ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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絶壁と神様と紅葉と:天神山 vol 2

2010年11月23日 岡山県高梁市 天神山(標高777m)日帰り山行
vol 1はこちら。


七合目
 大権現のすぐ先に七合目の看板がありました。事実上、大権現が七合目といってもいいぐらいです。またまたたくさんのハートと「もうひとふんばり」の文字になんだか癒されます。このあたりはすでに人工林は無く、森の様子は明るい雰囲気です。

大権現上の絶壁
 大権現の祭られていた岩壁の上部は、恐ろしいほどの絶壁です。木々にさえぎられてもうひとつ全容がわかりませんが、かなりの高さがあることはまちがいないようです。もしかしたら、ここがこれから登ろうとしている鈴振崖の下部なのかもしれません。

ウリハダカエデ
 落葉広葉樹の森はいろいろな落ち葉が目に付きますが、七合目を過ぎてから目に付いたのが、この虫食い穴がたくさん開いた葉っぱ。アヒルの足のような三本爪の特徴的な姿は、ウリハダカエデだと思います。どういうわけか、この葉だけがどれもこれも虫食いだらけでした。きっとウリハダカエデが大好きな虫にいっぱいサービスしたのでしょう。

美しい森
 斜面の傾斜がきつくなり、登山道はジグザグの九十九折れのようにして斜面を登っていきます。かなり落葉の進んだ広葉樹の森は明るく、赤や黄色の残り紅葉が彩りを添えていい感じです。岩稜の登山道もいいのですが、こういう森歩きも気持ちがいいものです。低山侮るべからずです。

八合目
 八合目の看板がありました。今回はハートマークも俳句も無くてシンプルな看板でした。背後には岩壁がそびえています。

明星崖
 八合目の少し上で、木々の間から背後の岩壁を見ることができました。明星崖といわれている大岩壁です。

もうすぐ頂上
 九合目の看板をすっ飛ばして、「もうすぐ頂上」の看板になってしまいました。それとももしかしてここが九合目?

やっと頂上
 などと思っていると、すぐ上が頂上(正確には違いますが)のようです。

本当の頂上まで200m
 階段を上りきったところで道が3つに分岐していました。右に1本。左に2本に分かれています。天神山の本当の頂上まではまだ200mとなっています。

天満神社への道標
 左の2本の道のうち、上側の道に「天満神社」の道標がありました。左手に見える道がもう1本の下側の道ですが、この道には何も表示がありません。方向からすると鈴振崖という明星崖を見る展望台に続く道だと思われますが、とりあえず天満神社に向かうことにします。

ベンチのある広場
 階段を少し登ると、天満神社への道は左に折れるのですが、正面にベンチのある広場がありました。妙に広いのが気になって上まで登ってみると・・・

広場の奥
 広場の先にアスファルトの道が見えました。登山口で確認した探鳥路の案内板にあった車道の終点のようです。車の通行が可能なのかどうかわかりませんが、りっぱなアスファルト舗装の道が通じているということです。この先に天神山山頂があるようなので、あとで行ってみることにして、とりあえず天満神社へと向かいます。

天満神社
 天満神社への道は、神社の裏手に通じていました。社殿の後ろに寄り添うように巨樹がたっていました。イヌシデという木だそうですが、雰囲気のある立派な木でした。ここに神社が建立されたのも、この木があったからかもしれません。

鈴振崖への道標
 天満神社の先に鈴振崖への道標がありました。3つに分岐していた表示のない残りひとつの道は、ここへつながっていました。

鈴振崖への道
 鈴振崖に通じる道は、落ち葉の積もった平坦な道でした。

岩の道
 と思ったら、すぐにごつごつした岩の上を行く道になります。右側はどうやら崖になっているらしくて、鎖の柵が設置されていました。

岩の道からの展望
 木がまばらになると、右側の展望が開けました。なかなかいい眺めです。

鈴振崖へののぼり
 平坦な道の傾斜が急になり、左に折れて続いていきます。

なぜか明星崖の道標
 頂上らしきところまで出たら、右 明星崖、左 天満神社の道標がありました。でも、ここは鈴振崖のはず。どういうこと?

明星崖
***写真をクリックすると拡大写真になります***

 崖の先端まで行ってみるとその理由がわかりました。ここから明星崖が見渡せるということのようです。つまり、明星崖が展望できるという意味であの案内板を設置したようですが、やっぱりちょっとおかしいです。まあ、そんなことはどうでもよくて、さすがにすばらしい展望です。日差しに白く輝く絶壁とそれを彩る赤や黄色の紅葉、はるかに続く山並みが美しく広がっていました。

吹屋
 遠くの山並みの中に集落が見えました。方角と距離からするとおそらく吹屋の町並みなど思います。かつてベンガラで栄えた街で、ベンガラの渋い赤の土壁の町並みがノスタルジックできれいな町です。この街から少し外れたところに、かつて映画八つ墓村のロケに使われた豪邸 広兼邸などがあり、登山のついでにぜひ訪れてほしいところです。下の写真は、以前吹屋を訪れたときのもので、2枚目が広兼邸です。
吹屋の町並み

広兼邸


探鳥路案内板
 鈴振崖からの眺めを堪能しつつお昼を食べたのですが、吹く風の冷たさに耐えかねてそうそうに退散することにしました。天満神社の先の広場までもどって案内板をみてみると、探鳥路の途中から天神山山頂のほうへ出られるようです。もしかしたら明星崖に出る道もあるかもしれません。

野鳥の解説板
 隣には探鳥路でみられる野鳥の説明が書いてありましたが、葉の落ちたこの時期にはたしているのでしょうか。

探鳥路
 とりあえず、探鳥路から天神山山頂を目指すことにして、探鳥路を進んでみました。ここも落ち葉が厚く積もった気持ちのいい道です。しかし、少し先からけっこうな勢いで道が下り始め、分岐路まで行く頃にはかなり下ってしまいそうでした。鳥の鳴き声などまったくしない静かな晩秋の森なので、探鳥路としては役目を終えているようです。下りすぎてしまうと登り返すのが大変なので、もと来た道を引き返しました。もちろん、明星崖に行く道もありませんでした。ただし、あとからネットで調べると、明星崖に行く道もあるようです。ただ、あまり展望はよくないようです。

天神山山頂の道標
 探鳥路の案内板までもどり、アスファルト道路をさらに奥へと進むと、年配の登山者グループが休憩していました。どうやら、朝駐車場に停めてあった車で来られた方のようです。彼らのすぐ近くに天神山山頂への道標がありました。

天神山山頂への登山口
 アスファルト道路から左上に登る踏み跡が続いています。

天神山山頂への登山道
 緩い傾斜の笹原の道をどんどん進んでいきます。

アベマキ
 道の傍らに厚くてコルクのような樹皮の木がありました。アベマキのようです。コルク質の樹皮が特徴的な木で、岡山県の山によく見られます。

登山道の分岐その1
 さらに進むと、なぜか陶製の土管が立っていて、道が二手に分かれています。なんの表示もありません。山頂を目指すのだからやっぱり上かなあと、左に進んでみましたが、すぐ先で下りになっていました。森の向こうに山頂らしき山が見えましたが、道はそちら方向には向かわず、斜面を巻くように下っていく雰囲気なので、これは違うと思い分岐まで引き返し、右の道を進みました。

分岐その2
 緩い傾斜を下っていくと、今度はアベマキの木を中央にまた道が分かれていました。今度はどっちも下り道です。一瞬迷いましたが、よく見るとアベマキの右側に何かぶら下がっています。

右道への表示
 近づいてみると「山頂は右道へ」と書かれてあり、赤テープもつけられていました。

天神山山頂
 右の道を進んでいくと、緩いのぼりの道になり、すぐに小さな広場に出ました。道はそこでおしまいです。つまり、ここが天神山の山頂ということです。時間は12時11分。アスファルトの道からわずか10分でした。

山頂の三角点
 標高777mの山頂には、三角点が設置されていました。展望はまったく無い、森の中の広場です。歩いてきた登山道以外にも踏み跡らしきものが3本ほど別々の方向にありましたが、まともな道かどうか怪しいので、写真だけ撮って引き返しました。

 他にはなにもないので、あとは下山するだけです。今回は大山の反省を活かしてダブルストックを持ってきたので、ストックを使ってさくさく下りました。

下山時の駐車場
 駐車場に着いたのは13時15分。下りは約1時間の道のりでした。駐車場には車が4台。私の後からご夫婦が登ってこられ、下山時に単独行の男性とすれ違ったので、ちょうどぴったりです。荷物を降ろして靴を脱いでいると、最初に停まっていた車のグループが降りてきました。足立ナンバーの私の車を見て、「東京からきたんですか!?」と、ちょっとびっくりしていましたが、そんなわけあるかい! 今は岡山に住んでるんですと説明しておきましたが、そういえば同じようなことがわりとよくあります。横着しないでナンバーを交換しないといけないとちょっと反省しました。でも、結局そのままなんですが・・・

おわり。

■山行データ
<往路所要時間> 1時間47分
登山口9:25→五合目10:07→七合目10:38→八合目10:55→天満神社11:05→鈴振崖11:12

<復路所要時間> 1時間3分
天神山山頂12:12→駐車場13:15

<登山道情報>
ほぼ全ルート階段の登山道なので、普通のスニーカーでも問題ありません。
途中ベンチなどないので、休憩用にシートがあると便利です。
トイレ・水場とも登山口にも頂上にもありません。下山後は吹屋方面に少し行ったところにある西江邸駐車場の公衆トイレが一番近いと思います。


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| 2010年11月 天神山 | 18:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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絶壁と神様と紅葉と:天神山 vol1

2010年11月23日 岡山県高梁市 天神山(標高777m)日帰り山行

 一昨日、伯耆大山の象ヶ鼻まで登ったばかりで若干疲れが残っていたものの、いい天気になるとの予報で出かけました。もともと11月13日に登る予定だった山なので、紅葉が終わる前に登っておきたいというのも理由のひとつです。

 事前に調べたところ登りに3時間程度かかるらしいので、朝8時前に自宅を出て近所の24時間スーパーで昼食のおにぎりを買い、岡山自動車道総社ICから賀陽ICまで高速道路に乗りました。岡山自動車道は無料化実験中なので、岡山自動車道のIC間は無料で利用できます。この実験が始まってからは、県北へ行くのにこの自動車道を使うことが普通になりました。おかげで時間短縮ができ助かります。高梁までは国道180号線を使うと1時間かかりますが、高速を使うと40分ほどです。

天神山登山道入口表示板
 高梁から成羽を抜けて、成羽川沿いの道をべんがらで有名な吹屋方面に進んでいくと、およそ30分で天神山登山口に到着です。登山口は県道33号線沿いにあり、案内板も出ているのですぐわかります。

天神山登山道駐車場入口
 案内板に従って県道から左に入ると、右に登山道、左と正面奥に駐車場があります。駐車場は2段になっていて、手前よりも奥の駐車場のほうが広いです。

奥の駐車場
 奥の駐車場まで上がってみると、広島ナンバーの車が一台停まっているだけでした。さすがにマイナーな山なので、こんなものでしょう。隣に車を停め、準備をして登山道に向かいます。

中国自然歩道案内板
 念のため駐車場入口にあった看板を確認します。1枚は中国自然歩道の案内でした。吉備高原を横断するこの自然歩道は、いつか県内全ルートを踏破してみたいと思っていますが、公共交通機関をうまく利用して歩くためには、2~3泊の行程で何度かに分けないとうまくいかないので、年末年始やGWなどの連休をうまく使う必要があります。天神山登山道もこの自然歩道の一部になっています。

天神山探鳥路案内板
 もう1枚の看板は、天神山頂上にある探鳥路の案内板のようです。よく見ると天神山の裏側から車でも上がれるようになっているみたいです。車で登れるのだったら登り甲斐がないなあとややがっかりしつつ登山口に向かいます。

天神山登山口
 登山口にはそれとわかる標示がなにもなく本当に登山道なのか確信がもてなかったのですが、ほかに道らしいものはなさそうなので先に進んでみました。出発時間は、9時25分でした。

登山口の紅葉
 このあたりの山は里山の雰囲気が残っていて、きれいな紅葉が見られました。

落ち葉の登山道
 落ち葉が厚く降り積もった道を踏みしめながら、ゆっくりと歩きます。

天神山遠望
 カーブを曲がると、天神山らしき頂が遠くに見えました。山頂付近にある絶壁と紅葉の取り合わせが美しいという天神山ですが、たしかに見事な絶壁が見えています。

路傍のおじぞうさん
 道の傍には、お地蔵さんが一体。朝日を浴びて気持ちよさそうです。

人工林に向かう登山道
 道は小さな沢を渡り、うすぐらい人工林へと入っていきます。

紅い俳句の看板
 登山道脇に俳句の看板がぶら下げてありました。著名な俳人なのか地元の人の句なのかわかりませんが、毒々しい赤に塗られた看板はちょっと環境にそぐわないように感じます。

倒木ある登山道
 登山道は沢の右岸に沿って上っていきますが、人工林の手入れがなされていないらしく、倒木が道をふさいでいるところもあります。

頂上まで1700mの看板
 倒木をくぐったところにまた俳句の看板がありました。今度は、登山口からの距離もメモ書きされています。そして、頂上までの距離が書かれた看板も。下から500mで上まで1700mということは、登山道の全長は2200mということです。それぐらいの距離だったら、自分のいつものペースでも2時間もかからないで行けそうです。いつものペースといっても、写真を撮りながら比較的ゆっくりのペースであって、さくさく歩くということではありません。

石段になった登山道
 やがて谷が狭まってくると、登山道は古い石段の道に変わります。途中で沢を越えて、今度は左岸沿いに上を目指すようになると、右岸は薄暗い人工林、登山道のある左岸は明るい自然林になりました。

巨岩をつつむ木
 進んで行くと、登山道脇に大きな岩があり、その岩をわしづかみにするように木が根を張っていました。岩のくぼみで発芽した種子が生きるために岩の上に根を伸ばし、いつしか岩を包み込むようにして成長し、地面まで根を伸ばした結果でしょう。ここまで成長するのにどれほどの時間を要したのか想像すると、その執念に脱帽するばかりです。

ホオノキの落ち葉
 石段はいつしかコンクリート製の丸太風資材でつくられた階段にかわりました。その階段を上っていくと、今度は登山道が大きな茶色い落ち葉で埋め尽くされていました。ホオノキの落ち葉のようです。トチノキの葉っぱとよく似ていますが、葉っぱの先端にとがった部分がないので、ホオノキの葉っぱだと思われます。25.5cmの自分の足の大きさと比べてもずいぶん大きな葉っぱです。昔の人がこの葉っぱをお皿代わりにつかったりしたというのも、なるほど納得です。

五合目の看板
 そして、やっと「五合目あたり」の看板を見つけました。時間は10時7分。登山口からおよそ30分の道のりでした。それにしても、なぜハートマーク一杯なんでしょう。「足元に気を付けて」の言葉とともに、なんだからラブラブ気分の五合目でした。

頂上まで1200mの看板
 五合目看板のすぐ上に、頂上まであと1200mの看板も発見。1700mの看板から約25分かかっているので、100mあたり5分かかっている計算になります。とすると、山頂までは約1時間というところでしょう。

モミジの落ち葉
 自然林の森を抜ける登山道になってからは、登山道は色とりどりの落ち葉が敷き詰められた道になり、歩いていて楽しい気分になります。なかでも紅いモミジが多くおちていると、ちょっとしたレッドカーペットを歩いているようで気分も上々です。

黄葉するモミジ
 時折、黄色いモミジが頭上に枝を広げているのも、目の保養になります。

蛇のような根の木
 再び巨岩が登山道脇にそびえているところに来ました。ここでも岩の上にしがみつくような木があって、大蛇がうねっているような太い根が岩の上を地面に向けてはっていました。天神山の木は、他の山よりも生命力が強い木が多いのでしょうか。なんだか、パワースポットに来たような気になってきました。頂上付近に神社があるということを考えると、昔の人もそんな風に感じていたのかもしれません。

とぐろを巻く根
 別の岩にへばりついた木です。こちらはあまりにも高さがあるので根は地面を目指さず、岩の上でとぐろを巻くようにしていました。岩のわずかな隙間に細い根をもぐりこませて体を支えているのでしょう。

落ち葉の積もる階段
 ふかふかで、かさこそと音を立てる落ち葉が敷き詰められた階段は、途切れることなく頂上へと続いています。

頂上まで700mの看板
 登山道の傾斜が少しきつくなってきた頃、頂上まであと700mの所まで来ました。10時34分です。あと1200mの看板から500m、所要時間は約25分。計算どおり100mを5分で登ってきていました。

大権現
 登山道の正面に絶壁がそそり立っている場所に来ました。絶壁の下がちょっと凹んだ岩屋のようになっており、そこに小さなおじそう様が祭られていました。体は小さいけれど大権現と書かれており、なんだかりっぱな神様っぽい雰囲気です。大権現って何?と思って調べてみたところ、権現というのは、仏教の仏が神の姿を借りて出現したものという思想に基づいた日本の神の神号のひとつだそうです。権というのは「仮の」という意味だそうで、昔の役職である権大納言のような使い方と同じとか。つまり、権現とは仏が仮の姿で現れたものという意味です。神号というのは、帝釈天とか弁財天、大黒天など、古代インドの神が仏教にとり入れられたときの神号「天」に相当するものだそうです。日本の神道や山岳信仰と修験道が結びついたものが仏教に取り入れられたものが「権現」ということなので、天神山の大権現ももともとは山岳信仰の神様だったのでしょう。かつて巨岩は神として崇拝されていましたから、天神山の絶壁は神そのものだったのかもしれません。

vol 2に続く

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| 2010年11月 天神山 | 16:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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