ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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初めての厳冬期荒天登山~ガス・風・雪の三重苦: 八ヶ岳・赤岳その3

2017年1月2日(月)~3日(火) 長野県茅野市 赤岳(標高2899m) 小屋泊単独行 


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9:22 赤岳天望荘の横を通りぬけて、赤岳山頂を目指します。正月は赤岳天望荘も営業しているはずですが、外から見た限りでは人の気配が感じられず、とても営業しているようには見えませんでした。


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天望荘の先にある県界尾根コースとの分岐から登りが始まります。


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ずーと上に向かって斜面が続いているはずですが、ガスが濃くなったのか、雪が少し強くなってきたからなのか、20mぐらい先までしか見えないような状況です。風も強くなっており、山頂付近ではどういう状況なのかと少し不安になってきますが、とにかく今はまだそれほどひどい状況ではないし、急激に悪化しそうな雰囲気でもないので、とりあえず山頂を目指します。


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幸い夏道の鎖の手すりがところどころ見えているので、道迷いの可能性は低く、それだけでもかなりの安心材料です。一方、標高が上がるにつれて風が強くなってきました。バラクラバで口を隠してしまうと息苦しくてつらいのですが、口を出して風があたると顔が凍傷になりそうな寒さなので、息苦しくてもバラクラバで顔を隠さざるをえません。息で口の部分が湿ってくるので、そのぶん通気性が悪くなる感じです。口を少し突き出すようにして呼吸すると少し楽になることを発見し、口を突き出しながら登って行きました。


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天望荘で別れてから姿が見えなかった先行の男性が、はるか先にちらりと見えました。風が強まったおかげでガスが薄くなったようです。天望荘から赤岳山頂までの区間は、雪が少なく硬いのでトレースはほぼないに等しい状況でした。なので、夏道の鎖を頼りに登ってきましたが、鎖がない区間では自分の感に頼らざるを得ません。感といっても、雪面の状況を確認して夏道と思われる部分を探していくのでまったくのあてずっぽうというわけではありませんが、先行者が見えるとやはり安心感が違います。


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9:54 まだかなぁと思いながら登っていると、不意に目の前に黒い大きな塊が見え、近づくとそれが赤岳頂上山荘だとわかりました。天望荘から30分で登頂することができました。1時間ぐらいかかるとばかり思っていたので、意外なほどあっさりと登頂してしまった感じです。赤岳山頂は、頂上山荘の前を通り抜けた奥にあります。


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やや幅の狭い短い岩尾根の先に山頂が見えました。赤いジャケットを着た単独の男性が一人います。黄色いジャケットを着ていた先行の男性の姿は少し先のやや下ったあたりにいるようです。1月3日のお正月休みで、行者小屋に30人ほど宿泊していたのに山頂にわずか二人しかいないなんて、ちょっと意外でした。思ったよりも早く登頂できたということなのかもしれません。


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標柱が立っている場所の隣には祠が祭られていますが、そちらにも人の気配はありません。


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標柱の前で自撮りしようとしていたら、赤いジャケットの男性が撮りますよと声をかけてくれたので、お言葉に甘えて撮影してもらいました。


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祠のほうに立ち寄ってみたら、正面はエビのしっぽがびっしりとついていて、かなりの風雪にさらされていたようです。夜から朝にかけて強風が吹き荒れていたのでしょう。登頂時にそんな状況になっていなくてラッキーでした。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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10:00 長居は無用ということで、さっさと下山することにしました。文三郎尾根は、山頂を通り過ぎた反対側から下るのですが、ずいぶん前の夏に権現岳から縦走してきた経験しかないので、はっきりいって初めて通るのと等しい状況です。トレースもあまりはっきりしていないので、クランポンの爪痕を探しながら慎重に下りました。


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少し下ったあたりで、どこを行けばいいのか少し迷ったりもしましたが、ひとまず道を失うこともなくトレースの明確に残っている場所まで下りてきました。どうやら、目の前の大岩を右側から巻いて下に降りるようです。


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大岩を巻いて下っていくと、キレット方面と文三郎尾根との分岐路がありました。これを右に降りていけばいいわけです。とりあえず、ひと安心です。


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とはいえ、分岐から先も急傾斜の斜面が続くので気は抜けません。こちら側は天望荘から上のルートと違って、けっこうサラサラの雪が深めに積もっていて、クランポンの爪がいまいち効いてくれないような場所もあり、それなりに緊張しました。


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阿弥陀岳方面と文三郎尾根の分岐点から先の大きな斜面をトラバースするところがトレースがまったく見えなくなり、ちょっと焦りましたが、ここは春に引き返した場所なのでまだ記憶が鮮明で、こんな角度で下ったはずという記憶を頼りに先に進んでいくと無事トレースを発見することができました。何もない斜面や尾根でガスに視界を閉ざされた場合の危うさを、リアルに感じた瞬間でした。


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10:56 急傾斜の文三郎尾根を下って、無事に行者小屋に戻ってきました。小屋の前にはけっこう人がたまっていたのが見えたので、少し手前で安堵の記念撮影です。


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8時に出発して、11時に戻ってきたので、休憩込みでほぼ3時間で登って降りてきたわけです。コースタイムだと登り2時間10分、下り1時間20分で合計3時間30分ということになりますが、30分早く回ることができました。特別急いだわけではないので、実際にはそんなものなのかもしれません。ただし、下山は休憩なしでした。


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行者小屋でクランポンなどの装備をはずし、ハードシェルも脱いで下山の準備を整えます。お昼近いということもあり、小屋でコーヒーを頼んで、中の自炊スペースで行動食の昼食休憩をとりました。ガスと風と雪の中を歩いた時間はわずか3時間ですが、ずっと緊張していたためか、ずいぶん疲れたような気がします。これといって危険な場所も状況もありませんでしたが、それでもマイナス14度という低温の中で視界も十分ではない中での山行なので、いい経験になったかなという気がします。


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11:51 食事休憩を終えて、下山にとりかかります。雪はやんでいて、視界もだいぶんよくなっています。寒さもゆるんできているようで、ソフトシェルだけでまったく問題ないと思われます。登ってくるときと同様に、クランポンはしまってスノーグラバーを装着し、足早に歩き始めました。


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12:26 中間地点を通過します。


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13:14 美濃戸山荘前に出てきました。ここも休憩しないで通過します。


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13:19 赤岳山荘前のベンチで小休止をとりました。ここから先は緩やかな林道歩きですが、まだ凍結箇所が残っているので、スノーグラバーは外さずにそのままにしておきました。


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振り返ると阿弥陀岳はまだガスをかぶっています。この分だと赤岳も同様でしょうから、天候の回復を待たずに朝から登ったのは正解でした。


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下るにつれて日差しが降り注ぐようになってきました。


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14:04 八ヶ岳山荘に戻ってきました。


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スノーグラバーを外して点検してみると、左右ともにスタッドが2個づつなくなっていました。それでも、途中で滑りやすくなったということはなかったので、とりあえずまだ使えそうです。


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ちなみに、スノーグラバーはつま先側が外れやすいので、今回はこのようにベルクロテープで靴紐に固定してみたら、まったく外れることなく歩くことができました。踵にコバがある靴の場合は、踵側はコバにひっかけることができるのでまず外れることはありません。なので、つま先側だけ対策を講じておけば大丈夫です。


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荷物を車に置いて、八ヶ岳山荘で2日分の駐車カードで2杯の無料コーヒーをゆっくり味わった後、八ヶ岳を後にしました。

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おわり。

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| 2017年1月 八ヶ岳(赤岳) | 21:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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初めての厳冬期荒天登山~ガス・風・雪の三重苦: 八ヶ岳・赤岳その2

2017年1月2日(月)~3日(火) 長野県茅野市 赤岳(標高2899m) 小屋泊単独行 


1月3日の朝は、午前5時30分ごろに目覚めました。まだ暗かったので、外がどういう天気なのかわかりませんが、誰かが雪が降っているというのが聞こえたので、布団の中でがっかりしたのを覚えています。


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行者小屋の朝食は午前6時です。ずいぶんゆっくりだなと思いましたが、冬は7時近くにならないと明るくならないのでそんなものかもしれません。朝食のメニューは、ごはん、味噌汁、焼きシャケ、昆布巻、ニンジンとジャガイモの煮物、漬物、梅干し、納豆、海苔などでした。大きなお皿に小さなおかずがぽつぽつと置いてあると、なんだかものすごく制限された食事のような雰囲気なので、もう一回り小さなお皿にすればいいのにと思わないでもありません。


食事を終えて部屋に戻り、窓から外を確認すると、どんよりとしたお天気で、ガスも出ています。雪のほうはパラパラ降っているという程度だったので、天気が良くない割にそれほど視界が悪いということはありません。風も、小屋の周辺ではわずかに吹いているという具合だったので、登頂をあきらめて帰る理由は特に見当たりません。もちろん、上に登れば登るほど風も雪もきつくなる可能性が大きいのですが、現時点では問題ない状況です。いまいち気分がのらないのですが、今回は写真ではなく登頂が主目的の登山なので、とにかく登ってみることにしました。厳冬期の悪天候時に行動した経験はほとんどありませんから、今回はいい勉強になりそうです。うかつに行動して遭難してしまっては元も子もないので、慎重かつ冷静に行動することを肝に銘じていくことにします。


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7:58 準備を整えて外へ出ました。ガスと小雪で50mぐらいの視界です。寒さは鳳凰山のときと大差なく、風が弱いのでそれほど厳しいわけではありません。行者小屋から地蔵尾根を登って赤岳に登頂し、文三郎尾根で下山することにします。


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地蔵尾根への取り付きはやや傾斜のある森の中の道で、トレースはしっかり残っていました。行者小屋から急激に高度を上げる急登なので、汗をかかないようにハードシェルは着ないでゆっくりと登って行きました。


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気温は、マイナス11度。TNFのパラマウントタンクをドライレイヤーに、200番手のメリノウールシャツ、中厚手のフリース(マムート アコンカグアライトジャケット)、ソフトシェルジャケット(マーモット アイソザムフーディ)といういでたちで、特に寒さを感じることはありませんでした。


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次第にまっすぐ登るのがきつくなるほどの急傾斜に変わってきたので、サイドステップを織り交ぜながら登っていきます。


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8:29 階段が現れました。鉄パイプで組まれた手すりが設置されていますが、手すりの表面には雪や氷が張りついていて、手で握っても滑るばかりでかえって危険です。階段のステップにも半分埋もれるように雪がのって固まっているので、つま先しか載せることができず、けっこう厄介でした。アックスを使って安全を確保しつつ、一段ずつ丁寧に登りました。


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階段を上りきると、やや傾斜はゆるくなるものの、雪が少し深くなったように感じます。


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やがて、左手前方に崖が見えてきました。そろそろ樹林帯が終わり、地蔵尾根の核心部が近づいてきたようです。


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傾斜のきつい、谷状地にでました。新雪直後なら雪崩が起きても不思議ではないような場所です。年末年始は降雪はなかったはずだし、足元の雪の状況も安定しているようなので、問題はなさそうです。左手の崖の横に階段の手すりらしいものが見えていますが、ほぼ埋まっています。トレースは階段を目指すのではなく、やや右上に登りながら途中で向きを変えて左上へと続いています。左上には尾根が見えているので、あそこまで登ったら尾根道になりそうです。


小屋のあたりに比べると風もきつくなり、尾根道に出る前にハードシェルジャケットを着ておきたいところですが、なにしろ急傾斜の雪面なので、そんな場所はありません。とにかく、左上の尾根まで行くしかありません。滑落しないように、クランポンの爪がしっかりと食いついているのを確認しながら尾根を目指します。


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8:48 尾根に出ました。幸い、強風が吹き荒れているということもなく、また、ちょうど荷物を降ろして休憩することができるぐらいの平坦なスペースがあったので、助かりました。ちょうど上から降りてくる単独行の男性がいたので、風の様子を聞いてみたところ、朝は20mを超えるような強風が吹いていたけれど、いまはかなり収まっているので問題ないとのことでした。どうやら、強風の心配はしなくてもよさそうです。問題は、視界不良による道迷いと、ミスによる滑落です。慎重な行動を心がければ、かなりの確率で切り抜けられると思うので、登頂を続行することにしました。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




ハードシェルを着ている間にも、下山してくる人がいたので、すれ違いを待つ時間を利用して、軽く行動食を食べたりお湯をのんだりして休憩することができました。


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休憩場所のすぐ上にある階段は、最初に出てきた階段よりも幅が狭く傾斜もきついもので、鉄パイプの手すりはツルツルでした。なので、やっぱりアックスを使って安全を確保しつつ、クランポンのつま先でよじ登りました。年末に地蔵尾根で滑落した人がいたという話を聞いていたので、手足の動作ひとつひとつを慎重に確認しながらの行動が続きます。


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階段を上りきった先に、半分雪に埋まったお地蔵さんがいました。思わずひざまずいて手を合わせて、無事下山できますようにと祈りました。無事登頂ではなく、無事下山と願掛けしたことに気が付いて、やっぱり生きて帰ってこそ登山だよなあと自分の気持ちに納得しました。


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お地蔵さんのところから上を見ると、前方に人影が見えました。どうやら先行者がいるようです。今日は、地蔵尾根の取り付きで男性2名のパーティーを追い越して以来、登山者にはまったく出会っていないので、登っている人もいるんだとちょっとだけ安心しました。誰も登山者がいないと、登山するような天候ではないのに無謀な登山をしているかのような気になってくるので、やはり不安感がわいてきます。


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お地蔵さんの場所から岩場に設けられた道を登っていくと、幅の狭い尾根にでました。そこそこの高さもあるし、左右は切れ落ちているのですが、視界が悪いためか怖さはまったくありませんでした。写真は渡りきってから振り返って写したものです。


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前方にはすでに幅広くなった尾根があり、その向こうに崖が見えています。どこまで行けば稜線にでるんだろうかと思いつつ、登って行きました。


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登っていくと、まだ鎖の手すりが見えているナイフリッジを通過します。ここも、左右の切れ落ちている場所ですが、傾斜があまりきつくないので、恐怖心はあまりわいてきません。


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9:10 手すりの見えていたナイフリッジを通過し、その先の岩場を超えると、突然地蔵さんと道標が現れました。地蔵尾根を登り切り、稜線に出たのです。山と高原地図のコースタイムだと行者小屋から赤岳山頂まで2時間10分となっていますが、地蔵尾根だけなら1時間20分ぐらいとみていたので、思っていたよりも早く登り切れたようです。それほど冷や冷やするような場所もなかったので、聞いていたほどきついコースではなかったなというのが正直な感想です。


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稜線上はそこそこ強い風が吹いていましたが、体が持って行かれるほどのことはなく、風の心配はそれほどしなくてもよさそうです。地蔵尾根の分岐から右手方向に行けば赤岳展望荘があるはずですが、ガスが濃くてさっぱり見えません。岩の先がどうなっているのかもよくわからないまま、とりあえず地蔵尾根の分岐から右へと歩き始めました。


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岩の先からいったん下って再び登り返すようです。右側は切れ落ちているようなので、トレースを外さないよう注意しながら進みました。


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9:15 進んでいくとぼんやりと建物らしき影が見えてきました。赤岳展望荘です。建物の陰に先行者がいて、吹きさらしの所に立っていた僕に、こっちは風がないよと教えてくれました。先行の登山者は年配の男性で、少し話をした後、先に出発していきました。


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気温はマイナス14度、風は5m前後といったところですが、ときおり強い風が吹き抜けていきます。


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森林限界を超えているので、この先はずっと吹きさらしの稜線歩きです。なので、装備やウェアのチェックをしておきました。


鳳凰山でコンデジの電池がすぐになくなって面倒だったので、今回はカメラをジャケットの内ポケットに入れて温めながら登っています。なので、カメラの電池はいまのところ問題なさそうです。


GPSのほうは、電池を交換してくるのを忘れて山小屋で通常のアルカリ電池を買って入れたので、気温がマイナス14度の世界ではあっというまになくなりかねません。なので、ハクキンカイロと一緒にバックパックのヒップポケットに入れておきました。


ゴーグルを本格的に使うのは今回が初めてですが、スワンズのダブルレンズゴーグルは登ってくる途中曇ることもなく、ちゃんと視界を確保してくれています。


ヘルメットも、ゴーグルが使えるものということで新しく購入したものですが、ゴーグルとの相性もばっちりで、ベルトがずれたり違和感を感じたりすることもなくいい感じです。


行動食とお湯で軽い休憩をとったあと、身支度を確認して赤岳山頂を目指して出発しました。


つづく。


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| 2017年1月 八ヶ岳(赤岳) | 15:04 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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初めての厳冬期荒天登山~ガス・風・雪の三重苦: 八ヶ岳(赤岳)その1

2017年1月2日(月)~3日(火) 長野県茅野市 赤岳(標高2899m) 小屋泊単独行 


鳳凰山から下山した1月1日の夜は、諏訪湖畔にあるヨットハーバーの駐車場で車中泊しました。たまに車の出入りがあったものの、とくに騒がしくなることももなく、朝までゆっくり眠ることができました。


朝起きて筋肉痛がひどかったり、体の疲労感がきついようなら2日の入山はやめて1日ゆっくり休養して、赤岳は日帰りで行くのもありかなと考えていました。ところが、目覚めてみると筋肉痛はおろか疲労感さえほぼなくて、どうしたのだろうかとかえって気味が悪いほどです。


ヨットハーバーの公衆トイレは水道が止められていたので、とりあえず近くの湖畔公園に移動して、そちらの公衆トイレで顔を洗ったり歯を磨いたりした後、八ヶ岳の天気を調べてみました。天気は晴れ予報が出ていますが、風速は秒速20m越えの数値になっています。鳳凰山と違って赤岳の稜線はけっこう切れ落ちているので、強風時に登るのはすこし気が引けます。とはいえ、鳳凰山でも同じぐらいの予報が出ていましたが、体を持って行かれるほどの風は吹いていなかったことを思うと、あまり心配しなくても大丈夫なのかもしれません。あくまでも平均風速ということでしょうから、めったなことでは20mを超える風に遭遇することはないともいえます。


どうしたものかと考えてみましたが、諏訪湖のほとりで考えていてもらちがあきません。とにもかくにも頭上には真っ青な空が広がっています。行くだけ行ってみて、危険を感じるほどの強風であれば中止して帰ってくればいいだけです。ということで、湖畔公園の駐車場でポットに入れるお湯を沸かした後、コンビニで朝食を仕入れて、登山口へ向けて出発しました。


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美濃戸口に向かう途中、正面に雲一つない状態の八ヶ岳がくっきりと見えていました。これなら少々風がきつくても大丈夫そうだなと思いつつ、車を走らせます。信号待ちを利用して行者小屋に電話をかけて、1泊2食付で予約を入れました。まだ正月休みの期間ですが、すんなり予約を取ることができました。今年は日程の関係か比較的空いていたようです。赤岳鉱泉の夕食に出るというステーキも気になるところですが、赤岳に登るだけなら行者小屋のほうが近くて楽なので、歩く距離を減らせる行者小屋に宿泊することにしました。


テント装備が一式あるのだからテント泊でもいいのですが、さすがに2泊3日してきた後なので、寝袋もそれなりに湿っていて保温力も低下しているでしょうし、昨日の今日で再び重い荷物を担いで山に入る気にはなれませんでした。


美濃戸口の八ヶ岳山荘駐車場に着いたのは、10時を回っていました。駐車場代を支払い、準備を整えます。


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11:09 少し遅れ気味の出発ですが、今日は行者小屋までの行程なので、十分余裕のある時間です。


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美濃戸口から谷へ下る道は凍結路になっていましたが、そこを過ぎると林道はほぼ雪なしでした。ヘアピンカーブのところにあるショートカット道もまったく雪なしです。


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再び林道に合流する場所でも、雪はありません。


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晩秋のような雰囲気の林道を淡々と歩きます。


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進んでいくうちに徐々に雪が地面を覆うようになってきました。


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美濃戸に近いS字カーブの坂道は、日当たりが悪いせいもあるのでしょうが、ツルツルのアイスバーンと化していました。これはスタッドレスでも二輪駆動車では登らないだろうなと思いながら、路肩の凍結していない場所を慎重に登って行きました。すれ違った下山者が背後でドスンと鈍い音を立てて転倒した音を聞きながら、このS字カーブの手前の林道脇に駐車されていた車が数台あったのは、ここを登りきれなかったからかもしれないなと思いました。最初はたんに駐車場代をケチって路肩に停めているのだろうと思っていたのですが、登れなかった可能性のほうが高いように感じます。四輪駆動でも駆動輪が滑ったら四駆になるパートタイム四駆だと無理かもしれないと思えるほどのツルツル状態でした。実際、ラバーのチェーンを前輪にまいたワンボックス車も路駐していたので、金属チェーンでないと歯が立たなかったのでしょう。


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12:09 赤岳山荘前の坂道も、アイスバーンになっていて少してこずったものの、ひとまず赤岳山荘前のベンチまで無事たどり着けました。2016年の春に来たときは、この先の美濃戸山荘手前の坂道もアイスバーンになっていたことを思い出して、ここで滑り止めのスノーグラバーを装着しておきました。道の奥には、雪をかぶった山がそびえています。方角からして阿弥陀岳だと思いますが、雪煙が上がっている様子もないので、風はそれほどひどくなさそうです。


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予想通りアイスバーンになっていた坂道を難なくのぼって、南沢と北沢の分岐まできました。行者小屋へは右の南沢コースを進みます。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




南沢コースに入ってすぐに、足跡ばかり見ながら歩いていたら沢のほうへ行ってしまい、気が付いたらコースを外れていました。すぐにおかしいと気が付いて正しいコースに復帰しましたが、下ばかり見て歩いていたら道迷いしやすいのはわかっているのに、積雪期は足跡が明確なのでつい何も考えずに辿ってしまいがちです。反省。


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一つ目の橋を渡ります。


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そして、二つ目の橋。


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春に来たときにドロドロになっていて厄介だった場所は、寒さのせいで土は凍結していたので助かりました。


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やがて、アイスリンクのような道が出てきました。滑り止めを装着しているので、躊躇なく氷の上を渡っていきます。


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新しい橋が作られていました。この時期は下の川が凍結して上に雪がのっているので、まるで地面のあるところに橋が作られているようで、なぜここに橋があるのか理解に苦しむような状況ですが、無雪期は流量のある川なのでしょう。もちろん、橋を渡らずに凍結した川を歩いて渡りました。


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13:58 中間地点に着きました。ここからは美濃戸へも行者小屋へも40分の距離です。少し前に休憩していたので、そのまま通過します。


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岡山に住んでいると完全凍結した川なんて見ることはないので、こういう光景はすごく新鮮です。


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登山道の傾斜が緩んでくると、前方に八ヶ岳が見えてきました。赤岳かと思いがちですが、横岳の一部だと思います。


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進んでいくと、大同心も見えてきました。


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それにしても、南沢コースは傾斜が緩んで八ヶ岳が見え始めてからが長いコースです。歩けども歩けども樹林帯が続くので嫌になります。


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横岳が大きく見えてきました。


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ようやく赤岳にご対面です。


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近づいてくると、なかなかの迫力です。


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14:57 行者小屋に着きました。朝起きた時はなんともなかった下半身ですが、歩くとさすがに疲労感が出てきました。本日、食事が終わったらさっさと寝ようと思います。


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小屋前のテント場にはテントがちらほら見えます。思っていたよりも赤岳がきれいに見えていいロケーションなので、三脚を持ってきて星空の撮影をしてもよかったなあと、ちょっと後悔。


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行者小屋に泊まるのは初めてです。就寝場所は二階で、中央の通路を挟んで左右に半個室のようなスペースが並んでいました。大部屋のようで大部屋でない、個室のようで個室でない変わったつくりです。


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中央の通路部分はけっこう広くて、コタツがいくつか用意されていました。冬場にはありがたい設備です。


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夕方、カメラをもって小屋前に出てみると、赤岳が名前の通り夕陽に赤く染まっていました。写真クリックで拡大します。


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大同心、小同心も赤く染まりました。こちらも写真クリックで拡大します。


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夕食はビーフシチューでした。ほろりと崩れるほど柔らかく煮込んだ肉が美味でした。豚汁もうまかったです。いつものテント泊では考えられない豪華な食事を堪能しました。赤岳鉱泉のステーキもうまいらしいので、今度来るときは赤岳鉱泉に泊まってみたいものです。


食後は少し雑誌など読んで時間をつぶした後、明日も今日のような晴天であることを期待しつつ、20時前には布団にもぐりました。


つづく。

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| 2017年1月 八ヶ岳(赤岳) | 18:47 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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