ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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大山東壁のビューポイント: 烏ヶ山北西尾根その2

2014年3月16日 鳥取県江府町 烏ヶ山北西尾根(仮称) 単独日帰り



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1つ目のピークと2つ目のピークの間にある長い鞍部を越えて、2つ目のピークへの登りに取り付きます。いままでは比較的木々が多かったのですが、ここらあたりから少しまばらになってきました。


少し登ったあたりでわずかにテラス状になっている場所があり、先行者のトレースはそこで終わっていました。足跡がたくさん残っていたので、ここで休憩したか撮影してもどったようです。


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たしかにこの場所は東大山が正面に大きく見え、1つ目のピークからはキリン峠がやや邪魔な感じがしていたのに対して、その存在感はかなり小さくなり、東壁とその上にピンと空を突き刺すような槍ヶ峰の姿が美しく見えています。槍尾根の左側には少し南壁も姿を見せています。僕も荷物を下ろして少しの間大山東壁の撮影に時間を費やしました。


先行者と同様にここで引き返してもいいのですが、2つ目のピークまではあと少しです。せっかくなので上まで行ってみることにしました。ここから先は傾斜がさらに急になり、また尾根上に木が生えていたりしてちょっと歩きにくそうですが、まあなんとかなるでしょう。


ワカンのまま取り付いてみましたが、雪がしっかり締まっていてワカンを蹴りこめない場所があったり、逆に柔らかすぎて足元が崩れてしまったりで、思うように登れません。なので、いったん戻って、クランポンとアックスの装備に変更して、再び上を目指しました。


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登っていくと尾根が傾斜を増すと同時に急速に狭まり、低木が生えていたりしてちょっと厄介な状況になりました。右手は雪庇が張り出していて、その先は切れ落ちた崖みたいなので、巻くことができません。


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左側は倒壊地のような広い斜面ですがけっこう傾斜はあります。尾根下に低木がありますが巻いて行けそうです。少し足を踏み出してみたところ、雪が緩く体重をかけると足元がずり~と流れていきます。足場を固めながらでないとやばそうなので、時間をくいそうな感じです。


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やっぱり、尾根通しでまっすぐ突破することにしました。邪魔な木の枝をくぐり、急傾斜の場所を登りきると、そこから先は木のない見通しのいい尾根になっていました。少し雪が深いものの、それほど沈みこむこともなく、労せずして11時40分に2つ目のピークにたどり着きました。


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2つ目のピークは標高が約1390mで、烏ヶ山から北西に延びる尾根の末端にあたります。この尾根が地形図で見てもなかなかシャープな狭い尾根で、ここから烏ヶ山山頂までがやっかいな部分といえそうです。目の前にある雪庇は、烏ヶ山北側にある崩壊地のような崖の上に大きく張り出していて、踏み抜いたらかなりの高さを転がり落ちそうです。


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足元にはこんな風景が広がっています。


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ここから見る大山東壁は、さすがに標高が高くなり障害物は何もないのですっきりと良く見渡せます。しかし、南壁がわりと存在感を増してきて、山の形がいびつになったというか、あまりかっこよくありません。大山東壁のビューポイントは、2つ目のピークまで登ってこないほうがよさそうです。であれば、これ以上登る必要はありません。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



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ということで引き返そうかと思いましたが、まだ12時前だし、ロケハンとしては終了でも、登山としてはこの先の状況が気になるので、とりあえず3つ目のピークまで行ってみることにしました。


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ところが、20mぐらい歩いたところで、踏み出した足が大きく崩れて、一瞬ヒヤッとしました。崩れた部分を掘り下げて雪の断面を見てみると、2層に別れているのが見えます。上は比較的新しく柔らかい雪、下側は水分の多いややシャーベット状になりかけたようなわりと固めの雪。この2層の境界部分が弱いらしくて、うかつに足を置くとそのままずるりと斜面下側へとずり落ちてしまうわけです。今日は気温が高く、お昼に近くなって雪が緩み始めたのかもしれません。天気予報ではなだれ注意報もでていましたから、この先のナイフリッジに近い尾根の斜面をトラバースして歩くのはやばそうです。


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3つ目のピークまではもう目と鼻の先ですし、烏ヶ山はそのすぐ先ですが、無理して登る理由もないので、ここで引き返すことにしました。


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11:54 まだ昼前ですが、きびすを返して自分のトレースをたどります。2つ目のピーク下までは先行者のトレースがあったので、なんとなく達成感のない山行のような気分でしたが、そこから2つ目のピークまで短いとはいえ先行者としてトレースを残せたので、やっと溜飲を下げることができました。


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下っていくうちに、大山山頂部にあったガスが薄くなって、大山東壁がすっきりと見えるようになってきました。2つ目のピーク下あたりから見る大山東壁は、南壁が見えなくなって山の形が三角形になり、端正で迫力のある姿に見えます。やはりこのあたりがベストビューポイントのようです。


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登ってくるときに気がつかなかったビューポイントを探しながら1つ目のピーク下まで下ってきましたが、基本的には登りの途中で見つけた場所以外にはこれといっていい場所はありませんでした。しかし、山の姿がよく見えるようになったおかげで、1つ目のピーク下から見た大山東壁もかなりかっこいいということに改め気がつきました。


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ここは標高が低いので、見上げる角度がきつく槍ヶ峰の三角形が強調されるようになり、槍ヶ岳といってもいいような山容に見えます。2つ目のピーク下からだと、角度が悪いのか1692mピークの存在感が強くなり、槍ヶ峰のとんがった感じは希薄になってしまいます。槍ヶ峰をピークにしたかっこよさげの大山東壁なら、こちらのほうがよさそうです。


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12:49 鳥越峠まで下ってきました。お腹も減ったのでお昼にしたいところですが、けっこう風が強くてゆっくりするにはちょっとつらい状況です。なので、風があまりあたらないところまで一気に下ってしまうことにしました。


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文殊越方面への分岐を過ぎたところで、お昼休憩をとりました。すでに13時を回っていますが、いつもの行動食ではなくカップラーメンを食べることにしました。山でカップめんを食べるのは久しぶりです。山専ボトルのお湯は入れてからすでに10時間になるので、ラーメンにはどうかなと思いましたが、細めんのとんこつラーメンで、待ち時間が2分のタイプだったことが幸いしたようです。少しぬるい気もしましたが、麺はちゃんと柔らかくなっていました。それにしても、雪山で食べるカップラーメンは最高です。


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食事を終えてからは休憩なしで一気に下り、14時17分に駐車場へ戻りました。

おわり。

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| 2014年3月 烏ヶ山北西尾根 | 13:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大山東壁のビューポイント: 烏ヶ山北西尾根その1

2014年3月16日 鳥取県江府町 烏ヶ山北西尾根(仮称) 単独日帰り


先週に引き続き、今週も奥大山スキー場をベースにした山行となりました。先週は大山南壁の撮影ポイントを探しに文殊越から槍尾根鉄柱まで尾根を登ってみたわけですが、今週は大山東壁の撮影ポイントを探して、鳥越峠から烏ヶ山北西尾根をたどってみました。


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天気予報では晴れとなっていたので、先週よりも少し気合を入れて午前4時過ぎに出発し、奥大山スキー場に6時30分ごろ到着。さくっと準備を整えて、6時50分にスタートです。


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先週、ゲートをふさいでいた雪壁はきれいさっぱり取り除かれていて、ゲートの向こうに大きな除雪車が2台停まっていました。


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ゲートをくぐり、除雪車の先まで出てみると、たっぷりと積もっていた雪は除雪されてアスファルトが顔を出しています。どこまで除雪されているのかわかりませんが、これはかなり楽チンなアプローチになりそうです。と期待していたのですが、雪解け水がアスファルトを覆った状態で凍結している箇所が多数あり、思ったほど楽チンなアプローチとは行きませんでした。


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先週、小谷のほうへトレースが分岐していた箇所まで来たのですが、雪壁が高くて道路から出ることができません。おとなしく健康の森入口まで行けばおそらく登り口ぐらいはつけられていると思いますが、上へ行けば行くほど雪壁が高くなるわけで、2年ぐらい前に完全に2m以上はあるような壁をよじ登るはめになったことが思い出されます。ここならまだそれほどの高さではないので、少し削って取り付きやすくしてやれば簡単に登れそうです。


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幸い、気温が高く雪は柔らかい状態だったので、ストックの先で雪壁を削り取って取り付き箇所を作りました。削り取った雪が下にたまって足場になったので、それほど苦労せずにさくっと雪壁の上に上ることができました。


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雪面は柔らかく、つぼ足で歩くのは大変そうです。なので、ワカンを装着しました。


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おなじみのエキスパートジャパンのワカンですが、実は購入してからすでに1年以上が経過しているのに、いまだに使ったことがありません。最初、どうやって装着すればいいのか悩みましたが、まあこんなもんだろうということで紐を通してみたらちゃんと固定されたようなので、このまま行くことにしました。ただ、最初に装着したときに腰を下ろした状態で装着したため、若干靴とワカンが斜めになった状態で固定されてしまいました。ワカン装着時は、片膝をついたような状態で、ワカンをしっかりと踏んでおかないと装着が斜めにずれたりするので注意が必要みたいです。


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小谷の森の中はスキーの跡が残っているだけで、先週しっかりとついていたトレースはありませんでした。それなりに雪が降ったようです。ワカンを装着していても10cmぐらいはもぐるので、そこそこ歩きにくい感じです。こういうフラットな場所はスノーシューのほうがよかったなあと感じますが、斜度が増してくるとワカンのほうがいいので、どちらを重視するかです。


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標高1000mあたりでようやく健康の森入口からのトレースと合流することができました。スキーの跡よりも人が歩いたあとのほうがやっぱり歩きやすいです。


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左手に文殊越方面へのトレースを分ける地点を通過し、今回はそのまま鳥越峠に向けて直進します。出発してから2時間近くなりますが、それほど疲れていないので、水分補給だけして先へ進みます。


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樹林が少しまばらになって、右手に烏ヶ山が見えてきました。


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文殊越方面への分岐から上に来ると、ブナ林の様子が変わってきます。分岐から下は一度伐採されてから再生した二次林らしいので、比較的径の小さい若いブナが密に茂っていますが、このあたりはおそらく一度も人の手が入っていない状態なのでしょう。大きなブナがまばらに生えています。立ち枯れや折れた木も多く、古い森の雰囲気で、大山周辺の森の中でもお気に入りの場所のひとつです。


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標高が上がり、木々もまばらになってきたためか、次第に風が強くなってきました。登山天気では、今日は標高1400mあたりで風速12m毎秒ぐらいという予報だったので、風が強いのはわかっていました。しかし、晴れ予報だったわりに空にはどんよりとした黒い雲が広がっていて、どうも予報ははずれそうです。


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鳥越峠下の急斜面をトラバースしながら登っていきます。幸いトレースも鳥越峠を目指しているので、ラッセルにならずにすみました。


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9:37 鳥越峠です。雪に埋もれているので夏山のイメージはまったく残っていません。けっこう風が強く、ブレスサーモMWとソフトシェルだけでは寒さを感じます。烏ヶ山方面に50mほど進むと雪庇の陰になって風が当たらない場所があったので、休憩をかねてハードシェルを着込みます。


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休憩地点から先は、それなりに雪庇のできた急傾斜の稜線ですが、先行のトレースもあるし、それほど危険な感じはありませんし、雪もそれなりに締まっているようです。


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9:45 休憩を終えて出発です。ここから烏ヶ山北西尾根をたどって烏ヶ山方面へと向かうわけですが、途中、烏ヶ山までに3つのピークを越えなければなりません。


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先に見えているのは、標高約1330mの最初のピークです。


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鳥越峠下から見たときにはけっこうな高さに感じましたが、こうして取り付き地点までくると思っていたよりも楽そうです。


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登り始めてからふと振り返ると、鳥越峠からは全然見えなかった大山が良く見えるようになっていましたが、手前のキリン峠がまだ少し邪魔な感じです。


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さらにひと登りすると、ちょうど木々の間から大山が良く見える場所がありました。なかなかの展望スポットです。雲間からの光が、キリン峠の雪面を白く照らし出していますが、背後の大山は暗く沈んでいて、山頂付近はガスに隠れています。今日は晴れ予報だったので、山頂からの朝焼け狙いも考えていたのですが、登っていたら無駄足になっていたところでした。


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10:08 1つ目のピークまで上がってきました。ここからだと烏ヶ山が良く見えますが、山頂部分は3つ目のピークに隠されていてほとんど見えません。


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正面に二つ目のピークが見えています。2つ目のピークからはほとんど高低差のない尾根が右へ伸びていて、一段高くなっている右端の3つ目のピークへと続いています。


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烏ヶ山のピークは、3つ目のピークのすぐ横に、わずかに頭の先を覗かせています。山頂にあるとんがった岩がここからでも確認できます。


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風も強いし、天気も良くないし、大山も良く見えないし、今日はここで帰ろうかなどと弱気な気持ちがむくむくとわきあがってくるも、どうせロケハン目的できたのだから、ここで帰るのはもったいないと思い返して、とりあえず2つ目のピークを目指して行くことにしました。3つ目のピークから見える風景は、おそらく烏ヶ山山頂から見えるものとほぼ同じはずなので、無理に行く必要はありません。2つ目のピークから見る大山東壁が確認できれば、ロケハン的には十分目的を果たせます。


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1つ目のピークと2つ目のピークの間の鞍部まで下ってくると、地獄谷側に雪庇が発達していました。どうやら小谷から吹き上げてくる風が強いようです。


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ところが先に進んでいくと、今度は小谷側に雪庇が発達しています。場所によって風の向きがまったく逆になるようで、なんだか不思議な状況です。地形の影響なのでしょうか。


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この場所からは、東大山の様子が良く見えました。わずかに青空も覗いています。槍ヶ峰に薄日が差し、象ヶ鼻と振子山の間の鞍部から三鈷峰の白い頭がちょこんと覗いています。


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雲の流れが速く、それに合わせて雲間から差し込む光が大山東壁をなめるように移動していく様子も良く見えました。

つづく。


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| 2014年3月 烏ヶ山北西尾根 | 18:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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