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ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。相互リンクはしていませんので、リンクはご自由にどうぞ。当ブログ内に掲載してある写真の無償提供はしておりません。また、無断で使用することは固くお断りいたします。

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アプローチだけで疲労困憊し撤退: 聖岳その2 

2021年5月3日(月) 長野県飯田市 聖岳(3013m) 避難小屋泊単独行 


信州から戻って1週間ですが、なんだか疲れが抜けません。就寝時間が午前1時頃になってしまっているのも良くないのでしょう。連休明けは仕事も多くなく、今週末は3連休となっていますが、さすがに泊りの山行に行こうという気分ではありません。本日14日だけが晴れ予報になっているので、本当なら今日山へ行けばいいのですが、疲労感もありそんな気分ではないのでゆっくり静養することにします。


それでは、聖岳レポの続きです。



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9:41 自転車を置いて10分ほど歩いたところで、道が分岐していました。道標の類は何もないのでどちらへ行くべきかです。右の方へ行く道のほうがきれいなので、なんとなく右かなという気もしますが、右は下の方へ向かっているのでちょっと違う感じです。右のガードレールのところから下を覗いてみると、下った先に建物があり、どうも電力関係の施設のようです。なので、左へ進むことにしました。


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分岐からすぐに道がヘアピンカーブで折り返し、その先に建物が見えてきました。どうやら便ヶ島に着いたようです。


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9:50 突き当りに道標や案内板が設置してあり、登山届のポストが入った小屋もありました。


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聖岳には、案内板の左側から後ろの斜面を登っていくようです。とりあえず、ここで小休止をとることにしました。登山道入口の道標横の岩がちょうどベンチ代わりになったので、バックパックを下ろし、座って休憩することができました。それにしても、この時点で予定よりも約3時間遅れになってしまいました。避難小屋に着くのは17時半になってしまいますが、日没前1時間なのでまあ大丈夫だろうと思っていました。


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10:02 休憩を切り上げて出発します。ここからは山の斜面を登る登山道になりますが、これがけっこうきつい傾斜でした。登りながらなんだかしんどいなと感じましたが、まだ足は前に出ていたので、特に不安はありませんでした。


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10:09 きつい斜面を登りきると、トンネルがありました。これは森林軌道の跡だそうで、便ヶ島から西沢渡まではその軌道跡を利用した遊歩道になっていますが、崩落個所多数でとても遊歩道とはいえない道です。トンネルには照明がないのでヘッドライトが必要かと思いましたが、それほど長いトンネルではなく、地面の状況も肉眼で確認できたので、そのまま通過しました。


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トンネルを抜けると、再び上河内岳(たぶん)が出迎えてくれました。


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トンネルのすぐ先の登山道脇にカツラの巨樹が立っていました。


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幹周は10m前後はありそうな感じです。こんな巨樹が無名のまま、登山道脇に立っているのですから驚きです。


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トンネルから5分ほどで、大きな崩落個所がありました。これまでは道の上から土石が落ちてきて道が埋まっているパターンの崩落ばかりでしたが、ここは道が崩れてしまっていて、通過するのがちょっと大変そうです。しかも、渡してあるロープが結構高くて半分ぐらいまで行かないと手が届かず、渡り始めは余ったロープを握りながら崩壊した斜面を渡り、途中から上にかかったロープに持ち替えて向こう側へ渡りました。背の低い人や初心者は、カラビナとスリングでつり革のようにして渡ったほうがいいかもしれません。この崩落地の先でもちょこちょこ土石が落ちてきて道が埋まっている場所があったりしますが、道が崩れていたのはこの場所だけでした。



ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。




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歩いて行くと、木造の橋が谷にかかっていました。架けられてからあまり年月が経っていないのか、それほど痛んでいるところもなく、あちこち崩落して痛みの激しい遊歩道にあって、ちょっと違和感のある橋でした。


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橋の上から大きな滝が見えます。全体の落差は30~40mぐらいありそうです。


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その先に崩落個所があり、大木がバリケードのように道をふさいでいました。荷物が小さければ木を跨いだりくぐったりして通過できそうでしたが、でかいバックパックを担いでるとそうもいかず、上から高巻くしかありません。崩れやすい砂利の斜面を登って、大木の上から反対側にでました。


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2本目の木橋を通過します。この橋を過ぎると、道の崩落個所がさらに多くなり、どんどん歩きにくくなってきた感じです。それでも、もともと森林軌道の跡なのでほとんど水平な道になっていて、普通の登山道に比べれば歩きやすいのかもしれません。とはいえ、その分歩いても歩いても高度を稼ぐことができず、体力を消耗するばかりともいえます。


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10:57 2本目の橋から20分ほどで西沢渡に着きました。ここは渡渉箇所になりますが、人力のゴンドラが設置されています。しかし、それがかなり体力を消耗するらしく、できることなら使いたくないところです。GWに入っているので、仮設橋がかけられているのではないかと淡い期待をもっていたのですが、その期待は見事に打ち砕かれました。仮設橋もなければ、石を伝って渡れるような場所もありません。靴を脱いで川を渡ることも考えましたが、けっこう流れがきつく深さもそこそこありそうだったので、渡渉はあきらめてゴンドラで渡ることにしました。


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まずは向こう岸にあるゴンドラをこちら側に引っ張ってこなければなりません。見てわかる通り、ケーブルが中央でたわんでいるので、中央へ来るまでは比較的軽く動くのですが、中央を過ぎると登りになるためかなり力を使います。腕の力だけではすぐに疲れてしまうので、体を傾けて体重移動でロープを引くようにしないとだめでした。しかも、引いたロープの長さよりも短い距離しか動かないようになっているため、1m引いてもゴンドラが動くのはせいぜい20㎝程度です。


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10分近くかかってようやく乗れるところまでゴンドラを引っ張ってきました。バックパックを載せて、自分もゴンドラに乗ってロープを手繰り寄せながら向こう岸へ渡るのですが、これがまた大変でした。引っ張っても引っ張てもなかなか進まないうえに、中央を過ぎると自分と荷物の重さを引っ張り上げないといけないため、たんにゴンドラを手繰り寄せるよりも数倍大変です。しかもゴンドラの上なので、体重移動でロープを引くことができず、多少体を傾けることはできても基本は腕の力で引くことになります。単独の女性だとかなり厳しいゴンドラといえそうです。


なんとか対岸について、荷物をゴンドラからおろして担いだものの、歩く気力が湧いてこず、たまらず休憩をとりました。休憩中にソロの男性が後から来ましたが、もう先に行こうという気力もなく、彼が先に行くまで座り込んでいました。


11:30 かれこれ西沢渡で30分を費やしてしまったので、意を決して歩き出しました。西沢渡からはいきなり急登になります。ゴンドラで体力を消耗したためか、この急登が思いのほかきつく感じました。


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幸い、急登は10分ほどで終わり、突然目の前に石垣が現れました。石垣の奥に建物も見えます。


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一見すると廃業した山小屋のようですが、山と高原地図によると造林小屋跡だそうです。地形図には建物の記号はあるものの何も記載はありません。窓の下にクマのものと思われる糞が2つあったので、この辺りでは熊鈴は必須のようです。もちろん、この時は出発時から熊鈴を付けていました。


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登山道は小屋の裏を回ってから尾根に上がるようについていますが、この尾根がしびれるような急登でした。地形図で見ても1600mぐらいまでは急登が続くだろうと予測はついていたものの、なかなか厳しい登山道です。


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12:14 ちょっとしたテラス状の平らな場所に出たので、休憩することにしました。西沢渡を出発してまだ1時間も経っていないのに、すでに2時間ぐらい歩き続けたような疲労感を感じます。しかも、尾根に上がってきたためか冷たい風が吹きつけるようになって、シャツだけで行動するのがつらくなってきたので、ソフトシェルジャケットを着ることにしました。時間的にはランチタイムということもあり、風が当たらず日の当たる場所を探して、行動食を食べました。


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行動食を食べ、水分補給も終えて、出発します。エネルギーを補給したので、元気も出るだろうと思いながら足を進めます。


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12:38 ようやく急登がおわり、尾根の傾斜が少し緩くなりました。しかし、ここに来るまでに何度足が止まったことでしょうか。休憩後、元気が出るどころかさらにしんどさが増して、数分歩いては立ち止まるという状況になってしまいました。荷物が重くても、体力があれば足は出し続けることができるのですが、この時は体が歩くことを拒否しているような感じで、足が前に出ません。ようやく尾根の傾斜が緩くなっても、状況は同じです。


12:58 再び尾根の傾斜がきつくなり、また急登が始まったところで、心が折れました。GPSで標高を確認すると、1400mでした。西沢渡の標高が1100mなので、300m登るのに1時間半を費やしています。この尾根の最高点である薊畑分岐の標高が2450mなので、まだ1050mを登らないといけません。このペースで行くと少なくとも5時間は必要ですが、それは一定のペースで登り続けることができた場合の話です。疲れてペースが落ちたり長い休憩をとることになると、さらに時間を費やすわけで、下手をすると6~7時間かかるかもしれません。とすると、避難小屋に到着するのは完全に日没後の19時~20時になってしまいます。


しかも、これから登れば登るほど気温は下がり、最後には強風の吹き荒れる氷点下の世界です。ここから見ると稜線付近を雲がかなりの速度で流れているのが見えるので、かなりの強風が吹いているのは明らかです。体力を消耗しへとへとになったところで厳冬期のような厳しい状況になるうえに、日没で夜間行動を強いられます。万が一、吹雪いていたらホワイトアウトで避難小屋を見つけるのに苦労するかもしれず、時間がかかればかかるほど体力も体温も削られていくわけです。いくらGPSがあるからといっても夜間のホワイトアウトとなると楽観視はできません。事実、この日はGPSが不調で、しょっちゅうトラックデータの取得がとまってしまい、往路のデータは便ヶ島を過ぎてからはほぼありませんでした。現在地の確認はできるものの、万一それもおかしくなったら最悪です。行動食を食べて40分が経ってもまったく体力が回復する気配がないことを思うと、この先ペースが落ちることはあっても上がることはないと考えざるを得ず、これ以上先に進むことはリスクばかりが増大して行くことになるといえます。


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そんなことを立ったままで考えていて、やはりここで引き返した方がいいと判断しました。いまから引き返せば夕方には芝沢ゲートに着けるので、明るいうちに下山できます。目の前にV字型の妙な木があり、山にからかわれているような気がしてちょっとむかつきますが、ここで撤退です。


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13:40 西沢渡まで降りてきました。登っているときに下山する登山者とすれ違ったので、当然ゴンドラは向こう岸にあるとわかっていましたが、改めてみるとやはりがっかりです。再びゴンドラを引き寄せて対岸まで渡らないといけないと思うとげんなりですが、こればかりはやらざるを得ません。


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14:12 渡り終えてから少し休憩をとり、重いバックパックを背負って再び歩き始めました。やっぱり西沢渡を渡るのに30分を要してしましました。


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たくさんの崩落個所を越えて、ひたすら歩き続けます。


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途中、往路では気が付かなかった巨樹の残骸が斜面上にあるのに気が付きました。トンネルの所にあったカツラの巨木よりもさらに一回り大きいと思われる巨大な残骸です。おそらくこれもカツラではないかと思いますが、生きていれば日本でも有数のカツラの巨樹だったかもしれません。


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疲れと撤退したふがいなさに気分も沈みがちですが、きれいな渓流をみると少し癒されます。


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15:07 ロープのかかる崩落個所まで戻ってきました。かなり疲労感が強くなっているので、うっかり足を滑らせて滑落しないように注意深く通過しました。


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トンネルを抜けると便ヶ島です。


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15:22 便ヶ島の登山口まで降りてきました。もう、これ以上歩きたくないという気分なので、休憩して行くことにしました。


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キャンプ場の休憩舎を借りてゆっくりして行くことにしました。向かいの聖光小屋は人が入ったみたいで、窓が空いていて布団が外に干してありました。


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ちょうど15時過ぎということで、スイーツでおやつタイムにしました。


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気が付くと青空が見えていた空はすっかり曇り空になっていました。さらに雨まで降り始めました。こうなると、稜線付近はおそらく雪になっているでしょうから、あのまま無理をして登っていたら、吹雪の中に突っ込んでいくことになっていたところです。もっとも、この時間だったらまだ1800m付近のはずなので、冷たい雨を浴びていたことでしょう。雨に濡れて強風が吹く氷点下の稜線に出ていくわけですから悲惨と言わざるを得ません。


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15:53 結局20分ほど休憩してしまい、雨が止むのを待ってから便ヶ島を出発して、無事に自転車をデポしたところに戻ってきました。ここからは、もう歩かなくていいと思うと心底ほっとしました。


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16:32 帰りはあっという間でした。歩けば1時間半かかるところを、わずか35分ほどで芝沢ゲートまで下ってきました。途中で本格的な雨になってしまいましたが、アスファルト舗装の道が多くなったおかげで、ガンガン下ることができました。


それにしても、1日晴天予報だったのに、夕方から雨になってしまったわけで、もしも上まで登っていたらなかなか厳しい状況になっていたに違いありません。結果論ですが、あそこで引き返して良かったと思いました。おりしも、同じ3日には槍ヶ岳に登山中の3人パーティーが吹雪でホワイトアウトになった悪天候の中で遭難し、全員死亡するという事故がありました。ニュースによれば、滑落した1人を除き、残りの2人の死因は低体温症だったとのことで、天候の急変に対応できなかったらしいとのことです。南アルプスと北アルプスでは状況は違っていたかもしれませんが、この日はそれほど厳しい天候であったことは事実です。登頂できず途中で引き返すことになったのは残念ですが、自分にとっては最良の選択だったと思うことにします。


下山後、原因をいろいろと考えてみましたが、3日の朝早起きできなった時点で、疲労が蓄積されていたといえそうです。原因は、やはり4月22日の氷ノ山に続き、25日に正木山と短期間に連続で登山をしてしまったこと、さらにトレーニングのつもりで正木山では荷物を重くして疲れを増幅してしまったのが原因といえそうです。


もちろんそれだけではなく、コロナ禍の影響もあり、2年間重装備の高山縦走をしていないということも原因といえます。日帰り登山を継続していたとはいえ、やはり重い荷物を背負って高い山に登るという負荷を経験しているのといないのとでは大きな違いがあるといえます。年に3回程度であっても、高負荷の登山をすればある程度体が慣れるし、筋力の低下もそれなりに防止できるでしょうが、2年間もやらないと筋力が低下してしまうのは避けようがありません。そうじゃなくても加齢で体力は衰えているのに、怠ければどんどん筋力は落ちていくわけです。


これからは、月に一度ぐらいは泊りの山行を実施するようにしたいところです。できなければ、せめて15㎏以上の荷物を背負った山行をすることで、筋力の維持を図りたいと思います。

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| 2021年5月 聖岳 | 10:38 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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アプローチだけで疲労困憊し撤退: 聖岳その1 

2021年5月3日(月)~5日(水) 長野県飯田市 聖岳(3013m) 避難小屋泊単独行 


今年のGWは、南アルプスの聖岳から光岳への縦走を考えていました。思えば、2019年のGWに塩見岳を目指したものの時間切れで撤退して以来、2019年の夏は1泊2日の小屋泊登山で御嶽山、年末は天狗岳と蓼科山への日帰り、2020年のGWは遠征に行かなかったので、寝袋を持っての縦走というのは、2年ぶりとなります。2年間も重装備の登山をしていないのに、大丈夫だろうかという不安はあったものの、登山自体はそれなりにこなしているので、まあ何とかなるだろうと安易に考えていました。


当初の予定では2日に入山、3日に聖岳登山、聖平小屋の冬期避難小屋に宿泊。4日に上河内岳を越えて光岳小屋の冬期避難小屋まで縦走。光岳はその日のうちに登ってしまい、5日は易老渡へ下山するだけという計画でした。というのも、天気がいいのは3日と4日だけで、5日は夕方から雨になりそうだったからです。


このGWは、2日から3日にかけて冬型の気圧配置となり、3000mで気温-7度、風速20m/秒前後という予報が出ていて、宿泊予定の聖平小屋がある標高2400m付近でもけっこう荒れた天候になりそうな雰囲気でした。しかし、2日は入山するだけだし、夕方までに小屋に入れると思っていたので、雨に降られることはないだろうと思っていました。


問題は3日です。晴天予報ではあるものの、低温で強風という天候なので、はたして登頂できるかどうかビミョーな感じです。仮に、3日に登頂できなくても、4日はかなり気温も高くなり、3000mでも4度ぐらいと春らしい天気になりそうだったので、最悪3日は停滞して4日に登頂でもいいわけです。その場合、光岳への縦走はやめて、5日の朝上河内岳に日帰りしてそのまま便が島へ下山することになります。


装備リスト
●アッパー
 ドライレイヤ: ミレー ドライナミックメッシュ3/4シャツ
 ベースレイヤ: アイスブレイカー メリノウールBODYFIT200モンドジップ
 ミドルレイヤ: なし
 ソフトシェル: マムート アルティメイト V ライト SO フーデッドジャケット
 ハードシェル: マムート スリルトリップジャケット
 インサレーション: マムート セラックダウンフーディー
            マムート フレックスライト ハイブリッド ジャケット
 グローブ: ショーワ テムレス02ウィンター
       ブラックダイヤモンド ソロイスト
 キャップ/ハット: マムート トゥウイークビーニー
 バラクラバ: マムート バラクラバアークティックウィンドストッパー

●ボトムス
 ドライレイヤ: なし
 ベースレイヤ: マムート デナリタイツ
 ミドルレイヤ: なし
 ハードシェル: マムート ゴアテックスグレイシャープロパンツ
 インサレーション: ノースフェイス プロダウン アコンカグアパンツ
 ソックス: アイスブレイカー メリノウールミディアムクルー
 シューズ: スカルパ モンブランGTX
 ゲイター: マムート ゴアテックスゲイター

●ギア
 バックパック: ミレー マーカムスウィッチ75+15
 ストック: ブラックダイヤモンド トレイルコンパクト
 寝袋: モンベル ダウンハガー800 #1
 マットレス: エバニュー Fpmat125+断熱シート
 ヘルメット: グラビティリサーチ アルパインヘルメット
 クランポン: グリベル エアーテックニューマチック
 アックス: ブラックダイヤモンド ベノムアッズ ウィズ リーシュ
 登頂用バックパック: マムート トリオンライト28L
 

今回はウェアリングをどうするか悩みました。なにしろ3日までは冬、4日からは春という気温差なので、どう調整するべきか悩みどころです。とはいえ、基本的に冬の悪条件に対応できなければ命にかかわるので、やはり冬期用の装備は必須です。


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聖岳に登頂する3日は寒いとはいえ陽射しはあるので、日中はそれほど厳しくないかもしれないということで、ウールのシャツとウィンドストッパーのソフトシェルジャケットを基本に、寒い場合を考えて化繊綿のインサレーションジャケットを持っていくことにしました。ダウンジャケットはあくまでも避難小屋内で着ることが前提なので、行動時用のインサレーションは別にしました。就寝時に寒ければ重ね着できるということもあります。ちなみに、化繊綿インサレーションのマムート フレックスライト ハイブリッド ジャケットは、1年以上前にセールで購入したものの、ずっと使わずに眠っていたもので、実は今回がデビューとなります。


ボトムスのベースレイヤは、ポーラーテックのマムート デナリタイツにしました。中古で購入したもので、今回が初使用です。以前GWの仙丈ケ岳登山時に同じポーラーテックのミレー スーパーパワーパンツを使い、保温力がありながら暖かくなっても蒸れなかったことを考えての選択です。


シューズは当初 ラ・スポルティバのトランゴアルプGTXで考えていましたが、やはり厳冬期の天候ということを重視し、スカルパ モンブランGTXに変更しました。ところが、ソックスのほうを厳冬期用ヘビークルーに変更するのを忘れてしまうという失態を犯してしまいました。やはり直前で装備を変更するとろくなことがありません。



ここで一息。ぽちっと押したら、引き続きブログ「ヤマふぉと」をお楽しみ下さい。




5月1日
朝起きて高速道路の渋滞情報を確認してみると、どこにも渋滞が発生していませんでした。GWの連休初日なので、ある程度の渋滞はあるだろうと思っていて、ひどいようなら夕方の出発にしてもいいし、舞鶴道から北陸道経由で行くという手もあるしと思っていましたが、これなら最短経由の名神・中央道経由で行けるということで、10時過ぎに家を出ました。


17時ごろPAで早めの夕食を食べ、飯田で高速を降りた後、飯田市内にある日帰り温泉に19時前に行ってみると、夕食時間ということで予想通りかなり空いていてゆっくりと温泉を楽しめました。


21時ごろ道の駅遠山郷に着き、すぐに就寝。車中泊の車も少なく、トラックもいなかったので、静かで快適に寝ることができました。


5月2日
4時過ぎに目を覚ますと、なんと雨です。しかも結構な強い雨で、とても登山に出掛ける気にはなれません。天気予報は完全に外れました。


6時ごろまで様子を見ていましたが、時々弱くなったり止んだりするものの、完全にやみそうな気配はありません。雨に濡れて高度を上げれば、気温が下がり稜線上に出れば氷点下の世界です。そこで強風を浴びれば全身バリバリに凍り付いてしまうのは必定。ゴアテックス素材なので内部まで凍り付くようなことはないとしても、そんな状態ではたして無事に避難小屋にたどり着けるのでしょうか。それ以前に、そこまでして登りたいという欲求は湧いてきません。ということで、6時過ぎの時点で入山を1日延期することにしました。


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しかし、そうなると1日空いてしまったので、何をするかです。とりあえず、朝10時の営業開始時間を待って、まずは道の駅にある温泉(現在は機械の故障により沸かし湯となっています)に入って、朝風呂を楽しみました。


朝風呂の後することもないので、登山口までの道順を確認するために、芝沢ゲートまで行ってみることにしました。


道の駅から約1時間のドライブで芝沢ゲートに着きました。細く見通しの悪い山道ですが、ほとんどはアスファルト舗装された道で、対向車も1台来ただけだし、分岐にはちゃんと道標が設置してあったので特に困るようなこともなく到着しました。


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芝沢ゲート前の駐車場は、未舗装ながらかなり広く、この日はさすがにかなり空いていました。


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ゲート前に登山届提出ポストもあり、事前にネットなどで提出しておく必要もありません。扉を開けると、登山届と鉛筆もちゃんとありました。登山届は事前に書いてきていますが、予定が変わったので、書き直すために1枚もらっておきました。なお、トイレや水場はなかったので、あらかじめ道の駅などで済ませておく必要があります。


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こちらがゲートです。ネットで検索して知っていましたが、やっぱり「車両・歩行者とも全面通行止」と書かれています。しかし、通れないなら登山者はいないはずなので、ここに車が停まっているわけがありません。そうこうしていると、中部電力の軽トラがやってきて、ゲートを開けて入っていきました。どこまで行ったのかわかりませんが、時間もあるので自分も崩落個所まで確認しに行ってみることにしました。易老渡手前が崩落個所らしいので、徒歩1時間ほどです。往復で2時間ですが、他にすることもないし、明日の入山に向けてウォーミングアップになりそうなので、傘をさして歩くことにしました。


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林道を歩きながら前方を見ると、すっかりガスに巻かれた山が見え、やはり今日入山しなくて良かったと思いました。


1時間弱歩いて、橋を渡ったところに中部電力の軽トラが停まっていました。ここに車を停めるということは、この先は通行できないということなのでしょう。崩落個所までもう近いはずです。


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橋からカーブを一つ曲がったところに、何かの看板が設置してあるのが見えました。


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近寄ってみると、迂回登山道の案内でした。


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ここから左の山の中を高巻きするように迂回登山道が設けられているわけです。であれば、この先の林道が崩落して通行できない状態であったとしても便ヶ島まで行けるということです。であれば、聖岳へのルートは問題なしということです。ということで、安心してここで引き返したのですが、せめて易老渡まで行ってみるべきでした。実は、このすぐ先が崩落個所で、きれいに土砂が取り除かれて車も通行できる状態になっていたのでした。


芝沢ゲートに戻って、帰路の途中で下栗の里の方へ寄り道してから道の駅遠山に戻りました。夕方になって温泉に入りに行くと、なんと温泉内の水の蛇口から水が出なくなっていて熱湯しか出ないため、洗い場が使えないといわれてしまいました。まあ、人も多くないし、浴槽から洗面器でお湯を汲みだして洗髪などすればいいのでそのまま入りましたが、こういうときは少し料金を割り引きするなどするものではないのかと思わないでもありません。そもそも、温泉を汲み上げる機械の故障で沸かし湯となっている時点でそういう対応があってもいいわけで、なんだかなと思います。トラブルが多いということは、手抜き工事されているのではないかという気もします。


ところで、入山が1日延びたことで、計画を変更しました。光岳への縦走はやめて、聖平避難小屋をベースにして、聖岳と上河内岳への日帰り登山だけに変更です。このため、食料などの装備を減らすことができ、それなりに荷物を軽量化することができましたが、それでもおそらく20㎏はあったと思います。


5月3日
朝3時30分に起きるつもりでしたが、少し寒かったので寝袋のフードをひっかぶって寝ていたら、時計のアラーム音に全く気が付かず、目が覚めたのは4時30分頃でした。もともと芝沢ゲートを5時に出発し、聖平小屋に入るのが14時30分頃の予定だったのでこの時点で少しやばい状況です。今から出て6時30分に登山開始したら、小屋に着くのは16時頃です。ちょっと遅いのですが、今の時期は日没が18時30分過ぎるし、まだ日没前なので問題なさそうです。


とりあえず、急いで準備して道の駅を出発し、芝沢ゲートに6時10分に着きました。


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外気温は2度と、すっかり冬の温度です。


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今回は林道歩きが1時間半ほどあるので、折り畳み自転車を持ってきました。4月30日に思い立って購入したばっかりの新品です。自転車のASAHIで購入したのですが、一番軽い折り畳み自転車だったものの、重量は13㎏とやや重いのが残念なところです。前からネットで探していて10㎏ぐらいのものを考えていたのですが、うっかり買い忘れてしまい、しかたなくサイクルベースASAHIで買ったというわけです。いちおうフレームはアルミだそうで、乗って漕ぐ限りでは確かに軽いと感じます。防犯登録費込みで4万円ほどでしたが、ちと予算オーバーでした。


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7:16 なんだかんだで出発が遅れてしまい、7時を回ってようやく出発です。しかし、林道は自転車で時間短縮できるので、1時間半の林道歩きは1時間もかからずに行けるだろうと楽観視していました。


ところが、重い荷物を背負って自転車をこぐのは、意外にもけっこう大変でした。車輪が20インチと小さいせいもあるのかもしれませんが、マウンテンバイクなどと比べて安定感がなく、転がっている石ころを踏まないようにするとフラフラして大変です。その上、ちょっと勾配がきつくなると一番軽いギアにしても力を入れてペダルをこがなければならず、そうなると力をこめる一瞬に息を止めるためか、想像以上に息が切れます。これが歩きなら、深呼吸しながら淡々と歩けばいいので息が上がるようなことはほとんどありません。初めて自転車を林道に持ってきたのでそのあたりのことがわかっていなかったため、言ってみれば急に走ったり歩いたりしてペース配分がバラバラになってしまったようなものです。そのため、予想外に疲労感が強くなり、ときどき立ち止まって息を整えざるを得ないほどでした。


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8:00 易老渡手前の橋まで来ました。昨日は雨降りで橋の上に水たまりができていましたが、今日はすっかり乾いていました。この時点ではこの先の林道はまだ崩落していて、迂回登山道を高巻いて行かないといけないと思っていたので、自転車はここに置いていくことにしました。


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自転車は橋を渡る手前の看板にワイヤーロックしておいて、ひとまず休憩することにしました。


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日当たりのいい場所でのんびり休憩していたら、15分も経ってしまいました。休憩を切り上げて迂回路登山道までやってきました。


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少し奥へ入ると、Uターンするようにいきなり崖をよじ登るようなコースになっていましたが、不思議なことに人の歩いた気配がありません。


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おかしいなと思いながら崖を登り、土の斜面に出てきたところでやはりおかしいと感じました。崖の部分は岩が出ているので足跡がよくわからないということもあるかもしれませんが、この土の斜面で人の足跡が全くついていないということはあり得ません。橋の所で休憩中に学生らしい集団が下山して行ったばかりです。彼らの足跡がくっきりと残っているはずですが、まったく見当たらないのです。この迂回登山道に足跡がないということは、彼らは林道を下ってきたということになります。林道が通れるのならわざわざこんな急登で足場の悪い迂回登山道を行く必要はありません。


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すぐに林道に引き返して、林道をそのまま歩いて行くと、なんと崩落地と思われるところはきれいさっぱり復旧しているではありませんか。崩れた落石防止用のネットが丸められて道端に置かれているので、ここが崩落地で間違いないと思われます。なお、写真は通過して易老渡側から撮ったので逆向きになっています。


このまま歩きで先へ行こうかと思いましたが、この先もまだ自転車で行けるのなら、帰りのことを考えて行けるところまで行っておいた方がいいと思いなおして、自転車を取りに戻ることにしました。丸められた落石防止用ネットにバックパックを置いて、自転車をとりに戻り、易老渡を目指します。


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しかし、崩落地を越えるとその先は未舗装路となってしまい、自転車に乗って行くのは何かと大変です。普通に椅子に座っていると後輪に重さがかかりリアタイヤがペタンコ状態になるので、パンクのリスクが高くなります。そのため、体を前傾させてハンドルに覆いかぶさるようにして自転車をこぐのですが、これがけっこうつらくて体力を消耗してしまいました。前傾することでおなかが圧迫されて息が苦しくなってしまったというわけです。


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8:48 易老渡に着きました。徒歩で1時間半のところを、自転車でも1時間半かかってしまいました。休憩が長引いたり、自転車を置いて再び取りに戻ったり、余計な迂回登山道に行きかけたりで、せっかく自転車でつくったアドバンテージを、すっかり無駄にしてしまったようです。


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易老渡の橋から1分ほど先にアスファルト舗装の駐車場がありました。休憩用の小屋もありました。もともとはここまで車で入ってくることができたのでしょう。


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使えるのかどうかわかりませんが、簡易トイレも設置されていました。ドアのところに使用中を示す赤色が見えていたので、誰かが使用していたのかもしれませんが、もしかしたら使えないようにロックされていたのかもしれません。


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アスファルトの駐車場で少し休憩していると、山の新緑がきれいだなと感じました。青空と新緑の組み合わせは鮮やかで、すがすがしさがあります。


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易老渡から先は未舗装路になっていたので、自転車はここに置いておくことにし、駐車場の周囲の柵にロックしておきました。


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ところが、少し歩くとトンネルの手前で再びアスファルト道になったではありませんか。どこまで舗装が続いているのかわかりませんが、まだもう少し先まで舗装されていそうな気がしたので、ここで再びバックパックを置いて、自転車を取りに戻りました。こんなことをしているので時間をロスしてばかりです。


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トンネルを抜けると、前方に雪をかぶった頂が見えました。おそらく上河内岳だろうと思いますが、はっきりとはわかりません。


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トンネルから100mぐらいは舗装路でしたが、その後は未舗装路になりました。未舗装の林道を進んでいくと、とうとう崩落個所があり、さすがにこれ以上は自転車で進むのは無理です。


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少し引き返して、林道わきに落石防止のネットが張ってある場所に自転車をデポしておきました。この時点ですでに9時30分をまわっていて、出発時の2時間遅れからさらに30分遅れてしまいました。それでも、まだ日没までには小屋に着けるだろうと楽観視していたのでした。


つづく。

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| 2021年5月 聖岳 | 17:58 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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