ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

近くて遠い天狗の尾根: 伯耆大山天狗ヶ峰 vol 3

2011年11月27日(日) 宝珠越ルートで天狗ヶ峰まで日帰り山行



ユートピア避難小屋から出てみると、風は気になるほどの強さではなくなっていました。これならなんとか行けそうです。進むべきは、当然上です。


12:50 ユートピア避難小屋から象ヶ鼻へ向かいます。


象ヶ鼻から三鈷峰
13:00 象ヶ鼻からユートピア避難小屋と三鈷峰がきれいに見えます。山頂には登山者がひとりいるようです。


象ヶ鼻から先の尾根
象ヶ鼻から先の稜線です。しばらくはそれほど厳しい稜線ではないので、あまり危険はなさそうです。ただ、奥の方はまだまだガスが踊っている状態です。風ははたしてどうなのでしょうか。


天狗ヶ峰へと続く稜線
いよいよ1年越しのルートに脚を踏み出します。尾根の雪は手前の当たりは完全に溶けていますが、先へ行くほど雪が残っているようです。稜線の先は、あいかわらず滝のような雲に覆われて、天狗ヶ峰の姿は見えません。


雪の残る登山道
ところどころ残る雪を慎重に踏み越えて、一歩ずつ天狗ヶ峰を目指して登ってゆきます。風は、次第に強くなってきましたが、まだ体を押されるほどの強さではありません。


崩落しかけの道
登山道が半分崩落しかけている場所に来ました。道幅はわずか30cmほど。右側は急激に落ち込む崖になっています。


右の崖下
右の崖下はこんな感じ。ガスがあるのであまり高度感はありませんが、かなり下まで続いているようです。


1636m地点
13:25 地図にある1,636m地点まで来ました。もっとも、GPSでは1,645mになっていました。ここはちょっとしたピークになっていて、地図で見るとここが天狗ヶ峰であるようです。山と高原地図でも1,636m地点に天狗ヶ峰と表記されています。しかし、三の沢から槍ヶ峰を経由して剣が峰に登った時、槍尾根と天狗の尾根の合流地点に「天狗ヶ峰」と表記された岩がありました。果たしてどちらが本当の天狗ヶ峰なのでしょうか。どちらが本当であれ、最終目標である剣が峰まで到達できていないという意味では同じ。できればこの先の核心部分も通過して、剣が峰まで脚を伸ばしたいところです。


ただ、ここから先は状況が一変していました。ピークの先につづく道は、両側が切り立った痩せ尾根になり、雪もしっかりと残っています。剣が峰手前の稜線に比べれば傾斜角は幾分緩いとはいえ、落ちれば簡単には止まらないことは容易に想像できます。目の前の痩せ尾根を渡った先は、左に向かって急激に傾斜を増し、遠近感の無い白い虚空で稲妻のように向きを変えて右上のピークめがけて駆け上がってゆきます。そして、その先は唸りを上げながらうごめく白いガスが、高みを目指す稜線の上にどっかりと居座っています。風は無警戒に立っているとふらつくほどの強さになっており、これより先に進むためにはそれなりにリスクを背負わなければならないことは明白でした。


[広告] VPS


さすがにこの状況でこれ以上先に進むのは無謀と判断し、今回はここで引き返すことにしました。昨年よりも先に進むことができたので、それなりに満足感はありまます。しかし、核心部分を歩いていないので、満足度50%というところ。登頂目的の登山の場合、やはりピークに立ってなんぼです。強風や悪天候でその目的が実現できなければ、山に追い返されたようなもの。山との付き合い方は人それぞれでしょうけど、僕にとって目的を達成できない山行は、山と勝負して負けたのと同じ。ま、勝負といっても果しあいのようなシリアスなものではなく、スポーツの試合のようなものですけど。ということで、またリベンジに来ようと思います。


さて、名残惜しいのですが、いつまでも強風吹きすさぶ中でガスの舞う稜線を眺めていてもどうしようもありません。撤退と決めたらさっさと下山です。


小砂すべり
雪で滑らないように気をつけながら稜線をたどり、小砂すべりまで下りてきました。小屋で一緒だった男性の足跡らしきものも雪の上に残っていました。ここを下れば、勝間ケルンのあたりに直接下りることができます。往路をたどってユートピア避難小屋経由で戻ると、ずいぶん遠回りになってしまいます。ここを下ってしまえば楽で早いのですが、登山道で無い場所を歩くことに抵抗感があります。そうでなくても稜線の崩落が進んでいるというのに、人が歩けばそれだけ崩落を助長することになりかねません。少し迷いましたが、やっぱり登山道をたどって帰ることにしました。


看板
ユートピア避難小屋にこんな看板も掲示されていましたし、なにより環境保全の大切さを認めているのに環境破壊まがいのことをしていては、自分に恥ずかしいですからね。積雪期に来る機会があったら、そのときは遠慮なく利用させてもらいます。


三鈷峰への分岐
14:00 三鈷峰への分岐点まで下りてきました。すっかりガスは消え、ほんのり青空も見えています。


北壁
上宝珠越で北壁を仰ぎ見ると、滝雲は消えていましたが、稜線にはまだガスがまとわりついていました。


雪のなくなった登山道
朝にはたくさん残っていた登山道の雪は、すっかり解けています。


中宝珠越
15:08 中宝珠越に着きました。風がおさまって静かになっていましたが、時間が遅いので休憩しないで通過します。


きれいなブナ林
中宝珠越から下宝珠越までの区間は、きれいなブナ林の中を歩く道です。葉が落ちた晩秋のブナ林は見通しがよく、すっきりとしてブナの木肌の美しさが際立ちます。


下宝珠越のブナ
15:40 下宝珠越に戻ってきました。この頃になると、頭上には青空が広がり、夕日も差し始めました。山ってどうして下山するころになると天気が回復するのでしょうか。”残念だったね~ いつでも勝負してあげるからまたおいで~” とからかわれているみたいです。ブナの大木はそんなことは我関せずと、静かに風に吹かれているだけでした。


夕日さすブナ林
下宝珠越から大神山神社に下山し始めると、ブナ林に夕日が差し込みなんだかすごくきれいです。


下宝珠ルート分岐
16:10 太陽は大山の向こうに没してしまい、薄暗くなり始めた頃下宝珠越ルートの分岐点に着きました。駐車場まであと少しです。


大神山神社
大神山神社の横を、「神頼みなんかしなくたって、無事帰ってきたよ~っ」と憎まれ口をたたきながら通り抜けます。


近道の堰堤
長い石畳を下り、大山寺の参道途中から元谷の堰堤を抜ける近道を使うことにしました。といっても、大山寺橋経由でもたいしてかわりませんけど。


飛行機雲
16:43 駐車場に戻ってきました。空には一筋の飛行機雲が伸びていました。特別時間がかかったというほどでも無いですし、ルートが困難だったわけでもないのですが、なんだか妙に疲れた山行でした。強風の稜線を歩いたので、緊張して全身に力が入っていたのかもしれません。左肩だけ痛みが出ており、筋肉もガチガチ。というわけで、今回は湯原温泉に浸かって帰ることにしました。

しかし、湯原温泉についた時間はまだ18時過ぎだったので、日曜日ということもあって混雑しているといやなので、下流にある足温泉(たるおんせん)に目標変更。この温泉は湯原ICより南にあるので、高速道路を使う観光客は利用しないだろうという目論見と、時間的に入浴後に食事をする人と食事後に入浴する人のちょうど入れ替わりの空白時間帯になるのではないかという予測のもとに目的地を変更したのですが、これが見事に大当たり。入浴客はわずか数人。あまり広くない温泉ですが、ゆったりとくつろげました。

おわり。


GPSマップ



■山行データ
<往路所要時間> 5時間50分(昼食1時間10分および休憩時間を含む)
南光河原駐車場7:35→大神山神社8:07→宝珠尾根ルート林道合流点8:35→下宝珠越9:06→中宝珠越10:00→上宝珠越11:00→ユートピア分岐11:32→ユートピア小屋11:39/12:50→象ヶ鼻13:00→1,636m地点13:25

<復路所要時間> 3時間17分
1,635m地点13:26→ユートピア分岐14:00→下宝珠越15:40→南光河原駐車場16:43

<登山道情報>
登山道は台風の影響はほとんどなく、歩行に問題はありません。ただ、砂すべりは砂利がすべて流されてしまったらしく、通行危険な状況らしいです。ユートピア避難小屋の携帯トイレブースはすでに撤去されていましたが、小屋内に携帯トイレ利用のための便座椅子はありました。自前のツェルトなど使えば携帯トイレを利用することは可能のようです。





ランキングアップにポチッとご協力お願いします。


にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

| 2011年11月 大山天狗ヶ峰 | 23:42 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

近くて遠い天狗の尾根: 伯耆大山天狗ヶ峰 vol 2

2011年11月27日(日) 宝珠越ルートで天狗ヶ峰まで日帰り山行



僕は迷っていました。風はあいかわらず強く吹いています。


[広告] VPS


大山寺橋から三鈷峰を見上げたときは山頂までくっきりと見えていたのに、いまでは生き物のようにうごめく白いガスが頂を覆い隠しています。ブナ林越しに見える大山北壁も、稜線はガスの中に消えています。

ユートピア小屋までは、おそらく問題なく行けるはずです。問題はそこから先です。稜線に出れば風も強くなるはず。ガスの中を歩けばウェアも濡れてきます。透湿防水素材のハードシェルに、撥水機能のあるパンツなので、びしょ濡れになって低体温症を心配することはないとはいえ、あまり楽しい稜線歩きではなさそうです。

”さっさと下山して、温泉にでも入ってのんびりして帰ればいいさ” 

”歩けないほどの風でもないし、とりあえずユートピアまで行けばいいじゃないか” 


二人の自分が交互にささやいています。


”なにも無理して登ることも無い。義務でも修行でもないんだから”

”ここまで来て何もしないで帰るわけ? 今シーズンの目標は経験値を上げることだろう? 晴天だけ登ってどんな経験が身につくんだ?”




・・・・・・




『ああ、そうか。そうだった。いろいろな状況で山を体験しなければ、経験値なんて上がるわけが無い。もちろん無理や無茶をしない範囲での話だけれど、引き際を見極めるためにも悪天候時の行動を経験しておく価値はある。』


結論は出ました。ひとまずユートピア避難小屋まで進み、天候が回復しないようなら撤退。行けそうなら、状況を見ながら天狗ヶ峰を目指すことにしました。


10:15 中宝珠越を出発です。立ち上がってバックパックを背負い、歩き出そうとした瞬間、背後に人の気配を感じました。振り返ると単独行の男性がちょうど中宝珠越に下りてくるところでした。てっきり中宝珠越で休憩するのだろうと思いそのまま出発したのですが、その男性は休憩することもなくそのまま進んできました。


”失敗したなあ” そう思いました。この先、細い尾根道になり、道を譲るような場所はとうぶんありません。この男性がゆっくり歩いてくれればいいのですが、なんだかがつがつと追い上げてきます。写真を撮りながらゆっくり歩きたいのに、こう追い立てられてはそうもいかず、不本意ながら追いつかれないように歩かなければなりません。


雪の増えた登山道
登山道の雪は次第に多くなり、しかも岩の露出した急傾斜の場所も出てきました。がつがつと先を急ぐような歩き方をするような状況ではないのに、男性がすぐ後に張り付くようにして来るので、どうしてもペースが上がってしまいます。そもそも、こんなにすぐ後を歩いていて、こちらが滑って落ちたら自分が直撃されるということを考えていないのでしょうか。そういえば、昨年も同じ場所で後から来た年配の夫婦がいて、ご主人のほうが同じようにがつがつとすぐ後ろを追い立てるように歩いてくるので、急斜面のところでひとこと言った事がありました。


「僕が滑ったら巻き込まれますよ」


男性はだまって立ち止まってしまいました。おかげで遅れてきた奥さんと合流できたようなので、結果的によかったのでしょう。そもそもパートナーがいるのに、自分勝手にひとりで先に歩いて行ってしまうなんてどうかしてるぜ! 自分よりペースが遅い人と一緒に歩く場合は、自分が後を歩いてその人のペースに合わせるのが筋でしょう。ソロで歩く場合でも、前に人がいる場合、少し距離をあけてペースを合わせるか、一声かけて先に行かせてもらうかすればいいのであって、だまって後からあおるような歩き方をするべきではありません。


今年もまた同じ区間で同じように後につかれるなんて、なんだか妙な気分です。一度なんとか追越ができそうな場所があったので、そこで立ち止まって写真を撮って時間をつぶして先に行ってもらおうとしたら、なんと後で止まって待っているではないですか。


ロープのある岩の斜面
あまり良い気持ちがしないので、写真を撮るのはひとまずおいておいて、ロープの設置された雪の張り付く岩の斜面で引き離すことにしました。ところが、そんなことしなくても、急斜面になると勝手に彼のペースが落ちて離れていきました。滑りやすい雪道を単独で歩くのが不安で、僕の後をついて歩こうとしていただけだったのかもしれません。もしそうなら、ひとこと言ってくれれば良いのに、黙って後につかれては気持ち悪くてしょうがない。僕がゴルゴ13だったら、後に立った瞬間に消されてますよ。





ゴルゴ13



ということで、中宝珠越から上宝珠越までの区間は、ほとんど写真も撮らずに歩き続けてしまいました。


上宝珠越
11:00 上宝珠越に到着です。砂すべりへの入口にはロープが張ってあります。


見上げるとユートピア小屋
見上げるとガスの切れ間にユートピア避難小屋が見えました。


勝間ケルン
上宝珠越では休憩をとらずに通過し、勝間ケルンの下を通り過ぎます。いつも思うのですが、このケルンはなんで鉄パイプ製なんでしょうか。最初は測量用のやぐらかと思いました。


本格的な雪道
上宝珠越から上は雪も本格的になってきましたが、それほどつるつる滑るわけではないので、クランポンは着けないでそのまま進みます。


三鈷峰への分岐点
11:32 尾根上の三鈷峰への分岐点に出ました。三鈷峰にかかっていたガスはだいぶ薄くなってきました。


滝雲が流れる北壁
しかし、振り返ると大山北壁がなんだか妙な状況です。山頂を覆い尽くした雲が滝のように北壁にそって流れ落ちています。


この雲はどこから来るのか不思議です。南壁にそって吹き上がった雲が稜線を越えて吹き降ろしてくるのでしょうか。そういえば、朝来るときに新庄村のあたりでは0度だったのに、大山寺では9度でした。風があって体感温度は低いものの、この尾根上で温度計は10度を差しています。いわゆるフェーン現象のような状況なのかもしれません。


矢筈ヶ山
矢筈ヶ山の方向は雲もなくそこそこ視界がありました。


大休峠避難小屋
親指ピークの向こうに大休峠の避難小屋も見えています。


尾根上のユートピア小屋
ひとまずユートピア小屋をめざします。


ユートピア小屋着
11:39 ユートピア避難小屋に到着です。


携帯トイレブース跡
夏に設置された携帯トイレ用ブースは床だけ残してなくなっていました。やっぱりハイシーズンだけの設置だったようです。中に入ってみると、携帯トイレを使うための便座だけが玄関土間においてありました。どうしろというのでしょうか。


小屋内
小屋の中には、これから出発しようと準備中の3人と、食事中のソロの男性がいるだけでした。ちょっと早いのですが、お腹も空いていたので小屋内で食事にすることにしました。ソロの男性は、三鈷峰の下を流れる剣谷を登ってきたとかで、大山はわりと詳しいみたいでした。食事をしながらいろいろと話をしましたが、彼も稜線の風が強すぎるので今日は稜線まで上がらずに下りるつもりだとのこと。窓をがたがたと揺さぶっている風を考えると、当然の判断でしょう。自分もここまでかなと食事をしながら考えていました。


12時30分をすぎて、彼が先に出発していきました。象ヶ鼻の先にある小砂すべりをくだって下山すると言っていました。その後こちらも食事を終えて荷物をかたづけ、出発の準備を整えているとき、ふと窓ががたがた鳴る音がしなくなっているのに気がつきました。


滝雲
窓を開けて北壁のほうを見てみると、巨大な雪崩のような雲が相変わらず北壁を滑り落ちていますが、小屋のあたりの風は幾分弱くなっていました。稜線の状況はあまり変わっていないみたいですが、もしかしたら上のほうも風が収まってくるかもしれません。しかし、雲の流れを見る限りでは、その可能性は低そうです。

[広告] VPS



さあ、どうする? ここから上は吹きさらしの稜線です。突風でバランスを崩せば滑落の危険性が高くなります。しかし、天候は次第によくなりつつあるのもまた事実。上か、下か、行くのはどっちだ!?





ランキングアップにポチッとご協力お願いします。


にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

| 2011年11月 大山天狗ヶ峰 | 17:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

近くて遠い天狗の尾根: 伯耆大山天狗ヶ峰 vol 1

2011年11月27日(日) 宝珠越ルートで天狗ヶ峰まで日帰り山行


猛烈な筋肉痛に襲われています。疲労感も相当きてます。なんだか北アルプスに行って帰ってきたときのようです。なんなんでしょうか。

わずか1700mほどの山だというのに、伯耆大山は厳しい山です。1年前の11月21日、予想外の積雪に苦労しながら宝珠尾根をたどり、象ヶ鼻から眺めた天狗ヶ峰へと続く尾根。経験も装備もなく、度胸もない。ないないづくしでその先へと続く尾根の道をただ眺めていたあのとき。あの日の大山は決して厳しい山ではなかったけれど、経験も装備も無いシロウトに簡単に登らせてくれるほど甘い山でもありませんでした。”経験をつんで、装備をもって出直してきなさい” 山は静かにそう言っていたのかもしれません。

雪のない時期に再訪しようと思っていたのに、気がつけば1年が過ぎ、再び訪れる機会を得たときにはまた雪の尾根になっていた天狗ヶ峰。あれから雪山の経験も多少はつんだし、装備も必要最低限のものはそろえました。しかし、まだ足りていないものがひとつ。それはヘルメット。雪山経験といっても県内の低山だけなので、ヘルメットが必要になるような雪の稜線を歩いたことは無いのです。この前のセールのときに購入を考えたのですが、ほしい色のモデルがなかったこともあって年末セールまで待つことにしたのでした。万一のことを考えると、雪の積もった大山の稜線を歩くのであればヘルメットは持っているべき。とはいえ、前日がことのほか好天だったし、当日の天気予報も終日晴天ということで、融け残った雪もお昼ごろには解けるだろうと予想して、あの日眺めることしかできなかった稜線を目指したのでした。




午前4時30分。外はまだ真っ暗です。寝静まった街をそろりと通り抜け、大山を目指します。今回は新庄村から国道181号線を溝口まで行き、伯耆街道で枡水高原経由で大山寺へ向かいました。時間的には少し早いぐらいという感じですが、国道ということで道幅もあり走りやすく、疲れも少ないのではないかと感じます。

午前7時過ぎに大山寺の南光河原駐車場に到着。夏ならこの時間はすでに満車になっている可能性が高いのですが、さすがに紅葉もすっかりおわった晩秋はがらがらです。

大山寺橋から見た三鈷峰
すっかり明るくなった空は、終日晴天の天気予報とはまったくちがって、雲の垂れ込めた曇天が広がっていました。



三鈷峰拡大
大山寺橋から見上げる三鈷峰は少し雪が残っているようですが、昨年のように真っ白という状態ではありません。これなら稜線の雪は心配するほどのことはないかもしれません。



7:35 駐車場を出発。夏道登山道に向かう登山者はちらほらいましたが、元谷方面に向かう人は皆無です。



大山寺参道
誰もいない参道をのんびりと歩きます。大山寺から先の大神山神社の石畳の道は、一部土嚢で補修されていましたが、台風の痕跡はほとんど見当たらない状態になっていました。



大神山神社
8:07 大神山神社の石段も何事もなかったかのように、静かな雰囲気に包まれています。このルートを歩くときにはいつも大神山神社に安全祈願をしていくので、今回もお参りしようと入口から足を一歩踏み入れた瞬間、中で掃き掃除していた男性が「掃除中なので入らないでください」とひとこと。なんだか妙にむかついたので、お参りするのはやめました。どんなにきれいに掃き清めたって、どうせ参拝者が出入りする場所です。掃き清めるという行為は必要だとしても、掃除中を理由に参拝を拒否するなんて、どこまで高飛車な神社なのでしょう。そんなにきれいにしておきたいのなら、建物内は立ち入り禁止にしておけばいいのです。神様が悪いわけではないにしても、こんな職員のいる神社なんてもうけっこう。ということで、今後はお参りはしないことにします。ふんっ!



通行危険の看板
登山道入口には、砂すべりに関する警告のたて看板が設置してありました。不思議なことに、”通行危険”ではあるけれど”通行禁止”ではないのです。それほど危険なら通行禁止にすればいいのに、なぜ警告だけなのでしょうか。行くかどうかはあくまでも個人の判断にゆだねるということなら、弥山~剣が峰の縦走も警告だけにとどめておけばいいのです。大山遭難防止協会というところもよくわらない団体です。まあ、通行禁止にするという権限はもっていないということなのかもしれませんが。



神社近くの登山道
大神山神社付近の登山道は、これといって台風の被害はみあたりません。ただ、階段の段差が多少大きくなったような気がします。水の流れで階段下の部分が少し削れらたのかもしれません。



下宝珠への分岐直後
しかし、下宝珠越への分岐から様子が変わりました。大きな岩がごろごろしている沢のような状態になっていました。



2010年の下宝珠への道
ちなみに、これが昨年の状況。当時もそれなりに岩がありましたが、落葉が厚く堆積していてそれほど岩ごろ道という雰囲気ではありませんでした。上から新しく岩が流されてきたのか、堆積していた落葉や土が流されてその下の岩が露出したのかわかりませんが、ずいぶん歩きにくい道になったように感じます。もっとも、落葉が岩の上に堆積しているとうかつに足を置いてひねったりしていたので、その意味ではかえって歩きやすいのかもしれません。



林道との合流点
8:35 林道との合流点にきました。ここまでは雪はなく、普通の晩秋の森でした。



倒木の上の積雪
しかし、林道を越えて先に進むと、倒木に雪が積もっていました。昨年はこのあたりではまだ雪はなかったのに、もしかして今年のほうが雪が多いってか?



雪の残る斜面
ただ、さらに上に進んでもそれほど雪が多くなることはありませんでした。



下宝珠越
9:06 下宝珠越に着きました。尾根下あたりから風が出てきましたが、尾根に上がるとそこそこ強い風が吹いていました。今回のウェアは、ブレスサーモ長袖薄手と先日購入したドライアクセルEXのミズノコンビに、モンベルのライトシェルアウタージャケットという組み合わせですが、これが登りではかえって暑かったようで、わりと汗をかいてしまいました。透湿性能が高いとはいえソフトシェルはあくまでもシェルです。しょせん、フリースなどの透湿性能には遠く及ばないわけで、登りではシェルを着ないほうがいいようです。風に吹かれているとやっぱり冷えてくるので、休憩もそこそこに先に進みます。



元谷避難小屋
下宝珠越から少し進むと、ブナ林の向こうに北壁が見えてきます。昨年通ったときには気がつきませんでしたが、木々の間から元谷の避難小屋が見えていました。これからの季節、クライマー達のベースとなる避難小屋ですが、いまはまだひっそりと静まり返っているようです。



尾根の林床
中宝珠越に向けて進んでいくと、林床に雪が目立つようになりました。昨年もちょうどこのあたりから同じように雪が目に付くようになってきたので、この先の登山道は雪道になるかもしれません。

幸いにも、雪は深くなるようなこともなく、ときおり半分氷と化した雪が木の根の間にへばりついている程度の状況でした。ただ、風がどんどん強くなっており、ズウォッーという音を響かせながら森の上を吹きぬけて行きます。写真だけでは臨場感がないので、今回は動画を撮ってみました。



[広告] VPS




風に吹かれながら歩いていると、やはり体が冷えてきます。中宝珠越手前の小ピークまでくると、ちょうど風が止みました。というよりも、たまたま地形の関係で風が直接当たらなかっただけのようですが、体が冷えてきたこともあってハードシェルに着替えることにしました。熱気がウェア内にたまらないようにジッパーは開けていたのですが、それでも袖や背中を中心にソフトシェルは汗で湿っており、ソフトシェルをミドルウェアとして使うというのはどうやら再考する必要がありそうです。



小ピークからの三鈷峰
この小ピークは、三鈷峰をすぐ目の前に眺めることができます。ピークは登山道から1mほど上がったところにあって、タタミ1畳ほどの平坦地になっているので、天気がよければ休憩するのにいいところです。



中宝珠越
10:00 中宝珠越に着きました。昨年は8時過ぎに出発し、10時過ぎに中宝珠越でした。今回は30分も早く出ていたのに、到着はほぼ同じ。着替え時に少し写真を撮ったりして時間を使いましたが、30分もかかったわけではなく、なんでこんなに遅いのかわかりません。とりあえず、休憩してエネルギー補給です。

天気は相変わらずどんよりとしているだけでなく、三鈷峰の頂上すらガスの中です。当然、大山の稜線など見えるはずもなく、こんな状態で上がっていってもしょうがないという気持ちも出てきました。しかし、午後から天気が回復するという可能性もないわけではありません。少なくともYahoo天気では終日晴天だったのですから。もっとも、以前にも毛無山に登ったときにYahoo天気にはだまされているので、あまり当てにはならないかもしれません。どうする? 進むべきか退くべきか、それが問題だ。チョコレートをかじりながら、迷っていました。


つづく





ランキングアップにポチッとご協力お願いします。


にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

| 2011年11月 大山天狗ヶ峰 | 00:40 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |