冬直前、ぽかぽか陽気の山日和:櫃ヶ山(ひつがせん) vol 4
2010年12月5日 岡山県真庭市 櫃ヶ山(標高953.5m)日帰り山行
vol 1、vol 2、vol 3はこちらをご覧ください。
昼寝から目覚めて時計を見ると、13時30分でした。わずか30分ほど眠っただけですが、なんだかすごくすっきりして、体のだるさも無く爽快な目覚めでした。心地よい日差しの中で眠ることがこんなに気持ちのいいことだったとは! なんだかずっと忘れてしまっていたことを思い出したような気持ちです。陽だまりで眠る猫が幸せそうに見える理由がわかったように気がします。

いつまでものんびりしているわけにも行かないので、下山することにしました。下山ルートは、頂上から南側に下り、大庭皿の集落跡から登山口へ戻るルートで戻ります。「下山道 竜頭の滝」と書かれた道標に従って、13時45分に山頂から南側に下り始めました。

笹原の尾根を下っていきます。

国土地理院の地図によると、山頂直下のやや平坦になったテラス状のところから、山頂南側にある最初の尾根を下るようにルートが記されていました。恐らくあの先にある笹が刈り払われたところから左下に伸びる尾根に下山ルートがあるのだろうと思いながら下っていきました。ところが、そこに着いても尾根を下る登山道は見当たりません。何度も地図と見比べ、行きつ戻りつして道を探しましたが、道らしきものはありません。道がない以上どうしようもないので、「そんなアホな」と思いながらもさらに下って行きました。

山頂からテラス状の場所を過ぎて、一段低い鞍部まで下ってきたところでやっと下山道の道標を見つけることができました。14時06分でした。ここから下るとなると、尾根道ではなくて谷の斜面を下る道になります。後日目を通した山と渓谷社が出している「岡山県の山」で紹介されているルートも、国土地理院と同じでした。どうやら、国土地理院の地図をそのまま利用しているようですが、実際との相違を考えると国土地理院の地図はかなり古いもののようです。最近ルートが変わったのであれば、まだ登山道の名残があってもよさそうなものですが、すでに地図に記載されている場所は笹原となっていて、登山道がそこにあった痕跡すら見つけられませんでした。

とりあえず、道標に従って下山を始めました。斜面を斜めに下っていく下山道は、案外急傾斜です。

左手を見ると、おそらくかつての下山道があったと思われる尾根が見えていました。あの尾根を下るほうがらくだろうに、なぜ道を付け替えたのでしょうか。途中で崩落でもあったのかもしれません。

どんどん下っていくと、道に水が染み出してどろどろになっている箇所もありました。ぬかるみに足を突っ込まないように気をつけながら進みます。

右手に沢が近づいてくると、登山道の傾斜もようやく緩やかになってきました。

右手の沢の所まで下りてくると、道は沢を越えて対岸に続いていました。

やがて、もう一度沢を越えてもとの左岸に戻ってくると、人工林が現れました。尾根に沿って杉か檜が植えられているようですが、「櫃ヶ山・星山へ谷川に沿って進んでください」と書かれた看板が立っていました。わざわざこういう看板を立てるところみると、以前の下山道はこの尾根を上から下ってきて、ここで合流していたのかもしれません。

さらに下っていくと、再び沢を越えて右岸に渡ります。そのすぐ先に石垣が現れてきたので、この山奥にもかつて人が住んでいたのでしょう。その石垣のある場所の右手奥の山肌が妙に茶色いのでなんだろうと思ってよくみると、なぎ倒された杉の人工林の無残な姿でした。何年か前に台風で県北の杉や檜の人工林が大きな被害を受けたことがありましたが、ここもきっとそのときの被害を受けたのでしょう。山奥で、今は誰も手入れをしていない見捨てられた人工林なのか、いまだに手つかずで放置され、すっかり死に絶えた森になっていました。

そこからは手入れがされていない暗い杉の林の中を歩いて、やっと林道まで出てきました。時間は14時57分でした。

林道を渡ってさらに森の中を進んで行くと、登山道脇に背の高い石垣が組まれた場所がありました。少し先には、かなり古そうな土蔵らしき建物もありました。

土蔵の横には古い井戸がひとつ。見つめていると貞子が出てきそうで、ちょっと怖い雰囲気です。どうやらここが大庭皿の集落跡のようです。林道から15分程度の距離です。こんな山道しか通じていない集落は、やはり住むには不便すぎて住民が出て行ってしまったのでしょう。

集落跡のはずれで道が二股に分かれていましたが、下には廃墟のようなものがあったので、迷わず上の道を進みました。この分岐には何の道標もないので、下山だからといって下に行かないよう気をつける必要があります。もっとも、下に行っても行き止まりになるようなので、すぐに間違っているとわかると思います。

大庭皿からしばらく行くと、今度はちゃんとした道標のある二股の分岐がありました。15時19分でした。右が「下山道」、左が「登山口」と書いてあり、普通は右へ行けば間違いないところです。

しかし、右へ下りてしまうと登山口まで国道を少し戻らなくてはいけません。滝を見たければそれでもいいのですが、自分としてはまっすぐ登山口に戻りたかったので、左の「登山口」の方向に進むことにしました。

やや不安感もありましたが、道はしっかりしており、15時33分に登山口上の集落に無事到着です。
登山口に到着したのは、15時42分でした。下山は1時間程度でいけるかと思っていましたが、しっかり2時間弱かかっていました。山頂直下の下山道探しに少し行きつ戻りつして時間を取ったとはいえ、案外歩く距離が長かったようです。普通に下りても1時間30分は見ておいたほうがいいかもしれません。
おわり。
■山行データ
<往路所要時間> 3時間7分
登山口9:30→五合目10:47→天狗の森分岐11:26→天狗の森11:48→八合目12:19→九合目12:25→頂上12:37
<復路所要時間> 1時間57分
山頂13:45→下山道入口14:06→林道14:57→竜頭の滝への分岐15:19→登山口15:42
<登山道情報>
五合目から上はすべり安い山道なので、トレッキングシューズか登山靴のほうがいいでしょう。
途中ベンチなどありませんが、五合目から上は草地がところどころあるので休憩する場所には困りません。ただ、下が濡れている場合を考えてシートがあったほうがいいでしょう。
トイレ・水場とも登山口、頂上にはありません。トイレは天狗の森に1箇所あります。水場は天狗の森分岐近くにある銀嶺水で補給可能です。
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昼寝から目覚めて時計を見ると、13時30分でした。わずか30分ほど眠っただけですが、なんだかすごくすっきりして、体のだるさも無く爽快な目覚めでした。心地よい日差しの中で眠ることがこんなに気持ちのいいことだったとは! なんだかずっと忘れてしまっていたことを思い出したような気持ちです。陽だまりで眠る猫が幸せそうに見える理由がわかったように気がします。

いつまでものんびりしているわけにも行かないので、下山することにしました。下山ルートは、頂上から南側に下り、大庭皿の集落跡から登山口へ戻るルートで戻ります。「下山道 竜頭の滝」と書かれた道標に従って、13時45分に山頂から南側に下り始めました。

笹原の尾根を下っていきます。

国土地理院の地図によると、山頂直下のやや平坦になったテラス状のところから、山頂南側にある最初の尾根を下るようにルートが記されていました。恐らくあの先にある笹が刈り払われたところから左下に伸びる尾根に下山ルートがあるのだろうと思いながら下っていきました。ところが、そこに着いても尾根を下る登山道は見当たりません。何度も地図と見比べ、行きつ戻りつして道を探しましたが、道らしきものはありません。道がない以上どうしようもないので、「そんなアホな」と思いながらもさらに下って行きました。

山頂からテラス状の場所を過ぎて、一段低い鞍部まで下ってきたところでやっと下山道の道標を見つけることができました。14時06分でした。ここから下るとなると、尾根道ではなくて谷の斜面を下る道になります。後日目を通した山と渓谷社が出している「岡山県の山」で紹介されているルートも、国土地理院と同じでした。どうやら、国土地理院の地図をそのまま利用しているようですが、実際との相違を考えると国土地理院の地図はかなり古いもののようです。最近ルートが変わったのであれば、まだ登山道の名残があってもよさそうなものですが、すでに地図に記載されている場所は笹原となっていて、登山道がそこにあった痕跡すら見つけられませんでした。

とりあえず、道標に従って下山を始めました。斜面を斜めに下っていく下山道は、案外急傾斜です。

左手を見ると、おそらくかつての下山道があったと思われる尾根が見えていました。あの尾根を下るほうがらくだろうに、なぜ道を付け替えたのでしょうか。途中で崩落でもあったのかもしれません。

どんどん下っていくと、道に水が染み出してどろどろになっている箇所もありました。ぬかるみに足を突っ込まないように気をつけながら進みます。

右手に沢が近づいてくると、登山道の傾斜もようやく緩やかになってきました。

右手の沢の所まで下りてくると、道は沢を越えて対岸に続いていました。

やがて、もう一度沢を越えてもとの左岸に戻ってくると、人工林が現れました。尾根に沿って杉か檜が植えられているようですが、「櫃ヶ山・星山へ谷川に沿って進んでください」と書かれた看板が立っていました。わざわざこういう看板を立てるところみると、以前の下山道はこの尾根を上から下ってきて、ここで合流していたのかもしれません。

さらに下っていくと、再び沢を越えて右岸に渡ります。そのすぐ先に石垣が現れてきたので、この山奥にもかつて人が住んでいたのでしょう。その石垣のある場所の右手奥の山肌が妙に茶色いのでなんだろうと思ってよくみると、なぎ倒された杉の人工林の無残な姿でした。何年か前に台風で県北の杉や檜の人工林が大きな被害を受けたことがありましたが、ここもきっとそのときの被害を受けたのでしょう。山奥で、今は誰も手入れをしていない見捨てられた人工林なのか、いまだに手つかずで放置され、すっかり死に絶えた森になっていました。

そこからは手入れがされていない暗い杉の林の中を歩いて、やっと林道まで出てきました。時間は14時57分でした。

林道を渡ってさらに森の中を進んで行くと、登山道脇に背の高い石垣が組まれた場所がありました。少し先には、かなり古そうな土蔵らしき建物もありました。

土蔵の横には古い井戸がひとつ。見つめていると貞子が出てきそうで、ちょっと怖い雰囲気です。どうやらここが大庭皿の集落跡のようです。林道から15分程度の距離です。こんな山道しか通じていない集落は、やはり住むには不便すぎて住民が出て行ってしまったのでしょう。

集落跡のはずれで道が二股に分かれていましたが、下には廃墟のようなものがあったので、迷わず上の道を進みました。この分岐には何の道標もないので、下山だからといって下に行かないよう気をつける必要があります。もっとも、下に行っても行き止まりになるようなので、すぐに間違っているとわかると思います。

大庭皿からしばらく行くと、今度はちゃんとした道標のある二股の分岐がありました。15時19分でした。右が「下山道」、左が「登山口」と書いてあり、普通は右へ行けば間違いないところです。

しかし、右へ下りてしまうと登山口まで国道を少し戻らなくてはいけません。滝を見たければそれでもいいのですが、自分としてはまっすぐ登山口に戻りたかったので、左の「登山口」の方向に進むことにしました。

やや不安感もありましたが、道はしっかりしており、15時33分に登山口上の集落に無事到着です。
登山口に到着したのは、15時42分でした。下山は1時間程度でいけるかと思っていましたが、しっかり2時間弱かかっていました。山頂直下の下山道探しに少し行きつ戻りつして時間を取ったとはいえ、案外歩く距離が長かったようです。普通に下りても1時間30分は見ておいたほうがいいかもしれません。
おわり。
■山行データ
<往路所要時間> 3時間7分
登山口9:30→五合目10:47→天狗の森分岐11:26→天狗の森11:48→八合目12:19→九合目12:25→頂上12:37
<復路所要時間> 1時間57分
山頂13:45→下山道入口14:06→林道14:57→竜頭の滝への分岐15:19→登山口15:42
<登山道情報>
五合目から上はすべり安い山道なので、トレッキングシューズか登山靴のほうがいいでしょう。
途中ベンチなどありませんが、五合目から上は草地がところどころあるので休憩する場所には困りません。ただ、下が濡れている場合を考えてシートがあったほうがいいでしょう。
トイレ・水場とも登山口、頂上にはありません。トイレは天狗の森に1箇所あります。水場は天狗の森分岐近くにある銀嶺水で補給可能です。
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| 2010年12月 櫃ヶ山 | 00:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑