ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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バリエーションルートで挑む最高峰 剣ヶ峰: 伯耆大山 vol 3

2011年8月28日 鳥取県大山町 伯耆大山・剣ヶ峰(標高1729m)日帰り山行

槍ヶ峰から先の痩せ尾根
13:00 槍ヶ峰を出発して痩せ尾根へと足を踏み入れました。ガスが沸いてきて、左右の絶壁下が見えないので、それほど高度感や恐怖感も感じないで歩くことができます。そうはいっても、道の幅は、30cm~50cmと狭く、ザレた状態なので油断は禁物です。

痩せ尾根のこぶ
ときには、こんな感じのこぶを越えていきますが、こういう登りから下りへと切り替わる場所はけっこう神経を使います。

やや幅広で安心
尾根がやや幅広になるとほっとします。これぐらいの道ならぜんぜん問題ありません。

切れ落ちた南壁
突然ガスがサーッと晴れて奈落の底が見えると、一気に緊張感で体が硬くなります。

ザレた急傾斜
天狗ヶ峰の手前には、ザレた急傾斜の部分もあり、スリップしないように慎重に越えます。

天狗ヶ峰
13:08 天狗ヶ峰に着きました。槍ヶ峰から見たときには、ずいぶん遠くにあるように見えましたが、わずか8分で着くとはいささか拍子ぬけです。

ユートピアへの道標
ここはユートピア小屋からの尾根と合流する場所です。ユートピア小屋への道標がありました。

天狗尾根
これがユートピア小屋への尾根です。この尾根もなかなかきびしい痩せ尾根です。

槍尾根
こっちは今歩いてきた槍尾根です。

剣ヶ峰への尾根
そしてこれが最高峰剣ヶ峰へと続く尾根です。正直な話、この道を見たときにここで引き返そうかと思いました。右も左もはるか下まで続く絶壁です。幅はわずか40cmほどの狭く浮石のたくさんころがるナイフリッジには、体を支えるものは何もありません。幸いなことに、ガスが視界をさえぎり、絶壁といっても一番下までクリアに見えているわけではないので、覗き込まなければ足がすくむほどの高度感はありません。バランスと浮石に気をつけて、足元だけを見て行けばなんとかなりそうです。

低木に覆われる尾根道
”だいじょうだいじょう” ”行ける行ける”と声を出しながら剣ヶ峰へと進んでいくと、狭い尾根道に低木が覆いかぶさっていました。ただでさえ狭い痩せ尾根の道なのに、さらに枝に足を引っ掛けないように気をつけて歩かなければいけないのです。左手は断崖絶壁で、鎖も無ければロープも無い狭い稜線です。そのうえ低木に覆われて足を置くのがやっとのような状況は、さすがにビビリます。これで風があったら、確実に引き返していたところです。

剣ヶ峰出現
慎重に木の枝をクリアしながら進んでいくと、一瞬ガスが晴れて目指す剣ヶ峰が見えました。

吊尾根
低木に覆われたところをクリアすると、今度はざれざれの急斜面がある吊尾根のような場所です。なかなか簡単には剣ヶ峰に近づかせてはもらえません。

分岐
ざれた吊尾根を渡り急斜面を登りきると、道が二股に分かれていました。こんな痩せ尾根で分岐があるとは意外です。右のルートに黄色いテープがついているので、どうやらここは巻き道があるようです。

左の道の先
左の道の先は、おそらく崩落してしまったのでしょう。踏み跡は無く、絶壁の突端まで雑草が覆っていました。

右の道の先
右の巻き道は、木の枝が倒れかけて歩きにくい状態ですが、とくに危険な箇所も無くいままでの稜線歩きに比べると安心して歩ける道です。

剣が峰にあと一歩
巻き道から再び稜線に戻ってくると、目の前に剣ヶ峰が見えました。

頂上の慰霊碑
13:21 1729mの剣ヶ峰に着きました。これで名実ともに伯耆大山に登頂です。山頂にはコンクリート製の碑があり、文字が刻まれた銅版が埋め込んでありました。読んでみてわかったのですが、単なる山頂のモニュメントではなく冬期にこの近くで遭難した地元高校生の慰霊碑でした。剣ヶ峰から天狗ヶ峰方向へ下ったあたりで、昔数名の高校生が遭難したそうです。

展望開ける
ガスに巻かれて展望のきかない中、槍ヶ峰で食べ残した昼食の残りを食べていると、突然ガスが切れてはるか下まで切れ落ちてゆく南壁の様子を見ることができました。

槍尾根現る
登山ルートとして歩いてきた槍尾根も見えます。左端の高いところが天狗ヶ峰、右手のひときわ高い三角ピークが槍ヶ峰です。少しの間写真を撮ったり、景色を眺めたりしていましたが、結局だれひとり登ってくる人はいませんでした。一人だけの静かな山頂です。

帰路
13:43 再びガスに視界をとざれたので、下山することにしました。またあの恐ろしい痩せ尾根を越えていかなければいけないのかと思うとちょっとうんざりですが、それ以外に道は無いので仕方ありません。

下りの痩せ尾根
同じ道でも帰路になるとまた別の道のように感じます。勢いで登ったような急傾斜の場所は、こんどはスリップに気をつけながら慎重に下ります。

ナイフリッジ
本当にこんなところあったっけ? と思えるようなナイフリッジに、往路以上にドキドキしながら戻ります。天狗ヶ峰では男性が二人座って休憩中でした。狭い天狗ヶ峰で、しかも14:00ごろにゆっくり休憩するということは、剣ヶ峰まで行く予定はないのかもしれません。挨拶だけして天狗ヶ峰を後にしました。

天狗ヶ峰から下り始めてすぐ、槍尾根を登ってくる単独行の男性とすれ違いました。左手に一眼レフをもって尾根を歩いてくるその男性は、こちらの存在に気がついていないのか、すれ違いもできないような尾根をどんどん登ってきます。こちらも急傾斜の下り斜面の尾根上にいるので、止まることも引き返すこともできず、進むしかありません。幸い少し先になんとかすれ違いができるだけのやや尾根が広がった場所があったのですれ違うことができましたが、熊のいるいないにかかわらず、自分の存在を知らせるためにも鈴をもって歩いたほうがよさそうです。この尾根を歩く人は、みんな自分の足元に神経をとられて前を確認することがおろそかになっている可能性があります。

槍ヶ峰南峰
槍ヶ峰北峰を通り過ぎ、ガスの中に槍ヶ峰南峰の姿がぼんやりと見えてきました。南峰まで行けば、おそろしいナイフリッジの尾根歩きはおしまいです。

南峰の肩
14:04 南峰の肩まで戻ってきました。後は巻き道をたどり、南壁を下っていくだけです。

青空出現
槍尾根から斜面を下り始めると、突然ガスが切れて太陽と青空が出てきました。下山するのが早すぎたかと一瞬後悔しましたが、こればっかりはどうしようもありません。

青空と槍尾根
真っ青な空と槍尾根です。そういえば、今日は虫の襲撃を受けずにすみました。やはり山の上は一足早く夏が終わっているのかもしれません。

剣ヶ峰を望む
横を見ると、往路ではまったく見ることができなかった剣ヶ峰が見えました。山頂の慰霊碑も見えています。歩いているときには見られなかった絶壁がよく見えます。あんな絶壁を足元に見ながら歩くなんて、考えただけでもぞっとします。やっぱり歩いているときにガスがあってよかったと思いました。

砂すべり斜面の上
砂すべりのような砂利斜面まで戻ってきました。登るのは大変だけど下るのは簡単です。早めに砂利斜面に出て、砂利と一緒にざくざく下ります。これが下まで続いていたら楽なのに。

奇岩
南壁の下まで来ると、朝はガスでかすんでいた奇岩の連なる南壁がくっきりとよく見えました。なんだかおどろどろしい岩壁です。

枯れ沢沿いの場所
枯れ沢沿いの場所まで下ってきた頃、左ひざに痛みを感じるようになって来ました。今回は軽荷ということでストックを持ってこなかったのですが、急傾斜の下りで膝の負担が大きかったようです。できるだけ、左ひざに負担をかけないようにゆっくりと下らないといけなくなり、ペースはガクっと落ちてしまいました。

南壁全景
大堰堤手前の広い河原まで下りてくると、南壁に日が当たるようになって来ました。朝はガスの中で全貌が見られなかった南壁ですが、こうしてみるとなかなかすごい迫力です。

コゴメグサ
足元に群れ咲いていた小さな花です。コゴメグサという名前のようです。

大堰堤上からの南壁
しばらく写真を撮っていると、稜線付近からまたガスが降りてきました。結局、スカッと晴れることが無かった1日でしたが、剣ヶ峰に登頂できたし、最後に南壁の全貌を見られただけでも良かったです。

大堰堤下
大堰堤を下り、

連なる堰堤
いくつもの堰堤を越えて、

大山環状道路に到着
16:04 やっと大山環状道路に戻ってきました。

文殊堂と車
文殊堂の先に車が見えました。朝停まっていたほかの車はもう帰ったようです。車の近くまで来ると、いままでいなかった虫が顔の周りに寄ってきて、うざいことこの上なしです。山の上のほうは気温が低くなってきたので、この辺りのブナ林の中に下りてきたのかもしれません。標高1000mクラスの山だと、虫のいない山行ができるようになるまでは、まだ時間がかかりそうです。

雨の跡
車の下だけ、路面が濡れていません。このあたりは雨が降ったようです。でも、自分はぜんぜん雨には降られていません。ちょうど雨が降っていたときには、雲の中にいたので雨にならなかったということなのでしょう。

今日一日で数人の登山者にしか会わなかったので、すっかり日曜日だということを忘れてしまいそうな山行でした。さすがにバリエーションルートは人が少ないです。そういえば、往路で出会った山ガールは姿を見なかったので、適当なところで引き返したのでしょう。この次は、紅葉の時期に振り子沢経由で周回するルートを試してみたいものです。



おわり。



■山行データ

<往路所要時間> 3時間31分

文殊堂9:50→大堰堤上の河原10:44→槍尾根12:30→槍ヶ峰12:50/13:00→天狗ヶ峰13:08→剣ヶ峰13:21



<復路所要時間> 2時間21分

剣ヶ峰13:43→槍ヶ峰南峰の肩14:04→文殊堂16:04



<標高差> 766m(最低地点:文殊堂963m、最高地点:剣ヶ峰1729m)




<登山道情報>
このルートは一般登山道ではありません。ルートもわかりにくい場所があったり、危険な箇所が多数あります。特に尾根上は両側が切り立った絶壁で、体を支えるものは何も無いので、滑落する危険が非常に高い場所です。登山するときは十分注意してください。このレポでこのルートを使うことを推奨しているわけではありませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。途中、水場もトイレもありません。

2012年7月30日に落石事故があったようです。自分が滑落しないことだけでなく、他人が落とす石にも気をつけなければなりません。ヘルメットを着用すると共に、上に人がいる場合は、安全なところへ行くまで待つなどして危険を回避することも心がけてください。また、尾根を歩く場合は、落石を起こさないよう気をつけることも忘れずに。





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| 2011年8月 大山三の沢 | 18:32 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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バリエーションルートで挑む最高峰 剣ヶ峰: 伯耆大山 vol 2

2011年8月28日 鳥取県大山町 伯耆大山・剣ヶ峰(標高1729m)日帰り山行


ガスが晴れ始めた南壁
1308m地点で10分ほど休憩をとっているうちに、ガスが徐々に薄くなってきました。ガスが晴れたというよりも全体が上に移動したという感じです。しかし、そのおかげで南壁が少し見えるようになって来ました。

槍ヶ峰方面
どこか上のほうから男性の話し声が聞こえてきましたが、まだガスの中なのか人影らしきものは見えません。

麓までよく見える
下界のほうはすっかりガスが消え、麓のあたりまでよく見えます。

さらにガスが薄くなる
見ているうちにガスはどんどん上空へと逃げて行きます。

槍尾根出現
右手上方にある槍尾根の稜線も姿を現し始めました。人の声はこの方向から聞こえてきます。

下山者発見
よーく目を凝らして探してみると、中央やや下の当たりに2名の登山者が下ってきているのが見えました。これでルートがはっきりしました。南壁下部を右手にトラバースするように上がって行くようです。

雲間に青空
ガスはさらに薄くなって、一瞬ですが青空がちらっと見えました。このまま晴れてくれればいいのですが・・・

さて、休憩を終えて出発し、だいぶ南壁が近づいてきたところで、上から降りてきた男性2名とすれ違いになりました。すれ違うときに、「これから登ると晴れそうですね」といわれたので、「それを期待してます」なんて言葉を交わしたのですが、それに気をとられて実は右折するべきところを直進してしまいました。

上部地図
彼らとすれ違った場所のすぐ上で、登山道の真ん中に緑のテープが巻かれた石が置いてありました。登山時は、ただテープを巻いた石がおいてあるだけで、どうみても直進がルートにしか見えませんでした。本当のルートはここを右折するのですが、右側は草がしっかりとルートに覆いかぶさっていて、かなり注意してみていないとまずわからない状態でした。

緑のテープ
この写真は下山時に撮ったものです。撮影前に、テープを巻いた石の後に他の石を並べたり、右方向への道の入口が見えるように草を少し手折っておいたので迷いそうには見えませんが、下山時に再確認したら、こりゃわからんわと思いました。とにかく、このルートで緑のテープがあったのはここだけなので、登山時南壁下で緑のテープを見たら右折です。


緑のテープ上の斜面
緑のテープから10mぐらい進んだでしょうか。突然ちょっとした斜面に出ました。いままでずっと左手にあった枯れ沢に面した斜面です。このままいくと枯れ沢上部に向かうことになり、男性2名が下りてきていた方向とは異なります。斜面には踏み跡らしきものもかすかにありますが、たった今2名が歩いたとは思えません。おかしいなと思いつつも、この先で右に上がっていくようになっているのかもしれないと思い、斜面に足を踏み入れました。まったく踏み固められていない斜面は、足元がもろく崩れて下手をすると枯れ沢のほうへずり落ちそうです。

なんとか渡りきると、今度はこぶし大の石が積み重なった斜面が右上に続いていました。人が歩いたような気配はまったくありません。とりあえず少し登ってみましたが、こちらもまた足に力を入れればすぐに石がごろごろと転がり落ち、とてもまともに歩けるような場所ではありません。引き返そうかと思いましたが、ずり落ちないようにするのが精一杯で、とても下れたものではありません。下手をすると石と一緒に枯れ沢まで滑り落ちてしまいそうです。右手を見るとなんとかまともに歩けそうな斜面が見えました。とにかくあそこまで行って下ろうと思い、両手両足を使って慎重に石だらけの斜面をトラバースして事なきを得ました。

ルート復帰点下
斜面を下っていくと、なんとうまい具合にしっかりと踏み跡が残っているルートに出ました。この写真はルートに復帰した場所から、道を間違ったであろう場所を撮ったものです。このルートでもっとも迷いやすい場所は、おそらくこの緑のテープのところだと思います。単独で初めて歩く場合は、要注意です。

ルート復帰点
無事に正しいルートに復帰して、槍尾根に向かって草つきの斜面をトラバースして行きます。

夏の名残の花
登山道脇には、まだ夏の名残の花が残っていました。

小砂利の急坂
滑りやすい小砂利のたまった急登が続きます。このあたりになるとほぼ南壁に取り付いているような状況なので、斜度はかなりきつくなってきました。

砂すべりのような斜面
11:54 砂すべりのような砂利のたっぷりたまった急斜面に出ました。ここでこの先のルートがわからなくなりました。ひとまず、この斜面を直登してみることにします。ところが、一歩踏み出すごとに足元の砂利はおろか上から砂利が崩れ落ちてきて、まるであり地獄からの脱出を図っているかのような有様です。数メートル上がってみたものの、とてもこんなところを登れるものではありません。きっとほかにルートがあるはずと、あたりをよーく見回してみると・・・

砂すべり奥のルート入口
ありましたありました。ちょうど右手の草つきの中に黄色のテープが付いていました。しっかりとした踏み跡も見えます。どうやら、砂すべりのような斜面に出た場所から、そのまま斜め上方向に斜面を横切ったところにルートの入口があったようです。

階段状のルート
うまい具合に階段状になっている踏み跡をたどって、砂利の斜面にそって直登が続きます。

イヨフウロ
途中、愛らしいイヨフウロの花が咲いていました。

槍尾根と青空
気がつけば稜線を隠していたガスがきれいになくなって、青空が見えています。

黄色テープに助けられる
途中、ルートがわかりにくい場所もありましたが、黄色のテープに助けられルートを見失うことなく歩くことができました。

標高1546m地点
12:18 標高1546m地点です。あり地獄のようだった砂利の斜面も、気がつけばはるか眼下に見えるようになり、高度感が増してきました。このまま晴れるかと思っていた天気ですが、谷底から再びガスが湧き上がってきました。晴れたりガスったり忙しい天気です。

低木の藪
草つきの斜面を登りつめてくると、今度は低木の茂る藪になりました。木の枝に邪魔されて歩きにくくなってきます。途中崖沿いの半ば崩落しかかったような場所もあり、危険箇所は慎重にクリアして行きました。

稜線下の分岐
12:30 おそらくすぐ上が稜線だろうと思われる場所に来ました。標高は1615mです。藪を抜けて再び草つきの斜面になったのですが、踏み跡が左右に分かれています。左はすぐ上の鞍部に直登するルート、右は少し上から右のほうへトラバースしていくルートです。とりあえず、右のルートへ進んでみることにします。

右ルート稜線合流点
右のルートを20mほど進むと、稜線に出ました。

巻き道と判明
稜線に出たところから登り方面は、すぐ目の前に4mぐらいありそうな岩峰があり、その奥にはもっと巨大な岩峰がそびえています。この岩峰を越えていくような踏み跡は見当たりません。反対に稜線下り方面へは稜線を下っていく踏み跡がついています。ちなみに下っていけばキリン峠です。つまり、この道はキリン峠から登ってきたルートが、岩峰をエスケープするための巻き道だったのです。ということは、槍ヶ峰を経由して剣ヶ峰にいたるルートは、先ほどの分岐を左に行けばいいというわけです。

左ルートの鞍部から先の状況
先ほどの分岐までもどって、左のルートを見えていた鞍部まで登ってみると、巨大な岩峰の下の急斜面をトラバースして行く踏み跡が続いていました。

岩だな状のトラバース
かなりの急傾斜をトラバースする道ですが、ちょうど岩棚のようなところがルートになっているので、それほど危険な感じはありません。

槍ヶ峰南峰下
見上げればほぼ垂直に切り立った岩峰がそびえています。道は、この岩峰の左肩に向かっているようです。

槍ヶ峰南峰肩から振り返る
岩峰の肩から振り返った写真です。赤線がたどってきた巻道です。

槍ヶ峰南峰
この岩峰は、槍ヶ峰の南峰です。キリン峠などから見上げたときに見える尖鋒がこの南峰です。直接ピークに上がれるのかどうかわかりませんが、見たところそれとわかるような踏み跡はついていないようです。

槍ヶ峰北峰への稜線
南峰を越えてから先は、それほど傾斜のきつくない稜線が槍ヶ峰北峰へと続いています。

槍ヶ峰下の痩せ尾根
途中痩せた尾根の部分もありますが、このあたりはまだ落ちてもすぐ下で引っかかりそうな雰囲気なので、それほど恐ろしい感じはありません。

槍ヶ峰頂上
12:50 ようやく槍ヶ峰に到着です。ピークはそれほど広くないものの、座って昼食をとれるぐらいのスペースはありました。ところが、なぜかやたらハエが多いのです。この崩れかけたようなケルンの石にもたくさんハエがたかっていました。なぜここにだけハエが多いのかわかりませんが、もしかしたら多くの登山者がここで昼食などとったときに、こぼしたり落としたりした食べ物かすのようなものがあるのかもしれません。あまりにも不快なので、おにぎりをひとつ食べただけで早々に立ち去ることにしました。

ガス巻く南峰
出発直前に、ガスが切れて南峰が姿を現しました。こうしてみるとまるで槍ヶ岳のようです。

天狗ヶ峰への稜線
反対側を見ると、これから進むべき痩せ尾根のルートが天狗ヶ峰まで続いているのが見えました。槍ヶ峰から先は、いよいよ本格的な稜線の道になります。しかも左右が切れ落ちたザレた痩せ尾根です。すくなからず緊張感で身が引き締まるのを感じました。


つづく。




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| 2011年8月 大山三の沢 | 17:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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バリエーションルートで挑む最高峰 剣ヶ峰: 伯耆大山 vol 1

2011年8月28日 鳥取県大山町 伯耆大山・剣ヶ峰(標高1729m)日帰り山行



7月末の黒部五郎岳で遭遇した暴風雨の後遺症(しばらく山には行かん!という負け犬根性)に加えて、連日30度を越える猛暑にすっかり出かける気力をなくしていましたが、さすがに夏も終わりかけるとどこにも行かないのがもったいないという気持ちになってきました。8月最終の週末は幸いにも仕事が入らず3連休となり、星景写真の撮影をかねて伯耆大山に行ってみるかなどと考えていましたが、あいにく天気はいまひとつ。金曜日は数日早起きが続いたのでばてて朝起きることができず、土曜日は山の天気が悪くて中止。しょうがないので日曜日に日帰り登山だけすることにしました。

しかし、天気予報はぱっとしません。朝4時30分に起きて天気予報をチェックしてみるも、やっぱり曇りマークが並んでいます。これでは登ってもガスの中だなあと思うと気が乗らず、朝食を食べたりテレビを見たりしてだらっと過ごしていると、いつの間にか6時前。ネットのライブカメラで大山を覗いて見ると、なんと稜線がくっきり見えています。天気予報を再度チェックすると、いつの間にか朝からお昼過ぎまで晴れマークに変わっているではありませんか!

「だまされた」と多少憤慨しつつ、あわててシャワーをあび、準備をして7時前に出発です。休日上限1000円と無料実験が終わってしまったので、高速道路なんてカンケーねー。というわけで、国道53号線から空港線に入り、山間部を南北に貫く国道429号線と県道30号線をつないで真庭市落合に出るルートをひた走ります。日曜日の早朝ということで、道はガラガラ。特別飛ばさなくてもすいすい走れて、いつもなら1時間強かかる落合までわずか50分で着いてしまいました。

落合から国道313号線で久世へ向かい、道路沿いの24時間営業のスーパーで昼食と行動食を購入。国道181号線に入り、新庄村までわずか20分。

野土路の水案内板
県道58号線で蒜山を目指す途中、野土路(のとろ)峠の手前にある銘水 野土路の水でプラティパスに水を補給しました。ここは有名な湧水で、いつも誰かが水を汲んでいるのですが、さすがに時間が早いので誰もいません。

野土路の水
かごの中にあった柄杓と漏斗を借りて1リットルパックと0.5リットルパックに水を満たして出発です。奥大山スキー場にある奥大山の源水で汲んでもいいのですが、昨年の秋以降状況を確認していないので念のためここで汲んでいくことにしたのです。ここまではどんよりとした曇り空で、はたして本当に晴れるのかと疑心暗鬼で車を走らせます。

野土路トンネルを抜けると、わずかですが青空が見え始めました。天気予報もまんざらでたらめではなかったかも、と久しぶりにウキウキ気分。蒜山に出て、御机(みつくえ)、奥大山を経由して三の沢に着いたのは、9時30分。3時間はかかると思っていたのですが、案外早く着きました。文殊堂の先の広い路肩に車を止め、準備を整えます。

三の沢案内板
9:50 三の沢目指して出発です。今回は、先日購入した防水デジカメFT1のデビュー戦でもあります。雨でもOKとはいうものの、できれば降ってほしくないところです。

GPSマップ
今回のルートは、以前から気になっていた三の沢から槍ヶ峰のある槍尾根に登り、伯耆大山最高峰の剣ヶ峰を目指すルートです。このルートは一般登山道ではなく、いわゆるバリエーションルートになります。そのため、当然地図には載っておらず、頼れるのはネットで仕入れた情報と、ルートファインディング能力だけ。バリエーションルートとはいえ、クライミング技術を必要とするような高難度のルートではないようです。おそらく、踏み跡は残っていると思われるので、それほどわかりにくいということはないだろうと予想しています。

三の沢入口
三の沢には、工事車両の通路を使って上がって行きます。

工事車両用道路
しばらくはよく整備されたフラットな道が続きます。このあたりは陽射しがありますが、上のほうは濃いガスに包まれて南壁は見られません。

分岐
10:02 道が分岐しているところに来ました。奥に堰堤が見えるので、本来の道らしい下の道は堰堤下で行き止まりかもしれません。なので、上の道に入ってみました。下の道はたしかに堰堤の前で行き止まりでしたが、そこから90度曲がって上の道と合流していたので、どっちでも同じでした。

工事現場から見る南壁
堰堤の工事現場からは正面に南壁がよく見えました。あいかわらずガスの中です。道はここから堰堤の右側、つまり左岸を上がって行きます。

荒れた道
工事車両が行き来していたであろう下の道に比べて、ここから先の道は荒れ放題です。

草木が増えた道
やがて道は堰堤のある三の沢からやや離れて、草木が多くなってきます。

赤テープ発見
草木にさえぎられて道がやや不明瞭になり始めたころ、赤い布がぶら下がっていました。どうやらルートを外れていないようです。

雑草茂る道
雑草の生い茂る砂利道が続きますが、ルートはそこそこはっきりしていて迷うようなことはありません。

開けた場所
10:21 堰堤沿いのやや開けた場所に出ました。振り返るといつの間にか意外と標高を稼いでいたことがわかります。GPSによれば、出発地点が標高963m、この場所が1170mなので、20分で207mも上がってきたことになります。さすがにフラットな道だと早いです。

GPSマップ1


大堰堤を見上げる
見上げると、かなり上のほうにひときわ大きい堰堤が見えました。あれが一番上にあるという大堰堤なのでしょう。ネットで調べた情報によると、大堰堤は左側を巻いて越えるとのことでした。左側というのが見上げたときの左側なら何処かで沢を渡ることになりますし、左岸という意味ならこのままルートがまっすぐ上がって行くはずです。とりあえず、行ってみるしかありません。

藪こぎ始まる
再び歩き始めると、道はいきなり藪こぎに近い状態になりました。沢から南壁へのルートということでこんな藪があるとも思わず、手袋を持ってこなかったのが失敗でした。漆等つかんでかぶれると嫌なので、素手で草木を触らないように気をつけながら、腕と肩で木を押しのけながら進みます。

藪から見える大堰堤
藪に埋もれがちのルートを確認しながら進んでいくと、徐々に大堰堤が近づいてきました。

足元のパイプ
ふと気がつくと、足元に黒いパイプが伸びています。北アルプスなどで時々見かける山小屋の給水用パイプと同じものです。工事現場まで水を引いているのでしょうか。

2つ目の赤テープ
藪の中で見つける赤テープには、妙な安心感があります。なくてもとくに困るような状況ではありませんが、やっぱりあると助かります。

大堰堤2つ手前の堰堤
10:32 大堰堤の2つ手前の堰堤までくると、堰堤から先には道がありません。堰堤上の左側に目印のテープが結び付けられていて、どうやらここから沢を渡るようです。

沢を渡る場所
大堰堤の手前にはもうひとつ堰堤がありますが、あの堰堤もおそらく左手から越えるのでしょう。見ると、堰堤の手前あたりに単独行の山ガールがいました。こんなバリエーションルートにも山ガールが単独で来るとは、さすがに日曜日です。

対岸の目印
三の沢を渡って対岸に来てみると、ピンクの紐が巻かれた岩がおいてありました。小さな目印ですが、こんなものでも意外と目立つので助かります。

対岸の目印から振り返る
この沢を渡る場所は、踏み跡のようなものはまったくなく、堰堤から下りてくると適当に歩いてくるしかありません。この写真の正面上に見えている堰堤から歩いてきたわけですが、上流方向に進んでしまうとこの目印を見逃してしまいます。堰堤に沿ってまっすぐに沢を横切ったほうがこの目印を見つけやすいので、やや注意が必要です。もっとも、見逃したからといっても、上の堰堤の左側に行けば登り口があるので、迷うようなことはありません。

大堰堤手前の堰堤乗越点
大堰堤の手前の堰堤を越える場所は、岩を積み上げただけの簡易なものなので、背の低い女性にはちょっと大変かもしれません。ここで先ほど見かけた山ガールに追いつきました。というより、彼女は小休止していたようです。軽く挨拶して、少し話をしました。彼女も初めて来たということで、大堰堤は左側から巻くということをお互いに確認して先に進みます。

大堰堤真下のテープ
大堰堤の真下で、左手の木に赤テープ発見です。

大堰堤上がり口のテープ
テープにしたがって木の下を入っていくと、前方の木の枝に別の赤テープがありました。

大堰堤へ登る坂
やや湿り気味の急坂が堰堤の左手に向かって延びています。上からロープがたらしてあるので、とりあえず登るのに支障はありません。

大堰堤上
大堰堤の上に出ました。これといって上流に向けての踏み跡はなかったので、どうやら堰堤の上を進むようです。

大堰堤上のテープ
2mほど進むと左手に赤テープがありました。背の低い木々の間を上流に向けて歩いて行きます。

広い三の沢上部
10:44 ようやく三の沢の上部に出てきました。南壁から崩落した土砂がたっぷりとたまった広い谷は、北壁下部の元谷のような雰囲気です。南壁はまだガスに覆われたままです。この広い谷のどこを目指して行けばいいのか、ガスがかかっていることもあってさっぱりわかりません。前方左手にある険しい感じの谷はまずあり得ないので、おそらく中央奥にあるS字状の枯れ沢がルートなのでしょう。

目印のケルン
藪から出てきた場所には、黄色いテープが目印につけられていましたが、とても小さくわかりにくい感じです。もしも帰りが遅くなって日が暮れてしまったりしたら探すのに苦労しそうなので、目印にケルンを積んでおきました。

黄色テープ
わずかな踏み跡のようなものをたどって歩いていくと、黄色いテープがありました。なんだかんだでルートファインディングは正しくできているようです。

石にまかれた黄色テープ
さらに進んでいくと、今度は石に巻かれたテープがありました。よしよし、間違っていないぞと安心しながら先を急ぎます。

S字状涸沢下部
11:05 大堰堤のあたりから見たS字状の枯れ沢らしきところに来ました。この枯れ沢を直接登っていくのかと思っていましたが、ルートは枯れ沢の左岸(右側)の土手上を通っているようです。出発してから1時間になるので、ここで小休止することにしました。標高をあげてきたので、ガスの中に入りつつあるようで、周りの風景もガスってよく見えません。

そういえば大堰堤を越えたところまでは後にいた山ガールは、いつの間にか姿が見えません。お互い初めてのルートだし、もし不安なら一緒に行きますかと誘ってみてもよかったのですが、単独行の女性の場合ひとりでのんびり歩くほうがいいのかもしれませんし、かえって迷惑になっては困るのでひとりで先に来てしまったわけです。以前ある女性のブログで、単独行で歩いていると他の登山者から声をかけられるのがめんどくさく不愉快だみたいなことを書いた記事を見たこともあるし、小さな親切大きなお世話になりかねないのが難しいところです。姿が見えないとちょっと気になりますが、まさかこんな見通しの良い広い谷で迷ったわけではないでしょうから、大休憩をとっているか花の写真でも撮っているのでしょう。考えてみれば、仮にもバリエーションルートに単独で来るぐらいですから、それほど心配する必要は無いのかもしれません。



つづく。






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| 2011年8月 大山三の沢 | 15:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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