ヤマふぉと

山の自然や風景をゆったりと眺め、写真を撮るために山に登る。だから、登頂や縦走を目的とせず、好きな山域でテントを張ったり小屋に連泊して、カメラ片手にのんびりと過ごす。そんなスローな山登りを楽しんでます。

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名もなき尾根から槍ヶ峰へ: 伯耆大山その2 

2014年3月9日 鳥取県大山町 伯耆大山文殊尾根(仮称) 単独日帰り 



ハードシェルを着て寒さから逃れられ、休憩でエネルギーも補給して、再び尾根をたどって上へ上へと登っていきます。


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やがて、前方に小さなピークが見えてきました。左上のこんもりとした低木のすぐ左側にある小ピークです。この時点ではまだ大山南壁はほとんど見えていませんでした。正確に言うと、ここまでは尾根上に木々がたくさんあって視界があまり効かないので、大山南壁を認識していなかったということだったのかもしれません。とにかく、歩いているときに、南壁が見えると意識したことがなかったわけです。


目前の小ピークまで行けば、おそらく南壁が目の前に見えるはずです。柔らかい斜面を一歩一歩登っていくと、小ピーク手前の斜面はカリカリのアイスバーンになっていました。ここでもまた、スノーシューの前爪だけを使って爪先立ちの状態で登って行きました。


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12:20 ようやく小ピークの上に立つと、目の前に大山南壁が立ちふさがっているのが見えました。しかし、思っていた程の迫力がありません。間にもうひとつ尾根があって、視覚的に半分近く南壁がさえぎられているからでしょう。地図で見ると、三ノ沢の東側にある尾根のようです。あの尾根はここから一段上でこちらの尾根と合流しており、少し登れば労せずしてあちらの尾根に渡ることができそうです。


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ここからでも望遠レンズを使えばそれなりに迫力のある写真は撮れそうですが、やはり肉眼で見たときに迫力がある風景のほうが、写真にしたときの迫力が違ってきます。なので、南壁の撮影ポイントとしては、あちらの尾根のほうが適しているようです。とはいえ、無雪期に登ってくるのはおそらく困難でしょうから、こちらの尾根にしろあちらの尾根にしろ、積雪期だけのポイントであることにかわりはありません。


さて、これで撮影ポイントのロケハンという一つの目的は達成できました。ここから先は、次の目的を達成する番です。それは、この尾根を登って槍ヶ峰まで行けるかどうかを確認すること。何の目的かというと、積雪期に槍ヶ峰方面に登るルートとして使えるかどうかを知るためです。槍ヶ峰へのルートとしては、無雪期は三ノ沢からのルートが一般的ですが、上のほうはかなりの傾斜があり木々もまばらであるため、積雪期は雪崩の危険性が高くあまり使いたくありません。他のルートとしては、無雪期は逆に危険性が高い槍尾根がありますが、積雪期のほうが登りやすいとはいえ、あの難所も急傾斜のナイフリッジでしょうからそれなりにリスクはあります。もしもこの尾根がそれほど高いリスクを負うことなく使えるのであれば、槍尾根よりも楽に槍ヶ峰を目指せるルートとして使えるかもしれません。


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小ピークから尾根を眺めると、特別にやばそうな箇所は見当たりません。一番上のブッシュが密集しているところがピークのように見えますが、あそこから少し上に鉄柱が立っている場所があるはずです。そこがキリン峠からの槍尾根ルートの合流地点です。あのブッシュの先がどうなっているのかがわかりませんが、鉄柱から続く尾根の末端であるなら、ブッシュの上は鉄柱まで尾根が続いているだけのはず。そうであれば、ブッシュを回り込んでかわすのがどうかというのが少し気になるぐらいで、あとは滑落さえ気をつければそれほど問題はなさそうです。ただ、西風をまともに受ける尾根の西側はみるからにアイスバーンになっていそうな様子だし、逆に東側は吹き溜まりになっていて登るのは大変そうです。尾根の上は地面が少し見えているぐらいですから、岩の上に薄く雪が凍りついているような状況なのでしょう。基本的に尾根の西側を行く方向で、とりあえず尾根に取り付いてから状況判断することにしました。


風のきつい小ピークからいったん東側に下りて、スノーシューをクランポンに履き替えました。ストックもアックスに換えます。今日はゲイターも装着しているし、ハードシェルも着ています。久々に厳冬期登山のフル装備のいでたちですが、グローブだけはBDソロイストではなくシェル+ウール厚手+ウールインナーの3レイヤーのグローブでした。


この3レイヤーのグローブですが、昨年ミドルレイヤーであるシェトランドウールグローブのへたりで断熱性能が劣化したようだとして使用頻度が落ちていましたが、今シーズンになってまた使うようになりました。というのも、どうらやウールのへたりが主原因ではなく、むしろ体調の問題のほうが大きいように思えてきたからです。体調がよければ、-10度でも十分使えるだけの性能はいまでもあるらしく、シェトランドウールグローブにとんだ濡れ衣を着せてしまっていたようです。事実、先週の伯耆大山撮影山行でも-7度でまったく問題ありませんでした。逆に体調が良くなければ、BDソロイストでも指先に冷たさを感じます。


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12:34 準備も整った頃、少し雪が舞い始めました。午前中には青空も見え隠れしていた空は、いつの間にか暗雲が覆っています。この後どの程度天候が崩れるのかわかりませんが、天気予報では曇りのち雪となっていたはずです。ひどくなるようなら途中で撤退することにして出発しました。


小ピークから直接尾根に下りるにはやや傾斜が急だったので、準備をしていた場所からピーク下の斜面をトラバースして尾根に取り付きました。


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尾根に取り付いてみると、案の定雪と氷と岩のミックス状態です。尾根の東側(右側)は思ったよりも落ち込んでいて、雪もそれなりに深く、直登すると体力が削れらそうだし、西側に移る必要が生じたときは大変そうなので、やはり尾根の西側(左側)を登ることにしました。


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尾根の西側は良く締まったフラットな雪の斜面です。アックスもクランポンもよく食い込んでくれて、ミスさえしなければ滑落の心配はなさそうですが、時々最中雪になっていたり、クランポンの爪しか入らないぐらいの硬い氷になったところがあったりして、気を抜くことはできません。


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振り返ると、急傾斜の雪面がはるか下まで落ちているのが見えます。ここで滑落したらどこまで行くやら。しかし、途中に立ち木や岩が出ていないので、制動さえうまくいけば無傷で生還できそうにも思えます。とはいえ、落ちなければいいわけですから、落ちないことを考えて登るだけです。


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12:58 尾根下から見上げたときに一番上に見えていたブッシュの下までたどり着きました。黒々としたブッシュだと思っていたのは、雪がついていない崖でした。大山特有の細かい石が積み重なったような崖なので、手がかりになるような場所もなく、傾斜もきつすぎてとても直登することはできそうにありません。そこで、左側から崖を巻いて上に出ることにしました。幸い、何も困難なところはなく、簡単にかわすことができました。


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崖を回りこんで再び急傾斜の雪原に出たところで、エビの尻尾がたっぷりと張り付いた低木が出迎えてくれました。さすがにここまで来るとまだまだ厳冬期の山が残っています。


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再び雪と氷のミックスバーンを登りつめていくと、前方に見慣れた鋭鋒が見えてきました。槍ヶ峰です。その手前の雪の斜面に3人のクライマーの姿が見えました。荷物を下ろしているところをみると、この吹雪のような状況の中で休憩でもしているのでしょうか。もしかしたら、槍尾根を下ってきて、ロープなどの装備をしまっていたのかもしれません。写真で見ると槍ヶ峰のすぐ下にいるように見えますが、彼らの位置は三ノ沢へ下るルートの分岐あたりなので、背後の槍尾根はもっと後の離れたところにあります。(帰宅後、大山で3名が遭難というニュースを見てもしやこのときの3名かと思いましたが、違っていたようです)


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13:10 槍尾根の鉄柱が見えました。この少し前にGPSで位置を確認しようとしたところ、電池が切れてしまいました。小ピークにいたときにバッテリーLOWの警告がでたので、長くはもたないだろうとわかっていましたが、あと少しで鉄柱というところで切れなくてもいいのに・・・ 先週使ってから電池はそのままでしたが、カタログでは20時間は持つとのことだったので、日帰りぐらいなら十分もつだろうと思っていたのですが、失敗でした。ニッケル水素電池といえども、少し古い1000mAhのタイプだったのがまずかったようです。やはりこの手のものにはエネループを使うべきですね。


ここで一息。ポチッと押して休憩したら続きをどうぞ。



この頃になるとあたりはすっかり荒れ模様で、横殴りに吹き付けてくる雪と風が完全に吹雪と化していました。視界も悪く、20mもあるかどうかというところです。


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あわよくばキリン峠へと槍尾根を下り、鳥越峠経由で下山することを考えていたので、キリン峠のほうを覗き込んでみましたが、真っ白でほとんど何もわからない状態です。さすがにこの状態でここを下るのは危険と判断し、おとなしく登ってきた尾根を戻ることにしました。また、槍ヶ峰まで行くこともこの時点で却下です。どのみち、これ以上進むには装備不足です。


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鉄柱のそばで少し休憩していると、視界がふっと回復して、麓のほうまで見えてきました。もともとアイスバーン状態で、あまり足跡がしっかりと残っていなかったのですが、ここから見るとまったくの新雪のようです。吹雪であっという間に消えたのか、単に見えていないだけなのか。尾根を下るだけなのでトレースはなくても困ることはありませんが、自分のトレースが見えないというのは精神的にプレッシャーを感じます。休憩もそこそこに切り上げて、横殴りに吹き付けてくる雪つぶての中を、トレースを探しながら下り始めました。


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幅の広い谷状の地形を下って行くと、すぐに吹雪はおさまってきました。視界も回復してきました。それにしても、このままこの広い雪原のような谷を下っていいのだろうかとふと疑問が湧いてきました。登ってきたときは尾根に沿って登ってきたので、こんなだだっ広いところを登ってきたわけではありません。これは明らかにおかしいということで、左手方向にトラバースしていくと、かすかにトレースが残っていました。やばいやばい。このまま下ってしまうと三ノ沢へ出てしまうところでした。


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13:40 尾根下の小ピーク手前まで下ってきました。ここから眼下に見える小谷までシリセードで一気に下ってしまおうかという誘惑に駆られます。しかし、日差しがなく斜面の様子がさっぱりわかりません。すぐ手前のところから急激に落ち込んでいるようなので、シリセードで下りるにしても少し左手にトラバースして斜面の真ん中あたりまで行かないと転落してしまう可能性がありそうです。それに小谷まではあっというまに下れたとしても、尾根よりも谷筋のほうが雪がたまっているはずなので、ラッセルする距離がかえって長くなりそうな気もします。わざわざ雪深い谷筋に下りるのは賢い選択とは言いがたいということで、やっぱり登ってきた文殊尾根(仮称)を素直に下ることにしました。


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スノーシューに履き替えようかとちらっと思いましたが、トレースもあるし下りだし、クランポンのままで下ります。


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そういえば、まだお昼を食べていません。そろそろお腹も減ってきたし、疲れも出始めました。登ってくるときにハードシェルジャケットを着た場所で再び荷物を下ろして、遅いランチを食べました。


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といっても、一本満足バーと生姜湯だけの簡単なものです。これまでいくつか行動食を試しましたが、一本満足バーが一番気に入ってます。しっとりとした食感ながら冷えても硬くならず、真冬でも食べやすい上に、口の中であまりぱさつかないので食べやすいのです。その上、どの味も大変美味で、カロリーもあるのに安価というのがとても魅力的です。写真のチョコバナナケーキとベイクドチーズケーキが特に好きです。


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14:35 さくさく下って鳥越峠方面へのトレースとの合流点まで戻ってきました。ちょうどこのあたりで背後からBCスキー&スノボの一群が滑り降りてきて、歩いている僕の前や後をすり抜けていきました。なんだか暴走族に囲まれたみたいであまりいい気持ちはしませんでしたが、中でも一人のスノーボーダーが、目の前2mもないような距離を僕の右後方からいきなり横切っていったので、けっこう驚かされました。同じ山を楽しむ者として、もう少し他者に配慮することはできないのでしょうか。すべてのBCボーダーがそうだとは言いませんが、最低限の常識はわきまえてもらいたいものです。



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15:13 道路に合流したところで、カーブミラーを使って自分撮りをしてみました。目線で構えると頭が切れてしまうので、右手にカメラを持って下から撮ったらなんとなく妙な雰囲気の写真になりました。


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15:26 やっと駐車場に戻ってきました。下山中はずっと雪が降っていましたが、駐車場に着いたころから本格的に降り始め、アスファルトも次第に白く染まっていきました。

おわり。

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| 2014年3月 大山文殊尾根 | 11:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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名もなき尾根から槍ヶ峰へ: 伯耆大山その1

2014年3月9日 鳥取県大山町 伯耆大山文殊尾根(仮称) 単独日帰り



夏山登山道を使った積雪期の伯耆大山登山はすでに何度も実行済みですが、そろそろバリエーションルートに挑戦してみてもいいかなと思っていました。9日はあまり天気は良くないようなので、撮影山行には不向きでした。大山南壁の撮影ポイントとして、鍵掛峠よりももっと南壁に近いところから撮れそうな場所として、文殊越から槍ヶ峰へと続く尾根の途中あたりが気になっていたので、ロケハンをかねて行ってみることにしました。この尾根、ちょうど大山南壁と東壁を分ける尾根であり、当然名称ぐらいあるのかと思って大山遭難防止協会が出している大山南壁概念図や東壁概念図を見たのですが、当該尾根には何も記載されていません。なので、便宜上「文殊尾根」と仮称することにします。


夜明の撮影を考えなくていいので、朝は比較的ゆっくり起きて、午前5時30分に出発。蒜山の雪の様子を確認したかったので、落合まで高速を使って、そこからは湯原を経由して下道でのんびり。蒜山はまだそれほど地面が出ている様子もなく、まだ雪山として縦走が楽しめそうな雰囲気でした。来週あたり蒜山三座縦走を狙ってみようかなどと考えながら奥大山スキー場を目指します。道路に設置されていた電光温度計が-6度を表示していて、かなり寒い1日になりそうな予感です。


奥大山スキー場についたのは午前8時ごろ。それほど混雑してなかったので、一番奥の駐車場にスムースに停めることができました。スキー場を利用するわけではないのに、ちゃっかり駐車場を使わせてもらってどうもすいません。


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8:26 出発です。パークウェイの入口は除雪された雪がうずたかく積まれていて、まるで立ち入りを拒んでいるかのようです。脇をよじ登って雪壁の裏側に回りこむと、20名ぐらいのBCスキー&スノボのツアーらしき一群が道いっぱいにひろがって準備していました。その中を縫うようにして通り抜けて行きます。うかうかしているとこの群集に巻き込まれかねないので、追いつかれないように足早に先を急ぎます。


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道路上にはたっぷりと雪が積もっていて、トレースもばっちり。トレースは比較的よく締まっていて、多少沈むことはあれどスノーシューなどまったく必要ないぐらいで歩きやすい状態でした。


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トレースは途中から道路を外れて、まっすぐ小谷の森の中を上がっていきます。わざわざ健康の森を経由する必要はないので、合理的なトレースです。


途中、暑くなってきたので、ソフトシェルジャケットの下に着ていたフリースのベストを脱いだり、早めにスノーシューを装着したりしていると、集団が近づいてきたので、あわてて出発しました。


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9:43 鳥越峠方面と文殊越え方面との分岐地点に来ました。夏道はどちらにしても文殊越えを経由しますが、積雪期は鳥越峠方面に進む場合は小谷を直進して行きます。トレースも直進方向はしっかりと踏まれていますが、文殊越え方面へはスキーの跡が1本あるだけです。今日の目的は文殊越から槍ヶ峰へと突き上げる文殊尾根を直登ですから、ここを左へ進みます。


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登山者のトレースがなくなったおかげで、分岐から先は軽いラッセル状態になりました。あらかじめスノーシューを装着していたので、たいして深くはもぐりませんが、やはり歩きにくくそれなりに疲れます。


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10:03 そろそろ文殊越の分岐あたりだろうとGPSで確認してみたら、まさに分岐地点にさしかかるところでした。


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左手の尾根が低くなって、わずかな鞍部のあるところが文殊越えです。スキーの跡はまっすぐ上へと続いていますが、左手の文殊越方面はまったくの新雪です。ここから先は、どれほどのラッセルになるのか、行ってみないとわかりません。


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文殊越えへと足を踏み出してみると、脛ぐらいまでのラッセルとなりました。スノーシューをつけていて脛までもぐるのであれば、つぼ足だと膝上までもぐっていたことでしょう。


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文殊越え手前の斜面にさしかかると、傾斜が増したこともあって膝上まで隠れる状態になってきました。こうなると普通に歩くことができなくなるので、膝で雪を押しつぶしてから、そこへ足を蹴りこんでステップを作り、よっこらしょっと体を持ち上げるという歩き方になり、疲れも倍増です。


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ようやく文殊越にたどり着き振り返ると、烏ヶ山が見えましたが、山頂部分はガスの中でした。


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文殊越から右手方向、北西に向けて続く尾根をたどります。出だしは比較的傾斜の緩やかな広い尾根で、木々もまばらなのでほぼまっすぐ登っていくことができました。


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背後には、自分のトレースだけが続いています。


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途中大きな動物の足跡を見つけました。子供の手ぐらいの大きさがあり、かなりしっかりとした指のあとが残っています。もしかしてツキノワグマ? ツキノワグマの足跡は5本指らしいので違うかなあという感じですが、さりとてこんなに指がはっきりと見える動物って他に何がいるだろうか・・・とどうもすっきりしないまま、その場を離れました。


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尾根の傾斜が増し、雪も少し深くなってきたところで空腹感に襲われてちょっとばててきたので、小休止をとりました。その頃になると、空にはときおり青空が見えるようになってきて、日差しも降り注ぐようになってきました。このまま天気予報が外れて晴れてくれればいいのにと思いながら、休憩を終えて出発します。


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途中、キリン峠の上に集団が立っているのが見えました。おそらく途中まで後から来ていた集団でしょう。キリン峠の標高は1405m。こちらはまだ1200mを越えたばかりです。やはり踏み跡のしっかりしたトレースをたどれば早いですねえ。


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キリン峠から右へと視線を移動させると、烏ヶ山がきれいに見えていました。さっきまで山頂部はガスの中だったのに、いまではすっかりガスが消えています。


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標高1250mぐらいから尾根が狭くなり、少し雪庇ができたりしていましたが、特に危険な場所もなく、快適に進んでいくことができました。


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ただし、1箇所だけ、傾斜が急で凍結していた場所があり、爪のついていないワカンやスノーシューでは登れないかもという場所がありました。今回は、つま先と踵に爪のついているエキスパートジャパンのワカン型スノーシューを使っていたので、前爪を使ってそのまま登ることができました。ここより下でも凍結箇所がときどきあったので、爪のないワカンはこういうルートには向いていないのかもしれません。


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11:27 前方に大山東壁が見えました。このアングルで見る大山は初めてです。ピラミダルな三角錐の姿は、シャープでいい感じです。このあたりから西風が強くなり始め、ソフトシェルだけでは寒さがつらくなってきました。ちょうど尾根の東側に若干低くて幅がある場所があり、座ると風があまり当たらなかったので、休憩してハードシェルを着ることにしました。


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チョコレートを熱い生姜湯で流し込み、ハードシェルを着こんでいざ出発です。いつも思うことですが、ゴアテックスプロシェルのハードシェルは、それ自体は断熱性がとくにあるわけでもないのに、着た瞬間に暖かいと感じます。完全な防風性能が極寒の山岳地でいかに重要であるかを実感する瞬間です。どんなに風が冷たくても、このジャケットを着ると大げさかもしれませんが生きて帰れるなと思います。最近は通気性のある新素材のハードシェルも出ていますが、厳冬期の雪山で極限状況に陥る可能性を考えると、やはり通気性のない完全な防風性能をもったハードシェルのほうがシェル内部の熱を逃がしにくく、保温性能にも優れるのではないだろうかと思うわけです。ま、僕は通常はソフトシェルを着用し、ハードシェルはかなり条件が厳しいときにしか着用しないのでそういう考え方ですが、ウェアリングによって求めるものは違うでしょうから、考え方は人それぞれです。

つづく。



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| 2014年3月 大山文殊尾根 | 18:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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