ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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2010年7月雲ノ平で過ごす夏 vol 4

●5日目(7月29日) 雲ノ平
 朝になっても暴風雨は相変わらず。むしろ雨脚も風も強くなっている。本当は黒部五郎のテント場に移動するつもりだったが、暴風雨の中テントをたたむだけでも大変だし、ずぶぬれのテントは当然重い。まして目的地でテントを張るのも大変だ。こんなときは動かないに限る。ということで、何もすることがないので、ただ寝るだけだ。

 お昼ごろトイレに行きたくなったが、大雨と強風を突いてまで出たくない。しばらく我慢して様子を見ていたら、雨と風がほぼ止んできた。ここぞとばかり大急ぎで合羽を着てトイレに向かう。戻ってきたときに、テントの周辺を点検すると、テントから3mぐらいのところに川ができていた。しかも結構な水量だ。その川はテントのほうへは流れていないので問題ないのだが、テントを張っている場所の一段上から水が流れ落ちてきて、水没したところが大きな水溜りになっていた。水たまりの水を抜くための排水溝をつくってはみたものの、これでは埒が明かない。そこで、上から流れてくる水の通り道を作り、川のほうへ導く。再び雨が落ちてきたので、大急ぎで作業を終えてテントに逃げ込んだ。この作業中、合羽のパンツの右すそが靴の中に折れ込んでいたため、不覚にも靴の中を濡らしてしまう。ひどい状況ではないが親指の付け根の辺りが濡れてしまい、ソックスも濡れてしまった。小屋泊まりであれば、乾燥室に入れておけばすぐに乾くが、テントの場合濡らしたら最後、どうしようもない。ソックスと靴のインソールをガスコンロで乾かしてみたが、靴底の濡れている部分の水分を吸ってインソールがすぐに濡れてしまい、乾かすのはあきらめた。

 夜になっても雨と風は衰えることを知らず、ますます強くなる。台風でも来ているのだろうか。ラジオの天気予報ではそんなことは言っていなかったはずだが・・・ 雷も鳴り始めて、かなりの悪天候になる。山での雷は本当に恐ろしい。音が半端ではないぐらい大きく、すぐ近くで鳴っているように聞こえる。ラジオを聴いていたら、雷の影響なのか、突然音がしなくなった。もともと手のひらサイズの小型ということだけで買った安物なので、寿命だったのかもしれない。
 夕食後、うとうとしていると、今度は枕の左上のほうからちょろちょろと水が流れる音が聞こえてきた。また浸水かと思って調べてみるが、そうではない。もしかして・・・と嫌な予感でテントから首を出して前室を除いてみると、なんと川が流れている。しかもテントの下に吸い込まれているではないか。マットの下を触ってみるとあちこちふわふわになっており、さながらウォーターベッドだ。あまりの雨量に昼に作った上からの流れを導く水路から水があふれてきたらしい。もはや流れをとめることはできないので、テントから半身のりだして砂利などを集めてテント下に堤防を作って、水がテントに沿って流れるようにする。テント下に入りさえしなければとりあえず問題ない。暗闇での孤独な土木作業を終えて、なんとかウォーターベッド状態を脱することができた。
川と化すテント内

 ちなみに、今回のようにテント下が水没しても、テント生地の防水性に加えて中敷きとしてアルミ蒸着のウレタンマットを敷いてあり、その上に就寝用のクッションマットを敷いているので、水浸しで寝ることができないという事態にはならない。ところが、冷たい水がテント下に入ってくるとアルミ蒸着してあるマットが冷やされて、表面が結露してしまう。結果的に濡れた状態になってしまうので、事態を放置することはできない。テントを張るときは設営場所を良く見て、水が流れた後がないかを確認し、上から流れてきた場合に備えて排水溝を掘っておくことが大切だ。今回はどちらも気をつけていたのだが、予想を超える大雨で排水溝が役に立たなかった。

 真夜中を過ぎた頃一時雨と風が止んだのでトイレに行ったが、10m先もよくわからない状況だった。テントを出るときに目印用にテント内にライトを残し、ヘッドライトを頼りにトイレに向かったのだが、足元しか見えない状態では平衡感覚も方向感覚も失われる。幸い、テントの場所は木道に近い場所だったので、木道まで出てしまえば迷う心配はない。しかし、かえってきたときにテントの明かりがなかったら、どこにテントがあるのか探しまわることにもなりかねない。テント泊するときは、ヘッドランプだけでなく必ずもうひとつライトを持っていくことをお勧めする。

●6日目(7月30日) 雲ノ平~双六
嵐の去った朝
 荒れ狂った暴風雨はうそのように止んで、静かな朝になった。テント場は一面濃い霧に包まれていた。怒涛のように流れていた川は、いつの間にか小さな流れになっていて、自分が作った排水溝を流れ下っていた水はない。よく見ると、一部決壊していた。そこからテント下に水が流れ込んでいたようだ。排水溝を作るときは、大きな石で堤防部分を保護してやらないと、砂利を積み上げただけでは水流に対抗できないようだ。そりゃそうだわなあ、などと思いつつ、ぐっしょり濡れたテントを眺めてため息ひとつ。

 朝食後、パッキングを始めた。まだ雨が降るかもしれないので、カメラやシュラフなど濡れて困るものはビニール袋に入れたままザックにつめる。濡れた衣類もビニール袋に詰める。幸い予備の服はまだあったので濡れた服を着る必要はなかったが、昨日のような暴風雨のときに濡れた服で行動していると、もしかたら低体温症で遭難していたかもしれない。テント内といえども、着替えはかならずビニール袋に入れておくこと。今回の山行で得た教訓だ。テントを少しでも乾かそうと、支柱を残したまま横倒しにしてしばらく風に当てると、少しは乾いてくれた。テントをたたんでふと下を見ると、昨夜の水との戦いの跡がむなしく残っていた。
P1010498_20120704235554.jpg

 出発準備が整いザックを背負ってみると、ガスも食料もほぼ使いきっているのに濡れたテントのおかげで荷物が軽くなったように感じない。ひとまず黒部源流経由で三俣山荘までの行程なので、水を250ml程度に減らして軽量化に努める。基本的には下山のつもりだが、三俣山荘まで行って天気の状態を判断して、好天なら黒部五郎まで行くことにする。

 テント場を出てすぐ、木道に白と茶色の羽が落ちていた。雷鳥のものだろうなと思って辺りを見回すと、ファミリーがいるではないか。両親のそろったファミリーを見るの珍しい。たいていは母子だけでえさを探している。こんなところにも雷鳥がいるとは知らなかった。ハイマツ帯と草地が入り混じるところは、雷鳥の住みかとして適しているのだろう。せっかくなので少し写真を撮ってから出発した。

 出発時間が遅かったので途中で登山者とすれ違う。大雨の後だけに、黒部源流が渡れるのかどうか気になっていたので、分岐路に着く前に誰かとすれ違えるぐらいの時間まで出発を遅らせたのだ。登山者とすれ違うときに黒部源流を通ってきたのか聞くと、そうだという。水の量は問題ないとのことで、わざわざ祖父岳を登るルートを取る必要はなさそうだ。黒部源流へ下る道

 黒部源流に着いて見ると、確かに水の量は問題ない。だが、いつもよりほんのわずか多いみたいで、いつもは表面が水面上に出ている渡渉に使う石を水が流れている。ためしに足を乗せてみると、水の勢いがあるので靴の上のほうまで水が上がってくる。大荷物を担いでいるのでぽんぽんと飛んで渡ることもできず、靴を濡らしてしまいかねない。渡渉地点よりも20mほど下流にもう一箇所石伝いに渡れる場所があり、行って見ると流れが緩やかで石は水面から出ている。ロープはないが渡るのに苦労するようなこともなく、靴を濡らさずに渡ることができた。荷物を降ろして、黒部源流の水で顔を洗い、ついでに頭も洗った。高天原温泉に行かなかったので、頭を洗うのは6日ぶりだ。雨水が混ざっているためか、いつものように切れるような冷たさはなくて助かった。北アルプスの最奥部、黒部源流のナチュラルウォーターで顔や頭を洗うなんて、考えてみれば贅沢な話だ。

 三俣山荘に着いたのが11時を過ぎていたので、食堂で焼きそばを食べる。700円。カレーやラーメンもあるが、山行中の食事が朝はうどんやそば、夜がカレーやパスタというものばかりだったので、同じようなものとはいえちょっと趣向の違う焼きそばを選んでみた。しかし、すっかりしなびて紙のようなキャベツの入った焼きそばは、正直あまりうまくない。三俣山荘で昼食をとる場合、焼きそば以外のものが無難なようだ。

 山荘から見上げる三俣蓮華岳は厚い雲に覆われて山頂は見えない。遠くの空にも青空はなく、どうやら天候の回復は望めそうもないので、下山することにした。時間が早ければ、ここから新穂高温泉まで下ることもできるが、すでに12時を回っているのでそれは厳しい。明るいうちに林道まで出られればヘッドライトだけで歩くのも問題ないが、下山ルートの途中で暗くなると危ない。というのも、ヘッドライトで行動する場合下を見ながら歩くことになるので、石を真上から照らすようになり影がでないため立体感がつかみづらいのだ。距離感もいまひとつわかりにくく、つまづいたり浮石にのって転倒しやすい。上りの場合はルートの傾斜が上向きなので、少し先を見たりすればまだましだが、下りの場合は先に行くほど傾斜の関係でライトと地面との距離が登り道より開いていくので、光が弱くなり地面の状況がわかりにくいし、下りということでどうしても足元を見てしまいがちだ。周りが見えなくなるので道迷いも起こしやすい。あえて危険を冒してまで急ぐ必要もないので、双六まで行って泊まる事にする。三俣山荘は大混雑の状況らしい。お昼過ぎだというのに、宿泊申込者に布団1枚に2名となります、なんて言っている。スタッフは廊下や自炊場にどうやって布団をならべようかと相談している始末だ。金曜日の夜だというのにずいぶん混雑しているなあと気になったが、雲ノ平山荘が新築中で使えないこともあるのだろう。

 三俣山荘から巻道ルートで双六小屋をめざす。午後ということで双六小屋を越えてくる登山者の数は少なく、あまり人に出会うことはなかった。雪渓の残っている場所で単独行の女性とすれ違った。彼女はよほど雪渓が怖かったらしく、わざわざ雪渓をのない岩だらけのところを渡ろうとしていた。そのおっかなびっくりの様子がおかしかったが、雪渓は小さな谷を埋めているのでそのまま雪渓上を歩けば何の苦労もなく渡れるのだ。三俣山荘に到着する時間を考えると双六直登ルートやトラバースルートは選択の余地がなく、巻き道ルートしかなかったのだろう。しかし、入口には「雪渓があり危険なのでアイゼンが必要です」などとかかれており、雪渓を目の前にしてすっかりびびってしまったらしい。岩にへばりついてどうやってすれ違おうかと悩んでいる様子の彼女を尻目に、普通の登山道のごとく雪渓を歩き始めた私を呆然と見つめる彼女がおかしかった。もっとも、雪渓上が本来のルートなのだけれど。

 巻道ルートが他の2本のルートと合流するところまで来ると、小屋のほうからツアー客らしき団体が登ってきた。先頭はガイドとおぼしき男性で、そのあとに合羽をはおって荷物を持たない年配の男女が10名ほど続いている。上りで暑かったらしく合羽の上着のファスナーは空けており、下はシャツだけだ。小屋に早く着いたので、荷物を置いて双六岳へのツアーにでも行くのだろう。そうはいってもすでに午後2時を回っている。登って帰って来れば5時近くになりそうだ。双六岳の頂上はガスの中で展望もきかない。わざわざ登る意味があるのだろうか。来たからにはひとつでも多くの頂上を踏まないともったいない、という人が多いのかもしれない。頂上で天気が急変し昨日の様な暴風雨にでもなったら、防寒着を持たない彼らはたちどころに真冬の季節に薄着で放りだされるようなものだ。頂上から小屋まで1時間程度なので、北海道トムラウシ山のようになることはないだろうが、ツアー登山の参加者はやっぱりどこか危機感がないように感じた。もっとも、ガイドが荷物は不要だと言ったのだろう。

 双六山荘に着いて、小屋に泊まるかテントにするか少し迷ったが、昨日の暴風雨が低気圧の通過によるものなら、すでに東に抜けているだろうからさらに荒れる可能性はすくないだろうと考え、テントにすることにした。
双六池キャンプ指定地

 テント場は入山時より混雑していて、すでに多くのテントがたっていた。広いテント場をうろうろしてやっとよさそうな場所が決まった。テントを張り終えると、まずは排水溝掘りだ。もう浸水はごめんこうむりたい。幸いここは土の地面なので溝を掘るのは楽チンだ。しっかりと溝を掘り終えたら、濡れた服をロープにぶら下げて乾かす。曇り空だし夕方近くだし、乾きそうもないことはわかっているが、それでも気休めに乾かしておきたいのだ。

●7日目(7月31日) 双六~鏡平~新穂高温泉
 夜半にいっとき強く雨が降ったが、長くは続かなかった。朝はやっぱり霧の中だったが、雨がふっていないだけで万々歳だ。そそくさと準備をすませて、6時に出発。他の登山者と出発時間がかぶるため、新穂高温泉に向かうルートは人が多い。前後を人に挟まれて歩くのは、後ろから追い上げられたり前に詰まったりしてペース配分が自由にできないので好きではない。人が途切れるまで少し待つが、やっと後ろが来なくなったと思って出発したら、先に行った登山者が道端で写真を撮っている。結局、前後を挟まれた一番苦手なパターンで歩く羽目になった。幸い、出発直後の平坦な場所ではおしゃべりしながら追い上げてきた後ろの団体は、登りになると急にペースが落ちて離れていったし、前を行く団体も稜線上のベンチで休憩をとったので、30分ほどでいつものきままな単独行で歩くことができるようになった。

 鏡平に着いたのは8時ごろ。まだ鏡平小屋の宿泊客が出きっていない時間だ。合羽を脱ぐかどうか迷ったが、雲の様子はあいかわらず重々しいので、そのままで行くことにした。鏡平を出発して10分もしないうちに雨がぽつぽつと降り始めた。合羽を着たままにして正解だった。すれ違う登山者は合羽を着ていない人が多く、上は降ってますかと何度か聞かれた。現状はわかりようもないので1時間前は降っていなかったと答えておいた。次第に雨が本降りになってきたが、すれ違う登山者は、あいかわらず合羽の着用率が低い。この登り坂では、合羽なんて暑くて着ていられないのだろう。濡れるのは自分の判断なのでかまわないが、狭い登山道を傘を差してあがってくる人が何人もいるのにはまいった。すれ違うときに目線に傘の先が来るので危ないし、本人の安全のためにもよくない。山に傘を持ってくることはいいのだが、使うのは宿泊地での散策やトイレや水場に行くときぐらいにしてもらいたいものだ。

 林道まで下りてくる頃には雨もあがった。寒いぐらいの山頂付近から比べると、かなり暑い。入山時はやっぱり山は涼しいなんて思っていたわけだから、人間の感覚はいいかげんなものだ。わさび平小屋で休憩をとり、合羽を脱ぐ。水を張った木船にぷかぷかと浮かぶりんごやバナナ、トマトのおいしそうなこと。
わさび平の果物
 でも現地価格で高いので、下山してから栃尾のJAスーパーで買うことにして、日が差してきた林道を再び新穂高温泉目指して歩き始め、12時30分頃登山情報センターに到着した。バス停の脇にあった無料の温泉は取り壊されて跡形もない。下山届けを提出して車に戻る。さっさと着替えて近くの温泉へと向かう。駐車場から2分ほどのところに日帰り温泉の「飛岳の湯」というのがあり、ときどき利用している。洗い場が少ないのが玉に瑕だが、大きな露天風呂が気持ちいい。1週間ぶりのお風呂は最高だ。少し先に無料の露天風呂があるが洗い場がないので、下山後はちゃんとしたお風呂のほうがありがたい。きれいさっぱり気持ちも体もリフレッシュしたら、やっと旅の終わりを実感した。 

おしまい。

雲ノ平で撮影した写真は、風景写真ギャラリー「Studio Photon」で公開中。右側のリンクからどうぞ。

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| 2010年7月 雲ノ平 | 21:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2010年7月雲ノ平で過ごす夏 vol 3

●3日目(7月27日) 雲ノ平
 朝起きるとどんよりとした空。テント場の上にそびえる祖父岳はガスの中だ。うーん、またですか。という感じだ。毎度毎度のことながらスカッと晴れる日が少ない。雨が降っていないだけましと思って軽く食事を済ませ、6時ごろテントを出た。今日は、昨日までの疲れを癒す目的もあって、1日雲ノ平をゆっくりと撮影して回る予定だ。ひとまず、山頂部にアルプス庭園のある祖母岳に向かう。
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 新築中の雲ノ平山荘を通り過ぎ、祖母岳へと分岐する木道を登り始めるとすぐに、大きな雪渓が木道を飲み込んでいた。いままで何度も雲ノ平に来たが、ここに雪渓が残っているのを見たのは初めてだ。空も大地もどんよりとして、コバイケイソウがちらほら咲いている程度で色気もなし。
 祖母岳頂上に広がるアルプス庭園でも、状況は同じ。正面に見えるはずの黒部五郎岳もガスの中。高山植物の花が咲き乱れる様を期待していたのだが、やはりまだ早かったようだ。わざわざ7月下旬まで時期を遅らせたのに、今年はどういうわけだろう。まったく、予想通りにならないのが登山だ。
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 しかし、15分ほど粘っているとたまに日が差し始めた。もう少しすれば晴れそうなので、頂上にあるベンチで時間をつぶす。しばらくすると黒部五郎がやっと顔を出した。日差しもそこそこ強くなってきた。アルプス庭園の名前の通り、広がる草原の向こうに黒部五郎の姿を入れて撮影してみるも、べたな順光で面白みがない。あきらめて逆光で雲間から差し込む光を活かした水晶岳方向の写真を撮ってみるも、こちらもいまひとつ。空の明るさに対して地面が暗い。本来ならハーフNDフィルターで空の輝度を抑えて地面との差をつめて撮影するべきところだが、あいにくそこまで気が回らなかった。人間の目は優秀なので、見た目にはそれほど輝度差があるようには感じないのだ。空の白飛びに注意して撮影しておけば、レタッチで救えるだろうという甘い考えもあった。しかし、RAWで撮影したからといって、いつも救えるとは限らない。今回はその悪い例となってしまった。

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 祖母岳で1時間ほど撮影して雲ノ平山荘前まで戻ってくると、木道近くの草地から聞き覚えのある「クークー」という鳴き声。雷鳥の母子だと思って声のするほうを良く見ると、いたいた。母鳥が岩の上に上って周囲を警戒している。雛たちはてんでばらばらに歩き回りながら朝ごはんを探している。雲ノ平で雷鳥に遇うのは初めてで、じつは山荘の周囲にはいないものだと思っていた。8回目の訪問でやっと出会えたので、なんだか妙にうれしい。その後、テントに戻る途中に先ほど母子に会った場所から100mほどのところで、今度はオス鳥に遭遇。なぜか木道から5m程度の草地にうずくまっていた。少し近づいて写真を撮っていると、機嫌が悪かったのか「くわぁ」と威嚇! やっぱりオスのほうが気性が荒いらしい。怒らせると悪いのでそそくさと退散した。

雲ノ平テント場からみる黒部五郎岳
 朝食が簡単なものだったので、テントに戻ってちゃんとした食事をとることにした。ちゃんとしたといっても「うどん」だけれど。食後、天気も良くないし眠気が出てきたので、お昼前のお昼寝。昼ごろ目が覚めて外へ出てみると、雲はすこし減っていた。テント場の周囲にはコバイケイソウが咲き始めており、その向こうに黒部五郎岳が見え始めていたので、山を背景にコバイケイソウの写真を撮っていると、近くのテントから年配の男性がカメラを持って出てきた。手にしていたのはニコンの一眼レフ。「やっぱり黒部五郎がいいですか?」なんて聞かれて、意味がよくわからず「そうですね」とあいまいに答えて撮影を続行。縦横、寄り引きと何パターンか撮ったところで撮影をやめると、再びその男性が話しかけてきた。話のきっかけが何だったのか忘れたが、話しているうちに、もう少し天気がよければコバイケイソウの背景に黒部五郎岳を入れて撮ればいい構図になりそうだなんていうので、このひと案外写真に詳しいようだと気がついた。聞けば、高山植物と山の風景の写真を撮るのが好きで、よくカメラを持って山に登っているとのこと。仙台に住んでいるとかで、雲ノ平は今回が初めてだった。折立から単独テント泊で来て、このあとは三俣から黒部五郎岳に行き、再び折立に戻るらしい。山を背景に高山植物の写真を撮りたいので、ピークハントはあまり興味がないという。自分の考え方と同じ人もいるんだと、珍しく仲間を見つけたような気になった。

雲ノ平テント場からみる祖父岳
 頂上を目指さない登山なんて、と言われそうなのであまり公にしたことはないが、自分のスタイルもまさにそれ。登ってしまうと、見下ろした遠景写真しか撮れないので、あまり興味がわかない。もちろん、登り始めた頃は登頂と縦走が目的だったが、だんだん写真が目的になると登頂と縦走には興味がなくなってきた。というよりも写真を撮ろうとするとそんな時間もないし、山を被写体にするには登ってしまうと意味がないのだ。とはいえ、山岳写真家を気取るつもりもない。撮りたいのは山そのものではなく、山がある自然の風景とそこに生きる動植物だ。実際、なんども雲ノ平に来ているのに、いまだに薬師岳も水晶岳も黒部五郎岳も登っていない。鷲羽岳には昨年やっと登ったばかり。ピークハントからピークウォッチに興味が移ったのは、雲ノ平を訪れてからだ。黒部源流部にあるこの溶岩台地は、周辺を名だたる名山に囲まれた、特別の展望台のようなところだ。場所によっては立山や槍も見える。標高2500m程度の高さでこんな贅沢な場所はめったにない。なだらかな起伏の続く雲ノ平は、雨が降ると池塘も多く出現する。彼方の名山や流れる雲、抜けるような青空をその水面に映しこんだ光景は別世界だ。そんなわけで、ちょっと意気投合してしまって、しばらく話し込んでしまった。

 14時ごろから再び撮影に出かける。今度は水晶岳が眼前にそびえるスイス庭園に向かう。やはり花の数は少ないが、水晶岳を背景にハクサンイチゲの一群が咲いている場所があった。超広角レンズを使って水晶岳を背景に花のアップを撮影。狙いは悪くなかったが、F11でパーンフォーカスになるだろうと横着をしてしまったので、水晶岳までピントが届かなかった。せめてF16まで絞り込んだものも撮っていたらと悔やまれる。フルサイズではなく、APS-Cセンサーの40Dで撮影したので、フルサイズより被写界深度は深くなるだろうなんて思ったのが敗因だ。どんな場合でも、絞りを変えて押えておく。これは鉄則だ。せっかく天気も良くなりつつあったのに、つまらない失敗をしてしまった。
ハクサンイチゲと水晶岳


●4日目(7月28日) 雲ノ平
雲ノ平の朝焼け
 この山行で唯一朝から快晴だった。朝5時前に起き、見上げると空には朝焼けが。西の空には丸い残月も浮かんでいる。薄闇にコバイケイソウの白い花が浮かびあがり、なかなか幻想的だ。すかさず写真を撮る。
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 今日は天気も良いので高天原まで日帰りで行ってこようと準備をし、6時前に出発。ところが、山荘の手前に広がるギリシア庭園のコバイケイソウの群落が朝日を浴びてやたらとキラキラだ。朝露が宝石のように輝いている。これを撮らずには行けないと、撮影しているとあっというまに30分が経過。
朝日に輝くコバイケイソウ
急いで先に進むと、今度は山荘前で再び雷鳥の母子に遭遇。やっぱり撮らずにおれないということで、またまた30分のロス。
雷鳥の母鳥

雷鳥の雛
高天原への分岐から山荘まえの丘にあがったときには8時を回っていた。丘の上にある大岩にのぼってみると、これまた快晴のいい眺め。しばし眺めを楽しみつつ、写真も撮って先を急ぐ。しかし、なんだか体が重い。丘を下って雨量計ロボットの設置されている小さな丘に再び登るルートがけっこうしんどい。どうも疲れがたまっているようだ。雨量計ロボットの丘を過ぎると奥スイス庭園だ。薬師岳が目の前に広がるところで、雪渓もあり、池塘もありでここも撮影ポイントがたくさん。
雪渓と薬師岳

奥スイス庭園からの薬師岳
なんだかんだで気がつけば、もう9時前だ。高天原まで残り1時間半ほどだが、高天原での撮影時間と夢の平までの往復と撮影時間で、たっぷり2時間はかかる。露天風呂にのんびり浸かっていればこれまた1時間。ということは4時間半は必要で、高天原を出るのが13時30分だとしたら帰ってくるのに3時間半として、テント場着は17時になる。途中で写真なんてとっていたら6時を過ぎるかもしれない。暗くはなっていないが、ちょっとしんどそう。そもそもせっかく風呂に入っても、帰り道ののぼりでまた大汗をかくと意味がない。疲れも残ってそうだし、高天原はやめて雲ノ平散策第2弾にすることに。
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 ひとまず山荘までもどる。祖母岳への分岐路を今度は薬師沢方面にとり、少し先にある奥日本庭園を目指すが、次第に雲行きが怪しくなる。雨という感じではないがやたらと大きな雲が空を覆うようになってきた。雲ノ平末端にあるアラスカ庭園まで行こうと思っていたが、あまり天気に期待が持てなくなったので中止。木道脇のチングルマなどを撮影しつつ、もう一度祖母岳に登り返してみる。雪渓の手前までくると、昨日よりもコバイケイソウの花が増えていて良い感じだ。時折日差しがさすと夏の高原らしいさわやかな光景となる。ここがこんなに気持ちのいい場所だったとは、なぜいままで気がつかなかったのか。ちょっとした日差しと草花の変化で雰囲気がらっと変わるのだから、山って不思議な場所だ。
池塘と水晶岳

 日差しを待ちつつあちこち撮影しながら山荘までもどってくると、いつの間にか15時に近くなり、雲もだいぶ増えてきた。なんとなく雨の雰囲気が濃くなってきたので、テントへ引き上げ、持ってきた小説を読んですごす。夜になると雨が降り始めたが、まだたいした降りではなかったので、明日には止むだろうと思って眠りに着いた。

 夜半、強烈な雨音に目が覚めると、雨だけでなく風もかなり強くなっていた。時折テントが大きく揺らぐ。念のためテント前室に水が流れ込んでいないか確認したが、事前に作っておいた排水溝が一応役に立っているようで、無事だった。安心して再び眠りに着いたが、明け方目が覚めたとき愕然とした。枕元で水の音がする。ライトをつけてみるとなんと床上浸水だ。幸い、枕元右側にあるテントコーナー付近に水がたまっていただけだった。しかし、枕の下にあった明日着る予定の服が水びたしだ。図書館から借りてきた小説も一部水に使ってぐっしょり。他には被害がなかったのは不幸中の幸いだが、これにはかなりへこんだ。ちょうど水がたまっていた部分のテントの角は、実はちょっとしたほころびがあって小さな穴があった。テントの下部は防水生地なので本来浸水はしないのだが、この穴から水が入ってきたのだ。しかも、水が入ってきただけあって、そのあたりのテントの下は水溜りになっていて、触るとタプタプする。外は相変わらずの暴風雨でどうすることもできない。あきらめて濡れた衣服をテント前室に移し、雨があがるのを待ちながら水溜りを避けてシュラフにもぐりこんだ。しばらくすると雨脚が弱まってきたので、トイレに行ったついでに水のたまったところを確認した。斜面の上のほうから水が流れてきてちょうど浸水したあたりに水溜りを作っていた。上から流れてくる水の流れをテントの下に直接来ないように溝を作り、水溜りになっていたところは排水路をつくった。さらに穴の開いていたテントの角部分には石を敷いて水溜りから浮かせた。テント内の水をタオルでふき取ってなんとか床上浸水を解決してから、再び眠りに着いた。


vol 4へ続く



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| 2010年7月 雲ノ平 | 00:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2010年7月雲ノ平で過ごす夏 vol 2

●入山初日(7月25日) 新穂高温泉~双六テント場
 入山を1日遅らせたおかげでのんびり昼寝もできてよかったが、夜中に目が覚めて寝られなくなってしまった。しょうがないので午前2時過ぎに起きて朝食をとり、3時過ぎに出発した。当然真っ暗闇で、ヘッドランプの明かりだけが頼りの林道歩きとなった。

わさび平小屋
 あたりが薄明るくなった頃、わさび平小屋に到着。小屋の宿泊者がやっと目を覚ます頃であり、宿泊者はこれから朝食という時間なので、小屋の前には誰もいない。少し休憩して先を急ぐ。わさび平小屋から15分も歩けば林道は終わり、いよいよ登山道だ。小池新道は整備が行き届いていて、とっつきから秩父沢までは石畳のような歩きやすい箇所が多い。1時間も登ると秩父沢に到着。大きな雪渓が残っており、スノーブリッジの下を冷気を伴って清流が駆け下っている。秩父沢の橋は7月中旬に架かる。7月上旬に来ると橋がないので、かなり上流のほうを高巻して雪渓を渡ることになる。この高巻ルートがけっこう難儀で、できれば橋が架かってから入山したいところだ。今回はしっかり橋が架かっていた。汗ばんだ体を冷やしつつ、5分ほど休憩をとる。林道の終点がはるか下に見え、わずか1時間でかなり標高を稼いだことがわかる。
秩父沢
 秩父沢を出発し、森の中を進む。秩父沢からシシウドヶ原までがこのルートで一番しんどい区間だ。森の中で視界も悪く、登山道の傾斜もきつい。途中、イタドリヶ原というやや開けた箇所があり、小休止にいい。秩父沢から40分ぐらいのところだ。そこからさらに30分ほどで大きく開けたシシウドヶ原に着く。7月下旬だというのに、大きな雪渓が残っていた。
シシウドヶ原の雪渓
 シシウドヶ原の休憩場所は上のほうにあって、やっと着いたと思いきや、そこからさらにひと登りが必要だ。最近はベンチも設置され、休憩場所としてはなかなかいい環境だ。登山道脇には水場もある。鏡平小屋では水は有料(1リットル100円)になるので、双六小屋まで行く場合は、ここで水を汲んでおいたほうがいい。水分補給と休憩を終えたら、鏡平までもうひと踏ん張りだ。しばらくは尾根のトラバースルートになるので傾斜もゆるく歩きやすい。熊の踊り場という平坦な場所まで来たら、そのあと最後の急坂が待っている。とはいえ、距離はそれほど長くないので、登りきったら鏡平だ。木道を少し歩くと鏡池のほとりに出る。天気がよければ槍ヶ岳の雄姿が正面に見える。鏡池のすぐ先が鏡平山荘だ。

 鏡平山荘から弓折乗越までは約1時間の登りだ。傾斜はそれなりにあるが、道はよく整備されていて歩きやすい。尾根道から弓折岳下部のトラバース部分に入ると、場合によっては雪渓が道をふさぎ、ぞっとするような急傾斜の雪渓を渡らなければならない場合もある。2009年7月上旬に入山したときは雪渓が残っており、草や木につかまりながらなんとか雪渓を越えた。アイゼンがなくてもなんとかなるが、足元をしっかりと確保して慎重に渡らないと、滑ったら命の保証はない。

 弓折乗越で休憩して、双六岳方面に向かう。弓折乗越は笠が岳方面への分岐路にもなっているので、登山者が多い。うっかりついていってルートを間違わないように注意が必要だ。弓折岳鞍部から双六小屋までのルートは、多少のアップダウンはあるものの、比較的歩きやすい。途中大きな雪渓がルート上にあるが、谷の上の雪渓ではないので、そのまま歩いていって問題ない。また、片側が大きく切れ落ちた場所も2箇所ほどあるが、ルートはしっかりしており、それほど危険な場所ではないので、神経質になる必要はないだろう。道が下りになり、尾根筋を乗越してしばらく下ると、双六小屋が見えてくる。

テント
 双六小屋の手前には双六池があり、池と小屋の間にテント場がある。テント場はわりと平坦で地面は土なので、テントを張るのに申し分ない。広さもかなりある。水場とトイレは小屋の先にあるのでやや面倒だが、テント場としては便利なほうだ。ここは双六岳と樅沢岳の鞍部になるうえに南に向かって開けているせいか、いつも風が強いのが唯一の欠点だ。テントを張り終え、しばらく横になってうたた寝をしたあと、夕方5時ごろから食事をする。今回持ってきた食事で、一番重量のあるマカロニとパスタソースをゆでて、味噌汁と一緒に簡単な夕食だ。とはいえそれなりにボリュームがあったので、結構満腹になった。マカロニを持ってきたのは初めてだが、ゆで時間も短くて食事のバリエーションのひとつとして悪くない。

双六小屋と夕焼け
 食事の後、夕焼けを期待して小屋の前に行って見ると、期待通りに空が焼けた。最近は入山時に天気が悪いことが多かったので、久しぶりに山に祝福されているような気がした。

●2日目(7月26日) 双六テント場~雲ノ平テント場
 翌日はそこそこいい天気になった。5時過ぎに出発し、双六岳に向けて急坂を登る。30分ほどで分岐路に到着。荷物が重いし、早く雲ノ平に入りたいので双六岳や三俣蓮華岳のピークを経由しない巻き道を進む。入り口に、「雪渓が多いのでアイゼンが必要です」などと書いてあったが、正直に言ってこのルートにアイゼンは必要ない。昨年来たときもかなり多くの雪渓があり、まだルートを示すペンキのマークもない状態だったが、まったく問題なかった。危険を感じるほどの急傾斜の雪渓はないので、ストックを使って、足元をしっかりと確保しながら歩けば、滑落するようなこともないと思う。ルートも一本道で迷うような箇所はないから、濃い霧が出ているような時は雪渓上でルートを外れる可能性があるが、通常であれば危険はないルートだ。

 分岐から1時間30分ほどで三俣山荘に到着。10分ほど休憩して黒部源流へ下る。源流までは30分もかからない。お花畑はややさびしい状態だが、そこそこ咲いていた。日が差していたらもっときれいだっただろう。
新緑の黒部源流

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 黒部源流の碑を通り過ぎ、雪渓の残る黒部川を渡る。渡渉地点は石伝いに対岸へ渡るようになっておりやや緊張するが、ロープが張ってあるのでそれほど心配することはない。石も滑りやすいということはなく、登山靴であれば問題ないだろう。

 源流から祖父岳への道がかなり険しい。たっぷり1時間ほどかけてやっと上りきったら、祖父岳山麓を回り込む比較的傾斜の緩やかな道だ。途中、大きな雪田が2箇所ある。この雪田も平坦な場所にあるので、遠慮なく歩こう。涼しくて気持ちがいい。ただし、はじめに現れる雪田は、真ん中あたりはそこそこ深さのある谷筋になっているので、登山ルートになっている端っこのほうだけ歩くことだ。安全は自分で確保するのが山の鉄則。また、雪田歩きではサングラスがないとかなりまぶしいし、目が痛くなるかもしれない。

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 木道が出てきたら祖父岳山頂へ向かうルートの分岐も近い。分岐点からは雲ノ平が良く見える。ここからテント場まではたっぷり40分はかかる。以前のルートは斜面をまっすぐ下っていたので20分ほどで着いたが、今は大きく迂回するルートになってしまったので時間がかかる。時間が遅い場合は、ゆっくりしすぎないように注意が必要だ。

 雲ノ平のテント場は、当然ながら雲ノ平山荘が管理している。テント設営料も小屋まで支払いに行かなくてはならないが、小屋まで20分ばかりかかるので、遅く着いた場合は翌日でもいいと思う。夕方見回りにくるようなことはない。テント場は広いが、岩がゴロゴロでいい場所は案外少ない。また、雨が降ると川になる所も多く、設営場所には注意が必要だ。この日は2時過ぎには着いたのだが、いい場所はあまり残っていなかった。

vol 3へ続く



雲ノ平で撮影した写真は、風景写真ギャラリー「Studio Photon」で公開中。右側のリンクからどうぞ。


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| 2010年7月 雲ノ平 | 04:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2010年7月雲ノ平で過ごす夏 vol 1

 2003年にはじめて訪れて以来、ほぼ毎年恒例となってしまった雲ノ平山行。昨年の夏は7月10日に入ったものの、若干時期が早すぎたみたいでお花畑はまだほんの咲き始め。梅雨の真っ只中ということもあり、雨ばっかりの山行だった。そこで、今年は梅雨も明けた7月下旬に入山することにして、22日金曜日の午後に岡山を出発した。

 今回は経費削減のために小屋利用はなく、すべてテント泊を予定。ザックは65リットルタイプで、テント、シュラフ、マットの他に着替え、食料、ガスボンベ、コッヘル、合羽などつめて、最後にカメラ機材一式。ザックは100%満杯状態となった。
装備一式


食料一式
 出発してすぐにまずいことに気が付いた。金曜日なので高速道路のETC特別割引が使えない。本当は土曜日に出発するつもりだったのを1日繰り上げたので、うっかり忘れていました。とりあえず高速にのって、途中仮眠などとりつつ日付が変わってから高速をおりれば割引を受けられるが、高速道路のSAで時間をつぶすのはかなり苦痛だ。それよりも一般道を走りながら、ときどきコンビニに立ち寄ったり、温泉で休んだりしながら行った方が退屈しない。そういえば若狭道路は無料化実験中なので、少しは時間短縮もできる。ということで、岡山から姫路まで国道2号を走り、姫路からは国道372号で丹波笹山まで行って、丹南笹山ICから若狭道路にのった。

 敦賀に着いたのは午後7時前。6時前には着けるかと思ったが、少しのんびりしすぎたようだ。おなかも空いたので食事をしたかったが、時間がもったいないのでコンビニでおにぎりとお茶を買って走りながら食べることにした。敦賀から福井までは海岸沿いの峠を越えるルートになり、結構時間がかかる。そこだけでも高速道路でパスすれば30分は短縮できるので、若狭から武生ICまで高速を利用。結果的に日付が変わる前に富山に着いた。

 富山に来たらいつも利用する越の湯に立ち寄る。8号線沿いにあり、朝7時から夜1時まで営業しており、遅く着いてもお風呂に入れるので大変助かる。さっぱりしてから新穂高温泉をめざすが、富山市内から1時間強の道のりだ。栃尾温泉の少し手前にある道の駅に付く頃には午前2時近くになっており、とりあえず道の駅で仮眠してから新穂高温泉の登山者用無料駐車場に行くことにした。しかし、これが間違いの元だった。

 午前5時に駐車場に着くと、なんとすでに満車だった。しかもこんな朝っぱらから警備員が入り口で車の出入りを管理している。満車であってもたいてい車一台停めるぐらいのスペースは探せるものだが、警備員が入場制限しているので入ることさえできない。この時間に出る車があるとも思えず、仕方がないので山の上にあるロープウェイ利用者向けの無料駐車場に行く。ものすごい急坂を5分ほど上っていくとがらがらの駐車場があった。下の駐車場と違ってきちんとした公衆トイレもあり、設備としては悪くないが、問題は登山口まで歩いて降りることができるのかどうかだ。地図では下山ルートが書いてあるので、下山口を捜しながらロープウェイ駅へ向かうが、見つからないままロープウェイ駅まで来てしまった。

新穂高温泉の下山道標識

P1010395_20120708025808.jpg


 ロープウェイの下り始発は午前8時30分。現在の時刻は午前6時前。2時間も待っていられないので、もう一度下山口を捜しながら戻ってみると、あったあった。矢印が斜めに倒れていて行きの時は隠れて見えなかったのだ。しかし、その矢印が指し示す方向は道の痕跡がある程度の森の中。少し歩いてみたがどんどん草丈が高くなり、人の歩いた痕跡はまったくない。廃道となっているらしく、歩きの下山は無理だと断念。車道を歩いて降りることも考えたが、登山口にある新穂高登山指導センターまで恐らく40分はかかるだろう。もっとも荷物の重い入山時に行程が伸びるのは避けたいし、疲れて帰って来たときにあの急坂を上り返すのは気が進まない。ロープウェイで降りると、スタートするのは9時になる。目的の双六池テント場まで行くには遅すぎる。鏡平小屋で泊まるという手もあるが、土曜日の混雑時に見ず知らずのおじさんと布団を共にするために5500円を支払う気にもならず、結局入山は翌日に延期とした。

vol 2へ続く

雲ノ平で撮影した写真は、風景写真ギャラリー「Studio Photon」で公開中。右側のリンクからどうぞ。

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| 2010年7月 雲ノ平 | 21:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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