、自炊室も常に満員状態でした。


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19時半ごろようやく食事が終了して食堂に通されました。一人一枚毛布をもらって、椅子を上げてできたテーブルの隙間に一人当たり毛布半分のスペースで寝る場所を確保しました。それでも3名ほど食堂に入れず、玄関前のホールで寝ていました。写真は翌朝撮ったものなので、片づけをしているところです。


この日もご多分に漏れず大いびきのはた迷惑なオヤジが2~3名いました。僕の隣にいたオヤジもその一人でしたが、耳栓をしていたおかげでそれほど深刻な被害を受けずに眠ることができました。耳栓をしてもいびきが聞こえなくなるわけではありませんが、音が小さくマイルドになるので、少し眠気に襲われれば意識を呼び覚まされることなく眠りに落ちることができます。山小屋泊に耳栓は必携です。

つづく。

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| 2017年8月 後立山連峰 | 21:30 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の後立山連峰縦走: 爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳その3

2017年8月11日(金)~14日(月) 長野県大町市 爺ヶ岳(標高2669.9m)、鹿島槍ヶ岳(標高2889.2m)、五竜岳(標高2814m)  テント泊小屋泊単独行 


3、8月11日 種池山荘~爺ヶ岳~冷池山荘
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12:24 種池山荘で約30分の大休止をとって、本日の行程で最高地点となる爺ヶ岳に向けて歩き始めました。


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種池山荘から少し行くと森林限界を超えたのか、見通しのいい風景になりました。


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登山道脇には、高山植物のお花畑が広がっています。


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種池山荘から爺ヶ岳までは約1時間の行程です。山頂は目前に見えていますが、これがなかなか近づきません。


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ハイ松帯の中のガレた道を一歩づつ踏みしめるように登って行きます。ときおり日差しが雲間から降り注ぐと急に灼熱地獄になるので、できれば曇ったままでいてほしいと願ってしまいます。


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振り返ると濃い緑の中に種池山荘のオレンジの三角屋根が鮮やかに映えていました。


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爺ヶ岳山頂が近づいてくると、ガスがかかり始めました。さっきまでは曇っていてほしいと思っていましたが、今度は晴れてほしいという気持ちになりました。ほんとに人間ってのはなんて身勝手なんでしょうか。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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13:17 ようやく爺ヶ岳南峰下の分岐まで来ました。山頂まではここからほんの1~2分です。荷物を分岐にデポして山頂まで往復することにしました。


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空身でひょいひょいと登ったところにケルンがあり、となりに三角点と思われる石柱が設置してありました。


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地図では三角点は中峰にあるはずで、南峰には三角点の記号はありません。ではこれはなんなんでしょうか。


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ケルンから10mぐらい離れたところに標柱が設置されていました。爺ヶ岳は北峰と中峰と南峰がありますが、標高が一番高いのは中峰で、標高2669.9mです。北峰は2631mで、南峰は標高の記載は地図にありません。


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山名が切れてしまいましたが、とりあえず今回の山行で最初のピークで記念の自撮り。


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山頂はガスがまとわりついてあまり展望がありませんでしたが、たまにガスが切れて種池山荘あたりまで視界が広がりました。あまりのんびりする時間もないので、少し展望を楽しんだらすぐに分岐に戻り、先を急ぎます。


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中峰分岐の手前までくると、南峰と同様にバックパックがデポしてあるのが見えました。時間がかかりそうならパスしようかと思っていましたが、2~3分で登れそうなので登っておくことにしました。


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分岐に荷物を置いて、空身でさくっと中峰に登ってみましたが、南峰のときよりもガスが濃く、まったく展望はありません。とりあえず、これで名実ともに爺ヶ岳に登頂したことになります。標柱の写真だけとってすぐに下りました。


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13:47 さあ、あとは冷池山荘まで下るだけです。時間が押しているので休憩なしで一気に行くことにしました。


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下っている途中で一瞬ガスが切れ、冷池山荘とその上にあるテント場が見えましたが、テント場にびっしり張られたテントを見てもうテントを張る場所はなさそうだなと半ばあきらめました。お盆休みの時期は午前中にテント場に着かないとまともな場所が残っていないか、張ることすらできないかのどちらかになる場合がほとんどなので、キャパの小さいテント場だとほぼ張る場所がない状態になっているはずです。


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それでも、一縷の望みをたくしつつ先を急ぎます。信州側はガスが湧いて真っ白ですが、稜線できれいに区切られているのでちょっと不思議な光景です。


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14:37 赤岩尾根コースの分岐に着きました。爺ヶ岳中峰から50分歩き通しなので休憩したいところですが、テント場のことを考えてそのまま通過します。


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冷池山荘手前の鞍部を過ぎて、冷池山荘への登り返しは階段になっていました。たいした傾斜ではありませんが、この登り返しがけっこう堪えました。


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14:49 ぜいぜいいいながら登り返しをこなして、ようやく冷池山荘に着きました。とにもかくにもということで受付に行ってテント泊が可能かどうか聞いてみたところ、ついさっき数人がテント場に行ったので、もう場所がないかもしれないとのこと。とりあえず行ってみて可能だったら先にテントを張って、受付はそれからでいいとのことだったので、すぐにテント場に向かいました。しかし、小屋からテント場までの道のりがかなりの急登でしかも距離がけっこうあり、先ほどの登り返しで体力を使い果たした状態の体にはめちゃくちゃ厳しいものでした。


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テント場について場所を探してうろついてみましたが、もはやまともにテントを張れるようなスペースは残されていませんでした。なので、あきらめて、小屋に戻って素泊まりで宿泊を申込みしました。


小屋のほうもはたして寝られるスペースがあるのかと心配でしたが、意外にもキャパをオーバーするほどの宿泊者がいなかったらしく、一人で一枚の布団を使うことができました。通された部屋は6人部屋でしたが、結局5人での利用となりました。同室の人はみなテントが張れなかった人のようです。


冷池山荘のテント場は小屋からの距離が遠く、標高差もけっこうあるので行き来が大変です。水場もトイレもすべて小屋のものを利用するため、何度も急傾斜の道を往復しなければならず、疲弊した体には厳しすぎます。結果的に小屋泊になったのは正解でした。


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売店で買ったコーラを飲みながら小屋前のテラスのベンチでぼけーっとしていると、信州側のガスが少し晴れてきました。遥か彼方に巨大な積乱雲が湧き上がっていて、夏山にきていることを実感することができました。

つづく。

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| 2017年8月 後立山連峰 | 17:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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