ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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南アルプス 標高3000mの縦走路: 白峰三山 その5(農鳥岳/下山編)

2016年8月11日(木)~14日(日) 山梨県 北岳(標高3193m)・間ノ岳(標高3190m)・農鳥岳(3026m) テント泊単独行 



8月14日(日)
午前4時前に起床。今年もイスカ チロルという最低使用温度が6度の夏用寝袋を持ってきたのですが、標高3000m近い北岳山荘や農鳥岳のキャンプ場でも温かく眠ることができました。もちろん、ダウンジャケットとダウンパンツを着用しての話です。あまり冷え込まず、最低気温が10度を下回ることがなかったので助かりました。


最後の食事になるので、余った食材を少しでも軽くするために、朝からちょいと豪勢にフリーズドライの親子丼に味噌汁、ソーセージで朝食。レトルトと違ってフリーズドライの親子丼なのであまり軽量化に貢献するわけではないのですが、見た目の容積が減るので荷物が軽くなった気がするというわけです。


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4:46 食事を終えて、テントから外の様子を確認してみると、空はきれいに晴れていて、眼下には雲海が広がっていました。


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パッキングの途中で日が昇ってきました。流れる雲に隠れていましたが、まぶしい光になんとなく残っていた眠たさも消えていきます。


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撤収している時、農鳥岳にかかっていた雲が流れ始めました。


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太陽もすっかり雲海の上に姿を現しました。下界では曇りの天気なのでしょうが、標高3000m近いここでは、見事な晴天です。地上にいたのでは観られないというちょっとした優越感を感じるこの光景が、高い山に登りたいという欲求の源なのかもしれません。


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6:04 再びガスがかかり始めた農鳥岳に向けて歩き始めます。奈良田の駐車場に戻るのに第一発電所前のバス停に14:39の奈良田行きがあるので、それに乗るために逆算したら遅くとも6:30に出発という計画でしたが、30分早く出発することができました。


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背後の間ノ岳はガスもなくすっきりと晴れています。


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キャンプ場を離れ、急傾斜の岩ゴロ斜面をジグザグに登って行きます。


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30分ほど登ったところで小休止。振り返れば農鳥小屋が遥かに小さく、間ノ岳もおなじぐらいの高さに見えるようになっています。


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朝は見えていなかった富士山も姿を現しました。


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ピークがかなり近づいてきました。登り斜面もあと少しで終わりそうです。


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ピーク直下までくると、道は直登しないで西側を巻きます。


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ぐるっと西側を巻いて進むと、稜線が見えました。ここから先は稜線歩きです。


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6:55 西農鳥岳の手前まで来ました。逆光でシルエットになったピークには先行の登山者がいて、ちょうどいい点景になっています。眼下の雲海から遥かに高い位置にあるので、3051mの高さとは思えないほどの高度感があります。


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太陽と富士山と農鳥岳も入れて撮ってみました。農鳥岳は富士山の手前にあるフラットな台形の山です。


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7:00 西農鳥岳です。それほど広い山頂ではなく、4畳半程度の広さしかありません。ただ、眺めはなかなかでした。


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北側には登って来た稜線と農鳥小屋、間ノ岳の背後には北岳の頭も見えています。


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どっしりとした間ノ岳と鋭く尖った北岳の標高2位3位コンビです。


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南西方向には、特徴的な山容の塩見岳が見えています。その背後に巨大な積乱雲が発達していて、夏らしさを感じます。この塩見岳の姿は妙に惹かれるものがあり、早い時期に訪れて見たいと思った山でした。


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南東方向には、農鳥岳のピーク越しに富士山の頭が浮かんでいます。


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7:09 後から登山者がやってきたので、農鳥岳に向けて出発することにしました。西農鳥岳から先は、あいかわらずの稜線歩きです。


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カメラの望遠で農鳥岳を見ると、山頂に人のシルエットがちらほら見えています。それにしても、富士山はどこから見ても同じ形で、不思議な存在感があります。


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農鳥岳の手前に峻険な岩峰が連なっているのですが、これを超えるのはけっこうやっかいそうだなと思いながら近づいてみると、どうやら道は右へ下って西側から巻いて行くようです。


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岩峰の西側を下から巻いて行く道は、巻き道とはいえそれなりに厄介なところもありました。


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下を見れば遥か彼方まで岩ゴロの急傾斜が続いています。そしてその奥に塩見岳が悠然と聳えているのが見えます。


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岩峰の下の岩場を乗り越え、ようやく農鳥岳が見える稜線まで戻ってきたら、鳳凰三山が見えました。


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もう農鳥岳は目の前です。


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7:54 農鳥岳登頂。山頂には大勢の人がいましたが標柱は誰も記念撮影をしていなかったので、荷物も下ろさずさっさと自撮りして、一段下のフラットな場所に移動しました。


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富士山がよく見える場所で記念撮影。逆光なのでストロボを発光させたのですが、それでも雲海の輝きには勝てず暗めの写真になってしまいました。ちなみに、この写真のように雲海の水平線が首を切る位置にあるのは、ポートレート写真としてはやってはいけないことのひとつです。セルフタイマーで撮ったので、この場合は不可抗力。


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朝はガスがかかっていた間ノ岳も北岳も、すっきりと姿を見せています。北岳は南から見るとこれほど鋭角な山容を見せるとは知りませんでした。甲斐駒から観る姿もけっこう鋭い感じですが、農鳥岳から見る姿が一番すっきりとしていてシャープな感じです。


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眼下には相変わらず雲の波が押し寄せて来ています。


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白く輝く雲海から頭を突き出す孤高の富士山。見ていると登りたくなってきます。下山後、富士山に移動して翌日昇るつもりでいるのですが、はたして登れるかどうか。とにかく、天気と下山後の体調次第です。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。





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8:42 バスの時間から逆算したら農鳥岳を8:50に出発すればいいのですが、少し早めに出ることにしました。農鳥岳から大門沢下降点への道は、登って来た道とは反対側の東斜面をトラバースしていきます。


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トラバース区間を過ぎると、ゆったりとした二重山稜の道になりました。


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どんどん下って行くとすり鉢状の凹部の縁に人の姿がたくさん見えてきました。どうやらあそこが大門沢下降点のようです。とすると、その奥に見えているのが広河内岳でしょう。


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9:15 大門沢下降点には、ベルが設置された鉄製の道標が立っていました。かなり巾の広い尾根の鞍部なので、ガスが出たときに迷いやすくこのように目立つものを設置したのだと思いますが、それでも本当にガスでまっしろになったらこの道標でさえ見つけにくいのではないかと感じます。予定では下降点を9:30に通過することになっていたので、15分の余裕ができました。ところが、このあと思っていたよりも下りに時間がかかってしまい焦ることになってしまいました。


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下降点からは、尾根でもなく沢でもない急傾斜の斜面を下って行きます。


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まだ森林限界よりも上にいるらしく、木々がなく強烈な日差しをモロに浴びながらひたすら高度を下げます。


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途中、道が一部崩落した箇所もありましたが、とりあえずスリップしたりすることもなく無事に通過しました。


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9:36 幕営跡のある平坦な場所に出ました。大岩がいい具合にベンチのようになっていたので、小休止をとりました。高度を下げていくので、時間とともにどんどん暑くなってやたらとのどが渇きます。


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休憩しているときに正面の山の木々の緑と青空のコントラストがすごく鮮やかできれいでした。


休憩を終えて出発してからは、とにかく激下りで写真はまったく撮っていません。行けども行けども急峻な下りの道は終わる気配がありません。その上、たまに出てくる湿った赤土のところで2度スリップダウン。幸い怪我はなかったのですが、激下りで疲れた脚は一度バランスを崩すともはや立て直すだけの体力は残っていません。また、大きな段差を下りようとして横を向いて足をおいた木の根でスリップしたときは、そのまま後にひっくり返りそうになりました。ちょうど横を向いていたので後ろは斜面になっていて、そのまま倒れたら転落してしまいます。必死で後に倒れないように立て直して事なきを得ましたが、今回の山行で最大の危機がこのときでした。


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激下りがやっと終わって沢沿いの道に変わっても、壊れた橋があったりでなかなか楽に歩かせてはもらえません。


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11:32 へろへろになりながらようやく大門沢小屋に到着しました。予定では11:30に小屋を出なければなりませんが、水がまったくなくなっているし、疲れもかなりたまっているので、さすがにそのまま通過することはできません。ひとまず荷物を下ろして水を補給してから、冷たいコーラを飲み干しました。


下降点であった15分のアドバンテージを使い切ってしまい、しかも少し遅れ気味のスケジュールです。大門沢小屋から第一発電所バス停までは3時間のコースタイムですが、下降点から小屋までコースタイムより遅れてしまったことを考えると、はたして3時間を切るタイムで下ることができるのか不安が残ります。万一バスの時間に間に合わなくても、第一発電所からは30分ほど歩けば奈良田駐車場まで帰れるし、最悪でも夕方の最終バスで帰ることもできます。とりあえず、行くしかありません。


11:46 トイレを済ませ、頭に冷たい水を浴びてから、出発しました。ここから先の道は、これまでこれほど本気で歩いたことはないというぐらいマジで歩きました。林道に出ればスピードも上がるので、それまでの山道部分でいかに時間を稼げるかが勝負だと考えて、沢沿いの歩きにくい箇所もガシガシ乗り越えて進みました。


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やがて小さな尾根の上に出ると、ようやく比較的平坦な森の中の道になりました。


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そのまま、平坦な森の中を進むのかと思いきや、道はどういうわけか右手の斜面をトラバースしながら徐々に高度を上げていきます。


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12:32 どうなっているんだと思いながらも進んでいくと、再び尾根の上にでました。道は尾根を越えて反対側の斜面を下っていきます。このためにわざわざ斜面を登って来たのかと合点が行きました。尾根上で少し休憩をとってから、先を急ぎました。


尾根を大きく回りこみながら下って行くと、やっと平坦な道になりました。しかし、しばらく進むと再び斜面をジグザグに下るようになり、なかなか林道に出る気配はありません。おそらく発電所取水口から先は工事車両などが通行できるように林道が整備されているでしょうから、それまでの辛抱です。


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13:41 取水口手前の小コモリ沢にでました。もう汗で全身びっしょりです。できることならここで水浴びしたいほどですが、とりあえず顔と頭を洗って気分をリフレッシュしました。残り時間は1時間を切っています。はたしてここから1時間以内で到着できるのでしょうか。


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13:50 取水口のつり橋を渡ります。この先は林道に違いないと思いながら、揺れるつり橋を大急ぎで渡りきりました。


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ところが、取水口の施設を通り過ぎても道は細い登山道のままです。こんな道であんなところにどうやってコンクリートの取水口を建設したのか謎ですが、それでも山道よりはましな道をどんどん進んでいきました。


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13:56 森を抜けると広々とした工事現場のような場所に出ました。大きな堰堤の上流側です。さすがにここから下流側は車両の通行できる林道だろうと期待が膨らみます。


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確かに林道はありました。しかし、そこには「立入禁止」の札がかかり、登山道は右の森の中へと続いているではありませんか。もしもこの先ずっと森の中の道だとしたら、バスの時間には間に合わない可能性が高くなります。信じられないという気持ちで意気消沈しつつも歩き続けます。


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堰堤の下流側に出てきたら、大きな吊橋がありました。対岸には車が止まっています。ということは、これを渡れば待望の林道に出られそうです。


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14:07 待ちに待った林道です。


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林道に出たところにあった看板には、第一発電所まで2.2kmと書かれてありました。残り時間は約30分。通常歩行で時速4kmぐらいですから、2.2kmならちょうど30分ぐらいです。ぎりぎり間に合いそうということで、脚の疲れや痛みを無視して大またで歩き始めました。


ところが、少し先の道にうずくまっている人がいて、近づくと呼び止められてしまいました。なんでも、下山中に転倒して肩を強打し脱臼しているかもしれないとのこと。一緒にいた知り合いに先に行って救急車を呼んでもらうように頼んであるので、当初は転倒した場所で待っていたらしいが、山中ということでここまで痛みを押して歩いてきたとのこと。おそらく第一発電所のバス停にいるであろう知り合いに、ここまできたことを伝えてほしいとのことでした。遭難の救助要請だったらバスをあきらめざるを得ないところでしたが、単なる伝言だったのですぐにその場を離れることができました。しかし、2分ほど時間を使ってしまったのが痛いところです。


その先はいっさい休憩することもなく、ひたすら第一発電所を目指して歩き続けました。途中で救急車がやってきたので、肩を痛めた人の相方が消防に連絡して手配してもらったのでしょう。


14:35 なんとかぎりぎりバスの時間に間に合いました。林道に出てからは写真を撮ることをすっかり忘れていたので写真はありません。肩を痛めた人に聞いていた相方さんらしき人を見つけて伝言を頼まれたことを伝えたのですが、話を聞いてみてびっくり。なんと一緒に登山していた仲間ではなく、たまたま途中で一緒になっただけの赤の他人だったのです。さらに、救急車は別件で第一発電所に来ていただけで、この人が呼んだわけではなかったとか。それでも救急隊員に話をして救助を頼んだらしいので、結果的に必要なことはすべて手配できたようです。なんとも変な話です。


汗だくでたどり着いた第一発電所ですが、奈良田行きのバスは予定時刻よりも遅れて来ました。こんなことならあれほど焦らなくてもよかったのですが、遅れるかどうかはその時になって見ないとわからないので、やはり時刻表の時間よりも前についておく必要があります。それよりも、朝30分早く出てぎりぎりの到着だったわけですから、予定通り出ていたら確実に間に合いませんでした。6時に出て14時30分着ですから、農鳥小屋から第一発電所までは8時間半かかったわけです。お昼休憩もとるのであれば、もう少し余裕を見て、9時間半と考えておいたほうがよさそうです。


第一発電所から奈良田駐車場までのバス代は150円でした。大門沢小屋でコーラを買ったとき、おもわず小銭を使ってしまい、5千円札と一万円札しかなくて、車掌のおばさんをあわてさせてしまいました。さいわい5千円でおつりがあったので事なきをえましたが、このバスを利用する時はくれぐれも小銭を忘れないようにしましょう。


痛みと疲れで棒のようになった脚を無理やり動かして駐車場の車にたどり着き、汗で濡れた服を脱いでフェンスや車のドアなどに干していると、救急車がサイレンを鳴らしながら早川町方面に走り去っていきました。肩を脱臼した人は無事に救助されたようです。


その後、奈良田の集落に移動して奈良田温泉に立ち寄りました。しかし、この温泉は坂の上にあり、建物周りに駐車場がないので、下の駐車場に車を止めて歩いていかなければなりません。激下りと林道歩きで脚が棒になっている人間には苦痛以外の何物でもありません。そのためか、日曜日だというのに温泉はけっこう空いていました。下山してきて疲れていたら、ここではなくてもう少しくだったところにある西山温泉 湯島の湯のほうが道路沿いにあって楽なので、普通はそちらにいくだろうなと思います。もっとも、泉質はぬめっとしたいいお湯でした。


ところで、下山後に富士山にも登るという予定でしたが、車の乗り降りすら大変な状態だったので、当然ながらキャンセルです。すたこらさっさと帰りました。


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| 2016年8月 北岳・間ノ岳・農鳥岳 | 12:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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南アルプス 標高3000mの縦走路: 白峰三山 その4(間ノ岳編)

2016年8月11日(木)~14日(日) 山梨県 北岳(標高3193m)・間ノ岳(標高3190m)・農鳥岳(3026m) テント泊単独行 


8月13日(土)
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8:30 撤収完了。間ノ岳に向けて出発します。


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天気は上々、気持ちのいい稜線歩きです。朝早いので日差しのわりに涼しく快適です。


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中白根山までは緩やかな上りの道が続きます。前方の大岩が集まったあたりが標高3000mのようなので、それから先は標高3000mの縦走路の始まりです。


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標高3000mを突破しました。酸素が薄くなっているためか、息が切れます。振り返れば雄大な北岳の姿が見えました。ちなみに標高3000mの酸素量は、地上に比べると約70%ぐらいの量だそうです。


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9:11 中白根山です。なだらかでとても広い山頂です。眺めもいいので、荷物を下ろして小休止をとりました。中白根山は国土地理院のデータでは、独立した3000m峰としては扱われておらず、不遇の3000m峰です。北岳と間ノ岳の中間あたりにある山なんだから、独立した峰として扱ってあげればいいのにと思わないでもありませんが、稜線上の岩峰っぽい雰囲気なので、しかたないのかもしれません。


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9:22 行動食と水分を補給して、先へ進みます。


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正面には間ノ岳が大きな山容を見せています。


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中白根山を過ぎると、道は大きな岩がゴロつくやや歩きにくい状態になりますが、比較的フラットで楽です。


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木製の道標が埋めこまれたケルンの前を通過していきます。


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眼前に間ノ岳が迫ってきました。もうすぐ山頂です。


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山頂下の斜面は傾斜もあり、岩ゴロの道なので、けっこうタフでした。


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山頂が見えてきました。もう少し!


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10:30 間ノ岳登頂です。


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標高3190mは、いまだ未踏の奥穂高岳と並ぶ日本第三位。こうなると、早く奥穂に登りたいと思ってしまいます。


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照りつける日差しにじりじりと焼かれるような暑さを感じつつも、さえぎるものの何もない山頂でひとまず休憩です。最初こそ青空も覗いていましたが、休憩しているうちにガスが沸いてきて、周囲の視界はなくなってしまいました。太陽が隠れるので暑さが和らぎそれはそれでよかったのですが、ときどきガスが切れるとあっという間に炎熱地獄と化してしまいます。折りたたみの雨傘を取り出して、日傘代わりにすると炎熱地獄から開放されました。雨が降らなくても傘が役に立ちました。


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山頂には全身黒尽くめの白人の青年がいたのですが、大きなバックパックを担いで西に伸びる縦走路を下っていきました。三峰岳を経て仙丈ヶ岳や塩見岳へと続く道です。彼はいずれの頂を目指すのか。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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11:04 長い休憩を終えて、農鳥小屋へと下ります。農鳥小屋への道は、白人青年が下った道の反対方向、間ノ岳山頂からは東に向かうルートです。向こうに見えるケルンのところから下って行きます。


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ケルンから少し下ったところで、ルートは右に90度折れ南に向かいます。


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道は広い尾根の斜面をゆったりと蛇行しながら続いて行きます。北岳から間ノ岳まではたくさんの登山者が行き来していた道ですが、間ノ岳を過ぎるととたんに静かで人の少ない道になりました。


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広い尾根を下って行くと急に傾斜が増し、眼下に特徴的な岩峰が見えました。どうやら岩峰の左側を下っていくようです。


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岩峰の左側まで来て見ると、今までよりもさらに急傾斜の斜面があり、そこをジグザグに下っていくようです。この斜面を下っている途中で、うしろからトレランのカッコをした男性2名が追いついてきて、この手の人がよくやるようにすぐ後に張り付いてどけといわんばかりのプレッシャーを掛けてきましたが、道を譲るにしてもかわすような場所もないし、黙ってすぐ後に張り付いてくる態度がむかつくので、どこかで勝手に追い抜ける場所があるだろうから、ほおっておくことにしました。


いつも思うのですが、登山者の多い時期に人気の山域の一般登山道でトレランをしようという発想がどうしてできるのか、理解に苦しみます。休日の歩行者天国でマラソンの練習をするようなものであり、非常識としか思えません。スピードを競うような競技は、多くの場合専用のコースで開催されるものなので、トレランもどこか専用のコースを作ってそこで思う存分走ればいいのです。公道を使用するマラソンだって、競技の日にはちゃんと道路使用許可をとって一般歩行者と分離して行います。ランナーが練習するにしても、歩行者の多い場所でわざわざ走っている人をみたことはありません。なぜトレランだけ一般の登山コースを我が物顔で走るのでしょうか。


おそらくモラルの高いまともな人はお盆休みの混み合う時期にわざわざ人気のある山域には来ないので、非常識な連中だけが走っているのでしょう(本当のところはわかりませんが)。なので、この手の人たちを典型例としてトレランをする人すべてが非常識と決め付けるのは失礼な話なんだろうなとわかってはいるものの、狭くてすれ違いも困難な急傾斜の道で、無言で背後に張り付く輩を見るにつけ、トレランとその愛好者に好意的な気持ちにはなれないなと思うわけです。ちなみに、足の速い登山者は近づいてくるのがわかりますから、適当なタイミングで休憩をとったりして、先に行ってもらうようにしてます。


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11:59 農鳥小屋近くから仙塩尾根の三国平へのトラバース道分岐まで下りてきました。農鳥小屋までは、もうすぐです。


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12:13 農鳥小屋に到着です。噂の管理人さんがドラム缶に座ってこちらを見ていたので、「こんにちは」と挨拶しておきました。テント場はまだスペースがあるか聞いてみたところ、大丈夫だとのこと。ただし、これから増えるかもしれないので、張る時はあまりスペースをとりすぎないようにとのことで、口やかましいと噂の管理人さんですが、いたってまともなことしかいわれませんでした。ネット上では、間ノ岳から下山してくる登山者を双眼鏡でチェックして、歩き方などに文句をつけるとか、15時までに到着しないと説教されるとか、なにかと話題にことかかない人物のようです。僕の場合は、歩き方が気に入らないということがなかったのか、それとも到着時間が早く挨拶もしたためかわかりませんが、とりあえず到着早々不愉快にさせられることはありませんでした。


受付でテント泊を申し込んだのですが、受付のある小屋の中を見ると、なにかホームレスのダンボール小屋を髣髴とさせるものがありました。いつだったか写真で見た昭和初期のころの山小屋の情景そのままという感じです。受付はアルバイトらしい若い男性がしてくれましたが、管理人と二人でここに寝泊りしているのだろうかと思うと、アルバイト君も最初は衝撃を受けただろうなと思います。それとも、始めからわかっていて特に何も感じていないのか。


ところで、幕営料はネットの情報では500円とか600円とか出てきますが、このとき支払ったのは1000円でした。けっこう強烈な値上げをしたみたいです。きれいなバイオトイレと無料で便利な水場が使える北岳山荘でも800円なのに、ずいぶん強引な商売です。


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宿泊棟の屋根は一部完全に壊れて下地がむき出しの状態です。これでは雨が降ると雨漏りするでしょうし、壁の中などに水がしみて劣化が激しくなるはずです。修繕しないのかできないのかわかりませんが、なんだかなあ・・・


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テント場は、小屋を通り過ぎた左手の斜面にありますが、真ん中にどこかの学生の大型テントがはってあるだけで、まだまだ十分スペースはありましたが、ひととおり見て回った感じではどこも傾斜がきつく、あまり快適そうな場所がありません。尾根上の登山道脇にせまいながらまだましな場所があったので、そこでテントを広げたのですが、2人用のテントではスペースがぎりぎりで、しかも四隅のうちの1箇所が浮き上がってしまうという地面がねじれた状態だったので、テントサイトの一番下の段に移動したのでした。ここも写真のとおり傾斜がきつかったのですが、下の砂利が少なく、地面のねじれもないのでまだましかなという状況でした。背後に見えるのは、西農鳥岳手前のピークです。


キャンプ場から10分ほど下ったところにホースで引いてきた水場があり、戻ってくる時は15分ほどかかります。水量はそこそこあるので、空いていれば頭を洗ったり体を拭いたりということもできます。小屋で水を買う場合は1リットル100円だと言っていましたが、17時を過ぎると販売しませんとのことでした。小屋の内部の状況を見た後では、正直水の入ったポリタンクの衛生状態に疑問が残るので、素直に水場まで汲みに行きました。その意味では、宿泊者の食事で使う食器や鍋なども、想像すると寒いものがあります。


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トイレは小屋のはずれ、キャンプ場への降口にありますが、半ば崩れかけたような状態で、ワイヤーで崖下に落ちないように補強されていました。驚くべきは、汚物の処理方法。


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なんと垂れ流しです。南アルプスってたしか国立公園だったよなあと思って環境省のデータを調べてみると、白峰三山の稜線は特別保護地区に指定されています。なぜ垂れ流しのトイレが使われ続けているのでしょう。かといって国が自らお金を出してバイオトイレを設置するというわけにもいかないでしょうから、所有者が建替えを決めて、国が補助金を出すというような手続きが必要なんでしょう。それにしてもこれはないなあというのが正直なところですが、ではトイレを使うなといわれると困ってしまうわけで、難しい問題です。公衆トイレとして国がバイオトイレを設置し、管理を小屋に委託するというのではまずいのでしょうか。とにもかくにも、早期に解決されることを望みます。


ちなみに、このトイレはドアに鍵などありません。ドアノブ代わりの白い紐を内側に引き込んで、ちょうどいいところに打ち付けてある釘に引掛けることで鍵代わりになるようになってます。紐が外に出なくなるので、入っていることもわかるし、外からドアを開きようがないので、よく考えてるなと思いますが、初めて行った人にはわけがわからないことでしょう。僕も個室に入ってから、どうしたものかと考えた末にようやく理解できました。なお、男性用小便器はなく、個室のみです。それと、トイレットペーパーも備え付けはありません。必ず持参しましょう。


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トイレ前から見たキャンプ場です。テントがはってある場所のさらに奥の登山道沿いにも幕営場所があり、そこには韓国人パーティーが真っ赤なタープとテントを張って貸切状態でした。


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キャンプ場のすぐうしろに聳える西農鳥岳は、ガスがかかって全容がよくわかりません。


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14時頃にはガスにまかれていた西農鳥岳が姿を現しました。中央の半円状のピークがおそらく西農鳥岳だと思います。農鳥岳本峰は西農鳥岳の左にある平坦な稜線の奥に隠れているようです。


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テントに戻って食べ残していたお菓子でコーヒータイムにすることにしました。食べ残していたのは、このチョコリング。白根御池で粉々になっていたチョコシューと違って、こちらは袋の上からでもしっかりと形状がわかるぐらいしっかり形をとどめています。


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しかし、袋を開けて中を覗いてみると・・・チョコがとろけてどろどろ。さっき農鳥小屋のトイレを見たばっかりなので、思わずいやなものを思い出してしまいました。


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見た目はともかく、れっきとしたお菓子なので、箸でつまんで食べました。おいしいけれど、ビミョーな気分でした。


その後、ごろ寝しながら地図を確認したり、少しうとうとしていると、いつの間にか夕方になっていました。


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星景写真撮影に備えて早めに夕食を準備します。今夜の食事はカレーライス。といってもいつものレトルトではなく、アマノフーズの畑のカレーというフリーズドライ食品です。今年のGW山行から使い始めたフリーズドライ食品ですが、レトルトと遜色ない味なのに、圧倒的に軽いので、今後は定番になる予定。畑のカレーはごらんのような発泡スチロールの容器がついていて、不要なら持ってこなければいいのですが、たいした重さでもないし重ねて収納できるので、それほどスペースも必要ありません。なによりクッカーを汚さずにすむのが一番のメリット。食事の後はつぶしてバラバラにすればゴミとしてもコンパクトなので、持ってくるだけの価値はあります。ボリュームもそこそこあり、尾西の白米を丸ごと入れて食べてみると、十分おなかも満足しました。







18時過ぎには寝袋に潜りましたが、急傾斜で寝心地が悪く、なかなか寝付けませんでしたが、いつの間にか眠っていました。真夜中に一度目を覚まして外を覗いてみると、ガスで星空はまったく見えません。撮影はあきらめて再び寝袋に丸まっているうちに、いつしか眠りに落ちました。急傾斜にも慣れたのか、その後は4時ごろまでそこそこ眠ることができました。

つづく。

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| 2016年8月 北岳・間ノ岳・農鳥岳 | 01:51 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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南アルプス 標高3000mの縦走路: 白峰三山 その3(北岳黎明編)

2016年8月11日(木)~14日(日) 山梨県 北岳(標高3193m)・間ノ岳(標高3190m)・農鳥岳(3026m) テント泊単独行 


8月13日(土)
午前2時を回って星景写真の撮影からもどってきましたが、そのまま寝てしまうと目的が達成できなくなるので、軽く朝食を食べてからそのまま出かけることにしました。


目的とは何か。朝日に赤く染まるバットレスを見て撮影すること。そう、夜明け前に八本歯の頭まで移動して、朝日がバットレスを赤く染め上げる姿をカメラに収めようというわけです。


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3:10 テント場から稜線下の道を使ってトラバース道を目指します。緩いのぼりの道だと思っていたら、思いのほか傾斜のある区間もあったりで、そこそこ体力を削られますが、所詮カメラと雨具と水等しか入っていない折りたたみ式のバックパックなので、ほとんど空身のようなもの。足取りは軽快です。


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3:32 北岳山頂への分岐点を通過します。右へ行けばトラバース道を経由して八本歯のコルへと至ります。


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トラバース道は北岳の南東斜面を巻く道で、けっこうな急斜面の岩場を木製の梯子や橋で越える箇所があります。明るければそれなりに怖いかもしれませんが、真っ暗で高度感がまるでないので、恐怖はとくに感じませんでした。16年前にここを通過した時は、なにしろ初めてのことなので、その高度感にかなりびびったものですが、人間って慣れるものですねえ。ちょっとした高所恐怖症だったのに、いまではほぼ平気です。


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橋をわたろうとしたとき、足元に小動物が飛び出してきました。オコジョです。人間に興味があるのか、近づいてはパッと逃げ、また出てきて近づいてを繰り返します。


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コンデジなので、素早い動きを捉えるのはけっこう大変ですが、さいわい自分から寄ってきてくれるので写真におさめることができました。性格はけっこう獰猛な肉食動物ですが、見た目の愛らしさは抜群です。


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なんでこんなに興味を示してくれたのかはわかりませんが、動きもかわいかったです。


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オコジョに遊んでもらってから、暗闇の中を木橋を超えて行きます。


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梯子と木橋の合体した箇所もあります。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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4:02 やっとトラバース道から尾根道に出てきました。左に上がっていけば北岳山頂ですが、今回は八本歯へ向かうので、右に下っていきます。いつの間にか東の空が明るくなって来ています。


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見上げると北岳がわずかに明るくなり始めた空の中にシルエットを浮かび上がらせています。


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東の地平線はどんどん明るくなってきて、地上の様子がわかるようになって来ました。見渡す限りの雲海が広がっていて、八本歯の頭や白鳳三山が島のように浮かんでいます。コンデジでは空の明るさが強すぎて白飛びしてしまいました。


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一眼レフで、ハーフNDフィルターをつけて撮影すると、空の色も残しつつ、暗い雲海の表情もきちんと表現できました。


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富士山も見えています。


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八本歯のコルを越えて、その先の八本歯の頭に登るつもりでいましたが、コルの手前の小ピークに登ってみると、眼前に巨大なバットレスがドーンと見えるので、ここから撮影することにしました。


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目の前に八本歯の頭がシルエットになって聳えていますが、いまいるピークもほぼ同じ高さのようです。


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5:10 白鳳三山の後から太陽が顔を出しました。これまでの経験からすると、地平線に雲などなく、太陽が低い位置から顔を出したときのほうが光の赤味が強くなります。今日のように雲海があると、太陽が顔を出す時間が少し遅くなり、それだけ高い位置から光が山を照らし始めるので、思ったほど赤く染まることはありません。


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残念ながら今回は、まさにそのパターンでした。RAW現像時に少し調整して赤味を強調していますが、実際はもう少しプレーンな感じです。


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太陽が昇ってしばらくすると、暖められた大気が動き出すためか、それまで比較的静かだった雲海が荒海のように動き始めました。沸騰したお湯のように沸きあがり、鳳凰三山を飲み込みながら北岳の方へ流れ落ちてきます。最も標高の高い観音ヶ岳だけがかろうじて雲の波に飲み込まれずに姿を見せています。


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赤く焼けたバットレスの陰に隠れるように、ピラミッドのような甲斐駒ヶ岳が顔を覗かせます。


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間ノ岳もほんのり赤く染まりました。


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突然、近くで鳴き声がし始めたので振り返ると、ホシガラスが歌っていました。


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足元の岩陰には可憐な花がひっそりと咲いていました。


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朝のドラマチックな時間が終わるとあたりは急速に色あせて、見慣れた色の世界に変わってきました。


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赤く染まっていたバットレスも、グレーっぽい無表情な雰囲気です。


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5:37 撮影を終えてテントへ戻ることにしました。トラバース道までの登り返しはけっこうな急登です。


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トラバース道分岐を左に折れて、トラバース道へと向かいます。


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真っ暗闇の中で通過したときと違い、そそり立つような岩壁と、遥か下まで続く斜面の高度感がもろに視覚に飛び込んでくるので、少しばかり緊張感が違ってきます。


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雲海を眺めながらトラバース道を進みます。


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急斜面の区間を通過して、北岳から間ノ岳へと続く尾根に入ります。


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5:55 稜線の道との分岐を通過します。


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6:10 テントに戻ってきました。お腹がすいたので、ひとまず行動食で軽くエネルギーを補充して、間ノ岳を目指すことにしました。今日の目的地は農鳥小屋キャンプ場なので、休憩時間を入れても4時間もあれば楽勝です。なので、急ぐ必要はありません。

つづく。


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| 2016年8月 北岳・間ノ岳・農鳥岳 | 22:01 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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南アルプス 標高3000mの縦走路: 白峰三山 その2(北岳編)

2016年8月11日(木)~14日(日) 山梨県 北岳(標高3193m)・間ノ岳(標高3190m)・農鳥岳(3026m) テント泊単独行 


8月12日(金)
午前4時起床。すでに周囲はざわつき始めていて、キャンプ場はすっかり朝の雰囲気です。白飯にふりかけ、味噌汁、魚肉ソーセージというシンプルな朝食を素早く終えて、すぐにパッキングにとりかかります。


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5:30 撤収完了。北岳を目指して出発です。


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池畔のテントは半分ほどはすでになく、つかの間の静けさが満ちていました。


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池のすぐ前から草すべりコースへと進みます。地図のコースタイムは3時間ですが、ここの道標には肩の小屋3時間20分、北岳山頂4時間となっていました。どちらにしても楽な道のりではありません。もっとも、僕が持っている地図は16年前の2000年版なので、最新の地図ではコースタイムが違っているみたいです。


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草すべりとはよくいったもので、スキー場のゲレンデのような草地をジグザグに登って行きます。けっこう傾斜もきつく、すぐに汗が滴り落ちてきます。


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少し登って振り返ると、いつの間にか雲が山間に満ち始めていました。


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休憩時に頭上を見上げると、美しい緑の天蓋の向こうに透き通るようなきれいな青空が見えました。


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6:43 ようやく北岳が姿を見せてくれました。


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森林限界を超えたらしく、高い樹木が見られなくなり、視界が開けてきました。


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7:18 二俣から登ってくる右俣コースとの合流点です。ここまで2時間弱。肩の小屋まではもう1時間もかからないと思われるので、コースタイムよりも早く着けそうです。


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鳳凰三山がくっきり見えていました。


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道が斜め方向にトラバースするようになると、稜線までもうすぐです。


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7:50 やっと尾根に出ました。ここからはなだらかな尾根道です。


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前方に北岳を眺めながら気持ちのいい稜線歩きが始まります。とはいえ、照りつける日差しはきつく、空気はひんやりしているのに陽の当たる首筋や手はじりじりするような暑さです。


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快晴の3000mの稜線を進みます。


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8:24 途中、ちょっとした渋滞で時間をとられましたが、3時間をわずかに切る時間で肩の小屋まで登ってきました。右俣コース合流点から1時間もかからないと思っていましたが、軽く1時間かかっていました。


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雲海の彼方に富士山が頭を出していました。


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鳳凰三山も見えます。


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甲斐駒はきれいな三角錐の姿です。


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仙丈ヶ岳もくっきり。


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初めて訪れた肩の小屋ですが、やたらドラム缶がおかれています。


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小屋の手前にトイレがあり、登山者やテント利用の人はこちらを使うようです。小屋には別にトイレがありました。


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小屋の前にあるベンチが空いていたので、座って行動食を食べながら休憩をとりました。まだ朝早い時間ですが、下山してくる人やこれから登る人でけっこう混雑しています。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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8:46 休憩を終えて、いよいよ北岳への登頂に出発です。16年ぶりの山頂ですが、前回は北岳山荘から登って八本歯のコル経由で下山したので、肩の小屋側から登るのは初めてです。


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始めのうちは比較的なだらかな道なのでそれほどきつくありませんが、徐々に傾斜が増してきてしんどさもそれに比例していきます。


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9:06 肩の小屋から見えていた手前のピークに出ました。ここは両俣小屋へ下るルートとの分岐点になっています。ここからは大きな岩がごろごろと重なった稜線を進みます。


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前方にピークが見えてきましたが、偽ピークです。


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振り返れば肩の小屋もけっこう小さくなっていました。


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偽ピークを超えると、ようやく本物のピークが姿を現しました。


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9:35 16年ぶりに北岳山頂を踏むことができました。


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前回登頂した時はこんなりっぱな看板はなかったような気がします。


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看板のほうは記念撮影で人が多かったので、不人気の標柱のほうで自撮り。


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看板や道標がある場所はやたら人が多かったので、少し離れた岩の上に座ってのんびり休憩をとりました。


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北西方向に見えるのは仙丈ヶ岳。


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反対の南東方向には、雲海の彼方に日本一のお山が。向こうから見たら北岳はどう見えるのか。下山後に富士山登山をもくろんでいるので、富士山から見た北岳がどう見えるか楽しみです(残念ながらこの件は持ち越しになりました)。


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10:07 休憩を終えて北岳山荘を目指します。16年前に登って来た道なので、なんとなく見覚えがあります。


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八本歯のコルへのトラバース道分岐点を通過します。


10:55 北岳山荘に到着。ひとまず幕営場所を決めます。ちょうど公衆トイレの前の場所が空いていたので、正面に富士山を眺めるロケーションの場所にテントを張りました。


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最初は青色の僕のテントの他は1張りしかなかったのですが、15時にはこれ以上張るスペースがないぐらいきれいにテントが並んでいました。


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ちなみに、テントの周囲にはアブがけっこう飛んでいて、うかつに入口を開けているとどんどん入ってきましたが、テント内でパーフェクトポーション アウトドアスプレーを2~3回スプレーすると、不思議なほど寄り付かなくなりました。おかげで、入口を全開にしてゆっくり昼寝ができました。一度、入口近くにいたアブに直接スプレーをしてみたら、瞬間的に動きが止まって転げ落ちてきました。その後もまるで死んだかのように動きませんでしたが、殺虫成分は入っていないので、おそらく強烈な匂いで失神したのではないかと思われます。嗅覚の鋭い虫にとっては、失神するほどの刺激臭なんでしょう。虫除け効果もあるはずです。ただし、効果が長続きしないので、1日に何度かスプレーする必要があります。今回の山行では、50mlビンの8割ぐらいを使いました。






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僕のテントがある場所の下にも幕営場所がありますが、こちらもいつの間にかびっしりとテントが並んでいました。


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テント場のそばにある公衆トイレですが、驚きの最新型バイオトイレでした。


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中はなんとオールステンレス製の個室が並んでいて、人感センサーで利用者数をカウントして、処理能力が限界になったら赤ランプが点燈して使用禁止になるという仕組みのようです。おそらく、一定の時間使用禁止にすると浄化処理が進んで再び使えるようになるのでしょう。匂いもなくびっくりするぐらいきれいでした。そのためか、幕営料はちょっと高めの800円です。


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テント設営後、小屋の周辺をぶらぶらしてみました。北岳山荘は、入口側から見ると窓がまったくない要塞のような建物です。入口の右側にステンレスの流しがあり、水道が設置されています。水は無料で使用できました。16年前はたしか水を買ったような記憶があるのですが、今は自由に使わせてくれるようになったみたいです。ポンプ設備などがよくなって、水の確保が容易になったのかもしれません。左側の小屋は昭和大学の診療所です。


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診療所入口にはりっぱな看板がかかっています。


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この日はお盆休み期間だけあって、ふとん1枚に3名という混雑状況だったみたいです。やはり、荷物が重くなってもテントがいいなと思います。


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小屋の前から間ノ岳方向の二重山稜の間も幕営場所になっていて、こちらのほうはまだ空いていました。といっても、大岩が多いのでもともと幕営するのに適した場所が少ないだけかもしれません。


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お昼頃までは北岳も姿が見えていましたが、お昼をすぎるとガスが出始め、15時ぐらいにはすっかりガスで見えなくなっていました。


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展望もなく、夕焼けの可能性もなくなったので、早めの夕食です。以前は、朝に食べることが多かったラーメンですが、食後にクッカーを掃除するのがけっこう面倒なので、最近は夕食で食べるようになりました。スライス餅を入れるとボリューム感がアップして食べ応えがあります。


午前0時前に目が覚めて、空を見ると満天の星空が広がっていました。そそくさとカメラの準備をして、稜線の登山道を北岳方面に少し移動しながら撮影場所を探しました。少し風が強かったので、岩陰で風が弱まる場所を見つけて星景写真を撮影してみました。


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没する直前の赤い月光を浴びた北岳です。


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風除けにしていた2つの大岩をポイントにして西の空を撮影。地平線の赤味は月の残照です。


*クリックで拡大します
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久しぶりにバルブ撮影もしてみました。15分の露光です。グルグル感を出すには、もっと長時間の露光にしたほうがよかったかな。


*クリックで拡大します
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この時期はペルセウス座流星群が見られるということで、撮影中もたくさんの流れ星を見ました。しかし、うまく写真に捕らえられたのはこの1枚だけでした。左下は間ノ岳のシルエット。南西方面の空になります。明るいのは月の残照。


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最後に、あまり地上風景にポイントがない方角だったので、自作自演で撮ってみました。題して「両手いっぱいの星空」。

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つづく。


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| 2016年8月 北岳・間ノ岳・農鳥岳 | 02:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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南アルプス 標高3000mの縦走路: 白峰三山 その1(入山編)

2016年8月11日(木)~14日(日) 山梨県 北岳(標高3193m)・間ノ岳(標高3190m)・農鳥岳(3026m) テント泊単独行 


今年のお盆休みはどこも天候には恵まれていたようで、天気予報を見る限りではどこに行っても天気の心配はなさそうでした。GWに甲斐駒から眺めた北岳の印象が強く、16年ぶりに北岳に登ってみようかという思いはあったものの、立山から薬師岳を経由して雲ノ平、鷲羽岳を経て水晶岳から読売新道で黒部湖に下るというルートも捨てがたい。いや、いっそまだ足を踏み入れていない後立山縦走もよさそう。などと、浮気心に火がついたこともあって、直前までどうするか決めかねていました。


しかし、お盆休みで混雑必至であることや、南アルプスのほうが北アルプスよりもまだ空いていそうだし、なによりも北岳の雄姿が脳裏から離れないこともあって、当初の予定通り北岳を目指すことを決めたのでした。


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初めは北沢峠から仙丈ヶ岳、仙塩尾根をたどって間ノ岳から北岳へというルートを検討していましたが、長大で展望も利かず、しかもけっこう荒れ気味らしい仙塩尾根を歩くことにあまり魅力を感じず、どうせなら農鳥岳も登って白峰三山を落としたいということから、奈良田から入って広河原までバスで行き、白峰三山を南下して大門沢下降点から奈良田へ下るという縦走登山で行くことにしました。


8月10日の夕方には出発し、11日の始発のバスで奈良田から広河原へ移動するつもりでいたのですが、こういうときに限って仕事が入ってくるもので、10日の17時と18時に仕事が入ってしまい、しかも18時のほうは現場が玉野市。片道1時間近くかかるとあって、戻ってきたのは19時を回っていました。シャワーだけ浴びてさっさと出ればいいものを、夕食もたべたものだから出発したのは21時前。奈良田までは8時間ほどのドライブです。夜通し一人で運転するわけですから疲れもたまります。

8月11日(木)
奈良田駐車場に着いたのは5時過ぎ。始発のバスは5時30分なのでなんとか間に合ったのですが、さすがに一睡もしないで車を運転してきて、重いテント泊縦走の装備で標高3000mの肩ノ小屋まで登れるとも思えません。たとえ登れたとしても疲労困憊で動けなくなる可能性もあり、無理は禁物です。そういうわけで、始発はあきらめて次の9時の便で行くことにし、何はともあれ仮眠することにしました。車の中で横になってしまえば、いつの間にか意識は飛んでいました。


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7時過ぎに目が覚めました。わずか2時間の仮眠とはいえ、思いのほか頭はスッキリ。 準備を整え、8時20分ぐらいには駐車場入口にあるバス乗場に行きました。休日なので混んでいるだろうと思っていたのですが、まだ誰もいません。駐車場についたときは始発のバスの30分まえでもすでに列ができていたのに、1本遅らせるとこんなものなのかもしれません。


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ちなみに、僕が駐車したのは奈良田第二駐車場という川沿いの広い駐車場で、奈良田バス亭よりも少し上流にあります。写真で見ると満車みたいですが、奥行きがあるのでキャパの3割ぐらいの数しか停まっていません。


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グーグルマップでは「奈良田温泉駐車場」と表示されています。奈良田バス亭は大家旅館のすぐ隣にあり、道路沿いの草地などに駐車することができますが、すでに満車でした。

バスは奈良田バス亭から出ますが、こちらの駐車場にも停まります。満員で乗れなくなりそうな気がしますが、奈良田の乗客でほぼ満員のバスのほかに、空のバスがもう一台来るので心配無用です。奈良田のバス亭にはちゃんとした公衆トイレがあり水道も使えるのがメリットですが、第二駐車場のほうにもきれいな仮設トイレが3つ備えられていて、沢水を引いた手洗いも設置されているので、とくに困ることはありません。奈良田の下流側300mぐらいのところにある駐車スペースに停めて荷物を担いで歩いてバス停まで行くよりも、第二駐車場に素直に停めたほうが全然楽です。


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バスの時間が近づいてくると20人ぐらいの列ができましたが、お盆休みの初日である山の日にしてはこんなものかというレベルでした。バス料金は広河原まで1030円ですが、マイカー規制協力金として100円を徴収されるので、合計1130円です。マイカーを規制されてバスを利用しているのに、さらに協力金を取られるというのもなんだか妙な気がしますが、駐車場の整備代だと思えば納得です。



ここで一息。ぽちっと押して休憩したら続きをどうぞ。




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時刻表では9時45分に広河原着となっていますが、多少遅れて50分過ぎに到着しました。バス亭から少し歩くと吊橋があり、その手前で目指す北岳が見えました。16年前にもここからこの風景を眺めたのをいまでも鮮明に覚えています。購入したばかりのテント泊装備の重さに不安を覚えながらも、真っ青な空に聳える北岳の姿に武者震いがするような緊張感を覚えたものです。


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つり橋の風景もあの頃と同じです。わずかに揺れるつり橋を、一歩一歩足元を確かめるように渡ります。


つり橋を渡りきったところにある広河原山荘に立ち寄って、水の補給をし、もってきた菓子パンで朝食をすませ、トイレにも立ち寄って準備を整えます。肩ノ小屋まで行くかどうかわかりませんが、念のため水は3リットルほど持っていくことにしました。


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最近の夏場の山行では、1リットルのプラティパスをアミノバイタルウォーターのハイドレーションにして、予備の水をアルミボトルとプラティパスに分けておくというのがパターンです。アミノバイタルウォーターはそれ自体にカロリーがあり、アミノ酸も含有しているので行動食代わりにもなり、空腹感が押さえられシャリバテしにくいと感じます。スポーツドリンク同様に汗で失われた塩分などの補給もできるので、一石二鳥です。







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10:27 広河原で30分も使ってしまいましたが、ようやく出発です。ルートは大樺沢ルートの二俣経由です。二俣に着いた時点で、残り時間や体力状況で肩ノ小屋まで行くか、白根御池小屋でテントを張るか決めることにしました。


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約30分で白根御池分岐点です。多くの人が休憩していたので、ここは通過します。道標には白根御池、二俣ともに約3時間となっていましたが、山と高原地図だとコースタイムはそれぞれ2時間40分と2時間5分です。二俣から白根御池まで30分なので、結局トータルの時間はどちらでいっても同じようなもの。肩ノ小屋までなら二俣から右俣コースのほうが早いので、肩ノ小屋も視野に入れるならやはり大樺沢コースということになります。


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大樺沢コースは沢沿いの道なので、渓流の水音を聞きながら涼しい森の中を進みます。


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11:13 出発して45分が経ったところで、休憩によさそうな場所があったので、荷物を下ろしました。沢沿いの平地なので、汗ばんでほてった顔を洗ったりすることができていいところです。今回担いできたのは、オスプレー イーサー60。3泊4日のテント泊でカメラと交換レンズ一式を入れてちょうどいい大きさです。冬に使っているイーサー85よりも型が新しいので、オスプレーの欠点だったところがだいぶん改良されて使いやすくなっています。これも購入してからまだレビューしていないので、この後にでもレビュー記事を書こうと思います。


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この日はやや薄曇でしたが、それなりに日差しがあり、頭上に広がる木々の葉っぱが透過光に光って爽快感満点です。


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11:27 崩壊地を避けるために設けられた右岸の道へ渡るための仮設橋です。広河原からここまでは左岸を登って来ましたが、ここから右岸にわたります。右岸のコースは新しくつけられたためか、若干歩きづらいと感じる箇所が多いのですが、こればかりはしかたありません。


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12:16 左岸の崩壊地を過ぎ、再び左岸の登山道に戻る橋まで来ました。お昼時ということもあって、橋のたもとでランチ休憩をとりました。ここは橋がかかっていますが、沢は完全な枯れ沢になっていました。


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橋を渡って左岸のルートに戻ると、少し開けた感じになってきました。見覚えのある風景です。前方の沢の中に見える巨岩のあたりが二俣だったはずです。


二俣まであと少しというところで、急傾斜の斜面をトラバースしながら登っていくところで、上にあるルートを下っていた登山者が子供の頭ぐらいある石を二つも落としてきました。しかもそいつは、落とした直後に「ラク!」と叫ぶこともしないで、ただだまって石を落としたのです。落ちた先に僕がいたのを見つけて、「すいません」と謝っていたものの、石を落とした場合にすべき行動ができないような初心者だった可能性が高そうです。幸い、直撃されるようなことはありませんでしたが、草地の中をほぼ無音で落ちてきて右側の斜面から突然現れて足元へ転がり落ちてきた石をみるとさすがにしょうがないでは済ますことができず、つい声を荒げてしまいました。


それにしても、岩稜ならいざしらずこんな沢沿いの草地のルートで落石を起こすとはどういう歩き方をすればそうなるのか理解できません。こんな場所ですからヘルメットなんてかぶっていないし、もしも頭に落ちてきたらと思うとぞっとします。上を人が歩いている時は、常に落石の可能性を想定しておく必要があると思った出来事でした。


要するに、登山者の多くは自分の不注意で石を落として他者を傷つけたり、最悪の場合他者の命を奪う可能性があることを理解して歩いてはいないのです。おしゃべりに夢中になったり、花や虫に気をとられたり、ぼんやりと歩いていたりしているわけで、石を落とさないように常に足元に気を配り、下に人がいないか確認しながら歩いている人などほぼいないと思っておかないと、いつ何時災厄を被るかもしれません。世間一般が休みの時期や人気の山域では登山者の絶対数が増え、その分知識も技術も低い登山者も増えるわけで、そうなると事故にあう確立も増加します。数年前のザイテングラートでの落石事故などまさにその典型。悲しいことですが、山では他人を信用するなということです。


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13:31 やっと二俣に着きました。広河原からのコースタイム2時間30分のところを3時間かけてしまいました。ランチ休憩もしたし、やはり仮眠2時間しかとっていないので体力的にきついようです。ここからさらに3時間かけて3000mの稜線まで登る気力はさすがに湧いてきません。ということは、今日の目的地は必然的に白根御池小屋のキャンプ場ということで決定です。


ところで、二俣で休憩していたところ、右俣コースから下りてきた人が熊がいたと教えてくれました。この時はまだ白根御池小屋へいくかどうか迷っていたので、この一言が決断させた側面もあります。まあ、わりと人通りがあるコースなので、襲われることはないとは思いますが、やはり熊のいるところにわざわざ足を踏み入れる気にはなりません。


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13:51 休憩を終えて、白根御池小屋を目指します。仮設トイレの前を通って、等高線に沿ってほぼ水平なルートなので、この先は楽チンのはず。


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ところが歩き始めてみると、倒木や木の根を越えたりするのにけっこう体力を削られて、最初のうちは思ったほど楽な道ではありませんでした。とはいえ、後半はそういうこともなくなり、楽に歩けるようになりました。


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14:16 白根御池のキャンプ場に出ました。池畔にはすでにたくさんのテントが張られていて、テントを張るスペースはなさそうです。


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小屋のすぐ前までやってきて、ようやく自分のテントスペースを確保することができました。それなりに人通りがありそうですが、ほぼフラットな草地だったので、寝心地は申し分ない場所でした。それに小屋が近いので水場やトイレに行くのも便利で、悪くない場所でした。幕営料は500円。最近は値上がりした場所が多いのですが、ここは良心的な値段です。水場はちゃんとしたステンレスの流しと蛇口があるし、トイレは水洗でいうことなし。ソフトクリームも売っているし、小屋前には屋根つきのベンチもあります。小屋、キャンプ場ともにかなりポイントの高い良いところでした。


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テント設営後、キャンプ場を散策してみました。白根御池は緑色の水で見た目にはそれほどきれいな池ではありませんが、池畔にテントを張れれば気持ち良さそうです。それに、夜になると星空が水面に写っていい写真がとれそうです。残念ながら今回は無理でしたが、いつかもう一度来てみたいものです。


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テントに戻ってコーヒーと甘いものでも食べようと、もってきたチョコシューというお菓子を引っ張り出してみたら、半分こなごなになっていました。見た目はとにかく、味に変わりはないので食べましたが、やはり簡単につぶれない類のお菓子を持ってきたほうがいいなと悟りました。


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夕方からガスってきたこともあり、早めに夕食を食べ、18時過ぎには寝袋に潜りました。午前0時前に目が覚めて、外を覗いてみると星空が見えています。北の空に見事な天の川が肉眼でもはっきりと見えていたので、一眼レフを引っ張り出してテントの前で撮影していると、すぐに雲が出てきてわずか10分ほどで撮影タイムは終了。その後は再び眠りに落ちたのでした。

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つづく。


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| 2016年8月 北岳・間ノ岳・農鳥岳 | 18:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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