ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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最大斜度45度の雪壁に挑む: 下蒜山その2 

2017年2月26日(日) 岡山県真庭市 下蒜山(標高1100m) 日帰り単独行 


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九合目の肩にある急斜面を、足元を確かめながら一歩づつ登っていきます。トレースはさすがに笹原の斜面からできるだけ遠くて木立に近い右端のあたりについています。上を見上げると首が痛くなるので、目の前の雪壁だけを見ながら登ります。斜度が増してくると普通にアックスのシャフトを雪に刺して登るのが難しくなってくるので、ピックを突き刺してしっかりと効いているのを確かめながら登ります。今回は、ストレートシャフトのグリベル モンテローザをもってきたのですが、急斜面でピックを突き刺すとシャフト先端のスピッツェが雪に刺さらないこともあり、シャフトが曲がったBD ベノムアッズウィズリーシュを持って来ればよかったと思いました。この急斜面以外ではモンテローザで問題ないのですが、やはり一番リスクの高い場所での利便性を考慮した道具を選ぶべきだったなと反省した次第です。


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最大斜度のあたりで撮った写真です。こうしてみると確かに45度ぐらいありそうな斜度です。真横から見ると斜面に間違いないのですが、下から見ると垂直に近い壁に見えます。とにかく、ゆっくり景色を眺めるほどの余裕はなく、何かに急き立てられるかのように無心に登りました。リスクの高い場所に長い時間いるとそれだけ危険に遭遇する確率が増すので、やばいところは一気に突破したほうがリスクを軽減できます。なので、動作がいい加減にならないことだけを注意しながら、とにかく体を動かし続けました。


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わずかながら斜度が緩みましたが、あいかわらず梯子を上っているような感覚の雪壁が続きます。だいぶん息が上がってきましたが、ここは休まずに登り続けます。


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11:36 ようやく急斜面が終わり、九合目にたどり着きました。とはいえ、九合目は狭くて斜度のある尾根の末端に位置しており、のんびりと休憩できるような平地ではありませんし、狭い尾根には雪庇が張り出していて安全な尾根筋を歩くこともできません。


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左に切れ落ちた笹原の急斜面の上を歩くことになるため、まだ気を緩めるわけにはいきません。


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九合目道標の少し先にあるわずかばかりのやや傾斜の緩いテラス状の場所で束の間の休憩をとりました。汗を拭き、水分を補給してこの先の稜線を確認します。山頂手前まで続く細い尾根筋は北側には木立があり、稜線には雪庇が出ているので、雪庇の左側をたどっていきます。左手に落ち込む斜面は木立がなく笹原の斜面なので、雪崩そうで嫌な感じです。実際、左前方下あたりに雪崩れた跡も見えていて、ここも山頂まで一気に登り詰めたほうがよさそうです。


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休憩を終えて、急ぎつつも慎重にトレースをたどり、山頂を目指します。以前登った時は立木が邪魔だったりした記憶がありますが、今回はやっかいな立木はありませんでした。雪が多くて埋まってしまっていたのだと思われます。


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ようやく山頂が近づいてきたようです。青空も見え始めて、空に向かってカーブを描く雪稜がことのほか美しく感じました。


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11:57 下蒜山山頂です。けっこう広い雪原になっていて、足跡は残っているものの誰もいませんでした。少なくとも二人は先行していたはずですが、どうやら中蒜山方面に下って行ったようです。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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薄日が差し始めて、下蒜山山頂から中蒜山と上蒜山がよく見えました。以前から、積雪期に三山縦走をしたいと思っているのですが、いまだ挑戦する機会がありません。


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山頂貸切状態なので、タイマーで万歳写真を撮ってみました。道標の上において撮ったので、傾いてしまったのはご愛嬌です。


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ちょうどお昼時に登頂できたので、ランチ休憩をとることにしました。今回は、いつも持ってくるだけで食べる機会があまりない行動食の簡単ランチです。いつもは、白湯で済ませてしまうところですが、ちょっと手間をかけてれもん湯も作ってみました。チタンマグカップを使うのも久しぶりなので、妙に金属臭がしてあまりうまくありませんでした。チタンカップで金属臭を感じたことは購入直後に使ったときぐらいしかないのですが、使い込んでいないと金属臭がするのかもしれません。日常生活でも使うようにしたほうがいいのかも。


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ランチのあとは、山頂からの風景を眺めて楽しんでいたのですが、いつの間にか薄日が差していた空には灰色の雲が垂れ込めはじめていました。


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伯耆大山は雲に隠れていて、初めから見えていませんでした。


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下山前に山頂の道標前で自撮りしてみたのですが、肝心の下蒜山の山名が写っていませんでした。


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12:34 下山開始です。山頂下の九合目までの稜線を下り、さらにその先の45度の壁を下ることを思うと、ちょっと憂鬱です。


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九合目へと下る稜線をゆっくりと下っていきます。このあたりは危険な感じはないので、まだ安心です。


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九合目手前の急斜面のトラバース部分です。右側の斜面は立木がない上に谷底が見えない状態の斜面なので、ちょっとドキドキです。


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九合目を過ぎて、核心部の斜面へと下りていきます。


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45度斜面のすぐ上からの眺めですが、少し先のところから始まる45度の斜面は、当然ながら上からは見えません。写真にするとあまり斜度がないように見えますが、ここでも40度近くありそうな感じです。


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とうとう45度斜面の上まで来ました。登ってきたときよりもちゃんとしたステップができていたので、誰かが後から登ったみたいです。でも、山頂には誰も来なかったので、九合目で引き返したのでしょうか。七合目の先のあたりを登山者が二人下っていくのが見えたので、どうやらそのようです。


45度斜面はバックステップで下りざるを得ないかなと思っていましたが、ちゃんとしたステップが刻まれていたおかげで前を向いたまま下ることができました。とはいえ、アックスをしっかりと雪に刺しこんで動かないことを確認しながら、一歩づつ慎重に下りました。さすがに高度感がきつく、先を見ると恐怖が湧き上がってくるので、できるだけ足元を見るようにしていました。


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45度の斜面を下りきって、ようやく普通に歩けるようになりました。ここまでくればもう安心です。


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振り返れば、覆いかぶさってくるような雪の壁です。


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13:13 七合目の道標前で休憩を兼ねてウェアの調整をしました。ここから先は標高が下がって気温も高くなってくるので、ソフトシェルは脱いでおきます。


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雲居平を下っているときに、ふと気が付いたのですが、左手には雪のない関金町の風景が広がっています。


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ところが、右前方に広がる蒜山の風景はふもとまで真っ白な雪景色です。こんなに近い距離にあるのに、山ひとつ隔てるとまったく違う風景が広がっているというのがなんだか不思議です。


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13:33 三合目を通過します。五合目から下はすっかり雪がグズグズになっていて、滑るし踏み抜くしで大変でした。


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13:51 登山口まで戻ってきました。登山口の前に見覚えのない立派な建物ができていてなんだろうと思っていたのですが、なんと火葬場でした。なにも登山口の前につくらなくてもと思わないでもないですが、とりあえずこの日は使われていなかったのでなんとなくホッとしました。

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| 2017年2月 下蒜山 | 19:46 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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最大斜度45度の雪壁に挑む: 下蒜山その1 

2017年2月26日(日) 岡山県真庭市 下蒜山(標高1100m) 日帰り単独行 


2月最後の日曜日、事前の予報では四国の剣山あたりは晴れ予報が出ていたので三嶺に行くつもりでした。しかし、前日に曇り予報に変わってしまい、GPV気象予報でもがっつり雲に覆われる予報になっていたので、わざわざ瀬戸大橋を渡って行ってもガスガスになるのは明白です。というわけで、急きょ行先を変更し、下蒜山に登ってきました。


下蒜山を選んだ理由は特になく、湯原ICから一番近くて登りがいのある山で考えたら下蒜山が思い浮かんだというわけです。思えば下蒜山に登るのは2012年4月以来なので、約5年ぶりです。厳冬期の登頂経験はないので、今回登頂すれば厳冬期初登頂となるわけです。とはいっても、この日は気温も比較的高くなりそうで、おそらく春山のような状態になると思われます。


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9:52 登山開始です。前回の大雪でけっこう積もったみたいで、登山口周辺にはまだたっぷりと雪が残っています。


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朝の気温はマイナス1度ぐらいだったので、雪は比較的締まっていて歩きやすい状態です。しかし、下蒜山は早めに傾斜のきついところが出てくるので、スタート時点から10本爪クランポンを装着しておきました。


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林の中を進んでいくと、やがて前方で谷が二股に分かれるところに出ますが、正しいルートは右です。ここには道標など明確なコース指示はありませんが、赤テープが立ち木についているので、見落とさなければ大丈夫でしょう。以前来たときはテープを見落としてうっかり左方向に入ってしまい、少し時間をロスしてしまった記憶があります。


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二股から少し行くと、斜度がきつくなり、尾根への取り付きになります。とはいえ、ここは距離も短いし傾斜も大したことはないので、問題ありません。


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尾根上に出ると立派な道標が出迎えてくれます。ここで90度左折して尾根を登っていきます。


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すぐ先に一つ目の急坂が見えます。ここから五合目まできつい斜度が続きます。


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朝のうちは雪が締まっていて、踏み抜きもなく快適に登っていけます。


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10:25 三合目を通過します。三合目は急坂の途中にあり、ここから先がさらにきつくなります。


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三合目上の急坂にはロープも設置されていますが、ロープの助けを必要とするほどでもないというのが正直なところ。


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10:41 三合目の急坂を登りきると、斜度はゆるくなり、樹林がまばらになってきたころに五合目の道標が現れます。この上は雲居平と呼ばれる見晴らしのいい笹原です。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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登山口では薄日もさしていたのに、雲居平に入るころになるとすっかり曇ってしまいました。おまけに、ものすごく粒の小さい粉雪まで降ってきました。まさか雪になるとは思っていませんでした。上がってくるまでに暑かったので、ドライレイヤ+ベースレイヤの上に薄手のフリースを着ただけでした。ここにきて風と雪で一気に冷えてきたので、上からソフトシェルジャケットを着て、ウールのビーニーもかぶっておきました。


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前方にそびえるのが下蒜山の肩にあたる九合目の急斜面です。最大斜度は45度もあるらしく、立木のない笹原の急斜面なので雪崩の危険もあり、積雪期はちょいとリスキーです。今日は朝までけっこう冷え込んでいたし、いまのところ粉雪が舞うような天気なので、なだれの心配はあまりなさそうです。よく見ると、最大斜度のあたりでペア同士が登りと下りですれ違おうとしているようです。なにもあんなところですれ違わなくても、登るほうが少し下で待てば安全にすれ違えたでしょうにと思いますが、斜度がきつすぎてお互いを見つけられず、気付いた時には最大斜度の斜面に入っていたということだったのかもしれません。


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雲居平の道標のあるところまで来ると、粉雪はほぼ止んできました。吹雪になると嫌だなと思っていたので、天候が回復する傾向にあるなら助かります。


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一面が笹原になっている雲居平は、ちょっと傾斜のきつい斜面に雪崩の跡がたくさん見られます。こちらは南側斜面ですが、この下までずっと雪崩ていて、笹原が見えていました。北側斜面にも雪崩跡がたくさんみられます。立ち入る人はいないと思いますが、いい斜面だからとスキーやスノボで滑りこむとやばいことになりかねなません。


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雲居平の上部で、ちょっとした雪庇を乗り越えます。


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11:12 雪庇を乗り越えたところが七合目です。


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七合目の道標前を左に折れて、雪庇に沿って急斜面方向に進みます。この区間は、ちょうど雪庇の裏側になるので、風が当たらず休憩にはいい場所です。急斜面ですれ違っていた下山組のペアも、ここで休憩していました。


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いよいよ、最大斜度45度の雪壁に挑みます。2012年4月に登った時は、急傾斜の場所は半分雪が解けて地面が出ていたので案外楽でしたが、今回はがっつり雪が張り付いた状態です。滑ったらあっというまに谷底なので、慎重に突破しないといけません。軽い緊張感を伴いつつ、一歩づつ進んでいきました。

つづく。

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| 2017年2月 下蒜山 | 16:41 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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